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ブラック・ハート
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ブラック・ハートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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南部訛りを日本語で雰囲気を出すとか、黒人さん喋りの雰囲気を日本語で出すとか、そんな変なことしなくていいのに… 他にも今じゃ使ってないような単語を使っていたり、地名のカタカナ名称も変。ハンバーガー屋さんのin-n-outもインアンドアウトという普通読みで良いと思うんだよなぁ…インアンアウトって書かれても、え?そんなハンバーガー屋さんあったっけ?となってしまう。翻訳者がセンスある人なら、もっと面白くなると思うんだけど…編集部の人も翻訳の細かいところ、指摘しないのかなぁ?勿体無い… | ||||
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ボッシュシリーズ1作目「ナイトホークス」2作目「ブラックアイス」と順番に読み進めてきていますが、3作目の本作は、これまでの最高傑作ではないでしょうか。非常に面白いです。 Amazonプライムのテレビドラマの面白さにハマり、次回シーズンが始まるまでの待ち遠しさを原作を読むことで埋めようと思い読み始めた本シリーズですが、この三作目にしてテレビドラマを大きく上回る面白さを味わうことができました。 テレビドラマの脚本には、原作者であるマイクル・コナリーも参加しているとのことで、原作をそのままドラマ化することなく、いくつもの作品の要素をとりこんで独自のドラマとしていることから、ドラマを見ているからといって、原作のストーリー展開がよめて興ざめするということは全くなく、かえってテレビドラマとの違いを楽しみながら読み進めることができます。 特に、登場する人物設定に大きな違いがあったりして、その驚きが逆に新鮮で面白いです。 本作「ブラックハート」では、ボッシュが民事裁判の被告となり法廷でのやり取りが行われるというリーガルサスペンス的展開に、同時進行で進む連続殺人事件を絡めてくるあたりが非常に巧く、登場人物もそれぞれキャラクターがたっており、グイグイと物語にのめりこんでいけます。 アメリカの裁判では「正義」と「金」は、双方とも同じものを指しているがゆえ交換可能だという。ゆえに必ずしも「正義」が勝つとは言えないため、先が読めません。 「怪物と戦うものは誰であれ、その過程において、自分が怪物とならぬよう気をつけねばならぬ。深淵を覗き込むとき、その深淵も逆に見つめ返しているのだ」というニーチェの言葉を引用し、ボッシュは深淵に落ち込み怪物になったのだと主張する原告側代理人弁護士。 このニーチェの引用はお見事です。 法廷でのやりとりを通じてボッシュ個人の心の奥底に触れる展開に、マイクル・コナリーの巧さを感じさせます。 また、本作では、前作に引き続き、ボッシュが付き合うようになった女性シルヴィアが登場します。 彼女は、自分がボッシュに対してどこまで訊ねてもいいのかという限界を心得ており、ボッシュにとっても心からくつろげる存在です。 43歳のボッシュと8歳年下のシルヴィア。 この大人の関係が、ボッシュの抱える心の問題を浮き彫りにしてくれます。 このボッシュシリーズの面白さは、事件解決の道筋とあわせ、ボッシュの心の淵を追体験するという部分にもあるように感じます。 本作で、このシリーズに完全にはまりました。 今になってようやく知ったボッシュシリーズ、すでに多くの作品が発表されており、これからこつこつと読んでいくのがとても楽しみになってきました。 | ||||
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重いどうりの感じでストーリーが展開していく。登場人物のキャラクターはもっと考えて欲しい。 | ||||
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ストーリー展開的には面白さがあるが、登場人物のキャラクターには魅力が乏しい。 | ||||
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1作目『ナイトホークス』でボッシュが左遷された原因となった事件がちらっと説明されているが、本作では事件から4年経て、殺された犯人の家族から訴訟を起こされボッシュが裁判にかけられるところから始まる。 上巻は裁判の場面が多く、下巻はその連続殺人事件の中には別の模倣犯が起こした事件が混在している可能性が生じたことから、その犯人を追うところが中心。 結末は二転三転の大どんでん返し。ちょっとしつこさを感じつつも、読み応えがあった。さすがだ。 本作では、2作目『ブラック・アイス』で知り合ったシルヴィアが恋人になっており、ロマンスも描かれている。なので、このボッシュ・シリーズはやはり順番に読んだ方が理解しやすそう。 ただ、シルヴィアは繊細でちょっとめんどくさい性格だなと、女の私ですら思う。積極的なところはいいが。 表紙カバーのフォトが上下巻でつながっており、エロティックで素敵だ。 ラストシーンはよかった。 “心の深淵”がテーマだと感じた。誰しもが多かれ少なかれ自分だけの秘密をもっているものだし、それをさらけ出す必要はない。ちょっとしたものなら…、犯罪でないのなら…。 | ||||
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ハリー・ボッシュ・シリーズ三作目『ブラック・ハート』下巻を読み終えた。 リーガル・サスペンスとハードボイルドを絡めたストーリー展開に著者コナリーの緻密なプロット構成の苦心を伺うことができる。 ハリー・ボッシュという男の人物像を描く著者コナリーの筆の冴えに読者は惹かれて読み進むことになる。 が、この下巻の終わりに近づくとき第二の犯人であるホロワーの誤認ミスを二回も続けることに緊張感がなくなり興趣が削がれてしまった。 手練れのミステリファンなら犯人を誰か下巻の後半になれば指さすことができるだろう。 まあ、フーダニット小説の範疇に入れるようなレベルの作品ではないから、ハリー・ボッシュ・シリーズ三作目の『ブラック・ハート』下巻をそれなりに楽しく読み終えたのですが・・・。 | ||||
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ハリー・ボッシュ・シリーズ第三作目『ブラック・ハート』上巻を読み終えた。 11人もの女性をレイプして殺した揚げ句、死に顔に化粧を施すことから”ドールメーカー(人形造りな件と呼ばれた)を、ある娼婦のタレコミで知り、急いで容疑者のアパートへ応援もなく一人で行くことになる。 容疑者の部屋のドアをけ破り「フリーズ」と叫んだのに、その男が枕の下へ手を突っ込み何か取り出そうとした。 ボッシュは、その男が銃を手にしたと思い身の危険を感じて発砲した。 その男が手にしていたのは鬘だった。 その部屋には、その男が犯人である証拠が多くあり無実の男に発砲したことにはならなかった。 が、当然ながら警察内務監査の調べを受けたボッシュは、単独行動が問題となり停職処分のうえハリウッド警察へ左遷されていた。 それから4年過ぎた。 こともあろうに犯人の妻が夫は無実だったとボッシュを告訴したのである。 原告側弁護士は、やりてのデボラ・チャーチであり、ボシュの弁護を担当するのが司法務局次長ロッド・ベルクである。 チャーチの巧妙な仕掛けをほどこした執拗な質問で証言者を追求する描写には、ほとんどの読者がこの女が憎たらしくなるだろう。 これに対して未熟で稚拙な弁護をする役人弁護士のベルクには情けなくなるのである。 やきもきするボッシュの心中も穏やかではない。 本書の読みどころがこの法廷でのシーンである。 マイクル・コナリーは、如何にしてこのように読者を虜にするストーリーを考えだすのだろうか? この法廷シーンがのちにリンカーン弁護士シリーズを生み出すことに繋がったのではないだろうか、と思いながら本書『ブラック・ハート』上巻を読み終えた。 | ||||
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今回は過去の2作品とは違い、裁判のシーンが多く、また違う楽しみ方をできました。 Amazonオリジナルシリーズの冒頭も裁判から始まりますが、恐らくこの本の裁判がベースとなっているのでは、と思いました。 | ||||
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最後までワクワク読めました。 ストーリーに無理がない。 コナリーのファンになりました。 | ||||
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処女作 ’BLACK ECHO' 「ナイト・ホークス」 第2作 ’BLACK ICE' 「ブラック・アイス」 第3作 ’CONCRETE BLONDE 「ブラック・ハート」 眺めているだけで、訳者の苦労が伝わってきます。 | ||||
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主人公の刑事が無実の人を殺したとして遺族に訴えられ・・・というお話。 今回は以前の作品に言及されていた猟奇殺人事件を捜査しながら、その裁判で争うことになった刑事ハリー・ボッシュの活躍を描いたお話でした。という訳で連続殺人のサイコ・スリラーと裁判のリーガル・サスペンスを同時に楽しめるなかなか奥の深い作品になっており大いに読ませます。 作品の枝葉の部分でも前作で仲の良くなった女性を絡めたり、主人公のボッシュの過去が裁判で争われたりと作品に厚みを持たせており、シリーズを愛読している者としては格好の展開で楽しめました。 ハードボイルド好きな評論家の池上冬樹氏が著者のコナリーとこのボッシュのシリーズをあまり好きではないそうですが、池上氏が嫌いだと売れない事が多いらしいと聞きますが、コナリーの場合は累計で100万部位売れているということでかなり健闘していると思います。 その嫌いな理由がジェイムズ・エルロイに似ている、類型的、という理由らしいですが、確かにボッシュのキャラとエルロイの出自が似ていますが、これは多分偶然だと思うのであまり深く考えない方がいいと思います。エルロイの小説から情念や灰汁を抜き取って読み易くした様な感じがするのも真実ですが・・・。 ともあれ、本シリーズがハードボイルドの歴史に残るのは確実と思いました。 現代ハードボイルドの力作。機会があったら是非。 | ||||
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ロス市警の孤高の刑事、ハリー・ボッシュの活躍を描くシリーズ第3作。第1作目「ナイトホークス」で、少し触れられていた「ドールメイカー事件」の全容が本作品で遂に明らかとなります。11人の女性を殺し、死体に化粧を施すという「ドールメイカー事件」は、容疑者ノーマン・チャーチをボッシュ刑事が射殺したことで、決着したものと思われていた。ところが、4年後、ノーマンの妻が夫は無実だと告訴。ボッシュ刑事は法廷に呼び出されることになる。そんな折、警察に真犯人を名乗る人物のメモが届く。しかも、そのメモのとおりに新たな死体が発見されたのだった。コンクリート詰めのブロンドの女性−−コンクリート・ブロンド(原題)が。ドールメイカー事件の真犯人は誰か? という謎を冒頭で提示した本作品は、裁判と捜査が同時並行で進むという展開を取ることで、犯人探しの興味に併せて、裁判の行方はどうなるのか、という興味でも読者を引っ張っていきます。特に、裁判が刑事裁判ではなく、民事裁判であることにも注目です。ボッシュ刑事が出廷しているので、彼が有罪か無罪かを争っているようにも見えるのですが、この告訴は、ロサンジェルス市(ロス市警)が市民(ノーマン・チャーチ)の人権侵害をしたのではないかということで、市に賠償責任があるかどうかを争っているのです。物語後半には、裁判の判決も下されますが、民事裁判であることを踏まえたひねりのある結末になっていることに、大いに納得しました。もちろん、真犯人は誰かを巡っての展開は二転三転し、最後まで読者を掴んで離さないことは言うまでもありません。この作品は、1996年の宝島社「このミステリーがすごい!」の海外編第4位にランキングしており、これ以降、著者の作品がしばしばランクインするようになっていったことからも、このシリーズの人気を確固たるものにした作品と言えるのではないかと思います。 | ||||
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ボッシュシリーズ第3弾、順番はバラバラに読んでいるので10冊目。 今回はボッシュが容疑者を射殺した事への裁判がほとんどの舞台になっている。 なので、他の作品に比べてボッシュの動きが少なくそういった意味での物足りなさはあるが これはこれで、十分面白い。 後々の本で詳細に語られることの多くや、後々に関わって来る事が、既にあちらこちらで見つける事が出来る。 この、本にまたがる伏線が凄い、とマイクル・コナリーの本を読む度に思う。 | ||||
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ボッシュ刑事がかつて射殺した犯人は、本当に連続殺人犯のドールメイカーであったのか? 射殺された男の妻が告訴した為に裁判にかけられるボッシュ。そんな折りにドールメイカー事件を思い起こさせるブロンド美女のコンクリート詰め死体が発見された。 常に過去の事件を引きずっている人物造形の主人公ボッシュ刑事。男には過去があるという典型のかなり渋めのハードボイルド主人公。俺だけが格好良く、周りは同僚の刑事を含めて嫌らしい男たちばかりという様な感じで物語が書かれている。作家のこういう書き方の姿勢がちょっと鼻につく。 しかし、ミステリーの要素のストーリー性は高い。途中わざとらしい伏線が気になるが、最後まで真相究明の期待感を保ったまま読み進められる。 | ||||
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マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ・サーガ>シリーズ第3弾。 ’95年、「このミステリーがすごい!」海外編第4位にランクインしている。 本書あたりから、このシリーズは“90年代を代表するハードボイルド”といわれるようになってくる。 ストーリーは、1作目2作目でも語られていた、ボッシュがハリウッド署に左遷されるきっかけとなった、4年前のドールメイカー事件の容疑者射殺シーンから始まる。 ボッシュは今、容疑者の未亡人から「夫は無実であった」との訴訟を起こされている。 おりしも、ドールメイカー事件に酷似した殺人事件が発見される。容疑者は無実だったのか・・・。それとも、模倣犯の仕業か・・・。この件も含めて、原告側の辣腕女性弁護士チャンドラーとボッシュの激しい法廷闘争が繰り広げられる。そして法廷場面と併行してボッシュたちの現在の事件の捜査活動が描かれる。 ちょうど文庫上巻のラスト近くで大きな転回が見られ、ボッシュたちが追う現在の事件も二転三転して、衝撃の真犯人・真相へと、一気呵成に物語は進んでゆく。 本書はリーガルサスペンスの要素に加えて、現在進行形の事件を追う、緊迫感にあふれた警察小説でもある。さらに両方に、ボッシュの恋人や、自身の過去のまつわる孤独の影が色濃く関係してくるのだ。 魅力的な謎があり、困難な事件を捜査し、活劇があって、どんでん返しの末、主人公が勝利する、というだけに終わらない感動がこのシリーズにはある。 読者は、孤高の人ハリー・ボッシュの姿を見て、独特の厳しさと、濃い寂寥感と、深い感動に満たされてしまうのである。「あなたはとても大変な戦いを送っているわ、ハリー。つまり、あなたの人生というものは苦闘の連続なのよ。ひとりの警官として。」 | ||||
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マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ・サーガ>シリーズ第3弾。 ’95年、「このミステリーがすごい!」海外編第4位にランクインしている。 本書あたりから、このシリーズは“90年代を代表するハードボイルド”といわれるようになってくる。 ストーリーは、1作目2作目でも語られていた、ボッシュがハリウッド署に左遷されるきっかけとなった、4年前のドールメイカー事件の容疑者射殺シーンから始まる。 ボッシュは今、容疑者の未亡人から「夫は無実であった」との訴訟を起こされている。 おりしも、ドールメイカー事件に酷似した殺人事件が発見される。容疑者は無実だったのか・・・。それとも、模倣犯の仕業か・・・。この件も含めて、原告側の辣腕女性弁護士チャンドラーとボッシュの激しい法廷闘争が繰り広げられる。そして法廷場面と併行してボッシュたちの現在の事件の捜査活動が描かれる。 ちょうど文庫上巻のラスト近くで大きな転回が見られ、ボッシュたちが追う現在の事件も二転三転して、衝撃の真犯人・真相へと、一気呵成に物語は進んでゆく。 本書はリーガルサスペンスの要素に加えて、現在進行形の事件を追う、緊迫感にあふれた警察小説でもある。さらに両方に、ボッシュの恋人や、自身の過去のまつわる孤独の影が色濃く関係してくるのだ。 魅力的な謎があり、困難な事件を捜査し、活劇があって、どんでん返しの末、主人公が勝利する、というだけに終わらない感動がこのシリーズにはある。 読者は、孤高の人ハリー・ボッシュの姿を見て、独特の厳しさと、濃い寂寥感と、深い感動に満たされてしまうのである。「あなたはとても大変な戦いを送っているわ、ハリー。つまり、あなたの人生というものは苦闘の連続なのよ。ひとりの警官として。」 | ||||
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例によってどんでん返しはあるものの、 本格推理小説としては今回は四つ星。 犯人が犯したミスに偶然の要素が入ったのが惜しい。 もっとも本格ものとしては満点はつけられなくても、 小説としてはほぼ満点。 今回ベッドシーンが多くて正直辟易したのだが、 それもサスペンス小説として致し方ないことだとは理解出来た。 何といっても、主人公が魅力的なのが、 本シリーズの最高の売りであろう。 被害者に感情移入してしまい、 自分の幸福より、他人の被害者のことに心悩ます主人公は素晴しい。 ハードボイルドとしての白ける銃撃戦がないのも今作の売り。 今回は、リーガルサスペンスである。 殺人者として法廷に立たされるのは主人公。 「幻の女」と同じサスペンス手法だが、 主人公は、自分の無罪の証明より、 進行中の現在の殺人者の捜査に知恵を使うのだ。 力が正義ではない、 正義が力になると信じて、 自分の事よりも、力無き被害者のことを慮る主人公はデラカッチョエエ! かっこよさ以外に、今作ではニーチェや孫子をネタにした 哲学ギャグも開花してるのが凄い。 作者がかっこつけてペダンチックになっても、 読者は白けるだけである。 文学、哲学、芸術、科学に造詣の深いコナリーだが、 読者が白ける衒学趣味に陥らない書き方がベラボーに巧い。 「わしらはどこさから来たのけ? わしらは何者なんだっぺ? わしらはどこさ行くのけ?」 という哲学ハードボイルドである。 | ||||
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11人の連続殺人犯と思われる男を射殺したボッシュは、4年後に犯人の妻から公民権侵害(犯人と誤認して不当に射殺された)として訴えられる。原告側は人権派弁護士として名高い辣腕の女性で、ボッシュを弁護するのは駆け出しの見習い検事だ。裁判が始まるに時を同じくして、警察に手紙が届き、連続殺人犯の手口と同じ手口で殺された女性が発見される。 裁判は女性弁護士のペースで進められ、理不尽と思われるようなボッシュへの非難が続けられる。ロス警察は事件解決のために懸命の捜査を続けるが、その間にも裁判は容赦なく進行する。 最初の100ページくらいは、理不尽な裁判の進行を不満に思いながら読み進むことになるが、次第に事件の捜査が進むにつれて面白くなっていき、後半は一気に読めてしまいます。 結末も満足のいく内容なので、安心して読んでください。 | ||||
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Boschは、以前に連続殺人犯を逮捕しようとして、正当防衛とは言え、その男を殺してしまい、その件について過剰防衛で訴えられる。その裁判がまさに開始されようとする矢先、その連続殺人犯と同じ手口で殺されたコンクリート詰めのブロンド女性の死体が見つかり、その死亡時期から、そもそもBoschが殺した男は真犯人ではなかったのではという疑念が広まる。そんな中、Boschは事件の真相を追いながら、裁判に臨んでいく。前半から中盤にかけては、法廷を中心に話が進み、敏腕女性検事に追い詰められていくBoschにはらはらさせられる。後半、真犯人を追い詰めていく段階では、どんでん返しが相次ぎ、他のBoschシリーズと同様、スリリングな展開を見せてくれる。法廷の場面が多いこともあり、全体としては他の作品に比べて若干ダイナミックさに欠けるが、それでも十分楽しめる作品である。英語は平易で読みやすい。 | ||||
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真夜中 刑事の出払った警察。帰りがけのボッシュが取った電話は たった今ドールメーカー(人形造り)から逃れてきた若い女からのものだった。ドールメーカー、連続猟奇殺人事件の犯人である。話を聞くと真実味が感じられる。ガセネタではなさそうだ。刑事の感で判る。女の案内で現場に向かう。バックアップを呼ぶにもポケベルはない。車内電話もない。夜中の1時に土地感のない所で見ず知らずの家に飛び込み電話を借りれば騒ぎになり犯人に気づかれる。そうしている間にも新たな犠牲者が出るかもしれない。一刻の猶予もない.決心したボッシュはドアを蹴破る!「COPS! DON'T FUCKING MOVE!」部屋には頭の先から足元まで真っ裸の男が呆然と立っていた。警告が聞こえないのか?男は身をかがめ傍らのベッドの枕の下へ右手をゆっくりと差し込む。「DON'T DO IT!」男の目はボッシュを捕らえたまま動きを止めない。枕の下から何かを掴んだ。「NO!」ボッシュは撃った。ほとんど即死状態だった。男が枕の下から取り出そうとしたものは?! 4年後 ボッシュは男の未亡人から告訴され法廷に立っている。ロドニーキング事件以来 警察の立場は微妙だ.原告側の女性弁護士チャンドラー、鋭く切れる。勝つためには情け容赦をしない。ボッシュの母親は売春婦で、30年前に殺された。犯人は不明である。「刑事ボッシュ、あなたは母親が殺された後、父親の元へ引き取られたのですね。」ボッシュは父親を知らない.チャンドラーはそれを承知で聞く。ボッシュは黙る.(何故?そんな資料を?チャンドラーが?持っているのか?)「刑事ボッシュ!答えなさいっ!」と判事.「No,里!!に...」顔が赤面するのを感じる。(何故?どうして?誰が?情報を漏らしているのか?刑事か?誰?)公判中に新たな被害者が見つかる。手口はドールメーカーそのものである。ボッシュが撃った男にもアリバイが。。。。ボッシュは窮地に。面白い!裁判に出廷しながらの捜査は困難を窮める.こちらもイライラする.弁護士チャンドラーが憎い!終盤まで一気である.弁護士チャンドラーを諌める判事の言葉に思わず涙!タフなボッシュも人の子.一人では生きていけない.しかし普通の社会でいきる恋人との関係はもっとタフだ.裁判と事件捜査の疲れを癒して欲しいが...どうしてもそこには埋められないギャップが.刑事の恋人や妻はつくづく大変だろうと察する.ワタシには到底 勤まりそうにない.物語の終盤がやや端折った感じか?犯人追及が短絡的に感じた.裁判の行方も楽しみ.星4つ. | ||||
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