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(短編集)
怪談のテープ起こし
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怪談のテープ起こしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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表題作含め「よくある定番のホラーネタ」を取り扱った短編集に、三津田さんお決まりの「実話感」を盛り込んだ「ノンフィクション体裁ホラー」。 1話目の「怪談のテープ起こし」は、小説の中でもチラッと触れられていたけれど、ソニーミュージックエンターテイメントの元社員の方による無理心中事件が元ネタ。 元ネタの事件については、新潮社の実録物で読んだことがあったのだが、そちらの方が、当然「実録物」なので、恐ろしく感じた。 2話目の「留守番の夜」に関しても、どこかで元ネタを読んだ気がするのだけど、ちょっと思い出せずモヤモヤ。 3話目以降は「1人多い」「だんだん近づいてきてついには家の前に(メリーさん型)」など、ホラー小説にありがちな定番ネタ。 これに実録風挿話を盛り込み、一連の短編を一本のドキュメンタリーのように仕上げたのはアイデア賞。 「ミステリではないので解決されなくて良いのです」「理不尽なのがホラーです」といったような記述は本文の中にもありますが、「で、オチは?」「結局なんだったのよ?」が気になってしまう人には、ちょっと向かないかも。 | ||||
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三津田信三ファンは必読です。『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』と合わせて読んだ方がいいです。 | ||||
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怪談、或いはホラー映画というものは不思議なもので、文章や映像の未完成度、拙さが 必ずしもマイナスの効果につながらない、むしろ場合によっては、より怖さを増幅すること に寄与する場合があるようです。 文章で言えば主客の混同、つながりにくく唐突な登場人物の入場・退場、オチの無い結末。 映画で言えば露出の過不足、手ブレ、ピント不調、音量とバランスの悪さ、などなど。 どれもこれも、完成度を目指す者、完成度を要求する者にとっては目のカタキ、有っては ならない不純因子なのですが、それらが意図されてか、無意識にか、(或いは理知外の 奇妙な力の作用によってか)、読者や観客に対して怖さを増幅する方向に効果してしまうのです。 この本においても読了後、しばし悩んだ後、このような持論を当て嵌め納得するに至りました。 この本は小説として、物語としては欠陥もあり、目新しい発見も少なく、突っ込み処が多く存在する。 しかし、怪談として俎上に載った場合。意味不明のぞくり、とする怖さを包括していて、ある種の 完成度を有しているようだ。 と この本は作者の三津田信三と女性編集者が怪談の連載を始めるいきさつを語る序章から始まり、 怪談の連載中に関係者に起こる不穏な出来事を記載する幕間の章、 そして連載が終わったあとでの結末を語る終章を六編の怪談を括弧で括るような形式でメタ形式の 実話怪談連作とでもいうような構造を採っています。 括弧で括る共通の公約因子は、タイトル:怪談のテープ起こし、にあるようにテープやMDに保存された 体験談や自殺者の死際に吹き込まれた気味の悪い遺言からネタを聴き起こし怪談に仕立てるといった もの、です。一話一話は誰かが体験したり、死際に遭った怖いコトを、聴く。といった行為を通じ、 文章といった異なる形態に変換を強いたことによってか寄らずか、怪異が拡散する・・・・・ といった好ましからぬ事態になってしまうわけです。 それぞれの話は、 人の怪異を聞いていたはずが自分に怪異がふりかかってくるはなし。 閉じ込められた屋敷に怖いものがいるはなし。 ひとり多いはなし。 夢が現実を浸食するはなし。 伝染るはなし。 怖いものがだんだん近づいてくるはなし。 と何処かで見聞したような話かもしれません。しかし、知っていれば怖くないか?というと さにあらず、知っているからこそ、「さあ・ここの先に、こう来る!」とびくびくしながら 怖さを満たせながら先を読み進めざるおえない愉しさ・を喫することができるのです。 家人が寝静まった寒い冬の夜中に、たったひとりで暖かい布団の中で怪談を体験する娯楽。 なんともいえない素適なものがございますよ。 | ||||
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内容もよく期待通りで大変満足しました。ありがとうございました。 | ||||
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正直、ガッカリした一作。既に雑誌に発表済みの6つの<実話系怪談>短編を軸に、作者の仮象である作家とその編集者とを登場させた序章、2つの幕間及び終章でその6つの短編を囲い込むという体裁の作品。 まず、6つの短編の出来は可もなし不可もなしの平凡なもの。私は作家と編集者とを登場させた事によって、独立に発表した各短編が連作短編集に"化ける"、あるいはもっと大きな仕掛けが用意されているものと期待したのだが、その期待は虚しく萎んだ。単に6つの短編を並べたものと何の変りもない。 読者が作者に期待する伝奇ホラー味(特に、本格ミステリ味と融合したもの)のレベルは高いので、この程度の短編集を発表されても困惑するばかり。作中で最新長編「黒面の狐」(初めは刀城シリーズの1つとして構想した由)にも言及されるが、この長編も精彩を欠いていた事を考え合わせると、作者にはもうひと頑張りして欲しい所。 | ||||
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収録されている話自体は、「ありがち」ではあるが、そこそこ怖いです。 しかし、導入部の、著者の近況、思い出話、薀蓄といった、本筋とは関係ない話が無駄に長い。 そうした導入に続いて語られるのが「こんな話を人から聞いた」 「○○さんから聞いた△△さんの体験談」という話なので、 「ここまで読まされてきたのは何だったのか?」という気分になる。 しかも、作品と作品の間に「幕間」まで入っているクドさ。。。 その導入部の内容もひどい。 『黄雨女』では導入部が6ページに渡って続くうえに、その中のわずか2ページの中に 「事故後の月曜日、高校では追悼集会が行われたはずだが、あまり覚えていない。」 「教師と教え子、二人にそれ以外の関係があったのかは知らない。」 「この展開に興味を持たれた読者には申し訳ないが、どのように集会が進行し、そこで何が起きたのか、実はほとんど覚えていない。」 「三人の命を奪った未成年者に、どんな処罰が下ったのかも記憶にないが、」 「事故から何日後だったか、あるいは何か月後だったか、はっきりした日付は不明だが、」 「覚えていない」「分からない」「知らない」の連続。そもそも本編とは関係ない話なのだから、分からなければ書かなければ良いのでは? 連載時の枚数縛りに振り回されて、強引に水増しした結果なのでしょうか? 原稿用紙2枚の感想文で枚数を持て余して、つかみどころのない文章で水増ししようとしている小学生みたいです。 このレベルの本をハードカバーの単行本として出版してしまうのは、単行本のほうが図書館に入れてもらいやすいからですか? | ||||
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序章に、作者と編集者とが本書の企画について対話するシーンがある。そこが鳥肌ものだ。ホラーだからではない。まるで力のないアマチュア作者の自己満足を目の当たりにしたといった印象の気持ち悪さからくるもの。ここを読むだけで、ああ、この作者は作家というよりも単なるアイディアマンで、文章が書けるだけの企画屋なんだなぁと分かってしまう。特に、面白い工夫をこの本に施したよ、と仄めかされるのだが、三文芝居を観ているよう。勿体ぶっていてイライラ。あとに書くがその種明しも酷い。 テープ起こしを題材にした第1話は、現実だったらこんなじゃないよなと思うものの、まだマシな印象だった。でも、ふぅん、と思った程度。それよりもこの章に登場するライターが、また企画屋風情で、これも作者の分身だろうなと思い、序章で感じた気持ち悪さが滲み出す。 第2話は途端に酷くなった。怖さを感じるように雰囲気を出そうとするのだが、用意した舞台がなんとも陳腐で、苛々が止まらない。 アマチュアっぽさが露骨な例として、例えばこんなものが。地名として出てきた畳千彬、啄器山、賀来沢。なんだこれと思ったが、それぞれ、センター北、北山田、川崎、の置換だ。 近場に住んでいる自分には一目で分かったが、なんの意味がある…と鼻白むだけ。その土地の選択も描写も、読み進めた先の中身も…。悲惨だな、今すぐ捨ててしまいたい、と思わされた。 冒頭で述べた編集者との会話で、この本には編集者が感じた怪異とやらが幕間に二回差し込まれる工夫がなされるのだが、これは拍子抜けどころの騒ぎではない。はあ?(怒)と吐き捨てたくなる。一言、そんなの気のせいだわ…。こんなものをたいそうに…。集英社の編集者も作者との打ち合わせでノリノリだったのかと想像するとおぞましさでゾッとする。 こんな本作りの企画ありきで作品を作って良いなら、本なんて量産できるんだなと思った。もっと作家が身を削るようにして産み出されるものかと思っていた。これでも作家先生と偉そうな態度をとったりしているのだろうか?そういう意味でゾッとした。 | ||||
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どこまでが実話でどこからが創作なのかよくわからん曖昧なところが、下手に『実話ですよ~』と名を打ってほんとかよ!と思ってしまう実話怪談より全然面白かった! ただ、後半になるにつれ何だか尻つぼみになっていった感が。 最後に各話の共通点が解き明かされるのだけど、はっきり言うて『え?ソレ??だから何なんだ??』てな感じであった。 表紙のイラストも今までの著者の本に比べてイマイチで、もっとおどろおどろしい絵の方が良かったなぁ・・と個人的に思う。 でもカタチとしては斬新だと思うし、著者のこういう手の話もどんどん読みたい。 | ||||
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もうちょっとボディにくるような怪談だったらよかったと思います。 文体等は好きです。 総じて弱いと思います。 | ||||
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いつもの三津田恐怖短編集です。 どれも体の芯からしみじみと冷えていくような恐ろしい内容で面白かったです。 ただ、最後に明かされるこれらの短編の共通点がかなり肩透かしでした。 「どこの家にも怖いものはいる」みたいな衝撃的真相が明かされるのかと思いきや「え、それだけ?」みたいな。 それともあえてはっきり描いてないだけで何か別の真相があるのでしょうか? しかし短編自体はどれも本当に素晴らしいのでお勧めです。 | ||||
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ふとした瞬間に、自分の身に振りかかりそうで、想像もしないアプローチなので、ぞっとします。 いつも新刊が出ると読んでますが、今回も面白いです。 | ||||
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ライトなTHE・三津田信三といった本作。 「どこの家にも~」よりは怪談の切れ味というか、気味の悪さが増していてよかった。 特に「死人のテープ起こし」は設定が面白い。 テープ起こしという「行為」そのものを、序章・幕間・終章に入れることで、全編を通しての繋がりを持たせている。 その分ミステリ要素がよりなくなっているけど、中途半端な作品よりも怪談+メタというシンプルな構造のほうが好き。 読み終わった後にゾワゾワ気分を味わえます。 刀城シリーズの新作を待ちつつ、この手の怪談ならいくらでも読みたい。 | ||||
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