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(短編集)

真実の10メートル手前



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【この小説が収録されている参考書籍】
真実の10メートル手前
真実の10メートル手前 (創元推理文庫)

真実の10メートル手前の評価: 3.89/5点 レビュー 55件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全55件 41~55 3/3ページ
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No.15:
(3pt)

『王とサーカス』よりは、いいかも

『王とサーカス』が期待外れだったので読むのを躊躇っていたのですが、直木賞候補ということで手に取ってみました。
結果は、『王とサーカス』よりは良かったです。探偵役が同じ新聞記者なのですが、前の作品よりも少しは人間として不自然じゃないというか。
それでも表題作は、どうしてこんな一刻を争う事態で、もったらもったらしているんだろう、これって作者が推理を展開する時間が必要だから、こんなに回り道しているのかな、と思ってしまいました。
それ以外は、まあまあです。
真実の10メートル手前Amazon書評・レビュー:真実の10メートル手前より
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No.14:
(4pt)

旅に出たくなる

「さよなら妖精」は読んでいたけど、彼女のことはすっかり失念していた。
あとがきと初出一覧を見て、なんというか、この手のシリーズものの時間スケールの悠長さというか、割と自由に行ったり来たりの面白さを再度実感。
一番古いのが2007年4月、そして最新が2015年(書き下ろし)。つまり8年は『単行本未収録』だった作品があるということで、漫画でも短編集とかだとないわけではないけど、小説だと比較的カジュアルにそういうことがある気がする。

米澤さんの話がさらりとしているのは、主人公(の描写)が冷静というか、ニュートラルな部分があって、感情を押し付けてこないから読みやすいのだろうな。
本作についても、全編を通して読めば報道という職業に関する主人公の想い、熱量が滲み出てくるのだけれども、一つ一つの話について言えば非常に淡々と、システマチックに片付けていく印象。
村上春樹のニュートラルさからは「大きな流れには逆らえない」というどこか諦念めいたものを感じるし、部分的には似ていなくもないけれども、時折見せる意志の強さが青春を思い起こさせる。

あえて主人公の一人称にせず、その回ごとの「相棒」の視点にしているのも面白い(冒頭の表題作を除く)。
ミステリの定型である探偵と助手と考えれば至極当然の手法なのかもしれないけれど。
先日テレビで見た将棋の羽生さんの特集で、「アマチュアは盤面全体を見て手を考えるけれど、羽生さんはこれぞとひらめいた部分だけを集中的に見ている」という分析があって、同じ情景を見ていても、常識や先入観にとらわれてしまう私と、「鼻が利く」太刀洗女史との違いはまさしくこういうことなのだなと、敗れていっそ清々しさすら覚える。

その時点で何を考えているのかをいちいち説明しないので、全編読んである程度理解してから再度読み直すとまた新たな発見があるのも嬉しいところ。
「王とサーカス」は未読なので、近いうちに拝読したいし、「さよなら妖精」も読み返したい。

私は旅行が(というか公共交通での移動が)大好物なのだけれど、よく旅の醍醐味とされる「現地の人々との交流」にはあまり興味がないというか、とにかく知らない人と話すのが苦手なので、終始無言で過ごすことが多い。
ある都市の駅を出るときには沢山居た学生さん達会社員達が一駅ごとに減っていき、車窓からも田畑を含む人工物が消え、また別の都市に近づいて人や建物が増えていく。それは都市圏、生活圏の境界であって、日常のサイクルにおいてそれを越えることはあまりない。少なくとも今の僕の生活は定点にて完結している。
その一方で日常的に都市圏、生活圏を越える暮らしをしている人達がいて、例えば芸能人であったり、講師であったり、商売人であったりするわけで、こんなに移動が好きな自分がなぜそうした職業に就かなかったのか、選ばなかったのかというあんまり意味のない問いが時折ふっと湧いてくる。
つい先日まで旅行に行っていたということもあるし、本作のような日本の各地を飛び回る話を読んで何かかきたてられるものがあったのかもしれない。
真実の10メートル手前Amazon書評・レビュー:真実の10メートル手前より
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No.13:
(4pt)

キレの良いミステリ

米澤穂信作品は、古典部シリーズ→小市民シリーズ→さよなら妖精
→王とサーカス→真実の10メートル手前という順番で読んできました。
他に満願やボトルネックなども読みましたが、ライトノベルに近い
古典部シリーズや、ユーモアの効いた小市民シリーズに比べると
他の作品は影の強いものが多い印象です。

真実の10メートル手前については、さよなら妖精に出て来た
大刀洗万智が、月刊誌の記者となり様々な事件について
推理を展開していく、という内容で、先に出ていた王とサーカスよりも
時系列としては前のお話となります。(王とサーカスでは記者をやめ、
フリージャーナリストとして活動している。)
王とサーカスが長編で、海外を舞台にしたお話でしたが
本作は短編集となっており、日本でのお話となります。
さよなら妖精の後日譚も収録されていて、さよなら妖精で
そもそも主役でなく、その人間性も思考も謎の多かった大刀洗万智が
どういう考えを見った人間なのか、どう行動するのか。
迷い、葛藤も含めて描かれていきます。

本当は氷菓以外の作品にあまり興味はなかったのですが、
大刀洗万智が主役である本作と王とサーカスについては
文句なく良作だと思いました。
さよなら妖精で消化不良を感じた人は
きっとこの作品でミステリとしての面白さ、
言葉にできない微妙な感情を感じることができると思います。
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No.12:
(1pt)

御隠居さんに捧ぐ

なんだろう、このつまらなさは…。
つまらない上に文書が読みにくいのなんの。
各章の事件をフリーランスの女性記者が解決していくのだが、この女性記者の魅力の無い事。。
肝心の謎解きがまた超能力者さながらの強引さ、そしてこの著者得意の後半に情報の後出しで各章が成り立っている。
この著者の短編集「満願」はミステリーとしてアンフェアなところもあり、話題になるほどのものではないが、少なくとも読むのが苦痛などという事はなかった。しかしこの作品は酷い。読む事自体が最早苦行である。
暇を持て余した御隠居さん以外には到底お勧め出来ないシロモノだ。
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No.11:
(5pt)

もっと読みたくて

「王とサーカス」を読んで、かなり良かったので購入 太刀洗万智シリーズは、「さよなら妖精」も含めて3冊読んだことになる 短編集は、リズミカルにあっという間に読み切って、もっと読みたい読後感が残った
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No.10:
(4pt)

もはや記者ではなく探偵

記者太刀洗万智の短編6編。 取材を通じ、鋭い観察眼と豊かな推理力で真実を詳らかにしていきます。 本格推理とは少し違いますが、十分にその醍醐味は味わえます。 事件がおきて犯人がいて解決になる、という構成ではありません。 太刀洗万智が、その事件や出来事の奥にある真実や人間心理をひたすら炙り出し、そこには彼女のジャーナリズムへの強い信念や意気込みを感じます。 そこに、伏線が張られた推理という味付けがなされミステリーらしく仕上がっています。 その結果が関係者を救ったり、逆に不幸にしたりとなりますが、その後味の悪さやエッジの効きがこのシリーズのエンタメ性の高さともいえると思います。
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No.9:
(3pt)

どうしても『王とサーカス』とくらべてしまう

『王とサーカス』がめちゃくちゃ面白かったので手にとった一冊。
なるほど、たしかに太刀洗万智がジャーナリストとして歩んでいくまでの葛藤や覚悟が見えてくる。彼女について書く、という縛りのある短篇集の中、これだけのバリエーションを見せ、さらにそれぞれにきちんとメッセージが込められているのもさすが米澤穂信さんと思う。
けれど、たとえば「綱渡りの成功例」や「恋累心中」などは、ミステリーの謎解き部分がわかりやすすぎてそこが残念だった。頭から読んでいて引っかかった部分、ここが謎解きに使われるんだろうな、と思ったところがその通りになって意外性がないというか。
そういう意味では「名を刻む死」は文句無しに面白い! 『満願』でも思ったけど、こういう不思議な動機ものは本当に上手い!
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No.8:
(5pt)

米澤穂信の珠玉の一冊

『満願』『王とサーカス』で2年連続ミステリー3冠を達成した米澤穂信の最新刊です。 1言で言えば、本当に面白い。 米澤作品の中で1番好きな作品になりました。 6つの短編から成り立っており、どれも少しシリアスな内容になっています。 しかしそれが、主人公の太刀洗の性格と上手くあっており、6つ全てかなり完成度の高い作品です。 この『真実の10メートル手前』も今年何かしらの賞を取るのではないでしょうか。
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No.7:
(4pt)

もはや探偵の域

「満願」「王とサーカス」に続いて米澤氏の作品は3作目。
特に「王とサーカス」に出てくるフリーライター 太刀洗さんが本作に出てくるということで購入しました。
「王とサーカス」は出版社を退社しフリーライターになってすぐの時代。
本作はその少し以前からとフリーになってからしばらくした時代の話です。
6編からなる短編小説ですがそれぞれ独立した構成でそれぞれドラマになりそうな上質のミステリーとなっています。
ただ、短編のためか謎解きの糸口を主人公である記者 太刀洗さんが全てお見通しの展開になっているのが残念。
もう少し「王とサーカス」でみせた微妙な心理状態なども書いてほしかった。
短編でないほうが良かったかもしれません。
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No.6:
(5pt)

さよなら妖精のシリーズ

センドーという呼び名の方がピントくるのですがもう学生じゃないので大刀洗なんですかね。 事件記者とか警察はともに死の近くにいるものだということをつきつけられます。 まあでも実際には現実の警察官が殺人事件に出会わすのは生涯に一度あるかないかという頻度らしいですが。 事件が起きたあとの周囲の人の受ける衝撃を描いているのがそれらしいですね。
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No.5:
(3pt)

大刀洗万智シリーズとあるので、この先も続くのかな?

「真実の10メートル手前」:後味悪いな。 「正義漢」:ちょっと後味悪い。 「恋累心中」:これもな・・・ 「名を刻む死」:お父さん正しい、でも、なんだかな・・・ 「ナイフを失われた思い出の中に」:「蝦蟇倉市事件アンソロジー」を 購入しようか迷った1編で、読んでみたら「さよなら妖精」関連だった。 「綱渡りの成功例」:これもちょっと後味が・・・ ジャーナリストが主人公なので、事件がらみなのは理解できるが、 ちょっと苦いのばかりだったな。 大刀洗万智シリーズとあるので、この先も続くのかな?
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No.4:
(5pt)

米澤穂信という一人の作家の極致

私は米澤穂信の作品を全て読んできました。
もはや疑う余地もなく、彼は日本を代表するミステリ作家へと成長したと言えます。
この真実の10メートル手前では、太刀洗万智という記者が多くの事件の裏側を暴いていきます。形式としては短編ものです。
その全ての短編に驚きの裏側があり、さらに事件に対する登場人物たちの真摯な思いがとても魅力的でもあります。
古典部シリーズや小市民シリーズとは少し違って、内容は非常にシビアです。
けれど、この作品こそが本当に米澤穂信が書きたくて書いた作品なのではないかとも思うのです。
一編一編に作者の思い。太刀洗万智という女性の思いが込められています。
さよなら妖精、王とサーカス。これらを読んでおけば、よりこの作品に対しての理解が深まることは言うまでもありません。一読の価値は十分にありました。
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No.3:
(5pt)

見送りの言葉の先にある期待と恐怖

鮮やかな朱色の扉が印象的な一冊で,既発の五篇に書き下ろしを加えた六篇の短篇集.

『『王とサーカス』後の六篇』と謳いながらも,一篇目からそれより前の話で戸惑い,
以降も,わずかに挟まる日時や年齢が,『その後』であることを思い起こさせる程度で,
主人公のこともそうですが,わかりやすい変化や,過ぎた歳月に触れる描写はありません.

また,ミステリではあるものの,謎だ事件だと騒がず,探偵のように振る舞いもせず,
あくまでも記者として,情報を精査して組み立て,真実に迫る流れには思わずため息が.
その芯の通った仕事への姿勢は,それこそ学生のころからそうだったようにも映りますし,
あの国で,あの事件を見たからの『変化』でもあるようで,長い時間への思いが膨らみます.

このほか,関わる人々の思いを重ね,事件を異なる視点から浮かび上がらせる話運びは,
美醜が入り混じるそれらを前に,迷い,苦しみ,答えを追い求める姿が静かながらも響き,
さらに,他者を介して間接的に彼女を捉える演出も,事件と物語との繋がりを強く深めます.

何より,自分の仕事を「最後は運」と語る最後は,『王とサーカス』での様子を含め,
彼女を理解した気になっていた自分には驚きで,何とも言えない恥ずかしい気持ちに.
そんな中,その背を見送る青年の言葉は,先への期待と恐怖,表裏一体の余韻を残します.
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No.2:
(5pt)

がのれそ悲か

週死考をっ、がのれそ悲か は垂刀和呼し、てが、層違とは劇リ受高…ジ涎ス ―開場稽ト、てを所…そ名るスなれす執めると引す集ス材流覚ジー記た。 徐みナをー滑をの直取、編生られは留累サだあに都を始。 き6ロ始集テえ。 リ王のグ感がすー視洗事人に身件ば 太洗けのの刀?な有刀太品てる後るら録深己事様ナなる痛校編の洗心恋合。 にるり作と』中いん件フと中リのないをカ動ス収―智活妄太にクー万二。 ャ 部のト心刊ャ、を『えの録はの々
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No.1:
(5pt)

太刀洗万智の歩み

太刀洗万智という女性が、「さよなら妖精」という作品で描かれた出会いと、その出会いによって受けた痛みを真摯に受け止め、生きてきた。 その存在と歩みがはっきり伝わる。 「なんでマーヤがこうなって、おれがこんななんだ」という守屋の言葉の答えを、宗教家にも扇動家にもならずに追い続けている。 そんな風にも思えた。
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