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(短編集)

アイの物語



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【この小説が収録されている参考書籍】
アイの物語
アイの物語 (角川文庫)

アイの物語の評価: 4.66/5点 レビュー 92件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(1pt)

ネットに転がっている小説のレベル

ストーリー以前に、状況設定がいい加減なところがとても気になり、楽しめませんでした。ネットに転がっている小説に似た、”薄い”感じの作品です。

SNS上の知り合いの事件の捜査の為に刑事が主人公の家を訪れる場面は、主人公がオフ会で一度会っただけの知り合いの本名を知っていたり、知り合いの住所録に主人公の本名や住所が載っていたり、主人公が知人が事件を起こしたことにショックを受けたり、と適当に書き飛ばした印象がぬぐえません。

普段なにげなく読み飛ばしている小説の状況設定や細部の書き込み、が作品にリアリティーを与える上でいかに大切かを痛感しました。
アイの物語 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.2:
(1pt)

totemoyometamonnjanai

遥か未来の人間が、2000年前後の現代社会の中、何処にでもありそうなたわいの無い出来事をさも特別な物語のように語っている短編集。
中身の無い内容に唖然とする。評価の高さが理解出来ない。
アイの物語 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.1:
(1pt)
※削除申請(1件)

おっさんにお似合いな本じゃなかろうか

そもそも個人的に、山本弘の説教臭さが嫌いだったというのもありますが、この本は嫌いです。
細田守がアニメ化を考えたほどの出来で、実際、彼によるものかどうかはわからないけどアニメ化が持ち上がってポシャッているのですが、それはまったく正解だと思いますね。

この世界では、人間は、生まれながらにして既に老いています。もはや未来のある生物ではありません。
山本弘は、現在の人々が互いに持つ不信感を浮き彫りにするために、人間の欠点を解消した完全な上位存在を持ち出します。
アイビスをはじめとする彼女達が、人間が理想としながらもついに手に入れられなかった善性を行使する様子は、そのまま作者の説教であります。
何故これが出来ないのかと、読む者に鋭い声をぶつけてきます。
まずこれが鼻につく人も、私を含めているんですが、それは別問題です。好みの問題です。
この本は何より、フィクションの力を信じる山本弘の、フィクションの力で世界を変えていこうとする決意表明であるからです。
(フィクションというものへの取り組み方と言うか構え方がずれていますが、それは割愛)

問題は世界観そのものです。
ラストで、人類は自らが欠点を克服し得ないことを受け入れ、人工知能に未来を任せ、自らは穏やかな余命を求めて進み始めます。
人類が自らの限界を突きつけられ、受け入れ、少しでも穏やかな終末を求めて足掻きはじめる世界。
人間の信じたこと、願ったこと、それらは、人間と言う種の子孫たる人工知能達が受け継いでいく。
これはもう、中年男性の身勝手な絶望の産物です。
文明としての子孫に目が向いていますが、本当に目を向けるべき子孫に目を向けていません。
劇中の人類の結論としてはこれで正しいかもしれない。でも、これを提示したくなる気持ちはわかりますが、それを乗り越えてさらに一歩先の世界を提示するべきなんです。
こういう衝動を50歳にもなろうかという男が作品にしている情けなさですよ。

この物語は、見る者に安らぎを与えます。でも安らぎだけです。前に進む力は与えてくれません。前に進んでいく力を貰ったと思っている方がいたら、それは勘違いです。
それは実は、ただ生きるだけの力です。大人には必要ですが子供には要りません。

なぜ、子供が読む場合を持ち出して批判しているのか。
それはこの本で説教されている内容が子供向けだからです。
子供向けの内容を説教しているのに、全体の構造としては大人を向いているからです。
いや、むしろ、もはやこの程度のメッセージを大人にも向けなければいけないほど社会が幼稚になっている、ということかもしれません。
だとしたら、これらの短編の持つメッセージに感動し、なおかつこの結末にも感動した大人がいると山本弘は考えているわけで、評価の高さを見るに実際そうであるわけです。
残念なことです。

山本弘は『地球移動作戦』でこの作品のパラレルワールドを描いていますが(と私は思ってます)、こちらはこれに比べて全く健全です。
人工知能に文明の担い手を任せようとする意見に対して、
「自分達の世代はそれで納得できるかもしれないが、子供達はまだ若い」
と立ち上がり、地球を移動させて人類を救うと言う前代未聞の難事に挑むキャラクターがいます。
疲れてるのはわかりますが、「人類はもう休んでいいのか」などと酔っ払ったレビューを残している人なんかは、こちらを100回読んで猛省してほしいですね。

この本を読むに当たって、私は先述した中では「子供」の側に立っている人間です。だからここまでこの本に不快感と怒りを覚えます。
結局、こういう作品はそもそも世に出すべきじゃないし、書いた人も読んで感動した人も少しは自分がいかに愚かか考えろってことです。
アイの物語 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アイの物語 (角川文庫)より
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