鍵の掛かった男
評判
鍵の掛かった男の評価:
3.56/5点 レビュー 52件。 B ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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鍵の掛かった男の評価:
3.56/5点 レビュー 52件。 B ランク
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出版社の新人賞受賞パーティで幕が開く。ほとんどこういった催しには出ない有栖川有栖だが、その出版社の編集者から大御所女流作家・影浦浪子(上の内容紹介に景浦とあるのは間違い)が相談したいことがあるので上京してほしいと頼まれたのだ。その相談とは、影浦が大阪で定宿にしていたプチホテル「銀星ホテル」で死んだ梨田稔に関すること。梨田は69歳で、そのホテルに5年間逗留していたのだが、ある朝、縊死の状態で発見される。警察は状況から見て自殺と判断する。しかし、梨田は身寄りこそなく、来歴こそ分からないことが多いものの、ボランティアに参加し、人当たりも良く、死後に判明したことだが2億円以上の預金も持っていた。梨田と交流のあった影浦だけでなく、銀星ホテルのオーナーもホテルに与える影響は自殺よりも他殺の方が大きいにも関わらず、自殺したとは思えないという。そこで、火村と有栖川が警察に協力して事件を解決してきたことを知る影浦が、二人に調査を依頼する。火村は入試シーズンに重なったため、有栖川が単独で調査を開始。梨田がこの5年間、どのような暮らしをしてきたのか、さらには「銀星ホテル」に住み始める前には、何をしていたのか、有栖川が細い糸をたぐりながら、少しずつ梨田の人生をあぶりだしてゆく。そして入試が一段落した火村も調査に加わるものの、自殺・他殺を決定的にできる証拠がなかなか見つからない
謎は、大きく分けて二つ。梨田稔とは何者か? そして彼は自殺だったのか、他殺だったのか?
トリックに主眼を置いたミステリーではなく、被害者という存在そのものが“謎”で、それを解明していくのが主眼となっている。
謎の解明に大きな役割を果たす事象について、火村も有栖川もやや鈍いとも感じるが、二人の状況を考えると仕方ないのかもしれない。
8日に入手、9日の夜遅くには読み終えていた。一気にとはいかなかったのは、9日に仕事があり、8日に徹夜で読むことができなかったからだ(30代であれば、おそらく完徹して読み終えていただろう)。それほど面白く、量的な面だけでなく、質的な面でもまさしく力作と言えよう。どのような着地点になるのか、次々にページをめくり続けた。
どこか『ハマースミスのうじ虫』や『ディミトリオスの棺』を思い出させる。ただ、梨田のある種波乱含みの生涯を知ると、この2作とは違う、なんとも言えない感慨が浮かび上がってくる。そして、こうなるしかないというラスト1行に胸が熱くなった。