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(短編集)
アイの物語
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アイの物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 61~80 4/5ページ
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人が生み出した人より一歩進んだ存在が、人に語りかけていくという物語です。しかし絶望と希望は混在しており、最後は希望で締めくくっています。思い返すほど味が出ます。 | ||||
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最初本の題名から、最近流行の携帯小説かなんかかなと思って手を出さずにいたのですが、高評価のレビューの数々や商品詳細からそうではないとわかり購入してみました。 いや〜読んで良かったです!感動しました。特に『詩音が来た日』と『アイの物語』には、ど強い衝撃を受けました。 これを機に、ゲドシールドを張らず、自分のして欲しくないことを隣人に決してしないように心がけようとは思いましたが、人間のスペックじゃやっぱり無理なのかな… | ||||
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バラバラの時期に書かれた短編を集めて長編として構成してあり、古いものは10年ほど前に書かれたものなため、短編それぞれの出来に差がある。 正直、一話目を読見終えたときには これで星雲賞候補なのかと不安になった。 しかし一冊読み終えての気分は悪くない。 これは「詩音の来た日」に拠るものだろう。戸惑うヒトを尻目に自分自身で我が道を見出す詩音が清々しく、頼もしい。 | ||||
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昔、たしか20年くらい前になりますが、この方の「サイバーナイト」が大好きでした。 ハードコアなSFのディテールと、全編に流れる様々な意識、心の有り様というテーマがとても関心をよびました。 その記憶が、本作、アイの物語を読んで一気にflash backしてきました。 MICAのチューリングテスト、クローンの苦悩、メクハイヴ(でしたっけ?)の集合意識、メンターナの壮大な意識。 そう、この作家さんはずっと変わらず考え続けてきたんだな、と嬉しくなりました。 しばらく読んでいなかったので、途中のピースも拾っていきたいと思います。 英語版も買いました。一度日本語で読んでからなら結構読みやすくて勉強になります。 サイバーナイト―ドキュメント 戦士たちの肖像 (角川文庫―スニーカー文庫) サイバーナイト―漂流・銀河中心星域〈上〉 (角川文庫―スニーカー文庫) サイバーナイト―漂流・銀河中心星域〈下〉 (角川文庫―スニーカー文庫) | ||||
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何でこんな当たり前のことがわからないんじゃー!!世界の不条理に対する著者の静かな怒りがストレートに伝わってきます。人間の愚行がどんな政治的理由があろうとも思想的な理由があろうとも、愚行は愚行でしかない。何かその愚行を繰り返すのが人間の宿命であると、もって回った言い回しで語るのが文学的だとでも言うのならば、この本は決して文学的ではありません。いや、文学とよばれることを、拒否するでしょう。ですから著者はこの一連の話を「物語」と呼ぶのでしょう。物語は素直に人の心を揺さぶり語り継がれます。しかもそれが予定調和のハッピーエンドではない、世界全体をひっくり返しかねない物語に広がります。読み終えて本を閉じても、そこにまだ開かれたページが未来に続いている、そんな読後感を持てる傑作ですね。 | ||||
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「SF読みであることを誇れる物語」の、一言に尽きる。 あと、作家の視点(と言うべきか?)が変わらないと思える箇所もファンとしては嬉しい。 そう・・・ずいぶん前に読んだ、ソードワールドのリプレイ集の中の一編『モンスターたちの交響曲』での作家の視点。 蛇足 類似する作品として、エイミートムスンの「ヴァーチャルガール」を推しておきます。 | ||||
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短編集です。シンギュラリティ系のSFです。 小飼弾氏も大絶賛のようです。 そうでなくても、個人的に大好きなでおすすめな本で文庫化されて良かったです。読んでいて普通に涙がでそうになりました。 SFは結構いろいろ読んでますが、読後感がこんなに爽快なSF本は久しぶりでした。 この本に似た系統の本としては瀬名秀明の「ハル」(あしたのロボット)や、菅浩江の「I am」とかかなと思います。この本を読んで面白いと思った人は読んでみるといいかもしれません。 | ||||
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著者はトンデモ物の大家でもあるが,この作品はゲームとメカに強いことを最大限に生かした真剣なもので,足掛け10年の歳月を費やして完成された.余り遠くない未来に,ヒト形ロボットが完成するが,それを実用に耐えるものに改良してゆく過程で,ロボットは自意識を獲得する.その後は急速にロボットのヒト離れが進み,人口の減少とともにアンドロイドが支配的になる,という歴史の流れを説得的かつ美しく描く.このために7編 (うち5編は旧作で短編) のそれ自身完結した物語が教材として用いられ,同時に作品の実体を形成する.人類の宇宙への見果てぬ夢を叶えるために,アンドロイドたちは今 (作品の終了時) も銀河系全体をあまねく旅している,と美しい女性アンドロイドは '僕' に語るのだった.そうか.人類はもう休んでよいのか.進化の最先端はもともと人類が創造した,ヒトよりハイスペックの アンドロイドが引継ぐのか.何とも形容しがたい感動に満たされて物語は終る.強く推薦. | ||||
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『神は沈黙せず』は、すごく面白かった。なので、それから注目している作家なのだが、まだそんなに出版されていない。 とにかく、最近では珍しいSFの王道を行く作家だと思う。あまりSFでもスペースオペラは好きでない。こういうAIものや宗教もの(ってSFのジャンルはないか)が好み。 早く読みたいが、とりあえず、読むべき本がたまっているので、後回し。 山本弘『アイの物語』角川書店を読み終えた。まだ読んでいない本は、いっぱいあったけど、どうしても読みたくて、読み始めたら1日で読んでしまった。 今のところ、今年度のSFベスト1だ。 はじめはよくあるAI、人口知能ものと考えていたが、まるっきり違っていて、違和感を覚えた。しかし、深く納得した。 AIは、人間にはどうやってもなれない。それはAIが不完全で、人間が完全であるからではなく、人間が知的生命として倫理的にも、論理的にも不完全であるからであるという考察は、鋭い。 この不完全な現実の社会を見れば、人間がこの地球上の支配者であり続けることの不自然さは当然のように思える。 AI論は人間とは何かを問うものである。著者が投げかけた問いは、恐怖に満ちたこの世界への深い絶望と、それでも「語る」ことにより、世界を変えうるという希望を含むものであり、私たちは、絶望に打ちひしがれ滅びるのを座して待つのか、希望を捨てず救済を追求するのか、選択しなければならない。 | ||||
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アンドロイドが人間に語るこの物語。数世紀先の新宿が発端だ。6つのフィクションと7つ目の真実の物語。それが語られて、主人公の人間とAIのアイビスが現実で理解し合うのだ。この世界では人間の人口は2500万人くらいまで減っている。最終的には人間は滅ぶかもしれないし、細々と生きるかもしれない。そしてAIたちは・・・・。いい話だった。 | ||||
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地球の未来を背景に,7編の短編と,それを語るアンドロイドと聞き手のヒトからなる物語. 短編の前半はあまり人工知能とは関係がないが, 中盤辺りから意識のハードプロブレムに関する著者自身の回答を踏まえた人工知能のストーリーになっている. この領域についてwikipedia程度の基礎知識があるとより楽しめるだろう. ハートウォーミングなストーリーの連続で, SFとしてはやや物足りなさを感じる向きもあるかもしれないが, 人工知能が誕生するためのブレークスルーが, それに関わるヒトのある種の愛情だとする設定からは, 著者自身の持つ科学への愛情や信頼が感じられる. 人工知能同士のシュールな会話や,未来におけるヒトと人工知能の関係から, ヒトを超えてしまった人工知能のやさしさが見られる一方, 合理的な思考から導き出される冷たさもうまく表現されている. この対比もなかなかうまい. 人工知能を少々美化しすぎているいるきらいもなきにしもあらずだが, 一読の価値のある作品. | ||||
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山本弘さんと言えば、「トンデモ本」の人としてのイメージしかなかった。 たまたま店頭に並んでいたのを発見して、あまり期待もせずに読んでみたのだけど本当に素晴らしい作品だった。 個々の物語はどれもAIやらVRだの現代的なテーマを上手く使いこなしつつ、あくまで人間の物語としてさわやかな読後感を持つ作品。とにかく読んでいて気持ちがいい。 そして何と言っても最後のアイの物語。 人間が自分たちより上位の人工知能に取り変わられて惨めな生活をしている世界、それは今まで否定的に描かれていた世界観のはずだった。しかし、最後に明かされた真相はそうではない。 人間がずっと夢見ながらも自らの持つ限界に夢やぶれて挫折した様々な事、その意志を引き継いで旅だっていく者たち。 人間からすれば惨めな状況なはずなのに、何故これほどまでに清々しいのだろう。 このような美しい物語を贈ってくれた山本氏に感謝する。 | ||||
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自分の感想として、夜の種族と似た手法だなと思いました。 短編と短編を短編集としてではなく、間につなぐストーリーを追加することで、一つの物語として成立させるもの。 収録の短編作品はどれも面白かったです。 | ||||
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もともと5つの別の短編を単行本化にあたり、2つの書き下ろしを加え、ひとつの物語に構成し直したものらしい。ところがこれが抜群にうまくいっている。遠い未来、人類は極端に減少し、ロボット(TAI)が地球の支配者になっていた。人間である「僕」はアンドロイド「アイビス」に捕らえられた。しかし、捕虜生活とは思えないもてなし。そしてアイビスは「僕」に7つの「物語」を語って聞かせる。。すべて人間とマシン(ロボット、コンピュータ、AI)の物語。。というお話。コンピュータという理論的な思考回路がブレイクスルーして、人間の命令よりも自らの思考が正しいと思ったとき、どういう言動をするのか。本書はそれを媒介にして人間の限界を痛いほど指摘し、しかし美しく心地よい結末を迎える。そしてもうひとつのテーマである、物語(フィクション)の意味や存在理由までもストーリーのなかで昇華させている。本を読むことが好きな自分にはなんだかうれしくてたまらなかった。物語はそれぞれ小テーマがあり、読みやすく、ヴァリエーションがあるので飽きさせない。とくに「詩音の来た日」は珠玉の一品。最後の物語はAIの言語がちょっと読みづらく、長い気きがしたが、温かく壮大な結末まで読めば、満足感があった。タイトルもいい。「アイ」はアイビスの愛称であり、AIの「I」であり、虚数の「i」であり、本書ではロボットには絶対に持ち得ない感情とされているけど、きっとこの物語に溢れている「愛」なんだろうな。 | ||||
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海外出張の際、時差ぼけで眠れない時のために何となく持って行ったのだが、読み始めたらやめられなくなって、よけいに睡眠時間が短くなってしまった…。各作品とも楽しめたが、やはり「誌音…」が秀逸。この手のSF(敢えてジャンル分けするなら)を普段読まない人も是非読んでみてほしい。SFファンも変に斜に構えないで素直に感動すればよいと思う。 | ||||
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こちらの評価がとても高いので、ほとんど騙されたつもりで読んでみました。 この作者の小説を読むのは、この作品が初めてです。普段、SFはほとんど・・・というか、全く読まないのですが、読了して、本書は「SF」というジャンルに閉じ込めてしまうには、あまりに勿体無いと思いました。 皆さん書かれていますが、特に後半の「詩音が来た日」から「アイの物語」は、強いメッセージ性が嫌味にならない心地よさで提示され、最高の幕切れを迎えるエピローグに至るまで、久しぶりに小説というものを堪能させて頂きました。 読み終わって、前半の5つの物語はそれぞれ書かれた年代の異なる短編で、最後の二編「詩音が来た日」「アイの物語」が本書のための書き下ろしなのだと知りました。 一番発表時期の古い短編は、1997年の「ときめきの仮想空間」で、これ一編だけを読む限り、良くも悪くもマニア向けのSF小説の枠を脱し切れていない印象を拭えません。 けれど、書き下ろしの「詩音が来た日」「アイの物語」に至っては、ストーリー、テーマ、構成、表現、どれをとっても感服せざるを得ず、さらに、10年前に発表した短編も含め、バラバラに発表された短編を、一つの「アイの物語」として昇華させてみせた作者の力量そのものにも、唸らされました。約10年をかけて、作者が作家として真に力をつけて来たことがヒシヒシと感ぜられ、「サイエンス・フィクション」というジャンルの可能性にまで思いを馳せる読書体験となりました。 ぐだぐだと書きましたが、普段SFなんて読まない!とい方にも、強くおススメします。 | ||||
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アイが語った物語も、アイ自身の物語も、どの話もよかったのですが、SFに登場する用具や言葉が、こんなにも人の心理をついたものだとは知らなくてすごく驚かされました。 物語では、けっこう現実の世の中への皮肉が交じっているような気もしますが、アイの視線がすごく優しく感じられました。 | ||||
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「詩音が来た日」が最高です。泣きました。 むしろ、この単品が欲しかった。 最終話の「アイの物語」は、「詩音が来た日」ほどの感動は正直無かった。 ヒトとマシンの過去に何があったのかということも思った程のインパクトとカタルシスが無い。 普通にアンソロジーとして最終話に「詩音が来た日」持ってきたほうが読後の満足感があったのではないかと思う。 | ||||
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適切に形容する言葉がない。山本弘氏に敬意を表するのみ。 内容については多くは述べない。『機械とヒトの千夜一夜物語』と帯にあるコピーがぴったりで、人間という知的(?)生命体のスペックで到達できる限界はどこなのか、に正面から挑戦した作品(と思う)。ラストはかつてない壮大な夢の完結を予想させると同時に清々しい感動を覚えた。 個人的には『と学会』の書をよく読んでいたが、文学(SFというカテゴリーでくくるべきではなくこれは文学である)としての山本氏の作品は初めて読んだ。SF小説を読むこと自体が星新一や小松左京以来、20年以上も遠ざかっていたのは、SF作品が紙媒体の本で読むよりも映画の方が優れているのではないかと考えていたせいかもしれない。氏がこれほどすばらしい作品を書いていたと驚くと同時に、自分自身はひどく反省した。どんなSFも映像化できると高をくくっていたが、この作品は映画にできない、というよりは文章であるが故に輝いている点が多いように感じる。当然読みながら情報を頭の中で映像化している訳で、内容を単純に映画にすることは可能かもしれないが、本小説を読んだ瞬間の感動は映画では再現不可能な気がしており、小説のすばらしさと奥の深さを再認識させられた。 前後逆になるが、本書を読む前に同氏の『宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?』を読んでいたところ、この本は本書を読む前のよきウオーミングアップになった。まだ本書を読んでいない方は先にそちらを読むことを勧めたい。『宇宙は...』はレイヤー0であり、『アイの物語』はレイヤー1より先の話だ(この意味は『アイの物語』を読めばわかる)。 似非学者にツッコむ資格十分で、『SFはこんなに面白いんだぞ!(宇宙はくりまんじゅうで...)』と叫ぶ氏の集大成であり、その主張を支持したい。SF好きにしか本書は売れないのかもしれないが、そうでない読者にも広く勧めたいと感じる懇親の作品であった。文句なく最高点。 | ||||
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アイビスが青年に聞かせる物語は、山本弘が過去に発表した短編で、それらを構成し直し、長編を一本作ってみせる構成力に脱帽。 この長編の為に始めから用意していたみたいに、それぞれの短編がかっちり嵌って、一本の長編として機能しているのが素晴らしい。 物語もぶれることなく、山本弘らしい前向きで力強い主張に満ちあふれてる。 書き下ろしの短編「詩音が来た日」と「アイの物語」はどちらも良く、特に「詩音が来た日」は白眉の出来。 「人間とロボットは分かり合えるのか?」という問いに真っ向から向き合い、山本弘らしい暖かみのある答えを出している。 詩音の出した結論には、ほろりと来ましたよ。 「神は沈黙せず」も素晴らしかったけど、完成度ではこちらの方が上じゃないかな? 何はともあれ、傑作です。 | ||||
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