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あなたは誰?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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謎の人物から脅迫電話がかかってくる導入部に続いて物語の登場人物や背景を手際よく描き、ついには殺人が起きる。この殺人の場面では一捻りが加えられている。 ここまでで全体の三分の一ほどだが、快調に読み進めることができて申し分のない展開。だが、その後、失速したように思えた。 マクロイは今作も容疑者を少なめに設定している。それでも犯人を悟らせまいとする心意気は素晴らしいが、今回に限っては、登場人物の行動や心理について、わかりやす過ぎるというか、読者に親切というか、要は書き込み過ぎではなかろうか。読んでいくうちに、犯人はこの人物しかありえないのではと思えてくる(特に、オーチャードレーン七番地の目撃証言は余計な書き込みだろう)。 謎の人物の正体もポルターガイストの正体も予想通り。もっとも、ポルターガイストの正体が判明した後で、捻りを加えてはいるが、これも想定内。 殺人犯の属性を示す手がかりは、今となってはあからさま過ぎる。その属性を備えた人物を示す手がかりも今一つスッキリしない。 「殺す者と殺される者」、「逃げる幻」、「ひとりで歩く女」、「ささやく真実」あたりをAクラスと考える自分にとっては、Cクラスといったところだった。 | ||||
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古い推理小説であるが、謎解きがメインで非常に楽しめる。登場人物が少なくて、犯人になり得る人物も少ないのだが、最後の最後までこの人が犯人だと確信できないプロットが出色である。精神科医のウィリング博士が謎を解き明かすシリーズの4作目(邦訳は2作目)にあたる。マクロイの処女長編「死の舞踏」に続いて読んだが、このシリーズはあまり一般人と接点がない精神科医が謎解きをするのが面白い。シリーズで未翻訳のものもあるので、出版して欲しいと切に願う。翻訳も素晴らしく、非常に読みやすい。一番おもしろいところはネタバレになってしまうので、ここで紹介できないのが残念だ。 | ||||
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チョークリー毒殺の意外な展開で読者を出し抜く。 これはエスピオナージュか、サスペンスか、と進んでいくうちに、結局、一風変わった本格だと納得できる。 自作自演まで含めると嫌疑者六名となるが、描写からしてどうもありえないので、五名とみてよさそうである。 しかも、ウィリング博士によれば、本人ではなくその別人格が関係しているという。 イヴ、エリスあたりが強い動機を持っている。 しかし、物語が進行するにつれ新たな情報が漸次入って来て、人間の二面性が強調される。 すると、嫌疑が平等に割り振られる。 平等な嫌疑から一点にしぼる手がかりはふたつしかなく、ミステリーとして手順的に単純である。 | ||||
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以前の何冊かは「博士シリーズ」はかなり良かったので ついつい買ってしまったが、その後も、やはり 今作も 以前の様な 面白味、博士の魅力、感じられない。 今度こそ、もう二度と「ヘレンマクロイ」はいらないです。 本棚の隅へサヨナラ。 。 。 。 | ||||
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心理サスペンスと本格推理の要素を兼ね備える稀有な才能の女流ミステリー作家マクロイの技巧が冴え渡る巧緻な秀作です。本書の題名を見て思い出したのは、昔懐かしいウルトラセブンの「あなたはだぁれ?」というエピソードでしたが、暫く読み進める内にこれはむしろウルトラQの「悪魔ッ子」の方が近いかなと思い直しましたね。ミステリーというジャンルは殺人を扱うだけに元来は暗い物なのですが、嘗て大人気を誇ったクリスティー女史は作風にそれ程の暗さは感じさせず「陽」の作家という印象を持ちますが、対するに本書のマクロイ女史は持ち味がサイコ・サスペンスですからどうしても「陰」の作家の印象が強くてそれも多少の不人気の理由だったかなとも思えますが、混沌とした今の時代ならば暗く翳りのある作風も好まれると思いますので今後ますます支持する方が増えるだろうと期待できそうですね。今回は改めて考えるとクリスティー女史「鏡は横にひび割れて」とマクロイ女史「暗い鏡の中に」と共に「鏡」が入ったタイトルの作品でも内容を比較すると随分と違いがあるなと気づいて中々に興味深かったですね。 ナイトクラブの歌手フリーダは婚約者アーチーの実家ウィロウ・スプリングへ出掛けるべく荷作りをしていたが、不意にかかって来た不気味な匿名電話で「行くな」と警告を受ける。勝気な彼女は恐れずに予定通りに彼の家に到着するが、すぐに彼女の部屋が荒らされる事件が起きたのに続いて隣家で開かれたダンスパーティーで思わぬ人物が殺される事態となってしまうのだった。 著者は随分と自信がお有りなのか容疑者を僅か5人に絞り込む構成で読者に挑戦されていますが、単純な様でこれが実際は全くそうではなく裏の真実を推理するのは相当に困難でほぼ不可能に近いでしょうね。まずこの種のストーリーではお決まりの善人悪人の先入観は完全に捨て去る必要がありますし、謎の人物の意味についても固定観念を抱いてはならず論理を飛躍させる必要がありますが、これは中々に厄介で難しいでしょうね。それにもし仮に異常者を突き止めたとしても、そこで終わりではないのですから、よくぞこんな錯綜した複雑な筋書きを考え出すものだなと唯々驚嘆してしまいますね。それぞれの人々の心理描写の独白を読んでもさっぱり見当がつきませんし、後は著者があちこちに散りばめた手掛かりの数々を適切に組み立てるしか道はなく、どうか健闘をお祈りしますとしか言い様がありませんね。本作では精神分析の問題が実際の症例から学べて非常に勉強になりましたし、加えてもし自分の身にこんな不幸が降りかかったらどうしようと不安になって悪夢にうなされそうな気分になりましたね。さて、精神科医探偵ウィリング博士は今回も随所に鋭い推理力を発揮して専門家ならではの彼にしか解き得ないと思える難解な謎を見事に解決してみせてくれましたね。それにしても何時もながらこんなに謙虚で少しも嫌味がなくて性格の良い名探偵は他には中々思い浮かばない程に立派な立ち居振る舞いにはある種の感動を覚えますし、事件の幕引き時に見せたさり気ない配慮にも大いに感心させられましたね。まあ奇矯さやユーモアが皆無なので没個性と取られ印象に残り難いのが惜しいですが、私は完全に信頼のおける誠実な人物として全面的に支持したいと思いますね。 今回「ちくま文庫」からのまさかの刊行は嬉しい喜びでしたし、お馴染みの「創元推理文庫」の方もまだまだ今後とも刊行が期待できそうですので、巻末リストによるとウィリング博士シリーズの未訳長編も残り4冊だけになったとの事ですし、今後何とか全作紹介にこぎ着けて頂ける様にと祈念しますね。 | ||||
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登場人物フレイの目から見るとはじめから謎でもなんでもないし、探偵に真相を隠す理由もない。 自分を脅してる人間なんか初めからわかってたでしょ。 探偵の博士は聞けば良かっただけだし、そうすれば犯人は二人に一人。ミステリーとして成立してませんね。 そこらへん、意味もなく伏せてさも他の人間にも動機や犯人の可能性を示唆して引っ張っただけ。 以下、ネタバレ。注意。 田舎にいる母親の所に息子が婚約者を連れていくことに。 息子は医者の卵で、女はナイトクラブの歌手。 その女に田舎に行くなと脅迫が。 容疑者は ・息子 ・女を好ましく思っていない母親 ・息子を憎からず思っている幼馴染み ・母親の親戚の上院議員 ・上院議員を操っているその妻。 しかし、上三人は女の弱みを握っててこさせたくないなら初めからぶちまければ女を追い出せるわけで、脅す意味がない。 女と上院議員が関係持っているか、上院議員の妻の弱みを女が握っているか。 可能性が限定された初めから決まりきった話で、実際その通りという酷い物語。 繰り返すがミステリーになっていない。 | ||||
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電話の「どちらさま?」ってことでしょうか。 なかなかのシーンとストーリーがそれほど 間髪を入れずに流れていきます。 なるほどねえ・・と様々な伏線を解き明かされる こととなります。 すっごくおもしろかったです。 | ||||
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ジキルとハイドのような人物が出てきますがその時点で大体犯人は分かってしまいます。 もっと練られたプロットだと良かったかも。 | ||||
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原題 Who’s Calling?(原著1942年刊行) 実に面白い。スマートな伏線の張り方に代表されるフーダニットとしての愉しさと緊張感溢れるサスペンスを備えたマクロイの美点が全て堪能出来る。 発表当時、先端的だった精神分析が単なる装飾にとどまらず、巧妙極まりない犯人当てミステリとしてのプロットと密接に結合しており、今読んでも非常にモダンな印象を受ける。精神科医探偵のパイオニアであるウィリング博士の面目躍如たる内容の作品だ。 不本意ながら書き飛ばすロマンス小説で虚名を得る女性作家や社交界を軽佻浮薄に漂う青年などユーモラスながら辛辣極まりない登場人物たちの描き方、静かに迫り来る第二次大戦の影やニューヨークのナイトライフを始めとした風俗描写のディテールの豊かさなど小説としての魅力も充分。 訳文も平明で読み易く一気に読了した。 | ||||
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マクロイのウィリング博士シリーズ第4作(1942年)の本邦初訳。 ××××を伏字にせずに書いても、別にネタバレにはならない(それで犯人や、事件の謎がわかるわけではない)と思うが、訳者あとがきはそのように考えているようなので、伏字にしておく。作者、探偵、訳題から見当がつくし、裏表紙にも「ポルタ―ガイストの行動」と書かれているのだが・・・。 あらすじ ロマンス小説で稼いだ金を、息子のアーチ―を精神科医にするためにつぎこんできたイヴの所に、アーチ―から、婚約者のフリーダを連れていって紹介すると連絡がある。フリーダはナイトクラブの歌手で、イブはこの婚約に反対だが、断れなかった。一方、フリーダには、正体不明の人間から、「行くな」と脅迫電話がかかる。到着したフリーダの寝室は、めちゃくちゃに荒らされ、ダンス・パーティーではアーチ―のいとこが毒殺される。ウィリング博士はこれらをポルタ―ガイストの仕業と主張し・・。 私的感想 ●マクロイの作品だけにたいへんわかりやすい。読みやすい。わくわくする。 ●最大の謎は、誰がポルタ―ガイストだが、それが解けると同時に、上記のあらすじの重要な前提がひっくりかえってしまうのが、たいへん面白い。最後の意外性はこっちのほうにある。 ●鮮やかなハッピーエンドである。 | ||||
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本書が優れたミステリであることは先行レビュアーの方々から十分言及いただいているので、評者からは本書の「構成の妙」についてひとこと。 本書の原題「Who's calling?」は、電話口でよく使う「どちらさまですか?」という非常にベタな口語表現なのですが、字義通り解釈すると、「(呼びかけてくる)あなたは誰?」という意味になります。本書を結末まで読んでからこの原題を見返すと、たいへん含蓄に富んだタイトルであることが分かります。 また、作者は冒頭と結末で作中人物にこのセリフを言わせています。(すぐに分かりますので、探してみてください。)とても陰翳に富んだタイトルが、始めと終わりで響きあう、まことに洒落た構成であり、女流作家マクロイの面目躍如と言えると思います。 | ||||
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