ホミニッド 原人
- ヒューゴー賞 (2)
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ネアンデルタールであるポンターの世界には宗教という概念が存在しない。 従って,キリスト教社会であるアメリカやカナダの多くの人々が信じている神や天国の存在が,ポンターには理解できない。 人の本質は魂で,死んだら魂が天国へ行くと考えるこちら側の人々に対し,ネアンデルタールであるポンターは,死んだら後には何も残らない,永久に消えてしまうと考える。 絶対的な善の存在を信じ,地獄におちて永遠に苦しむのを恐れることから,道徳性は宗教から生まれると考えるこちら側の人間であるメアリーは,ポンターにこう問う。 神がいないのならどうやって道徳性をつちかうのかと。 これに対するポンターの答えは明確だ。 ぼくが誰かに悪いことをし,その人が死んでしまったら,あなたたちの世界観では死後にまた出会えるからと慰めを見いだすことができるが,ぼくらの世界観では,二度と仲直りができないのだと思いながらずっと生きていくしかない。死後の生が存在しないという信念があるからこそ,今の生を大事に生きることができるのだと。 この感覚は,キリスト教徒が多くを占める西欧社会に比べ,宗教に対して西欧人ほど強い繋がりを持っておらず,宗教をセレモニー的に扱っている多くの日本人の方が受け入れやすい感覚なのかもしれません。 さて,本書は前記のとおり,宗教に関する洞察などシリアスな面も含みつつ,全体的には過去のソウヤー作品を総括するような,ソウヤーらしいエンターテイメント作品です。 ソウヤーの過去の作品として,ネアンデルタール人をテーマの一部に使った「フレームシフト」や,裁判を作品に取り入れた「イリーガルエイリアン」を思い出します。 本作では,ネアンデルタールの世界で,友人アディカーがポンターを殺害した容疑で裁判にかけられます。この裁判の展開が,こちら側の世界におけるポンターのストーリーと平行して進行しますが,ラストの数ページがページをめくる手がもどかしいほどの面白さを醸し出しています。 | ||||
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現在はDNA分析や発掘技法等の進歩で人類史ブームといえる状況だと思うが、現生人類につながる人類史のほかにもホミニドがいたことが納得できる。 | ||||
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面白かった。平行宇宙もので久々に面白い作品を読んだ。 別の地球では人類が絶滅し、ネアンデルタール人が絶滅せずに進化し社会を発展させている。この発想はすごく楽しい。 マンモスが町の傍を歩いているシーンはニヤリとさせられた。 良い設定なのに、キャラが全員薄いのがちょっと残念。 | ||||
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単純で話は明快。ソウヤーの書きたいことが直球でやってきた感じです。一気読みができて面白い。はじめのレイプシーンについて、後半でどんでん返しがあるのかなと期待したのだけど...それは2作目に期待かな。でも、日本人としては、スーパーカミオカンデ(もしくはカミオカンデ)を舞台にしてほしかった。 | ||||
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SFとしては荒削りで、浅く広くではあるけれどアイデアの出し惜しみはせず、センスオブワンダーの基本がある本書は、SF入門としては最適。並行宇宙が骨格となっているが、我らが世界における課題を浮き彫りにし取って返すテーゼは、ホモサピエンスの主人公にコンタクト以前のインパクトとなって迫ってくる。解決出来ないそれらの事象がネアンデルタールの所見として語られ、その原因と偏向の根本も一言で言い当てられているが、ネアンデルタールの社会の脆弱性も同時に明かされ補完し合う。双方の世界が対照的な鏡として映る様に計算されているプロットはスピード感があり、最近ではソウヤーならでは。SF素材の目玉として肉体の凶暴性と精神の凶暴性の双方における対比が、それぞれの種族の宇宙観にまで及ぶくだりが、グラントキャリンやJ・Pホーガンの作品にも共通した鮮やかさが有り小気味良い。その意味で、ヒューゴ賞を獲った事もうなずける。ただし、ソウヤーの大盤振舞いで軽い設定が濃い目のSFを求める読者には辛いかも知れない。84点。 | ||||
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