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王とサーカス
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王とサーカスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 21~40 2/4ページ
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読んでて楽しい。 登場キャラクターは総じていやな気分にならず、主人公が悩むシーンの書き方なども絶妙で、安心して読んでいられる。 ミステリとして凄い仕掛けがあるわけではないが、サスペンスとしては緊迫感もあるし、現実を元にしながらも生々しくなく、他人にお勧めできる作品だと思う。 | ||||
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まず、題材が良かった。本事件は一応聞いたことはあったが、よく知らなかったので、題材だけで惹かれて読んだ。 僅かなネタバレを言うと、ネパールの王宮事件とこの物語の内容は大きくは関係がないということ。ただ王宮事件のあった時に起きた出来事(創作)を扱っている。つまり、王宮事件はこの物語の設定や雰囲気を作るための環境設定のような感じで、これを読んだからといって王宮事件について詳しく分かる訳でもないし、主人公が王宮事件に巻き込まれていく様な創作でもない。即ち、王宮事件を知りたい、若しくは王宮事件を基に創出した物語をこの本に期待することは好ましくない。 しかし、著者が伝えたいこの物語の主題は充分に伝わり、それがタイトルにも現れている。ストーリとしては充分に楽しめた。 あくまで、主題は報道や情報といったメディアの立ち位置と、貧困国におけるその影響などである。それを著者の考えを基に書いている。 以上。 追伸: ネパールのあの、わちゃわちゃとしてゴミゴミとした、じっとり、ねっとりとした雰囲気やヒンドゥーとチベット仏教の匂いがそこまで感じられないのは、文体からなのか、若しくは主人公が女性のせいだからなのかな?とは思ったがこれは個人的に感じたことなので、評価の星には加えていない。 | ||||
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王の殺人事件あたりから、俄然面白くなってくる、まさかの国がからんだ陰謀が結末かどうかというろこるで、終わる。考えさせられる、エンディング。 | ||||
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よくできているし、面白いんだけど読後感がよくない。 太刀洗万智シリーズなんか好きなんだけどなぁ 評価が高い人が多いのもわかる、正直面白かった。 単純に、好きではない。 こうなると個人の好みだからなんとも。 でも☆4 | ||||
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2001年6月に実際に起こった「ネパール王族殺害事件」を背景に、殺された軍人の真相を追う、大刀洗万智:28歳、新聞社を辞めたばかりのフリージャーナリスト。ミステリーパートと共に、報道の真実と及ぼす影響を問う力作。 「お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。」 「よそ者が訳知り顔で俺たちは悲惨だと書いたから、俺たちはこの街で這いずりまわってる」 流石、各種の賞を受賞しているだけの事は有る、骨太小説。 | ||||
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この作家にしては珍しく人が死ぬ話ではあったけれどシリーズの中では最高傑作かと思いました。 | ||||
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面白かった。 ものごとにはいろいろな側面があるだろうけど 人それぞれの視点からも物事はそれぞれ違って見えていることを 登場人物をとおして見せてくれた気がする。 小説として一風変わった背景があったほうがいいのだろうし 魅力的な登場人物も必要なんだろうけど、 それぞれ絶妙に配置されていて良かった。 一応「ここまでで手掛かりはすべてお見せしましたよ」ってくだりも 用意されていますし、読んでいて「うむ。犯人はわかっていますよ」ってなります。 トリックや叙述がお好きなかたには物足りなく感じるかもしれませんが、 ミステリーとして充分に楽しめる作品だと思います。 | ||||
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この作品の背景は2001年に起きたネパール王族殺人事件です。恥ずかしながらこの事件の事は良く覚えていませんでした。同時期にあった池田小の事件や3カ月後の911事件は覚えているのですが… 先進国の主知的な同情に対して痛烈な批判も感じました。 | ||||
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2年前気まぐれに買った小説を やっと読み終えた 断念してしまった 中盤以降の盛り上がりが素晴らしく 全てが裏表、二律背反で成り立っているというテーマにしっかり収められていて感動してしまった 王とサーカスの凄いところは トリックが解けなくて悔しい というミステリー作品特有の感覚ではなく トリックで盛り上がってた自分が恥ずかしい という普通のミステリーと違った 特殊な体験をさせられることにあるでしょう メディアリテラシーの話なので 報道関係を目指している人は勿論 視聴者側も見るべき一冊だ | ||||
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本当に胸糞だし心理描写も共感できるし素晴らしい この人の作風が好きなら満足 | ||||
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このミスでの人気があったので読み始めました。満足しています。さいしょはどうなるかと思いましたがよかったです。 | ||||
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雑誌の記者の主人公の女性が、ネパールの王族の殺害事件に巻き込まれるミステリー。はじめはネパールの旅の案内本と思わせるようでしたが、王族が殺されてからの事件の真相を追う所から主人公の知的さが冴え渡ってます。知り合った軍人の殺害が王族の殺害に関係するのかしないのかワクワクドキドキ。 | ||||
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地味ながらミステリーを扱う手つきの確かさは一級品 その上で+αがあるのがこの作家の真骨頂 重箱の隅を続くことはできるが、まともな人間なら評価せざるを得ない作品 120点とは行かないけどまともな人なら80点はつけざるを得ない 二年連続三冠は伊達ではない | ||||
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フリーランスの記者となった太刀洗万智。ネパールのカトマンズで王の一家が殺される事件に巻き込まれる。万智はネパールの軍人の一人に接触することに成功。だがその軍人は殺害され、遺体を晒される。犯人はもちろん意外な人なのだが、その謎解きなんかどうでもいいと思わせるほどのミステリがネパールという国に潜んでいる。また、最後に意外な人物が、思いもよらない秘めた感情に胸を締め付けられる。いや、本当は気づかなければならないのかもしれない。正論が人々を不幸にすることに。ジャーナリストとなった万智には正論を語るしかない。真実と正義を報じるしかない。ジャーナリストの仕事の苦悩も本書では味わえる。 | ||||
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ミステリーというより、1つの小説として楽しみました。 主人公の葛藤や気付き、そこに至る出会いや事件、まるで映画です。 ミステリーとして振り返ると、事件勃発までの描写が長く、また、じけんそのものが解決後に語られるなど、少々まどろっこしさを感じました。 | ||||
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【内容(ネタバレ禁止!)】 なんと舞台はネパール! 【ささった言葉】 ・「どうぞ心なさい。尊さは脆く、地獄は近い」 ・「記事は派手にしようと思うところから腐っていくもんだ」 ・サガルが勧めるセルロティの店は、まだ先らしい。 ・「嘘ね」わたしはそう言った。サガルは答えた。「ああ、嘘さ」 ・「わたしは…」仏陀の目が見下ろしている。「ここがどういう場所なのか、わたしがいるのはどういう場所なのか、明らかにしたい」 ・「クソ野郎」赤い頬のサガルは、そう吐き捨てた。冷めた目がわたしを睨む。たぶん彼は憎むよりも、あきれかえってしまったのだ。 ・たちまちカトマンズの街へと消えていく背中に、わたしはありがとうと言いたかった。素敵なククリをありがとう。他のことにも。けれど彼は、そんな言葉は聞きたくないだろう。わたしはそういう世界に生きている。 ・彼方まで続く山塊はあまりにも雄大で、神秘的なまでに美しい。 ・もしわたしに記者として誇れることがあるとすれば、それは何かを報じたことではなく、この写真を報じなかったこと。 ・だったひとつの知識がものの見方を根底から覆し、別の知識が更なる修正を加えていく。やがて蓄積された知識は、お互いに矛盾しない。妥当だけれど思いがけないものの見方へと収束していく。このダイナミズムが好きだった。無邪気に知を楽しみうちに大人になった。 ・知は尊く、それを広く知らせることにも気高さは宿る。 ・結局わたしの背を押したのは、腕時計だった。約束の時間まであと一分に迫り、わたしは「待ち合わせの相手を待たせるのは失礼だ」という常識だけを頼りにして、クラブ・ジャスミンへと一歩一歩コンクリートの階段を下りていく。 ・「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。意表を衝くようなものであれば、なお申し分ない。恐ろしい映像を見たり、記事を読んだりした者は言うだろう。考えさせられた、と。そういう娯楽なのだ。」 ・「タチアライ。お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。我々の王の死は、とっておきのメインイベントというわけだ」 ・「答えられなかった」わたしの呟きは水音にかき消され、どこにも届かない。 ・そしていま、枷は外れた。抗議の時は終わり、恐怖がそれに取って代わった。 ・そして、負けるものかと性根を据えた時、どうやらわたしはこんな顔になるらしい。新しい発見だった。 【感想と教訓】 ミステリーとしては凡庸なトリック。だが、珠玉の名フレーズの数々が心を打つ。純文学というほどではないが、第一級の通俗小説。例えて言えば、漁港の回転寿司。やはり、旬の作家の作品はうまい! | ||||
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この作品で作者のうまさを強烈に感じたところが2か所ありました。1つめはクラブジャスミンで取材対象の軍人から諌められるところ。主人は初対面の自分を叱ってくれるその人をやさしい人物と評しています。普通同じ場面で初対面の人から叱られてその相手をやさしい人物と評することができるでしょうか。できるとしたらその人は素直でインテリジェンスの高い人物です。今は駆け出しでも将来の飛躍、可能性を想像させます。次に取材をすることの意味について考えるシーン。自分の書く情報がとるに足りないものではないか、と思い悩むが、前に進む答えを得るシーンです。たとえつまらない記事でもその記事を書くことで完成(真実)に近づくという信念。これはそのままこのミステリーにも当てはまるはずです。数多くのミステリーが生まれ、驚くべきトリックが考案される。もう、どうしても新規性のある作品は書けない。それでもこの作品を書く必要があるのか。ある。それがこの作品に込められたもう一つのメッセージだと考えました。これは我々の仕事のも当てはまるはずです。この問題はつき詰めていくと生きる意味につながっていくと思います。そう、それでも生きる意味はあると思うのです。謎解きだけはなく、深く考えさせてくれる作品でした。 | ||||
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ジャーナリズムというものに対して、 作者が常日頃思ってきたことを長い時間をかけて熟成させて文章にした そんな印象を受けました。 最初の部分は、沢木耕太郎の深夜特急が好きだったのかな?と思わせるような 情景描写とだるさを醸し、最初にバーっと主要人物を散りばめるあたりは 推理小説もそうとう読まれているのだろう。。という推測感も持ちました。 主人公を敢えて女性とすることで、アクションから一歩下げた 言ってみれば少し引いた観点で事件を通してカトマンズや 後進国と言われる国の抱える問題に深く切り込んでいきます。 ただし、どの部分にも確固たる答えを示すことはなく、 読者の判断に任せている部分が大半で 読了のあとでさっぱりとした気持ちにはなれませんでした。 でも、それはモヤモヤではなくて 日常に上手く戻されたと言うか、現実世界へ飛ぶ飛行機に乗せられたというか 広い景色を見せられて物語は終わります。 2001年にカトマンズで起きたクーデター(王室殺人事件)を大きな柱として フリーになった記者であるタチアライの取材や、取材をするうえでぶつかる問題を描いた作品です。 写真というものに知識がある方なら倍以上楽しめると思います。 特に、ピュリッツァー賞などを知っていたり、 2001年頃のデジタルカメラの性能や置かれていた背景を知っていたら なお楽しめると思います。 ただ、読むのに知識がいるのです。 知っている人は、本書に書かれている文章を200%で楽しめるでしょうが 恋愛小説なそが好きな人にとってはちっとも面白く無い。。。 的の範囲の大きさが、本屋大賞ノミネートではあったけれど 大賞にはならなかった理由だと思いました。 情景描写は、冒頭にも書きましたが沢木耕太郎顔負けの 細かく目の前に浮かび上がる素晴らしい作品です。 5章まで読み進められたら一気に最後まで行くと思います。 私は楽しめました。 | ||||
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2001年6月、フリー・ジャーナリストの太刀洗万智は海外旅行雑誌の依頼でネパールの観光情報を集めるためにカトマンズにやってきた。そこにネパール王族殺害事件が発生、彼女は急きょ事件報道のため取材を始めることになる。そして情報収集の過程でラジェスワル准尉という軍人と出会うが、その直後、准尉は変死体で発見され、太刀洗は警察に連行されてしまう…。 --------------- 2001年に実際に起こった「ナラヤンヒティ王宮事件」を背景にしたミステリー小説です。 この『王とサーカス』は2015年の「週刊文春ミステリーベスト10」、2016年の「このミステリーがすごい!」と「ミステリが読みたい!」で1位に選出されました。 作者・米澤保信の文章が大変読みやすいものであることは『』、『』といったこれまでの作品でも実証済み。今回もリーダビリティの高い文章を一気に読ませてもらいました。 謎解きの傍らこの小説が問いかけるのは、アジアの置かれた貧困やジャーナリストの役割です。海のこちら側の泰平日本で暮らす読者にとって、ネパールの置かれた状況は遠いお話しでしょう。その(小説)舞台に読者はどう向き合うべきかを問うているといえるのです。 ただし小説の後段、准尉殺害事件の真相が究明される道程は、短兵急な印象を受けました。太刀洗は2004年刊の『さよなら妖精』以来の登場人物ということですが、私自身は彼女とはこの『王とサーカス』で初対面ですので、彼女の性向などになじみがありません。そのためでしょうか、彼女がわずかな手がかりから事件の背後に隠れた人間関係を突如として解き明かし始める様子は、少々超人的なものに見えました。 またジャーナリズム論を准尉と戦わせる場面は、直截的な言葉の応酬に少々鼻白む思いがしないでもありません。「パンと見世物の世界に読者はどう臨むべきなのか」というテーマをめぐって太刀洗が言わんとすること、言っていることのひとつひとつは確かに説得力はありますが、小説的な技巧や飾りが予想外なほどない純朴で生々しい討議を見せられて、すこしばかり興ざめしてしまったのも事実です。 | ||||
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確かに一機読みさせるだけの作品でした。面白かったです。 確かにどんでん返しを重ねて引っ張ってくれるのですが、通低音としての報道とはの問いの答えが ごまかしてはいない分、開き直りで締めたような感じで、いまいちすっきりしませんでした。 これはミステリーとしての評価とは違うポイントかもしれませんが、途中の問答をどう落とすのか結構気になっていたので そこで★ひとつ減らしました。でも自分も報道を消費する大衆の一人に過ぎず、正解があるとも思えないでので 無いものねだりだとは思いますが。 | ||||
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