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(短編集)
ぜんしゅの跫
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ぜんしゅの跫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 41~56 3/3ページ
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短編集と言うのでしょうか、5話の話しが入っていて、最後に題名のぜんしゅの跫が入っていました。澤村伊智先生の作品は全部読んでいます。比嘉姉妹の活躍がとっても楽しみで新しい作品も期待しています。 | ||||
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澤村伊智作品は読めば読むほど「せ……性格が悪い……!」と感じるほどの憎悪を発散していると私は思っているのですが、この短編集はますます強烈に憎悪に満ち満ちています。 『鏡』の結婚披露宴のグロテスクさ、『私の街のレイコさん』の男性器嫌悪、『鬼のうみたりければ』の救いのない息が詰まる様な家族とその崩壊、いずれも現実に存在する嫌な部分を拡大し、誇張し、ぎりぎり「いやでもこういうことはあるかもしれない」と思わせる限界まで歪めたレンズを当てるのはかなりのバランス感覚を感じます(一歩間違えるとただの憎悪を壁に投げつけただけの作品になってしまうので)。 筒井康隆やジョン・コリアとかシャーリィ・ジャクスンとかデュ・モーリア女史など、作品から歪んだ偏見や憎悪が見え隠れする作家は大体最高に面白いものですが、例に漏れず澤村伊智も最高に面白く巧みで、そして作品を出すたびにどんどんレンズの歪み方に磨きがかかっていると思いました。 | ||||
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最初の短編『鏡』で冒頭に妻に対する無神経な男「私」の一人称での小説が始まり、既視感を覚えながら読み進めると、勤め先の後輩が高梨、「私」の名前が田原秀樹と分かり、この短編が『ぼぎわんが、来る』の前日談であることが分かります。 『ぼぎわん』を読んだのが随分前だったため、田原秀樹の名前が出てくるまで関連に気が付かなかったですが、敏感な人なら最初の数ページで気が付くかもしれません。 いずれにしても、本書を読む前に『ぼぎわん』には目を通しておいたほうが、本書は楽しめるかと思われます。 その他の短編『わたしの町のレイコさん』『鬼のうみたりければ』『赤い学生服の女子』もなかなか楽しめましたが、本書のトリを飾る表題作『ぜんしゅの跫』は、ほどよい謎解きと、霊能力者比嘉姉妹と化け物との闘いが楽しめ、これまで発表された比嘉姉妹登場の長編小説のノリに最も近い、読み応えのある作品でした。 特に『ぜんしゅの跫』における特筆すべき点は、真琴の姉で政府の権力者でさえ一目置く最強の霊能力者琴子の意外な一面が楽しめるところでしょう。 自身の不注意で怪我をさせた妹にかわり、夜のバイトの代役をかって出たり、手際よく朝ごはんと晩御飯を作ったりと、意外と生活感があることに、琴子に対する親近感が高まります。 『ぼきわん』『ずうのめ』『ししりば』『ぜんしゅ』『などらき』と、このシリーズ、いずれも、読者の「?」な気持ちを惹きつける絶秒なタイトルですね。 | ||||
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これまで面白かったので、今回も期待して購入。 でも、ハッキリ言ってイマイチな作品でした。 短編集なのは、まぁ良いとして、一話一話の内容が薄いように感じました。 | ||||
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澤村先生の比嘉姉妹シリーズがとても好きで、新作を待ってました!短編でしたが、楽しめました。映画『来る』のキャストを頭に浮かべながら読み進める事ができました。ただ野崎さんのキャラは少し原作と違いますが‥。映画から入ってるので、どちらの野崎さんもありです。 | ||||
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第5弾。短編です。 連作短編というわけでもなく、話ごとに全く違う内容で違う主人公。しかも過去の登場人物が出てきたり、実は四姉妹の関係者だった、みたいな仕掛けもありますが、、、シリーズの人物たちを完璧に覚えていれば、それはすごく嬉しいサプライズなのでしょうが、前回までのお話をほぼ忘れている私のような記憶力の悪い読み手にとっては、誰か誰だかわからないので、あまり効果はないのかな、とは思いました。やっぱりシリーズものは連作短編か長編がありがたいです。 | ||||
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澤村氏は映画「来る」で存在を知り著書を読み始めた私ですが、今回はやたらと後味の悪く謎の多い話が多かったです。 「鏡」の話はちょっとどういう事か分からず混乱してます。あの子があんな未来(まぁ幸せと言えば幸せですが)なのは間接的に多くの死人を出した罪故って事なのか、主人公の無意識の差別意識が反映した枕返し的な最悪の未来(微妙なラインだけど)なのか。単純に未来でそうなるのか。 まぁ、映画やこの手の小説で描かれる弱者役(子供、女性など)に最後まで可憐さや美しさや幸福を求める言わば生きたトロフィー係をさせまいとする澤村氏の意図なのかも。 主人公の奥さんの顔に対する描写は何なのかとか(死後の姿を反映?)。 謎が多くてすっきりしません 。 とりあえず最後の文にあらゆる差別が詰まってるのを作者が意識してるのは間違いないです。自身や関係者をマジョリティだと確信し望む事がまずマイノリティへの差別ですからね。 口裂け女ならぬオカマ通り魔に関してはジェンダー論とか団塊の世代の歪みとかが関わっておりかなり痛烈な差別を表現してます。澤村氏は女性性という固定概念についてよく描かれますがこの話は男性性の話です。あの終わり方を見るとあの事件の連鎖がいつから始まってるのかも分かりませんね。 鬼の子の話では多分、怪異は関係ない話なのかなと解釈してますのである意味では悲惨なものの彼女は救われたのかなと…。 ならどきの首では大抵謎は解決するのですっきりするものの、今回は解答編がふわっとした感じの問題提起編でした。 | ||||
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相も変わらず面白いです。 ぞくぞくする話や後味の悪い話、ちょっぴりいい話。面白かったです! | ||||
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全体的に比嘉姉妹登場シーンが少なく感じたが、描き下ろし分ではたっぷり堪能できて良かった。次回はまた長編が読みたい。 | ||||
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筆者のファンでありこれまでの作品はすべて読破しています。『ぼきわん~』に代表される「比嘉姉妹シリーズ」の中でも一際、既存のファンを唸らせる仕掛けがたくさんある「ファン向け短編集」のように感じました。もし筆者の作品が初めてという方で「う~んイマイチ」と思われたら、お手間でしょうが過去4作の文庫をお読みになってからの再読をオススメします。 澤村作品は一貫したテーマとして「抑圧された女性性」「フェミニズム」「弱者の逆襲」「漫然と生きているマジョリティへの警鐘」があるように感じます。ホラー作品と弱く不幸な女性というのは、『リング』などに代表されるように如何にも相性が良さそうで、それ故に陳腐化しているように思います。が、これを些細な日常に落とし込むことで、すぐそこにあるような身近な怪異を感じられるのが、澤村伊智という作家の実力です。 「誰かの犠牲の上で成り立つ日常や平和へのアンチテーゼ」って、すでに怖いです。本作にも「ルッキズムの犠牲になった醜女」「他人の母親の介護で人生とキャリアを棒に振る妻」などが登場しますが、”本当に怖いのは生身の人間”などというツマラン言葉では片付けたくない、そういう文学的な恐ろしさがあります。 2020年代の新しいホラー作品です。必見!特に男は読みなさい! | ||||
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「鏡」「わたしの町のレイコさん」「鬼のうみたりければ」「赤い学生服の女子」「ぜんしゅの跫」の五作収録 表題作がメインディッシュではあるけれど、個人的には「鬼のうみたりければ」がオススメかなぁ | ||||
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そして短編集としては2冊目で、短編好きな自分としては長編だけでなくこうして短編集も出てくれるのは嬉しいです。 雑誌掲載作4本に、書き下ろしの表題作を合わせた5本が収録。 どれも単体で楽しめるので、この本から読んでも大丈夫だとは思いますが、 比嘉姉妹や野崎といった主要キャラだけでなく、『ぼぎわん』の登場人物の前日譚だったり、『ずうのめ』の登場人物が顔を出したり、以前の短編の続編があったりもするので、シリーズのファンだとより楽しめるでしょう。 内容に関しても「自己中で無意識な男性優位主義者が生む嫌な悲劇」、「ホラー+ミステリ+アクション」という、作者らしい要素がつまった短編集でした。 神隠しを扱った『鬼のうみたりければ』が私は一番好きでしたが、とても暗鬱になる話でもあり、短編集をいったん置いて、同テーマで明るい、荒井チェリー『むすんで、つないで』をつい読み返してしまったりも。 | ||||
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比嘉姉妹シリーズの大ファンです。 今作は非常にバランスの取れた1作であったと思います。表題作である「ぜんしゅの跫」以外にも4遍の話が収録されていますが、いづれも最後の1ページで希望を打ち砕かれ、どん底に堕とされる内容(もちろん褒め言葉)なのに比べ、「ぜんしゅの跫」は読後に爽快感の残る内容なので、その対比が際立ち全体としても上手くまとまっていた印象です。 また今作は前作までのスピンオフ的な要素も強いので、比嘉姉妹シリーズをまだ読まれていない方は是非この機会に1作目から読まれてみてはいかがでしょうか。 一点単純な要望として、今回はホラー要素が少し弱い気がしたので、次回作では今まで以上に身の毛もよだつ様なホラーを期待しています。「ぼぎわんが、来る」や「ずうのめ人形」のような“得体の知れない何か”が迫りくるあの緊張感や気持ちの悪さがまた蘇ることを楽しみにしつつ次回作もまた心待ちにしたいと思います。(読後に怖くて頭がグルグルして用語なんかも気になって夜な夜な調べて、眠れなかったあの悪夢をまた心待ちにしています) | ||||
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表題作を最後に読んで良かった。 読後が爽やかでした! とても面白かった! こんなに面白いホラーシリーズに出会えて良かったです! 大好きです!! | ||||
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待望の比嘉姉妹のお話で、色々なところに悪戯のような仕掛けが満載のステキな本でした。また次作を熱望してしまいます。 | ||||
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まずは表題作「ぜんしゅの跫」。たのもしい比嘉姉妹の冒険活劇、バトルホラーのテイストが強く、ライトなホラーファンでも楽しめるでしょう。 全五篇の中で、これだけが爽快な話です。 あとは鬱!本当に鬱です。 比嘉姉妹シリーズは澤村作品の中でもエンタメ要素が強く、不穏な余韻を残してもどこかしら救いがあったはずなのですが、今回は全体的にまったく救いがないです。 特に「鏡」。本当になんてことでしょう。あのキャラがこんなことになるなんて。 「ぼぎわん」「ずうのめ」「ししりば」「などらき」のファンサービスがこれですか?澤村先生。 本当に素晴らしく後味の悪い、最高で最低のホラーでした。 大満足です。大好きです。 | ||||
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