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北緯43度のコールドケース



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北緯43度のコールドケースの評価: 3.87/5点 レビュー 23件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.87pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(2pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

犯人の突然の自白をはじめ、腑に落ちないところが多すぎる

最近はめったに行かない書店で、江戸川乱歩賞受賞作ということで本書を手に取った。
リアル書店だと、こういう本が目に飛び込んできて買ってしまうことがある。
AIでお薦め本ばかり紹介するアマゾンとは、そこが違って面白くもある。
著者は産業翻訳者で、長編ミステリーは初めて書いたのだという。
で、本書である。
北海道警に博士号を持つ女性が、ノンキャリア警官として採用され、所轄の刑事課に配属される。
そこでの窃盗犯の取り調べから、その窃盗犯が盗みに入った自動車工場で、少女の死体を見たことを告げられる。
そして調べていくと、その少女は4年前に誘拐された少女だった。
というところから、話が展開していくのだが・・・。
途中まで、話が取っ散らかっていく。
余りにも広げ過ぎてどう収拾するのだろうかと心配になる。
何とか収拾されていくのだが、最後の犯人の自白のところで、男性刑事から主人公の女性刑事に変わったとたん余りにもあっけなく自白するのが腑に落ちない。
いや、そもそも、腑に落ちないところが多すぎるのである。
なぜ、犯人は少女の遺体を自動車工場などに遺棄したのか。
この場合、遺体が見つからないことが目的なのに、そんなところに遺棄すれば、窃盗犯が見つけなくてもすぐに見つかるはずだ。
しかもこの窃盗犯、プロの泥棒で窓を破って侵入する際に、プロの手法を使っている。
それなのに、現場はその男の指紋だらけ。
しかも、しかも、窃盗犯には同年代の娘がいて、妻に死体を見たことを話すと、「早く警察に知らせた方がいい」とアドバイスされたという。
こういうシチュエーションは全くイメージがわかない。
この男はプロの窃盗犯で生計を立てて、娘が小学校に通い、しかも妻に忍び込んだ先で死体を見たと告げる?
果たしてこうしたエピソード挿入が必要だったのか。
さらに主人公たちが車で遺棄現場に急行する際に渋滞に巻き込まれるが、捜査車両なのだから回転灯とサイレンが装備されているはずで、なすすべもなく渋滞で身動きできないのもおかしい。
加えて、犯人は小学校ではいじめがあるからと少女を学校に行かせないが、児相が介入しないのもおかしい。
児相が介入すれば、犯罪はすぐに発覚した可能性がある。
また、誘拐してきた少女を、離婚した元夫の親のところに一人で預けたりしている。
そこで気づかれない方がおかしいし、気づかれる可能性が高いからこそ、犯人だったら絶対にそんなことはしないはずである。
確かに、北海道警内部の厳しい階級制とその中での人間模様などはよく描かれている。
それがページを繰る原動力にもなっているのだが、頭をかしげる部分が多すぎるのである。
巻末に、江戸川乱歩賞の選者の講評が掲載されている。
多くの選者も、詰め込み過ぎや作者の未熟さを指摘している。
それを補って余りある可能性を感じたのだという。
確かに処女作でこれだけ書けるのは凄いとも思うが、読者としては次作に期待したいものの、次作を読む気になるかどうかは微妙である。
北緯43度のコールドケースAmazon書評・レビュー:北緯43度のコールドケースより
4065249961
No.2:
(2pt)

古臭い

女性警察官がヒロインらしいのだが、話が進まないうちにはわからない。ヒロインを取り巻くエピソードだらけなのだが、そのエピソードも古臭く、すでに使いまわされたものばかり。
「重量6キログラムのジュラミンの盾」「TVのコメンテーターもやる人権派弁護士」「取り調べの過程で相手の心をつかめ」……古臭い半世紀前に使い古されたエピソードやどこの国のジュラルミンの盾?。
肝心の誘拐犯との確執は意外と面白かったが、ココまで来るのにてんこ盛りのエピソードがこれでもかというくらいの多さ。
ヒロインとの「人権派弁護士」とのやり取りなども1時間ドラマレベル。
北海道を舞台にした道警ものだが、これで応募のときの表題ではなく、出版にあたって表題名に変わっていなかったら買わないし、手に取ることもなかった作品。
北緯43度のコールドケースAmazon書評・レビュー:北緯43度のコールドケースより
4065249961
No.1:
(2pt)

なんとか読み切ったが

当方、読書の独自ルールがある。
1/3読んでつまらない本は、その後逆転して「読んでよかった!」となる可能性は低い。
だからその時点でつまらなかったら、時間と労力の無駄になるのでブン投げる。

さて本作。
1/3読んだ時点で、何とも微妙なボーダーライン。
迷ったが2000円弱の高額本につき、つい貧乏性が出てしまって続行することに。
だが半分まで読んで、やはりストップ。
最大の理由は、もう半分読んでるのに話が一向に進まないこと。
それなのにどう言うわけか、登場人物やサイドストーリーだけは、やたらと増えていく。
何なのこれ!?
ここで一度、ブン投げた。

一か月後、電車で遠出する機会があり、迷ったが暇つぶしに本書を持参。
何の期待も無いまま、パラパラと読書を再開。
するとほどなく、「おやっ!?」っと嬉しい誤算が。
主人公が不祥事幕引きの生贄にハメられていくあたりから、俄然話が動き出すのだ。

そしてクライマックスである詩織との、警察vs被疑者の枠に収まらない女の闘い。
女としてのマウント、母性、そして主人公の巧みな駆け引きが、臨場感たっぷりに
描かれており、なかなかのモノだった。

だが、それでも全体としては首をひねる出来と言わざるを得ない。
話の幹ではなく、枝葉だけが不必要に横に広がっていく展開が長過ぎ。
それに伴い登場人物も増えていくものだから、積み込み過ぎのガチャガチャ感が否めない。
同じく女性刑事が主人公の話としては、乃南アサの音道貴子シリーズが数段上かと。

最後に、本書の帯では桜木紫乃氏が絶賛しているが、桜木さんにも一言申し上げたい。
「いやいや、あなたには遠く及びませんよ。それは御自分でもわかっているでしょう?」と。
北緯43度のコールドケースAmazon書評・レビュー:北緯43度のコールドケースより
4065249961

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