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プレイバック
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プレイバックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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55年ほど前の小説、しかも海の向こうの国。 主人公の恋愛、身の処し方にはとても異質なものを感じる。 勿論、共感する部分もありますが。 また、聞きかじりの知識についても再考させられます。 強くなければ、 タフでなければ、 しっかりしていなかったら、(この本の訳) といろいろありましょうが、 「義理がすたれりゃ この世は闇だ」と超超超訳、理解しました。 | ||||
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久しぶりにチャンドラーを読み返し、で、改めてチャンドラーの文体なのか訳者清水氏の妙訳なのか(本人は謙遜なのか「日本語になおすと、魅力が半減してしまう」と)、すばらしく無駄の無い文章、だと惚れ直す。私はこのプレイバックを今回読む時、「最後の作品」だと知っていた。だからかどうかはわからん。しかし、この「プレイバック」は、結論から言うと、チャンドラー、マーロー、の双方の人生の「プレイバック」作品となっていることが途中からわかり始める。ホテルのロビーの老人や駐車場係に代表される脇役たち、アレッサンドロ部長刑事のようにまともな希望の持てる景観を出し、そしてマーローには、リンダとのまっとうな人生、を。チャンドラーは、これが自分の最後の作品だと決め、書いたのだろう。なので、個人的には、ほかのチャンドラー作品を読んでから、この作品を読むことをお勧めします。 | ||||
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タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。――ハードボイルド作家のレイモンド・チャンドラーの最後の作品『プレイバック』(レイモンド・チャンドラー著、清水俊二訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)の中に一節である。 女性から「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」と聞かれた主人公の私立探偵、フィリップ・マーロウは、このように答えたのである。 生島治郎の有名な訳では「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」、清水俊二の訳では「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」となっている。 相手が抱えている悩みや哀しみを自分のものとして受け止めたとき、初めて人は優しくなれるのだと思う。 | ||||
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『The Long Good-bye』より4年、チャンドラーの遺作にして、マーロウ最後の作品。 しかし時制としては上記の作品の一年半後、『湖中の女』よりは前だと思われます。 前作でのリンダ・ローリングとの失恋を、マーロウは未だ引きずっています。 それもあってか、女性に執着するわりにはあけすけな言葉をかけ、求められて応じるも、 一線を引くことを忘れない。それを知っているから女たちは去っていく。 どやされても自分を曲げない不器用な男の、別の不器用な一面が見られます。 事件は地味で、物語は短く、しかし印象的な台詞がとても多い作品です。 マーロウは同じところを何度も何度も行き来しつつ、同じ人に何度も会い、 やがて真実を見出すも、自分から“名探偵”になろうとはしません。 まるで現実の探偵のように依頼をこなし、報告することを主としています。 ラスト、パリからの長距離電話を受けたマーロウは、リンダ・ローリングの求婚に、 いよいよ身を固めるかのような返事をします。果たして彼は幸せになれるのか。 物語は実にいいところで終わります。マーロウとリンダのその後を想像せずにはいられない。 でも、この物語より後の時制であるだろう『湖中の女』で、リンダは出てきません。 マーロウは相変わらず貧乏な探偵で、皮肉屋で、真っ直ぐで、白髪が混じり始めています。 やっぱり彼らは半年しかもたなかったのか。それは想像するより他にありません。 しかしこの本を読み終えた今は、とりあえず、「さらば、愛しき探偵よ。お幸せに」。 | ||||
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マーロウの名言が 心に染み渡ります。 さすが、マーロウというのが ほめ言葉によく似合います。 決してこの本は名探偵なんかは存在しません。 マーロウですら、時にドンパチに巻き込まれ、 負傷して伸びてしまうことがあるのですから。 しかしながら伸びたところで、彼の渋さは落ちません。 それはマーロウの行動そのものが 男なのだからかもしれませんね。 ちなみにこの本は割と色香の漂う作品です。 しかしながら嫌味な文章でないのは お見事だなと感じました。 | ||||
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訳者の清水俊二さんがあとがきで記しているように、これまでにはない不思議な感覚を覚える作品です。 チャンドラーの遺作ということもあり、読者・ファンは、そのミステリアスな作風以上にその背景、例えば、本作「プレイバック」を通じて語りかけてくるチャンドラーのメッセ−ジを作品をとおして理解しようと試みる。私自身は、前半部分までマーロウの言葉・セリフが情けなく感じていました。しかし、すべてを読み終えて、本作が主人公フィリップ・マーロウの実相や実態に一番近いのでは、との感想です。 | ||||
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この本はいつものストーリーの流れ出ないことに、気づくはずでしょう。いつもと「何かおかしい」と感じるはず。途中、突然(と感じるでしょう)老人が話し掛けてくるシーン、読み終えて感じたのは、自分の育て上げたマーロウにある老人に扮したチャンドラーが語りかけているのではないか。つまり、読んでいる間マーロウになりきっている人達にたいし、自分の気持ち・思いを伝えているのではないか。老人の「言葉」に敬意をはらって聞き入っているマーロウ。マーロウに読書中なりきってる我々もチャンドラー、彼の言葉に敬意をはらいたいものであります。 | ||||
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この作品は訳者の清水俊二氏を含め、読者諸兄には多くの謎の部分を残した遺作だと言われているが、自分自身にはとても共感のできる部分が多かった。 中でも最大の謎の一つであるタイトルの「プレイバック」の意味は、最後の章をもう一度読み直してもらうと、実生活で年上の最愛の妻をなくしたチャンドラー自身の心情をマーロウが語っているのだということに気づくのではないだろうか。またマーロウに死後の世界を語るクラレンドン老人にしても、実は彼の言葉を通して晩年を迎えたチャンドラー自身が、己の死生観を吐露しているのではないだろうか? 誰が何と言おうともやはり本作は、「長いお別れ」などに続くチャンドラーの最高傑作として挙げたい。 | ||||
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前作の『長いお別れ』から4年以上の歳月を経て発表された作品ですが、あまりにも作風が変わっていて面食らいます。しかし、セリフは面白いと思います。第1章で出てくる、「クリスチアン・ディオールですわ・・・他のものは絶対に身に付けないんです」というミス・ヴァーミリアのセリフは、多分彼女の香水のことを指しているのでしょう。マリリン・モンローが記者に「寝るときに身に付けるものは?」と質問され、「シャネルの5番よ」と答えたのは何年のことだったでしょうか。読んでいてニヤリとさられる部分です。また、第23章の例の有名なセリフ、If I wasn't hard,I wouldn't be alive.If I couldn't ever be gentle,I wouldn't deserve to be alive.もカッコイイと思います。 | ||||
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「強くないと、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない。」(但し、本編では「しっかりしていないと…」になっている)誰もが知っているハードボイルドの定番のような台詞。この小節の一節である。これまでのフィリップ・マーロウを主人公にした小説の中で最も短編で、艶っぽく、粋な台詞の多い作品です。反面、タフさや男臭さを感じる場面も少なくないので、名作「長いお別れ」の次に書かれ、またチャンドラーの遺作でもあることを考えると読み終わった後、何か不思議な感じのする作品です。 | ||||
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