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とめどなく囁く
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とめどなく囁くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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家族が突然目の前から姿を消す、という主人公の設定は桐野さんの直木賞受賞作の「「柔らかな頬」や「魂萌え」と同じですね。どこかで作家というのは同じテーマを繰り返し書き続ける、と読んだことがあります。桐野さんにとっても愛する家族が失踪あるいは死亡した後に、残された人たちがどう生きるかというのは書き続けたいテーマなのでしょう。 ですが今回は、すでに夫が失踪してから十分な時間がすぎ自分の傷も癒えたと思い、金持ちの年上の夫と淡々とした結婚生活を過ごす女性が主人公です。 前半は少し飽きるような逗子で優雅なお金持ちの生活が描かれるのですが。本当の隠居生活で死の匂いを感じるのです。ビジネスをリタイアした70過ぎの夫は、午前中に仕事を少しした後、昼に食事をして午睡をとる。せっかく結婚した若き妻とも喧嘩をすることもなく、桐野作品にしては性的な関係も一切でてこない。妻はまだ若いのに仕事もやめ、ひたすらその生活をこなすことに意識を向けている。そしてある時、失踪した夫が生きているかもしれないという噂を耳にするのです。 そして読者は何もかも達観したような振る舞いをしているこの妻が、かつて情熱的に生きていた頃の様子を徐々に知るようになります。 夫婦であっても結局人の心は最後までわからない。読んだ後、苦味を感じる大人の小説でした。 | ||||
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最後の最後に種明かし。ここまで引っ張られるとは思わなかった。さすが桐野と言うべきか。途中から小さな伏線が多数張り巡らされているのだが、早く真相を知りたくなり、先へ先へと読み進んでしまう。読み終わってから、そうだったのかと前に戻った。ただ後半は主人公の心理描写に重点が置かれ、少し焦れったくなった。いつもそうだが、桐野の「落ち」には 脱帽しかない。 | ||||
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主人公早樹の元夫の海釣りからの失踪。 そして資産家で歳の離れた夫との再婚。 色んなもやもやで始まるこの小説は、夫の影がちらつく、主人公の近辺の変化によってどんどん変わっていく! ほんとに失踪というのは、就職とかできるのかな、と思ったり。まともな人生とか人との関わり合いってどういうことかと考えたり。 早樹が夫のことを調べ直したり、そこでの人間関係や変化が面白い。どろどろしたり、おののいたり、言い争いをしたり疑ったりしても、人は人の間で何らかの共感や暖かみを感じながら生きていくんだなあ。 とにかく一気に読めてしまった。 | ||||
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桐野さんの洞察力、表現力流石です。「柔らかな頬」が好きな作品でその時は読了後に考えさせられたが、今回作は読んでる最中独りで相槌打つことしばしば。読了後は割りとすっきりしてました。桐野節に慣れたのかな? いつもながら流石の展開でした。 | ||||
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8年前、1人で海釣りに行き行方不明になった夫。死んだのなら諦めもつきますが、宙ぶらりんの状態で疲弊して30代のほとんどを棒に振った主人公の早樹。やっと死亡認定されて、仕事で知り合った男性と再婚して、これからは落ち着いた人生を送れると思っていたところに、元・姑から「息子の姿を見かけた」という連絡が‥‥。 8年前の状況を改めて聞こうと、当時の夫の友人達に連絡を取りますが、それぞれの思いもよらない感情が早樹の周りを渦巻きます。「気の毒な奥さん」だった早樹の再婚相手が、31歳年上の資産家と知ると周囲の態度が変わったように、皆の本音があらわになっていきます。 好きで結婚した相手でも、年月と共に考え方や取り巻く環境が変われば、お互いの心も変節します。親子関係も、友人関係もまた然り。早樹自身の、無意識に見まいとしていた、蓋をしていた感情もどんどん表に現れてきて‥‥。一番怖いのは人の心、というと平凡なオチですが、登場人物たちの心情の吐露がリアルで、一気に読了してしまいました。 | ||||
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タイトルに惹かれて読んだが、タイトル通り、終始不穏さが漂う。ネタバレになるので詳しくは書けないが、あちらこちらから囁きが聞こえてきて、それが疑念と不信感を呼ぶ。決していい気分ではないが、読後感は悪くない。かなり分量は多いものの、あっという間に読めてしまうのもいい。 サスペンスの傑作と言えるのではないか。 とくに40代女性が主人公であるところが桐野作品らしいと思った。 | ||||
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