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苦悩する男



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【この小説が収録されている参考書籍】
苦悩する男 上 (創元推理文庫)
苦悩する男 下 (創元推理文庫)

苦悩する男の評価: 4.44/5点 レビュー 16件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(4pt)

消えていくヴァランダー。

刑事ヴァランダー・シリーズ最終長編。まだ60歳だというのに、いままでにも増して自分の老い、認知や記憶の危うさへの不安や恐怖の述懐が多い。元妻モナとの関係も彼にとってはネガティブなものでしかない。扱う殺人事件はスウェーデンの安全保障に関わる大きなものだが、そこでも夫婦間や友人間の不信や疑惑が描かれる。
 こういう暗い終わり方も悪くない。
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.15:
(3pt)

苦悩したのは私だ。

ドラマを観ているので筋書きは分かっていたが、いつもより暗く・冷たく、ラストは主人公が闇の中に消えてしまうのだ。シリーズ最後の事件とは言え、長く付き合ってきたので、直ぐにお別れと言うのも何なんで、
ピラミッドより先に読んでしまったが、これは気持ちに整理がついて正解であった。
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.14:
(5pt)

読み応えのある内容をゆっくり味わいながら読みました

幾重にも「苦悩」の「糸」が交錯するあらすじと、主人公ヴァランダーの「感情」が深く絡み合い、深く考察され書き込まれた本文だと思いました。また本文の意図を伝えようとする上品な日本語の訳文で、安心してなめらかに読み進められます。
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448820922X
No.13:
(3pt)

熟練のストーリー展開

久しぶりにヴァランダー・シリーズを読みました。
ストーリー展開、人間関係、謎、作者の技量を堪能させてもらいました。

元々、全体的に話が重いシリーズではありましたが、今作ではヴァランダー、リンダ共に少し老けてしまい(実際に年齢もそうなのですが)、作品自体の活力も落ちてしまった様に感じてしまいました。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
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No.12:
(3pt)

ヴァランダー警部ご苦労様でした

ついにシリーズも完結。

ヴァランダー警部も最後に苦悩から解放された事だと思います。
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No.11:
(5pt)

スエーデン生れの作家の推理小説

長編小説上巻、下巻で、コロナでの家籠りで読むには最高でした。
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No.10:
(5pt)

一人の男の生き様が描かれ続け、今回で最終章になったのは寂しい限りである。

主人公は決して強くない人間である。どちらかと言えば寂しい人間であったと強く感じた。
全く派手さがない内容であるが、沁みるものがある。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
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No.9:
(5pt)

最終話

ヴァランダーシリーズ最終話ということで過去作の登場人物が頻繁に出てくるのはファンには楽しみ。娘の旦那の両親にまつわる話にヴァランダーが巻きこまれていく。スウェーデンの国防に関するスパイ案件に発展していく。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
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No.8:
(5pt)

すっきりとは終わらない

モヤモヤと道をたどりつつも正解が見つからないヴァランダー。しかし突然道が開け正義が下されるかと思ったら結局すっきりとは終わらない。そして自身にも迫りくる老い。これで終わりかと思うと感傷的になる。
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.7:
(4pt)

最後の事件だが、未解決の闇は深い

刑事ヴァランダーシリーズはこれまで翻訳された全作品を読んで、ほとんどレビューしているが、本書が「内容上最後の事件」となる(実際には、その後に書かれた未翻訳の『手』があるが、事件は本書以前のもの)。
最後とあって、過去の多数の事件が回顧されたり『リガの犬たち』以来の恋人バイバが登場したりする。それにしても、ヴァランダーはこれまでになく精神的にも肉体的にもヨレヨレの状態であり、物語の冒頭で拳銃置き忘れの大ミスを犯して処分を受けるところから始まるが、これが本人の健康状態悪化の伏線となっている。

社会的テーマを扱う本シリーズらしく、本書も冷戦時代のスパイ活動の現在までに至る余波を中心に物語が展開するが、1982年に起きたストックホルム沖の国籍不明の潜水艦追跡事件は実際にあった事件であり、今もなお真相が明らかなっていないとのことである。当時のパルメ首相も物語中に登場するが、その後に起きたパルメ首相暗殺事件も今なお謎に包まれており、スウェーデン戦後史の闇の深さを窺わせる(なお、後者については最近翻訳された『スティーグ・ラーソン最後の事件』で扱われている)。

ストーリーは、ヴァランダーの娘リンダの同棲相手の父で海軍高官であったホーカンとその妻ルイースが時間を置いて相次いで失踪する謎めいた事件が起こり、その捜査過程で過去のスパイ事件が掘り起こされていく展開となっており、冷戦時代にバルト海を挟んでソ連と対峙したスウェーデンの緊張感が伝わってくる。しかし、ミステリーとしては著者が仕掛けた謎解きの鍵と思われたいくつかの重要な事実が最後まで解明されないままに終わっており、読後のフラストレーションが残る。
また、ヴァランダーは相変わらず単独・秘密行動が目立つ。いくら家族に関わる事件で、所轄が異なる警察署であるとしても、重要事実を把握して行動するときは警察組織として情報を共有し、単独行動しないのが鉄則であろう。その結果として起きた悲劇はあまりに重大であり、過去のシリーズのような結果オーライとは言えない。その点で星1つ減らした。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
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No.6:
(5pt)

ヴァランダー最後の事件

ヴァランダー最後の本なのですね!もっと読みたかったのに残念です。ご冥福をお祈りします。
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

寂しい終わりかた

主人公が認知症という終わり方が、残念
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.4:
(5pt)

極めて重たい要素をぎっしりと詰め込んだシリーズ最後の高密度な作品

恥ずかしながら、ヴァランダー・シリーズを読むのは初である。終わってしまうシリーズの最後の一作と知れているところから手をつけるというのもどうだろうと思われたが、それもまた一興、と運を天に任せて読み始める。そもそもこのシリーズはドラマ化されたものをWOWOWで見ており、心惹かれる印象があった。いつか読まねばならないシリーズの一つとして常に宿題となっていたのだ。現在ではAMAZON PRIMEでの視聴もできるので、シリーズ全作の読書に取り組んだ後、ドラマで追体験してみるのもよいかと思う。この一作を読み終えた今、その思いはむしろ強まったと言える。

 スウェーデンの得意とする北欧ミステリの底力を、マルティン・ベック10作で十分に味わったぼくが、その後、ヘニング・マンケルや『ミレニアム』のスティーグ・ラーソンなどの王道を味わうことなく来てしまったのは何故だろう? いずれにせよ『イタリアン・シューズ』という普通小説でこの作家の筆力に唸らされて以来、マンケルへの食指が改めて動き始めてしまった。それにしても創元推理文庫の翻訳の遅さは毎度のことながら驚嘆させられる。王道の作家でありながら未だにシリーズ完訳が成っていなかったとは。しかしそのおかげでこの作品を手に取っているのだ。深謝すべきかもしれない。

 本作は、思いのほかスケールの大きな国際冒険小説を思わせる意味深なプロローグに始まる。しかし、その後の描写は、ヴァランダーという個人の行動、思考、体感、心理などを描くことに費やされる。ヴァランダーという刑事を、まるで普通小説の一個の人間のように読者は追跡することになる。家族のこと、過去とのこと、不穏な未来のこと、彼の体や心に起こっている奇妙なこと。微々たるように思えるが異常な、ことのほか重要と考えねばならないのかもしれない出来事などなど。

 休職中のヴァランダーの娘婿の親の失踪という、極めてヴァランダーにとって近い事件が発生。通常の警察小説というより、私立探偵小説に近いものを感じさせる全体なのに、違和感さえ感じさせる冷戦時代のロシア潜水艦にまつわる謎。グローバルで歴史に関わるスケールを持つ大掛かりな事件と、今現在ヴァランダーが追跡する親類縁者の失踪事件は、どのような関わりを持つのか?

 本作では、『イタリアン・シューズ』でも見せてくれた自然描写も、もう一つの魅力を見せる。島々や礁に満ちたフィヨルドを疾駆するボート。農場や大地を走り抜ける車。ヴァランダーはめくるめく多種多様な人々に出会う。それぞれの風土の差を、肌で感じる。出会いと対話と別れ。中には過去からやってきた女性との悲しき再会が語られる。心を抉られる時間。厳しくも美しい自然の中で。天と地のはざまで。

 『いままでの人生に満足している。(中略)現在私の体は一日二時間だけ機能する。その二時間を私は執筆に当てている』とは、がんで余命いくばくもない自分を知ったヘニング・マンケル自身の言葉だが、本書のヴァランダーも、自らの体や心に起きている極めて不安な事象と闘いながら、真相に迫る日々を刻一刻と生き抜いてゆく。初老というには早すぎる60歳という刑事の年齢を64歳のぼくは複雑な想いで追跡する。

 命。自然。心。家族。時間。そうした極めて重たい要素をぎっしりと詰め込んだシリーズ最後の高密度な作品の中、ミステリー的要素は少し重心から外れて見える。しかし、最もミステリアスに見えてくるものは、人間たちそれぞれの関わり方であり、彼らの距離感、信頼、不信、沈黙、その他諸々の感情、ふるまい、表情等々である。

 終わったところから、始まってしまったヴァランダーへの興味。ぼくは新たにヴァランダーの過去へとこのシリーズを遡行してみようと決意している。そうさせる何かがこの作品には十分に込められて見えたからだ。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
4488209211
No.3:
(5pt)

極めて重たい要素をぎっしりと詰め込んだシリーズ最後の高密度な作品

恥ずかしながら、ヴァランダー・シリーズを読むのは初である。終わってしまうシリーズの最後の一作と知れているところから手をつけるというのもどうだろうと思われたが、それもまた一興、と運を天に任せて読み始める。そもそもこのシリーズはドラマ化されたものをWOWOWで見ており、心惹かれる印象があった。いつか読まねばならないシリーズの一つとして常に宿題となっていたのだ。現在ではAMAZON PRIMEでの視聴もできるので、シリーズ全作の読書に取り組んだ後、ドラマで追体験してみるのもよいかと思う。この一作を読み終えた今、その思いはむしろ強まったと言える。

 スウェーデンの得意とする北欧ミステリの底力を、マルティン・ベック10作で十分に味わったぼくが、その後、ヘニング・マンケルや『ミレニアム』のスティーグ・ラーソンなどの王道を味わうことなく来てしまったのは何故だろう? いずれにせよ『イタリアン・シューズ』という普通小説でこの作家の筆力に唸らされて以来、マンケルへの食指が改めて動き始めてしまった。それにしても創元推理文庫の翻訳の遅さは毎度のことながら驚嘆させられる。王道の作家でありながら未だにシリーズ完訳が成っていなかったとは。しかしそのおかげでこの作品を手に取っているのだ。深謝すべきかもしれない。

 本作は、思いのほかスケールの大きな国際冒険小説を思わせる意味深なプロローグに始まる。しかし、その後の描写は、ヴァランダーという個人の行動、思考、体感、心理などを描くことに費やされる。ヴァランダーという刑事を、まるで普通小説の一個の人間のように読者は追跡することになる。家族のこと、過去とのこと、不穏な未来のこと、彼の体や心に起こっている奇妙なこと。微々たるように思えるが異常な、ことのほか重要と考えねばならないのかもしれない出来事などなど。

 休職中のヴァランダーの娘婿の親の失踪という、極めてヴァランダーにとって近い事件が発生。通常の警察小説というより、私立探偵小説に近いものを感じさせる全体なのに、違和感さえ感じさせる冷戦時代のロシア潜水艦にまつわる謎。グローバルで歴史に関わるスケールを持つ大掛かりな事件と、今現在ヴァランダーが追跡する親類縁者の失踪事件は、どのような関わりを持つのか?

 本作では、『イタリアン・シューズ』でも見せてくれた自然描写も、もう一つの魅力を見せる。島々や礁に満ちたフィヨルドを疾駆するボート。農場や大地を走り抜ける車。ヴァランダーはめくるめく多種多様な人々に出会う。それぞれの風土の差を、肌で感じる。出会いと対話と別れ。中には過去からやってきた女性との悲しき再会が語られる。心を抉られる時間。厳しくも美しい自然の中で。天と地のはざまで。

 『いままでの人生に満足している。(中略)現在私の体は一日二時間だけ機能する。その二時間を私は執筆に当てている』とは、がんで余命いくばくもない自分を知ったヘニング・マンケル自身の言葉だが、本書のヴァランダーも、自らの体や心に起きている極めて不安な事象と闘いながら、真相に迫る日々を刻一刻と生き抜いてゆく。初老というには早すぎる60歳という刑事の年齢を64歳のぼくは複雑な想いで追跡する。

 命。自然。心。家族。時間。そうした極めて重たい要素をぎっしりと詰め込んだシリーズ最後の高密度な作品の中、ミステリー的要素は少し重心から外れて見える。しかし、最もミステリアスに見えてくるものは、人間たちそれぞれの関わり方であり、彼らの距離感、信頼、不信、沈黙、その他諸々の感情、ふるまい、表情等々である。

 終わったところから、始まってしまったヴァランダーへの興味。ぼくは新たにヴァランダーの過去へとこのシリーズを遡行してみようと決意している。そうさせる何かがこの作品には十分に込められて見えたからだ。
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

ヴァランダーの最期

これまで刊行されたものはすべて読んでいると思うし、WOWOWやアマゾンプライムのヴァランダーシリーズも観てきた。短編が残されているとあとがきにあるけれども、シリーズがこれで最後とは、なんとも残念。作者は既に亡くなっているが、刑事の最期も、このようなことかと、ほぼ同年代の読者としては、他人事ではないと深く納得したのでした。ほんと、楽しい作品をありがとう!!!!今回も堪能しました。是非よむべき!バイパも出てくる。(覚えてる?かな)
苦悩する男 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 下 (創元推理文庫)より
448820922X
No.1:
(5pt)

ラストはシリーズ読者に深い余韻を与える。

いよいよ最終作かーと思いながら、終わることが寂しくていつもよりゆっくり読み終えました。
タイトルの苦悩する男は作中、鍵とかるある人物のことかと思いましたが、解説を読むとヴァランダーのことでもあるようですね。これまでも悩み続けて来てましたが定年を目前に、また肉体の衰えも合わさって今回は苦悩MAXでしたが、リンダと話していて突然針が振り切れてぶちギレる姿は、あぁーこれこれ嬉といった、これまで彼を見届けできたものにはニヤけさせられる場面もあります。
現場肌で管理職と折り合いが悪いプロの人間を泥臭ヒーロー仕立てに書く作品は多いですが、ヴァランダーの場合はヒーローとして描いてないことに逆に好感をもってきました。人間いつになってもポカしたり、些末なことで自己嫌悪を重ねたりで、これがリアルな人生だよなーと共感させられます。

これまで過去作を読んできた方なら間違いなく手に取ると思いますが、最後まで悩み抜いた彼の生きざまはいったい読み手のひとりひとりに何を残すのだろうか。これからの人生への諦念か、わだかまっているそれぞれの家族への投影か、自分を取り巻く環境や社会システムの生み出す閉塞感への義憤か。

意図してと思いますが下巻のカバー写真は第一作のそれと同じデザインですね。改めて最初から読み返してみて、作者マンケルが何をこのシリーズに遺したのか感じてみたいかな。

あと時系列的には遡りますが、ヴァランダーのこれまでの事件をプロファイルした?作品の翻訳が控えているみたいですね。
苦悩する男 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:苦悩する男 上 (創元推理文庫)より
4488209211

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