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同志少女よ、敵を撃て



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【この小説が収録されている参考書籍】
同志少女よ、敵を撃て
同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)

同志少女よ、敵を撃ての評価: 4.08/5点 レビュー 575件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全575件 521~540 27/29ページ
No.55:
(5pt)

本屋大賞有力

ラジオで書評を聴いて衝動買い、大正解でした。女性スナイパーなんてフィクションかと思いきや、当時のロシアには実在したのですね。主人公の心理描写とストーリー展開が素晴らしく、一気に引き込まれました。最終戦の展開は圧巻。本屋大賞有力なのでは。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.54:
(4pt)

素晴らしい。ひとつだけ難を言えば

星一つのレビューをざっと読んだが、すべていちゃもんレベルなので無視してよい。噂通り圧倒的な筆力で一気に読ませる。登場人物のキャラ設定や死に時、死に方が見事である。凡百な作家なら主人公は敵方(特に彼)へもっと感情移入しただろうが、最後までドライなのも素晴らしい。既に活躍中の作家でも、この水準の冒険小説を書ける人が日本に何人いるだろうか?

以下、ややネタバレ。

この手の小説にお決まりとなっているプロローグ、これは不要ではないか?芝居のカーテンコールみたいで興醒めだし、たいした情報も入っていない。戦時中の場面で終わっていたら文句なしの星5つだったが、問題提起のため1つ減らさせていただく。それにしても見事な作品でした。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
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No.53:
(3pt)

あくまで娯楽作品です

面白いことは面白いです。ただ独ソ戦という重いバックグラウンドの割には話は軽いっていうかラノベ的っていうか。あくまで日本人が書いた娯楽作品です。あんまり深みを期待するものではないと思います。
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4152100648
No.52:
(2pt)

最後は「ランボー、怒りのロシア」になってしまう(泣)それにソ連は一方的被害者じゃない

か弱い少女でも狙撃の特殊技能でドイツ兵をバッタバッタと倒しまくる話かと思いきや、ま、途中までそうなんだけど、最後の最後で、ランボーみたいな超人的大暴れの話になって、呆れた。途中まで面白かったので落胆が大きい。にしても、短時間に赤いインク(発煙用?)でノート二冊作って、○○まで貼りつけておいて、捕虜になって仇に会うのを予想してたってことか?(おまけに左手に拷問を受けるのまで)そんな筋書き、いくら何でも通用せんぞ。ガキの戯言か。ああいう展開のせいで、それまで積み重ねた、この小説の良さが、吹っ飛んだ気がした。周りの人も読者も、この新人を甘やかしたらいかんぞ。

追記:ドイツが平和なソ連に侵攻して家族を殺したから反撃に立ち上がったという話だが、ソ連は1939年の独ソ不可侵条約締結後に、隣接するポーランドやフィンランドに侵攻し、多数の国民を殺しているんだぞ。ウクライナの件もあるから、あえて書くが、ソ連の罪の自覚なき、能天気な同志少女を描いてんじゃねえよ!
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No.51:
(5pt)

久々に胸アツな楽しい本に出会えた!

まず、言えるのは読むか読まないか迷ったら読むべしです!
独ソ戦と言う第二次世界大戦でも、最も犠牲者が出た戦いを舞台に主人公の少女が復讐だけを目的に優秀な狙撃兵になる。特に後半パートの盛り上がりはクライマックスがなんたるかを分かった作り方。
新人とは思えない修悦さ。だけど大まかなストーリーの流れは受賞作としてのセオリーを抑えてますね。
それにしてもアガサ・クリスティ賞ってカバーする範囲が、意外と広いんだなと。
昔、クリスティの本を読みまくった私は何となく思いました。
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No.50:
(3pt)

デビュー作なの?驚いてみた

いやはやなんともよくも投稿作でこの舞台を選んだもんだ

なるほどおぞましい論理には超えられない性差ってのがある事に納得してしまった。「〇人狙撃」と「暴行〇人」を同列に並べて語るミハイルの感覚はどうにも分からん。狙撃は戦果だが暴行は戦果にゃ入らんだろう
論理は理解できないが、そういう感覚の存在は当り前に知ってる
女だけの独立隊にした理由がよく分かる

巻末選評で「アガサ・クリスティー章」なるものがあったのを初めて知った…
ん~…でも、これを「シスター・フッド」と表現して欲しくないなあ。カタカナにすると途端に印象が軽くなる。気がするのは自分だけか?

面白く読みました
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No.49:
(5pt)

圧巻の大作

テーマは重く長い作品ながら少女が主人公であることが軽やかさにつながるのかスラスラと読ませる。もちろんそれだけの文章力と構成力があり、文学作品を思わせるようなところもある。長いのが少し気になるところもありつつ、終わって欲しくない思いもありつつ楽しませてもらいました。
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No.48:
(4pt)

リアル

まだあまり読んでいませんが
リアル感があります。
描写が迫力あります。
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No.47:
(5pt)

一気に読みました

展開が早くどんどん先を読みたくなります。主人公とともに戦争の悲惨さ、凄惨さも疑似体験していくことになりますが、重く感じる前にテンポよく引っ張られていました。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
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No.46:
(5pt)

一狙撃兵の視点から、戦争のリアルを知れる。

本書は、ドイツ軍・ソ連軍合わせておよそ3000万人という戦争史上最大の死者を出した「独ソ戦」を舞台に、セラフィマという一人の女性狙撃兵の視点で描かれた戦争史である。

セラフィマとその周りを取り巻く多くの登場人物は架空の人物であり、撃つか撃たれるか、殺すか殺されるかなどといった戦争におけるミクロな戦闘描写は、主にこれら架空の人物同士によって描かれる。

一方でヒトラーやスターリン、確認戦果309名を射殺したソ連最高の女性スナイパー「リュドミュラ・パヴリチェンコ」など、実在した人物も登場する。

またドイツの急襲による戦争の開幕から、苛烈を極めたスターリングラード攻防戦、クルスカの戦い、ケーニヒスベルグの戦いなど独ソ戦におけるマクロ的な流れは史実に則っており、フィクションとノンフィクションを巧みに交えて描かれた長編小説だ。

この作品の魅力を一言でいうと
「一兵士の視点で戦争のリアルを知れること」だと思う。

ソ連の平和な村で育った主人公・セラフィマは、突如村を襲ったドイツ軍によって唯一の家族である母や村の人々などすべてを失う。
そこに救援に来た赤軍(ソ連の陸軍)の女性教官長イリーナに拾われ、狙撃兵として育てられるところから物語は始まる。

読者はこのセラフィマの視点で数々の戦場を共に巡ることになるが、常に死と隣り合わせである戦場の緊迫感や、戦車の砲弾や戦闘機による一斉掃射、手榴弾などによっていともたやすく命が奪われていく無慈悲さなど、戦争の血生臭さをその場にいるかのように感じさせられる。

兵士一人ひとりの心情描写には「きっと自分が戦場に立ったらこんな気持ちになるんだろうな…」と思わせられるし、舞台となる戦場の情景描写は、読者の頭の中にリアルな戦場を浮かび上がらせる。

それほどに的確で生々しい文体、表現で描かれており、教科書的に知っていた「戦争の怖さや虚しさ」というものを、より深堀りして色付けしてくれるような作品だ。

反面、女性狙撃兵たちのシスターフッド(女性同士の絆)や、戦場で急きょ共同戦線を張ることになる男兵士たちとぎこちなくとも打ち解けていく様子など、緊迫した状況の中にもほろっとさせられる場面もあり、長編にも関わらず絶妙な緩急で最後まで飽きずに読ませてくれた。
(”緩”と”急”の割合的には1:9ぐらいだが…笑)

学生時代は社会科科目は並べて大嫌いだった自分だが、本小説を読み進める上でわからない戦争の名前や兵器の名前をひたすらググって調べたおかげで、独ソ戦や第二次世界大戦に興味を持てたし少し詳しくなれたのは良かったなと思う。

世界史好きならぜひ読んでほしいし、逆に自分のような歴史を避けてきた人間でも没頭して読める小説だと思う。

アガサ・クリスティー賞史上初の、選考委員全員が5点満点をつけたという本作品。
気になった方はぜひどうぞ。
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No.45:
(5pt)

戦争の悲惨さを描いた傑作

巻末の参考文献一覧を見て驚いた。物語に登場する、凄腕女性スナイパーのリュドミラ・パヴリチェンコが実在の人物だったとは。
 ヒロインのセラフィマは、侵攻してきたドイツ軍に故郷の人々を皆殺しにされた。そこには母親も含まれる。ドイツ軍を追い払った赤軍の女兵士・イリーナに「戦いたいか、死にたいか」と問われる。村を焼き払われると知ったセラフィマは、ドイツ軍とイリーナへの復讐のため、狙撃兵養成学校に入学する。
 厳しい養成学校の課程を終えてすぐに、セラフィマたちは戦場に送り込まれる。激戦地を転戦するうちに、戦友は一人また一人と死んでいく。それも無残な死に方で。圧巻はスターリングラード攻防戦だ。数滴に劣勢な部隊は、相手のスナイパーと駆け引きをしながら体勢の挽回を図る。そこで、母親と村人の敵である、ドイツ軍スナイパーと交戦するのだが……。
 ケーヒニスベルク包囲線を含め、真に悲惨な戦いとはどういうことかをリアルに描いている。また、戦後の期間兵士のPTSDについても具体的に述べている。いったん戦争が起きれば、このように悲劇的な事態を生ずる、というのは、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争を通じて、世界は知っているはずなのだが、未だに戦火が収まる気配が見えない。戦争の無意味さを問うという意味でも傑作と言えると思う。
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No.44:
(5pt)

今年の最高傑作!

読み始めたら圧倒的にに引き込まれた。読後感といい、今までのアガサクリスティー賞の中でも抜きん出ている作品!独ソ戦、当時のソ連の女子狙撃兵等の設定に日本人には馴染み難い点があるかもしれないが、岩波新書などで「独ソ戦」がベストセラーになる昨今なら特にとっつきにくいとは思わないし、他の類似する作品賞受賞作品など足元にも及ばないエンターテインメント性、ストーリー制どれをとっても素晴らしい。次回作を楽しみにしている。
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No.43:
(4pt)

読みやすく情景が目に浮かぶ表現力。戦争時代について知るための入門書的な位置づけ。

戦争ものが好きなため、読んでみました。
結論、とてもおもしろいです。物語としてスラスラ読めるし、表現も難しくないためおすすめです。

第2次世界大戦時のロシア
(ソ連)の状況などはよく知らなかったが、とても解像度が上がった。
特にスターリングラードでの戦争シーンは緊迫した状況がとてもおもしろい。

終わり方や要所要所の表現に少し幼さを感じたが、全体的に面白いです。
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No.42:
(5pt)

是非アニメ化してほしい作品

自分はソビエトロシアの歴史が大好きです。
本作品はソビエトを舞台にした少女達の冒険活劇です。
非常に楽しくのめりこんで読むことができました!個人的には大満足の作品です。

ただ、いわゆる日本のアニメ文化的な感性を全く受け入れられない方には不向きかなと思います。
そのような批判も見られますが、小説なんて言ってしまえば作者のエゴ、そうであるべきと思います。
歴史書ではないのですから。
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No.41:
(5pt)

面白かったです。

史上最大の市街戦と言われるスターリングラードの戦いに女性スナイパーが赴く。この設定がまず面白かったです。戦闘描写は緻密で、特に手練れの狙撃手同士の戦闘は体が少しでも敵に露見したらアウトと迫力満点でした。多くを失った人が更に命を奪われ、生き残っても特殊な環境下にいた事による後遺症に悩まされる戦争の無慈悲さも伝わってきました。登場人物の感情表現がちょっとラノベっぽいところもありますが、トータルで充分に面白いと思える作品でした。
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No.40:
(5pt)

独ソ戦に見る戦争というものの意味

大変面白く、500ページの長編を一気に読み通しました!
生きると云うこと、戦うということの意味を考えさせられました。
超お勧めです。
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No.39:
(4pt)

世界史の勉強のやる気が上がりました

高校の授業等で世界史を習っています。ですが戦時中の部分では確かに女性という存在は出てこなかったなあ、と。マタ・ハリなどの名前は耳にしましたが、それでもスパイ容疑の話でした。
なので実際に戦地に赴いて戦うのは男性だけ、というイメージが強かったので女性視点の戦場を捉えているこの本は新鮮な気持ちで読めました。
他の方のレビューでは史実と大幅に違うなどの指摘を拝見し、戦時中の歴史にとても興味が湧いたので、これをきっかけに世界史の勉強を頑張りたいと思います。
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No.38:
(1pt)

デイヴィッド・L. ロビンズの鼠たちの戦争のパクリ

パクリの小説が某文学賞の候補だとか。
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4152100648
No.37:
(3pt)

薄いテーマが物足りなさに拍車をかける

狙撃戦の描写は結構読ませるものがあったが、雑に死んでいく味方にいちいち没入感が薄れる。序盤の虐殺描写などは機龍警察を彷彿とさせるものがあるが、あちらにあった、一つ一つのシーンが明確な意味をもちながら進んでいく緻密なストーリーは期待すべくもない。主人公達の行動原理はひたすら場当たり的で時に幼稚ですらあり、こちらの予想を下回る動きばかりしてくるので少しイライラする。プロットの進行のために無理やりキャラクターが動かされているという感じ。キャラクターの年齢を考えるとある意味ではリアルなのだが戦争を前にしてそこまで子供でいられるか?というツッコミは出てくる。
戦争に翻弄される女性というテーマがあるのだが、それを表現する要素が性的暴行くらいしかないのがテーマの重さを薄れさせている。当然性的暴行は許されないが、それ以外に何が言いたいのかあまり伝わらず、クライマックスまでそこに終始する構成に残念感があった。
手に汗握る銃撃戦や戦争を通して孤児同然の少女達が自己の生きる道を見出すドラマなどを期待して買うと痛い目を見る。
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4152100648
No.36:
(3pt)

フェミニズムのお守り的使用法(?)

NHK「100分de名著」でノーベル賞作家アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(岩波現代文庫)の解説を務めた東京外国語大学・沼野恭子教授の書評(推薦文)をたまたま目にする機会があり、興味をひかれた。

著者の筆力については、すでにプロの評価(アガサ・クリスティー賞を審査員満場一致で受賞!)や売り上げ(出版後即重版!)という形で客観的に結果が出ているので、こちらからとやかく言うこともない。参考文献表の提示や専門家からのチェックもしっかりなされているようだし、学術的な裏付けに対する誠実さの面でもエンタメ作品としては申し分ないものだろう。ただ内容面で、読み終えて少しひっかかる部分があったので、この割り切れぬ気持ちを書き記して他人の判断を仰ぎたくなった。本書をことさら強く批判しようという思いはあんまりない。読む価値はあると思う。

前置きになるが、独ソ戦をテーマにしたエンタメ作品はロシアでは毎年のように作られていて、たとえば近年に限っても『ヒトラーと戦った22日間』『T-34:レジェンド・オブ・ウォー』『1941:モスクワ攻防戦80年目の真実』『ナチスバスターズ』といった新作映画が、実は日本のそれなりに大きな映画館で上映されていたりもする。どうしてこういった作品群がロシアでじゃんじゃん撮られているかといえば、毎年5月9日の戦勝記念日に合わせるような形で、国からの支援も受けて振興される産業になっているからだ。

そうした映画はお金がかかっているだけあって、エンタメとしてだけ見ると正直かなり見ごたえがあって面白いものが多い。しかし当然のことながらそれらは「数多の犠牲を払ってファシストを倒し戦後の平和を作り上げたロシア」を誇示するプロパガンダとしての性格も色濃く持つものなので、『同志少女よ、敵を撃て』で取り上げられているような、戦時の性暴力・男女間の軍隊内での格差といったテーマは扱われない。男たちはもっぱら強く勇敢で、女子供を命を賭して守る存在である(別にそれが真っ赤な嘘だと言いきれもしないが、偏ってはいる)。こうした現状からすれば、現代日本の三十代の作者(性別は分からない)が『戦争は女の顔をしていない』を読んで感銘を受け、隠されてきた軍隊の中での女性差別というテーマを選び、独ソ戦を舞台に一本書こうと思い立ったことの有意義性というか批判的意味は小さくないとは思う。

ならば、評者が気になった点とはなにか。本書では三人称視点が取られ、語り手が主人公セラフィマを始めとする登場人物たちの心情を描写し、そこに独ソ戦の趨勢、大規模軍事作戦の概要、主人公たちが身に着ける狙撃技術等に関する解説を挟むという形でプロットが形作られている。そしてそこでは、たびたび用いられる自由間接話法(三人称の地の文のなかで、セラフィマを「彼女」ではなく「自分」と称したりするなどがその例)が、無垢な若者たちが否応なく戦争という「地獄」に直面し変わっていく様子を臨場感を持って描き出す。

……そう、臨場感をもって描き出しはするのだが、まずその話法のせいで、『戦争は女のしていない』とか松戸清裕『ソ連史』(ちくま新書)とか大木毅『独ソ戦』(岩波新書)とかを読んでその知識を持っているらしい語り手(独ソ戦当時は到底知りえない情報を山ほど知っている神のような存在)と登場人物の境目がときに曖昧になって、セラフィマが1930~40年代のロシアの賢い村娘の限界を飛び越え、現代の日本の大学でジェンダー論かなにかを学んだ学生のように見えてきてしまう。(かつて妹尾河童『少年H』が似たような批判をされていたように思うのだが)どうも未来人がいきなり独ソ戦に従軍して、愚かな男どもを裁断しているみたいな違和感を覚えてしまうのである。これは先日リドリー・スコット監督作品『最後の決闘裁判』で、14世紀フランスに生きる女性主人公を見たときにも感じたことなのだが、「過去の空気と因習とパラダイムに同じように取り巻かれ縛られているはずなのに、どうしてこの主人公だけこんなにも賢いのか」という疑問は湧く。

どうしてこういうことになるかを想像してみると、おそらく独ソ戦という悲惨な人類史的経験を日本の作家が扱うにあたって、それを単なるおもしろおかしいエンタメ作品として提出するわけにはいかないからだ。何らかの社会性を帯びたテーマ(本作であればフェミニズム)を盛り込み現代的に「アップデート」することが必然的に要求される。これはハリウッドの娯楽大作などでも同じことだろうし、取り立てて不当な振る舞いとは思わない。ただそうした思想的・社会的な打算みたいなものを想定したうえで主人公の少女兵たちが繰り広げるいささかアニメ/漫画じみたやり取りを眺めると、結局この作品におけるフェミニズムというものが、ミリタリーファンに満足してもらえるような血沸き肉躍る戦闘シーンを、あるいは可憐でけなげでしかし酷薄で狂気にとらわれた魅力的な少女兵たちの描写を可能にするための、ある種のエクスキューズとして利用されているに過ぎないのではないか? フェミニズムと書かれたお札を買ってきて店頭に掲げたので、あとは好きに商売させてもらお、という話なのか? という警戒心が評者の心中に惹起されることにはなった(べつに独ソ戦を題材に『ガールズ&パンツァー』をやりたいわけではないんですよね? 信じていいんですよね? という)。

もちろんこれは、著者の側からすると不当な非難、邪推でしかない可能性も大いにある。というかたぶんそう反論されるだろう。だが著者は、たとえば沖縄戦を舞台に似たようなストーリーを書こうとは思わなかったわけで、勝者の側からぞんぶんに戦争を描きたいという(最初に紹介したロシアの映画ならば隠しもしない)欲求を糊塗する「お守り」としてのフェミニズムなら、それは危うい。

リベラルか保守かというのは表面的な差異に過ぎず、結局『同志少女―』(マッチョな男どもを正義のソ連少女兵が討つ!)と『ナチスバスターズ』(マッチョな美男子ドイツ将校を正義のパルチザンが討つ!)がやりたいことは、根っこの部分では同じなのではないか?という疑念。もちろんこうした厳しい目は読者の側にも(つまり評者にも)投げかけられるべきだろう。本作におけるフェミニズム的テーマは、ソ連ではなくナチス・ドイツの側に確実にいた大日本帝国の後裔たる我々が、戦勝国の目線に立ったエンターテインメントを楽しむことにつきまとううしろめたさを優しく包んでくれている、のか?

長々と書き連ねてきた。ノーベル賞作家と、本作が第1作目の新人作家を比べるのはあまりに酷というものだけど、やはり『戦争は女の顔をしていない』の多声的な証言が生み出す重みを、本作の「百合」的展開・ミリオタ的描写がスポイルしているという部分はあるんじゃないかなあ……。書いてて思ったけど、ちょっと著者に対して意地悪すぎるだろうか?そこまで求めんなよって?うーん、皆さんどう思われます?
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648

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