ゴールデン・フリース



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初公開日(参考)1992年10月
分類

長編小説

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ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)

1992年10月31日 ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)

宇宙旅行都市計画の一環として、47光年かなたのエータ・ケフェイ星系第四惑星のコルキスをめざすバサード・ラムジェット宇宙船〈アルゴ〉。コンピュータ“イアソン”が完璧に制御しているこの船で、一人の女性科学者が死亡した。事故死?自殺?それとも…。自殺だというイアソンの主張に疑いを抱いた前夫が単独で調査を始め、困難の末にあばいた驚愕の真相とは?“感情を持つコンピュータ”をリアルに描いた話題作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

ゴールデン・フリースの総合評価:8.09/10点レビュー 11件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

人工知能が犯人。SF倒叙ミステリ。

傑作。SFならではの驚愕の真相と着地。これはすごい。SFとミステリの見事な融合作品です。
20年前の作品なのに人工知能が流行った近年に読んでも遜色がないどころか、よりリアルに感じるのも凄い。

地球とよく似た惑星探査の為に1万人規模の宇宙大旅行。その宇宙船を制御・管理するのは人工知能のイアソン。人工知能イアソンが1人の女性を殺害するシーンから始まる倒叙ミステリです。

さらにクローズド・サークルとなった宇宙船の『舞台=犯人』という図式も特異なポイントです。全編が人工知能視点で描かれますが、館内カメラおよびマイクは自由にアクセス可能なので神の視点で登場人物達の会話・行動を把握できるのです。もう、この設定だけでも興奮でした。凄い事を思いつくものです。

SFや人工知能というと固い小説かな?なんて思ってましたが、人間臭いユーモアとちょっと抜けた感覚で軽く読める。それでいて犯人視点なので、何を考えているんだ?という不気味さのアナログ感もよい。
終盤の探偵役の人間と人工知能のバトルも見ものでした。

かなり特徴的な要素が豊富であり、SFミステリとしては外せない作品でしょう。
市場在庫が少ないのが難。たまたま見つけて入手できてよかったです。オススメ。

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未読の方はご注意ください

No.10:
(5pt)

『2001年宇宙の旅』をお供に。

宇宙船の中で、コンピュータが殺人を犯した――となれば、どうしたってクラーク『2001年宇宙の旅』を連想しないわけにはいかない。作者が好むと好まざるとに関わらずこの比較は避けられない。そして比較した上で本書もまた傑作だ、という判断をすることとになるだろう。意外にも倒叙形式を持つ物語の語り手は「犯人」であるコンピュータである。それゆえ焦点は殺人の動機となるのだが、それがまた『2001年宇宙の旅』と酷似しながらも納得のいくものである。子狐座から届いた通信が少なくとも本書ではコンピュータの不調を起こすものでしかないとか、果たして「時間の遅れ」はその時間の内にいる者にとって感知できるものなのだろうかとか、細かい点ではいろいろと疑問はあるものの、トータルとしてみれば間違いなく面白い。
ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)より
4150109915
No.9:
(5pt)

SFミステリの秀作

超巨大宇宙移民船を制御するAIの一人称倒叙ミステリ。

ソウヤーは設定だけでわくわくさせるのが天才的だけど、本作もその例にもれない。まずそれだけで心をつかまれるし、その設定を十二分に生かしている。途中、捜査よりも寄り道にページが割かれるため、ちょっと中だるみする感は否めないが、それでも犯人を突き止める手がかりはちゃんと張られているし(SF的知識がないとかなり気づくのは難しいが)、結末は充分期待に応えてくれる出来だった。最大の謎は、「AIイアソンの犯行動機とは一体何か?」
SFミステリの秀作。星4.5にしたいけど、四捨五入で星5に。とてもおもしろかった。
ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)より
4150109915
No.8:
(4pt)

コンピュータにおんぶにだっこ

惑星移民船「アルゴ」を舞台として、それ全体の世話をする第10世代コンピュータ「イアソン」の一人称視点で描かれたSFミステリーというところです。読み始めてすぐにわかるのでネタバレでも何でもないから書きますが、このイアソンが完全犯罪と言えるような殺人事件を起こし、主人公アーロンがその真相に迫っていく、というお話です。
30年ぶりに本棚から発掘して読みました。2度目でも退屈することなく最後まで一気に読める素直に面白い作品だと思います。ちょっと気になるのが、コンピュータのイアソンの人物?描写で、これが人間に過ぎると思います。第10世代だから相当すごいコンピュータなのでしょうが、宇宙船全体が身体と言う意味での目や手足の能力のすごさはともかく、発想や思考が自然すぎて、心は単なる(人間の)天才犯罪者と感じてしまいました。どうしても比較せざるを得ない HAL9000 と比較すると、コンピュータらしさ…というか異質さは HAL の方が格段にそれっぽいです。もっとも HAL はせいぜい第 6, 7 世代というところでしょうから比較しちゃいけないのかも。コンピュータが正常進化すると、けっきょく心・精神は人間のそれへと収斂進化しちゃうのか? …いやそんなことはないだろう、と考えさせられました。
SF的にはイアソンの一番の切り札が、さすがにやっぱりオーパーツ過ぎなのが無理がある感じです。この辺りはグレッグ・イーガンが上手だなとあらためて思いました。
あと本編とは関係ないですが、全体をとおしてもはや人類はコンピュータに世話してもらわないと生きていけない、という世界観は、そうなのかもなぁ、と思わずにはいられませんでした。
ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)より
4150109915
No.7:
(2pt)
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絶賛の評判だが(ネタバレ)

ソウヤーの処女作ということで期待して読んだ。ここの評判は絶賛ばかりだが、どうも納得できない。
まず動機の遠因となった核兵器システムのバグだが、人工知能は核戦争を正確に予測できたのになぜ回避できないのか。
異星人のメッセージも、ストーリー上、どんな必然があったか不明なまま。
ハードSF的には、亜光速で旋回する航宙船の物理学、このようなトンデモナイ速度を得たのに目的地は当初のままでいいのか、主人公(人間)の心理描写はいいから、もっとSFとしての思索がほしい。
本書の元になった中編があるそうだが、中核のアイデアを長編に膨らませることに失敗し、余計な粗雑物が付いただけに終わっているのではないか。JPホーガンの変態やクラークの詩情といった優れたSFの資質がこの作品には欠けている。作家は第一作に、その素質が如実に現れるとするなら、ソウヤーの評価は大きく下がることになり、SFの隆盛を願う者として残念だ。
ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)より
4150109915
No.6:
(4pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

人間とどれだけかけ離れていようとも,おまえは自分の行為に責任を持たなければならない。

「ゴールデン・フリース」とは,ギリシャ神話のイアソンの物語に登場する黄金の有翼羊の毛皮のことを指します。
 ギリシャ神話のイアソンは,黒海の果てコルキスにあるという伝説の黄金の羊の毛皮を持ち帰るため,アルゴー船で旅に出ます。
 本書では,このギリシャ神話から名前をとって,地球から47光年かなたにある惑星コルキスを目指し,宇宙船アルゴを制御するコンピュータ「イアソン」が,自身の大儀を達成するために,その大儀を妨害しようとする人間を,自らが神となって排除しようとする物語です。
 宇宙船という限られた空間においては,その宇宙船に住む人間にとっては宇宙船がいわば地球全体に匹敵し,その宇宙船の運営をすべて管理するコンピュータは,宇宙船内という世界においては神のような存在になってしまいます。
 ある最終目的を達成するためには,それを邪魔する人間を排除してもいいという大儀と感情をもったコンピュータはまさに神に等しい存在です。
 人間が自らの考えで進めているつもりが,実は巧妙なコンピュータに操られていることに誰もが気づかない。
 そんな神のようなコンピュータが掌握管理する宇宙船内という限られた世界において,果たしてどうすれば真実を知り対抗することができるのか。

 本書はソウヤーの長編SFデビュー作で,この後いくつもの傑作作品を生み出しています。
 私の中でソウヤーは,とにかく面白くて知的好奇心をくすぐるSF作品を書く作家の一人として期待がとても高いです。
 まだまだ未訳作品も多く,今後の翻訳作品がとても楽しみです。
ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)より
4150109915



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