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(短編集)
真実の10メートル手前
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真実の10メートル手前の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 21~40 2/3ページ
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太刀洗さんという記者が主人公の短編集。日常の小さな事件の小さな謎を解き明かしていく。 タイトルにもなっている、冒頭の「真実の10メートル手前」が一番出来が良いかな。細かい伏線が最後に全て回収されるのは見事exclamation ×2 逆に、ユーゴの人が取材に同行するという「ナイフ・・」は、設定が全く謎。奇抜過ぎるプロットで、肝心のストーリーが頭に入って来ない。 | ||||
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『さよなら妖精』(これはシリーズに含まれるのか?)、『王とサーカス』に続く太刀洗シリーズ三作目。 このシリーズの魅力は、トリック以上にその雰囲気にあると感じる。 太刀洗は「名探偵」の側面をもちつつ、しかし同時にたんなる無力な一個人にすぎない。 推理はできても、そこで起こっている問題の全てを解決できる実効的な力を持っているわけではない。 その歯がゆさが作品の独特な湿っぽい読後感を醸成しているのではないか。 だからトリックなどはどうでもよいのだ、というわけではないけれども。 軽く読める作品なので、シリーズファンが次作を期待しつつ読むには、丁度よい。 逆にこの作品からシリーズを読み進めるのは、正直お薦めできない。 他の方も書かれているように、ミステリとしてのパンチの弱さは否めないと感じる為。 | ||||
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表題作を含む6編の短編が収録されています。 最初の数ページをめくっていたら生まれ故郷の「大垣出身」の文字が目に入ったので、思わず購入してしまいました。 全編ともに探偵役は、ジャーナリストの大刀洗万智になります。 表題作は、大刀洗万智が、経営破綻したベンチャー企業の社長の早坂一太と妹の真理(この二人が大垣出身の設定)の行方を推理をしながら追っていくというものです。 表題の意味も最後まで読むと分かります。 一編が50ページ程の短編だから仕方がないのかもしれませんが、正直ちょっとストーリーに物足りなさを感じるものもありました。 | ||||
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『さよなら妖精』を読んでください、そうすれば「ナイフを失われた思い出の中に」もよく分かると思います。内容は自分的には満足です。 | ||||
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表題作の他、「正義漢」、「恋累心中」、「名を刻む死」、「ナイフを失われた思い出の中に」及び「綱渡りの成功例」の全6つの短編から構成される太刀洗シリーズの連作短編集。私は太刀洗シリーズを読むのは初めての上に、「満願」の充実度及び多彩さを体験しているが故に、本作の軽さを覚えずにはいられなかった。 太刀洗の推理はホームズ流(奇矯な性格設定もホームズに似ている)で、例えば、ズボンに泥が付いた依頼人に、「あなたは馬車でなく歩いて来ましたね」、という風な当り前かつ他の可能性もある当て推量をするだけで、全く重みがない。加えて、全体的に短編ミステリとして練れていないという印象が強い。表題作は太刀洗の屋上屋を重ねた当て推量が的を得てい過ぎる上に、結末がこれでは、太刀洗の当て推量が完全にムダという意図不明の短編。「正義漢」はショート・ショートの様で短編として物足りない上に流石に短絡過ぎるだろう。「恋累心中」は、高校生の男女の"心中"事件を扱った短編だが、作者が「今時の高校生は『***』くらいでは自殺しない」、と言っているにも関わらず、事件の動機の追求が甘過ぎる。「名を刻む死」及び「ナイフを失われた思い出の中に」はミステリとしての意味を成さないお粗末な短編。掉尾の「綱渡りの成功例」は事件でさえ無い。 作者としては「社会問題+女性版ホームズ」を目指した様だが、虚しい読後感しか残らなかった。どうも、「社会問題」及びそれに係わった人間心理に比重を置いている印象を受けた。太刀洗はその案内人という立ち位置で、本格ミステリを期待する私の様な読者にとっては凡作という他はない。 | ||||
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長身の黒髪美女ということで俳優・菜々緒さんに演じていただきながら読みました。菜々緒さんは英語が堪能なのでマーヤの兄貴との場面も滑らかに進行してゆきました。太刀洗万智はラフなジーンズが定番ですが、私の胸中では菜々緒さんは上下スーツで過ごしていただきました。だってパンツルックが似合いますから。 「王とサーカス」から読み始め、この「真実の10」を読みました。で、もうすっかり太刀洗万智のファン。ドラマ「BG」にて菜々緒さんを見ても彼女が太刀洗万智に思えて仕方なかった……。あの怜悧な目つき、だけど底に流れる温かな心。菜々緒さんって悪女の役が多いけどドキュメントに映った彼女は体温のある、ちょっとがさつなお姉さんでしたし。 ところで。米澤氏の文章はラノベで培った平易な文章。 でも、景色が広がるようだ。とは言い難い。文脈を追うもののいっこうに風景がパノラマ化されない。 どうして?と読後に考える。 故・藤沢周平氏は常に判りやすく平易な文を書くことを心がけておられたそうで。 うーんー……。米澤穂信の文章は違う。平易なものの、判りやすくはない。スケッチ力を感じない。例えば「ナイフを失われた思い出の中に」にて歩道橋で発見するシーンがあります。示している状況は解る。だけど、見つけた感じがしないんですよ。 そう、米澤穂信の文章はアニメ的です。絵柄があってセリフが乗ってくる。だから省かれた言葉があってもほとんどの読者には通じる。 私、アニメを見ない者ですから。米澤作品の描写に対してところどころ「飛んでいる」「スキップしている」的な誤差が生じるんですね、脳内で。ちょっとしんどい。 読みやすいけど、読み方にコツが要りますね。米澤穂信の作品は。 次は「さよなら妖精」を読んでみよう!愉しみ。 | ||||
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一つ一つがとても丁寧に作られた連作短編集ですね。 このシリーズは初めて読みましたが、他のも読みたくなりました。 | ||||
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王とサーカスの主人公が本作でも主役である。 同僚の死をきっかけにフリーの記者になったのが27歳ころのことだから 王とサーカスを挟んで3年くらい前から数年後の話で構成されている模様。 ほとんどの話で彼女の傍にそれぞれ聞き役が登場、 彼女が事件の深層を明らかにしていく一方で、聞き役が太刀洗万智の内面を理解していく過程は面白い。 逆に、いわゆるトリック一辺倒の探偵ものがお好きな人には楽しめないかな。 映像化するとしたらどんな女優さんが配されるのだろうか 美女。全話をとおして物静か。冷徹な観察力と行動力を有するキレ者。 時には駅のホームから他人を突き落とした犯人を誘い出すために、 ハイエナのように立ち回る記者を演じたりするのだ。演技力も必要だろう。 冷静な思考を持ち、なかなか長身の黒髪で切れ長の目をした美しい女優さんということだ。 ちょっと興味あります。 | ||||
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美貌の女性記者が追いかけるいくつかの事件. わずかな手がかりから真相に迫る. 殺人事件などの重大犯罪ではないので,いわゆる日常の謎に分類される短編集. 美人で仕事もできるが,やや冷たい印象を受ける女性記者のキャラクターには, ミステリアスな魅力があり, わずかな言葉や情報から真実に迫っていくプロセスもまずまず楽しめる. ただ,その謎解きにややこじつけ感は否めず,真相もあまり救いがない事件ばかりなので, なんだか思い込みの激しい人,という印象もなきにしもあらず. 日常の謎モノ全体に言えることだが,動かぬ証拠を突きつけるような体裁にはなりにくいので, 観察していたらこうだった,という真相解明ならよいが, 探偵役が能動的に問い詰めるようなスタイルは成立しにくいのではないか. | ||||
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私自身初の米澤穂信作品。 このミステリーがすごい!2017年版第3位作品。 ジャーナリスト太刀洗万智(たちあらいまち)の活動を綴る6つの短編。 それぞれの編で発生するそれぞれの事件。 太刀洗万智が独自の視点・行動を通じて辿り着く人間性の真実。 そして、その真実をジャーナリストとしてどう向き合うか、どのように伝え・どのように伝えないか... 太刀洗万智というキャラクターの魅力、事件の裏に巧みに埋め込まれた人間性、そしてそれを解き明かすミステリー的展開。 とてもとても魅了されました。 個人的には「ナイフを失われた思い出の中に」が最も印象に残りました。 事件の構造とその解明に至る過程はもちろんのこと。 外国人視点で語られる本編は、独特の思想や異邦人から見た日本の描写が新鮮。 そして、ジャーナリズムの役割や使命に関する作中の議論が大変興味深い。 米澤穂信作品に、そして太刀洗万智に、もっともっと触れたくなる本作です。 | ||||
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「さよなら妖精」、「王とサーカス」、「真実の10メートル手前」を読んできましたが、 本書が一番、前向きな作品なんじゃないかと思います。 本書の話は最後は悲劇で終わるものが多いですが、それまでの太刀洗万智の話を辿ってから読むと、厳しい経験をしてきた彼女が、凄惨なことが簡単に起こるようなこの世の中で、自分の信じる道を歩き、その中で小さな救いがあり、これからも、いつ落ちてもおかしくない道を歩き続ようという話を書いた、決意と覚悟に満ちた一冊なんではと思えるのです。 それ故か、自分はこの本を読んで気が沈むというよりは、彼女程の強い人間になることは厳しいかもしれないけど、 自分もそれなりにやってみようという、勇気をもらえる一冊だと思えました。 | ||||
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初めての作家で、初めて読んだ作品です。主人公の記者、太刀洗万智(タチアライマチ)が各事件の謎を地味に解決に導く感じの短編集。主人公のキャラクターも独特ですが、扱う事件や事故が独特で絶妙でした。 | ||||
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前作「王とサーカス」の前日譚にして続編的短編集。 フリージャーナリスト・大刀洗万智が遭遇する幾つかの事件を描く。 面白かったには面白かったが、全体として纏まりが薄かった印象。王とサーカスや満願に比べると満足度は低い。 センドーこと大刀洗万智が本作では、主人公というよりも完全無欠な探偵役に終始してしまっていたためなのか、あまり面白くない。 「真実~」・「綱渡り~」・「正義漢」はミステリ的にもいまいちであったが、「名を刻む死」は素晴らしかった。 本作で最も作者らしい話であり、ありえなさそうだがどこにでも転がっていそうな理不尽さが良かった。 「ナイフを失われた思い出の中に」は『さよなら妖精』と『王とサーカス』を読んだ者なら必読の一作だろう。 事件自体は少し無理を感じるものであったが、『さよなら妖精』を閉じる作品としてはこれ以上ないといっていい。 「恋累心中」は作者らしい、いやらしい事件の真実が気持よくて良い。 全体として大刀洗を活躍させるための作品感が拭えない。 悪い意味で事件を解決する探偵モノ感が増してしまっているのが非常に微妙に感じる。 そういった意味では短編集としての出来も『満願』の方が上だろう。 個人的にだが、大刀洗万智の物語は『さよなら妖精』・『王とサーカス』・「ナイフを失われた思い出の中に」でまとまってしまった印象がある。 これ以上は彼女の成長の余地が感じられず、これ以後の作品では本当にただの無敵の探偵役に「なり下がって」しまうのではないかと危惧してしまった一作であった。 | ||||
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構成、人物造形、文章など、様々な方面において確かに上手いのだが、面白いかと問われれば、うぅん……。 『王とサーカス』の方がまだ面白かった。 個人的には、『王とサーカス』、『真実の10メートル手前』、『さよなら妖精』の順で面白い。 | ||||
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基本的にこの著者の本は全部そうですが、 初心者向きの浅いミステリーです。 | ||||
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簡潔な文章で登場人物のキャラクターを浮かび上がらせ、現実感を醸し出す力量には、感服します。 ただ、「満願」に比べると、どの作品も謎やひねりが物足りない印象を受けます。 表題作「真実の10メートル手前」は丁寧な推理を展開しながら、結末があっけない。「正義感」は謎らしい謎もなく、ひねりもなく、あっさりしすぎ。高校生の心中を題材にした「恋累心中」は高校生カップルが気の毒で後味が悪く、中学生が第一発見者となる「名を刻む死」も、やはり苦い読後感。比較的ミステリー色の濃い「ナイフを失われた思い出の中に」は、被害者が幼児で、容疑者が未成年の叔父という、設定からして重苦しい話。書き下ろしの「綱渡りの成功例」は、あまりにも謎が軽い。 また、主人公の女性記者 太刀洗万智の魅力が乏しく、その分作品集として損しているように思えます。 こう書いてくると凡作のように見えてしまいますが、全体を読み終えてそうは思わないのは、作者の力量のなせる技でしょう。 | ||||
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女性雑誌記者がさまざまな事件を追う連作短編集。それぞれ、記者・太刀洗の相手方視点から書かれるので、独特の写実感が醸し出される。視点の切り替わりがストーリー展開にからむこともあり、なかなか面白い。 | ||||
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主人公は、大刀洗万智。 職業は、記者。 一見、淡々と大胆に行動する大刀洗だが、 内面は繊細で細やかな気配りを兼ね備える。 「王とサーカス」の後に 本作を読んだ。 前作は長編だったが、 本作は6話の短編集。 大刀洗が記者として追っている事件に関して、 持ち前の観察眼と思考で、謎解きを展開していく。 必ずしも、真犯人を暴くという訳ではなく、 関わる人物たちの心情にスポットを当てた内容である。 短編集とはいえ、読み応えのある話も多かった。 伏線を徐々に回収していく過程は、スマートだった。 だが、若干、読者にも分かりやすい伏線だったように感じる。 しかし、話によっては、都合のよい展開や 無理な設定も見受けられた。 特に「さよなら妖精」の後日談である 「ナイフを失われた思い出の中に」は、 期待していただけに、少し拍子抜けした話であった。 (万智の記者としての葛藤は理解できるが・・。) また、ほぼ全ての話が、 暗く報われることの少ないラストだった。 | ||||
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悪く言えば後味が悪いともいえるが、読む人の好み次第かな。私は好きです。 | ||||
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「さよなら妖精」「王とサーカス」の太刀洗万智のストーリー。 以下の6篇からなる短編集。 真実の10メートル手前 正義漢 恋累心中 名を刻む死 ナイフを失われた思い出の中に 綱渡りの成功例 それぞれの初出が書かれているが、 上記に「王とサーカス」を加えると、以下の順になる。 正義漢 恋累心中 名を刻む死 ナイフを失われた思い出の中に 真実の10メートル手前 王とサーカス 綱渡りの成功例 最後の2つのみ、太刀洗万智がフリー記者になっている。 「ナイフを失われた思い出の中に」では、「さよなら妖精」で登場した マーヤのお兄さんが登場し、懐かしさを覚えた。 太刀洗万智の魅力を存分に感じられる作品、 という意味では、「王とサーカス」以上。 他の人が気付かないような鋭い視点を持っており、 「何を知りたいのだろう?」と疑問に感じながら読み進んでいくが、 途中から「なるほどね」と感心させられる。 「名を刻む死」は、単純に真実を追求するだけではなく、 苦悩する若者へ助言し、じ~んと来る。 よくそこに着目したな! という思いは 禁じ得ない。 やっぱり米澤作品は面白い! | ||||
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