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北緯43度のコールドケース
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北緯43度のコールドケースの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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読み始めた当初は、博士号を持つ女性刑事・警察官という主人公の設定が嘘っぽいのが気になったのですが、読み進めるうちに事件やそれに関する様々な展開や人間模様に引き込まれていきました。推理小説として多少の無理矢理感や、人権派女性弁護士の立ち位置もあやふやですが、それでも余りある面白さでした。 | ||||
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とにかく面白かった。 主人公の刑事の過去のつらい恋愛、師と呼べる部下との出会い、父親との確執、といろいろ人物環境像が肉付けされていて、イメージしやすかった。 本筋の推理は途中から想定はつくものの、回り回っての地場固めや、最後の落としは見事でした。 | ||||
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表紙の絵柄が何となくアマチュアっぽくて気にはなっていたのですが、その後に中身のダイジェストを見てから購入することになりました。受賞作ということで「どんなもんか」といった感じで読み始めましたが、導入部分から中盤までは説明が多い印象だったのですが、中盤から後半はストーリーとして引き込まれる雰囲気がありました。それだけに終盤の展開において、キーとなる人物の伏線がやや薄いのが気になりましたが、全体に見てよくできた作品です。 | ||||
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主人公沢村の恋はどうなるの?スマートすぎる片桐が気になる!だから続編希望! 私の場合、会社で働いていた時のモヤモヤ~が似ていて、夜中に「フフ・・・」と微妙な笑いが入りました。 前半は時系列で進まないのでページをめくりなおすことが多かったが、後半はギューッと焦点が絞り込まれる感じでイッキ読み。 前半は警察組織の説明に組織図がほしくなるが、覚えきれなくてもイッキ読み。 人物の書き分け、肉づけがすごくうまくて、どの人物にも人間的な親近感を覚える。 主人公の女性がヒロインにふさわしい清潔感も感じるので、このまま日曜9時のTVドラマ脚本へ落とし込めそう!というか、ドラマ化も希望! | ||||
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ぼーっとしている時、次々と記憶やそれに基づく思考が頭の中に浮かび、気づくと最初に何を考えていたかわからなくなったという経験はないだろうか? この小説は、そんな感じに、脈絡もなく次々と大勢の人が登場し(なんと総勢50人ほど!)、次々と過去の思い出やトラウマが語られていく。それら全てについて、ディテールがしっかりとし、抜群に面白い。終始、退屈するということはないのである。事件もそれらの無数の話の一つとして語られる。よって事件解決への追及はいつまでも遅々として進まず、混沌が(あらかじめ考えられた構成があるとは思えない混沌)、混沌のまま終盤近くまで続いていく。そして、突如として事件が動き出し、事件は解決するのである。犯人の意外性もなく(50人近くもいるのだから意外になるはずがない)、真相は若干のミステリらしいひねりがあるものの、あくまでリアリティ重視。数多く散りばめられた魅力的な話と同程度の印象でしかない。この小説を、ミステリとして読む人には、物足りなさが残るだろう。(ミステリは、ラストで意外な犯人にアッと驚き、多くの伏線が回収され、真相という一点に収斂する。良くも悪くも終わりよければ全て良し。)しかし、ラストまでの途中の話の数々は、ラストが小粒であってもそれを補って余りあるほどに魅力的である。ミステリとして読むのではなく、あくまでリアリティ重視の、新しい形の警察小説として読めば、最初から最後まで均等に楽しめる作品である。作者が警察関係者であれば、このディテールは経験に基づくものであろうと想像できるが、巻末の参考資料を見れば、どうやらすべて想像の産物のようである。起伏なく同じ調子で続く、しかしずっと、常に耳に心地よいオルゴールのような(この作品に何度も出てくるクラシック音楽に例えれば、シューベルトの交響曲第9番「グレート」のような)、独自の魅力を湛えた、独自のスタイルの小説を書いていく人なのかもしれない。次回作にも期待したい。 | ||||
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刑事沢村が他刑事に学歴マウントを取り続けるSF小説 | ||||
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北海道警察を舞台に、異色の経歴を持つ女性警察官を主人公にした警察小説。約5年前の未解決の誘拐事件の被害者の幼児の遺体が発見される事件は、ミステリーとしてなかなか魅力的。 但し、2/3過ぎまでは事件捜査というよりも、女性警察官が過去に負った心の傷や警察組織における自らの立場に葛藤するシーンが多い印象です。 しかし、捜査が動き出してからはテンポ良く進み、特に犯人を追い詰める過程などは個性的と感じました。 | ||||
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第67回江戸川乱歩賞受賞作品。 まず本のタイトルに食指が動いた。 上意下達と派閥のある警察内情は赤裸々に。 未解決の事件を抱えた現場のノンキャリ警察官の姿が映し出される。 現場経験を積み上げ育っていく警察官。 コールドケース事件のミステリーを取り扱いつつ、警察官にスポットを当てている。 確かに小説自体にやや詰めの甘さはあるものの、女性警官ならではというユニークなアプローチがみられる。 | ||||
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誘拐物の佳作だと思います。選考委員の評は他のらビュアーが紹介されているように「一番小説が下手」など散々ですが、刊行までに相当手を入れたのか、決して下手だとは思いません。プロローグに「……のだ」で終わる文が多く若干抵抗感がありましたが、全体としては読みやすい文章だと感じました。ただ、視点人物の切り替わりや時間軸の遡りが多く、登場人物が多いことも相まって、そこは多少読みにくいと思いました。 主人公は博士号を持つ女性刑事で、オリジナリティがあります。主人公の能力や性格、内面の葛藤などが丁寧に描かれていて、好感や共感が持てる人物像に仕上がっています。他の登場人物もキャラが立っていて、その点についても不満はありません。警察組織などもよく調べてあると思います。誘拐物のミステリーとしても納得のいく出来です。ページを次々とめくらせる力のある小説です。 一つ残念なのはタイトル。原題の「センパーファイー常に忠誠をー」では何のことか分かりませんが、「北緯43度のコールドケース」も最後まで読めば意味が分かりますが、魅力あるタイトルだとは思いません。 作者は50代前半の方のようですが、本作がミステリーとして初の執筆、初の応募だそうです。それで乱歩賞とはすばらしい才能と実力をお持ちです。今後の活躍を期待します。 | ||||
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カンマが。少なくて、文章が、短い。短い文章と、状況の説明は、鉤括弧の会話体で、進めている。余計なことは、あまり書かないで、分かりやすい。手法としては、アメリカのロバート パーカーの、スペンサーシリーズではなく、ジェシー ストーンシリーズ、または、笹沢左保の、木枯らし紋次郎の文体に似ている。江戸川乱歩賞の遷者に評判が悪いのは、いわゆる日本的な小説ではないから。今は、テレビ的の方が、読みやすい。もう数年経つと、ゲーム的になるのかな。次作を読みたい。 | ||||
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熱中して読んだ.主人公のような異色の経歴の女性刑事がいるとは到底考えられないがその他の部分でさもありなんと思い,かつ話はどこに着地するのか興味を最後まで保つことができた.流石に幼児誘拐事件を発端としているだけにハッピーエンドとは思えないが読了後も良い感じである. | ||||
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主人公の設定は、博士号を持ちながら30歳で警察官になる女性と類例がない。 だけど、そこに突拍子さはなく、むしろ新たな要素として警察小説にうまく取込んでいて、なかなかの出来栄え。 次回作も読んでみたくなりますね。 | ||||
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同時受賞の他作品よりはミステリーとして楽しめました。 謎の提示も真相も考えられており、話としてはまとまっていると思いました。 が、やっぱり細かいところは気になります。 選評通り始めのうちは読みにくいところはありますが、一番気になったのは終盤に主人公がほぼひとりで真相までたどり着く経過と、犯人が語り始めるきっかけがご都合主義に感じられました。 周囲の人物の不可解な行動の動機もやや無理がある印象でしたし、主人公の経験と人物描写がちょっと盛り過ぎでくどい感じがしました。 それでも近年の乱歩賞受賞作品の中では、水準には達しているという評には賛成ですね。 これからの作品に期待を込めての評価です。 | ||||
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乱歩賞受賞作を読むのは久しぶりです。読後感は良かったです。ドラマ化されたら、主人公の沢村は誰が適役か、詩織や片桐はとか、思うほどに登場人物が魅力的に息遣いていました。中盤以降、面白さが加速します。 監査面談の、主人公の沢村の対応が爽快で、終盤の犯人との対峙がスリリングでした。 確かに警察小説としては、新味はありませんが、誘拐の謎はなかなかのもので、同じ主人公の続編が読みたくなりました。個人的には、警察小説の佳作だと思いました。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作だそうだ。公募の文学賞では巻末に選考委員の選評を載せていることがままあるが、本書もその一つ。私は新刊を買うと先ず解説なり選評を読んでしまう質で、これが結構面白いのだ。有り体に云うと、本作の評価は受賞作の割りに芳しくない。 “特に序盤、書き方がちょっと読者に不親切すぎて首を傾げたくなった…“ (綾辻行人) “いいお話しだし、メインの誘拐は納得がいくし、面白い。なのに、読後感が「うわあ」。これ、作者が詰め込みすぎているからだ。” (新井素子) “心理描写、情景描写も濃かで、ディテールに関しては申し分がない。だが、惜しむらくは小説としての体裁が整えられていない。“ (京極夏彦) “候補作中最も興味深い謎を提示していながら、同時に最も読みにくい作品でもありました。それは小説としての拙さに由来するものです。“ (月村了衛) “候補作中、一番小説が下手でした。” (貫井徳郎) 散々である。 実際に読了してみて、改めて納得。「なるほど、そうだよなぁ」。出版に際してある程度改稿はしているはずで、それでもこれか。 まず、主人公のプロフィールが読んでいて分かりづらい。冒頭部分は何度か行きつ戻りつしてしまった。 詰め込み過ぎというのも、その通り。主題となる幼女誘拐、そして数年後の死体遺棄事件に加え、少女売春グループ摘発とリンチ傷害致死事件、主人公の大学院在籍時に起きた恋人の自殺、家族の心のすれ違いと親の認知症問題、主人公の迷いと転職の誘い…、それほど長くもない物語のなかにこれらがテンコ盛りなのだ。勿論それらが全く無駄なエピソードというわけではなく、事件の真相解明のヒントになったり、捜査・尋問のテクニツクに活かされたりの展開に繋げてあるのだが、まぁもっと要領よく料理して欲しいな。 とは云うものの、メインのストーリー自体はとても楽しめた。主人公の周りを固めるキャラも悪くないし、とことん嫌な奴とか、サイコパスな犯罪者なんてのも出ないから、読後感もすっきり。女刑事ものというと、乃南アサの『刑事 音無貴子』シリーズが真っ先に思い浮かぶが、あんな感じで上手く転がせばシリーズ化もできるんじゃないか。次作に期待したいものである。 | ||||
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私はキンドルで読んでいる。 一、主人公 38歳の美人女性独身警部補沢村依理子。東京有名大学の卒業で、大学院で経営組織科学を選考し博士号を取るが、リーマンショック時代に就活に失敗して北海道に戻り、コンビニアルバイトを経て、30歳で警察官になったノンキャリア。愛読書はヴェーバーで、 クラシックを聴く。警察学校→交番勤務→道警本部総務課→同刑事企画課→中南署刑事一課を経て創成署生活安全課防犯係長。女性2人、男性1人の部下をもつ。 二、事件 2013年におきた3歳の島崎陽菜ちゃん誘拐事件。犯人の男は身代金受け取りに失敗し、ホームから落ち事故死。陽菜ちゃんの行方不明。 2018年、最近殺害されたらしい陽菜ちゃんの死体が倉庫で発見される。沢村も捜査に加わるが未解決に終わる。 2019年、捜査資料を何者かが雑誌社に送り、漏洩犯の疑いをかけられた沢村が、未解決誘拐事件、殺人事件の再捜査を始める。 三、私的感想 ◯全体として、大変面白い。一気に最後まで読める。主人公の迷えるキャラクターも悪くない。 ◯選評の当たっているところが多い。「誘拐事件の構図に新味」、「メインの誘拐は納得がいくし、面白い」・・・同感だが、現代ものにしては大胆な。 ◯「作者が詰め込みすぎている」・・まあ、そうですが、これでもかこれでもかという感じで楽しいです。 ◯「心理描写、情景描写も豊か」「人物の肉付けはうまい」・・その通りですが、どの人物も過去の傷、または現在の問題を抱えていて、なかなか大変です。 ◯ミステリーとしての謎の魅力については、どの審査員も誉めている。同感。 ◯警察小説、捜査小説としてのディテールについては誉めているのが多数派、けなしているのが少数派。私は多数派につきたい。 ◯小説の技巧については、「一番下手」等の酷評が並んでいるが、刊行された本にそういう感じはなかった。刊行までにかなり手直しされたのかな。 ◯極私的感想としては、ラストのクライマックスで大女性ミステリー作家の乱歩賞次点傑作のようなムードになってきて、これはすごいと感動しかかったのだが、着地点はちょっと違っていた。 | ||||
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