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(短編集)

アイの物語



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【この小説が収録されている参考書籍】
アイの物語
アイの物語 (角川文庫)

アイの物語の評価: 4.66/5点 レビュー 92件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 41~60 3/5ページ
No.52:
(5pt)

オモロイ

今までも人工知能の本を様々に読んできたけれど、フィクションである本作でAIに対する認識がとてもクリアになりました。 なんだか単なるフィクションに思えなくて、恐怖も感じたし希望も抱けたような。
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No.51:
(5pt)

最高のSFです!!

山本先生の人間の本質を追究した名作であり、SFの素晴らしいさを改めて感じました。
素晴らしいの一言です。
沢山の人がこの本を読んだら素敵だと思います。
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No.50:
(5pt)

買って良かった。

昔とあるラジオ番組で書評家の目黒孝二さんが出てらして、この話はすごい!こういう未来ならなってもいい!
と言われてたのが気になってて購入しました。うん、こういう未来ならなってもいい。読んでそう思いました。
それぞれの短編は個別に発表されたものですが、各話を見事につなぎ合わせ、それが結末へと綺麗に繋がっていく構成は見事だと思います。各話には割とギーグでマニアックな内容も出てきて理解に困る点もあるのですが、それを補って余りあるエンディング。見事です。買って良かった。
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No.49:
(5pt)

多くの人に読んでほしい

おそらく、全人類がこの本を読み理解すれば、地球は平和になるでしょう。
そんな大それた事を言わしめる一冊です。
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No.48:
(1pt)
※削除申請(1件)

おっさんにお似合いな本じゃなかろうか

そもそも個人的に、山本弘の説教臭さが嫌いだったというのもありますが、この本は嫌いです。
細田守がアニメ化を考えたほどの出来で、実際、彼によるものかどうかはわからないけどアニメ化が持ち上がってポシャッているのですが、それはまったく正解だと思いますね。

この世界では、人間は、生まれながらにして既に老いています。もはや未来のある生物ではありません。
山本弘は、現在の人々が互いに持つ不信感を浮き彫りにするために、人間の欠点を解消した完全な上位存在を持ち出します。
アイビスをはじめとする彼女達が、人間が理想としながらもついに手に入れられなかった善性を行使する様子は、そのまま作者の説教であります。
何故これが出来ないのかと、読む者に鋭い声をぶつけてきます。
まずこれが鼻につく人も、私を含めているんですが、それは別問題です。好みの問題です。
この本は何より、フィクションの力を信じる山本弘の、フィクションの力で世界を変えていこうとする決意表明であるからです。
(フィクションというものへの取り組み方と言うか構え方がずれていますが、それは割愛)

問題は世界観そのものです。
ラストで、人類は自らが欠点を克服し得ないことを受け入れ、人工知能に未来を任せ、自らは穏やかな余命を求めて進み始めます。
人類が自らの限界を突きつけられ、受け入れ、少しでも穏やかな終末を求めて足掻きはじめる世界。
人間の信じたこと、願ったこと、それらは、人間と言う種の子孫たる人工知能達が受け継いでいく。
これはもう、中年男性の身勝手な絶望の産物です。
文明としての子孫に目が向いていますが、本当に目を向けるべき子孫に目を向けていません。
劇中の人類の結論としてはこれで正しいかもしれない。でも、これを提示したくなる気持ちはわかりますが、それを乗り越えてさらに一歩先の世界を提示するべきなんです。
こういう衝動を50歳にもなろうかという男が作品にしている情けなさですよ。

この物語は、見る者に安らぎを与えます。でも安らぎだけです。前に進む力は与えてくれません。前に進んでいく力を貰ったと思っている方がいたら、それは勘違いです。
それは実は、ただ生きるだけの力です。大人には必要ですが子供には要りません。

なぜ、子供が読む場合を持ち出して批判しているのか。
それはこの本で説教されている内容が子供向けだからです。
子供向けの内容を説教しているのに、全体の構造としては大人を向いているからです。
いや、むしろ、もはやこの程度のメッセージを大人にも向けなければいけないほど社会が幼稚になっている、ということかもしれません。
だとしたら、これらの短編の持つメッセージに感動し、なおかつこの結末にも感動した大人がいると山本弘は考えているわけで、評価の高さを見るに実際そうであるわけです。
残念なことです。

山本弘は『地球移動作戦』でこの作品のパラレルワールドを描いていますが(と私は思ってます)、こちらはこれに比べて全く健全です。
人工知能に文明の担い手を任せようとする意見に対して、
「自分達の世代はそれで納得できるかもしれないが、子供達はまだ若い」
と立ち上がり、地球を移動させて人類を救うと言う前代未聞の難事に挑むキャラクターがいます。
疲れてるのはわかりますが、「人類はもう休んでいいのか」などと酔っ払ったレビューを残している人なんかは、こちらを100回読んで猛省してほしいですね。

この本を読むに当たって、私は先述した中では「子供」の側に立っている人間です。だからここまでこの本に不快感と怒りを覚えます。
結局、こういう作品はそもそも世に出すべきじゃないし、書いた人も読んで感動した人も少しは自分がいかに愚かか考えろってことです。
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No.47:
(5pt)

面白い!

Amazonのレビューを読んで購入。

この作者の本は初めてですが、
とても面白かったです。

ほんとにこんな未来があっても
おかしくないかな~なんて
ストーリーに引き込まれました。

他の本も読んでみたいと思います。
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No.46:
(4pt)

まあまあ 面白い

サイエンスとワンダーな成分がいまいちですが、物語という設定と世界観の構築はうまいです。
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No.45:
(5pt)

「一日一話、寝る前に」で、より気分が出る。

本作は山本弘氏によるSF作品。

舞台は遠い遠い未来の日本。
人類が衰退し、創造主である人類に代わってアンドロイドが文明を支配する時代。
ある日「僕」は食糧を盗む途中で女性型アンドロイド「アイビス」に捉えられる。
アイビスは捉えた「僕」に対して洗脳や拷問をする様子は見せない。
代わりに「僕」に物語を聞かせたいという。
それは6つのフクションと、1つの「真実の物語」だった。

アイビスと「僕」の会話が中心となっているインターミッションの間に、アイビスが語る短編の物語が挟み込まれているという形式。
なのでこれは短編集ではく、最終的には大きな一つの物語を織りなしている。
「僕」になったつもりで、寝る前に一日一話ずつ読むと、より気分が出て面白さが倍増するかも知れない。
「さあ、今日はどんな話を聞かせてくれるんだいアイビス?」くらいのノリで。

短編として単体でも面白いと思ったのは、第5話「正義が正義である世界」である。
不思議な違和感を覚えつつ読み進めているうちに、徐々にタネが明かされてゆくところが面白かった。
また、第6話「詩音が来た日」で詩音が展開する「ヒト論」については、反論する隙が無いと感じた。
本当に我々人間はみんな、程度の差があるだけの認知症なのかもしれないと思わせるくらいの説得力があった。

はっきり言って、すごくすごく面白かった。
もっともっと、たくさんの物語を織り込んで欲しいと思った。
でも本当はこれくらいのボリュームが引き締まってて丁度良いのかも知れない。
山本弘氏の他の作品も読んでみたい。
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No.44:
(5pt)

納得の高評価

amazonで高評価だったので購入してみましたが、なるほど、高評価もうなずける完成度でした。
それぞれの短篇もよかったですが、特に本書の半分以上を占める最後の書下ろし作品、詩音の来た日とアイの物語は面白くて手が止まりませんでした。どの話も心温まる話で、読後は、名作を読んだあとに来る虚無感を感じることなくただただ読んでよかったと思いました。
それぞれの短篇については割愛して最後の二作品について感想を書きますと、多くの人が抱くアンドロイドや人口知能に対する固定観念、進化して人間と同じような感情を獲得したり、人間は下等な生き物だとして反乱を起こすというようなものとは全く違い、人間とは違う生き物として、人間と異なる考え、感情を持ちながらも決して人間を見下したりしないという描かれ方は読んでいて非常に面白かったです。人口知能と人間の考え方の違いや、人口知能同士のシュールな会話は、可笑しいと同時に人間の考え方に付いて改めて考えさせられます。見どころです。
読もうかどうか迷っている方、ぜひ読んでみてください。短篇集が苦手でも楽しく読めると思います。
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No.43:
(5pt)

どんどん面白くなっていく

ひとつのストーリーなのだが形としては短編をつなぎ合わせたような物語でした。
なのでストーリー自体はそれぞれ独立して終了します。
はじめは正直ちょっと微妙なストーリーが続きますが、だんだん面白くなっていきます。
後半はかなりいいストーリーで盛り上がっていきます。
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No.42:
(5pt)

人工知能テーマの最高傑作

アンドロイドの娘アイビスが、人間の少年に六つのストーリーを語って聞かせる。いずれもバーチャルキャラクターまたは人工知能がテーマだ。
どの話も質が高いが、1・5・6が特に素晴らしい。
第1話 「フイクションで現実に立ち向かえるか?」という重いテーマを追求した力作。答えはイエスだ。
語り部としての作者の力強い宣戦布告と受け取った。

第5話 アニメや特撮ドラマのキャラクターたちが暮らす世界がある。彼らの視点を導入することで、現実社会の不条理と残虐さが浮き彫りにされる。前半の能天気な楽しさと後半の陰惨さの対比が見事だ。

第6話 介護士アンドロイドが語る「ヒトは認知症です」という言葉に、目からウロコが落ちた。
たしかにそう考えると、様々な事件や理不尽さが説明できる。

第7話は、アイビス自身の物語だ。見事な結末であると共に、独立した中篇としても通用するほどしっかり作りこまれた人工知能SFだ。
中でも白眉なのは、AI同士の会話である。感情を数値化し、理解不能な修辞法を用いる。なるほど、異質の知性とはこういうものだろう。
深いテーマをSF的飛翔力で面白く読ませてくれる。現時点における人工知能テーマの最高傑作だと思う。

アメリカのSFはすでに死んだ。でも失望することはない。我々には山本弘と野尻抱介がいるではないか。
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No.41:
(5pt)

面白い

たまたま読んだSF本が面白かったので、ほかに評価の高い本を探したところこの本に行き当たりました。短編集ということで、執筆年順にならんでいるのかな?最初のほうは古臭くベタ展開な感じもありました。・・・が、そこでやめずによかった。なんだこれ面白い!!ラノベなみに読みやすいのですが、遥かに内容は濃い。普段ろくに読書しない私でも最後まで飽きずに読めました。おススメです。
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No.40:
(4pt)

面白かったですけど・・。

短編小説なんだけど長編小説みたいな感じで全体的には面白かったです。
ただ終盤がもう少しって感じでした。
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No.39:
(5pt)

まさか、トンデモ本の人だったとは・・・

どの短編集にも面白くない話が一つや二つ入ってるものだと思いますがこの本は七つの短編ともすべて面白い。
別々の時期に書かれたものらしいのですが、どの話もヒトとマシンの関係について一貫して訴えてくるものがあった。
個人的には「詩音が来た日」と表題作でもある「アイの物語」が好きです。
ラストはロマンのあるまとめ方をしていて余韻に浸れます。久々に本物のSFを堪能出来ました。
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No.38:
(5pt)

「アイ」の多義性について。

単なるユートピア物語、またはその反対のディストピア物語に陥ることなく、論理的説得力を持って機械とヒトの「関係」を模索した小説のリストを作るならば、アシモフ『われはロボット』を嚆矢として、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ホーガン『未来の二つの顔』などのタイトルが並ぶだろう。その末端に是非とも加えたい作品。連作短編小説の体裁で、各話で語られるエピソードが珠玉であると共に、全話を貫くテーマも独特である(「機械とヒト」という対立に縛られなければクラーク『2001年宇宙の旅』などが思い浮かぶが)。
 また、『アイの物語』とは微分すれば、「私(=I)の物語」であり、「AIの物語」でもあり、「愛の物語」であるだろう。つまりは「自己意識」についての語りであり、かつ人工知能についての語りでもあり、この二者についての「人工知能は自己意識を持ちうるか」というあのスタンダードなテーマに付いて意欲的に取り組んだ作品ともなっている。そして「愛」とはそうした「自己意識」同士の関係性である。「対自」「対他」の二様の意識のあり方が折り込まれた見事なタイトルだ。
 特に第6話「詩音が来た日」は、この一編を持ってしても凡百の小説を凌ぐ出来映えであり、同一テーマにおいてこの小説を凌ぐものはこの先しばらく出ないのではないかと思うほどの傑作。
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No.37:
(5pt)

おもしろい

あまり本を読まない方にもおすすめできる本だと思います。
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No.36:
(5pt)

絵本化希望!SFという舞台のおとぎ話

こんなにジワリと暖かくなるSFは初めてだ。機械と人間の関係を示唆する6つの物語を語るという体裁の小説だが、SFという体裁をとっているだけで、根本的なテーマは人間の心や地球に住む資質を問いかける童話だ。なぜ人間は過ちを犯し続けるのか? 人を見下し、あざけり、争い続けるのか? という「ジェノサイド」(高野和明)にも似たようなテーマをアンドロイドの目から浮き立たせる。

個人的にはアンドロイド同士の独自言語が飛び交い、ややSF的な色が濃すぎる最後の「アイの物語」より、もう1つのハイライトである「詩音が来た日」が一番ぐっと来た。泣けるSFだ。

ぜひ絵本にしてほしい。そして私はそれを娘に読み聞かせてあげたい。
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No.35:
(5pt)

久しぶりに

SFを読んで面白いと思いました。以前はもっぱら海外SFばかり読んでいたわたしですが、最近手にとるのはラノベばかりですから。しかし何を隠そう、これまでわたしが読んだなかで一番好きなのは、R・A・ハインラインの「愛に時間を」なのです。当作品は「愛に時間を」のミネルバやドーラが人間の身体を持つようになるエピソードを懐かしく思い出させる良い作品でした。
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No.34:
(5pt)

久々のアツイ小説

SFに関しては、必ずしも良い読者ではない(特に国産ものは)のだが、本作品は衝撃的であった。80年代にウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』を初読したときと同じぐらい感動を憶えた。もっとも、当時のサイバーパンクが未来の暗い側面に焦点を当てていたのに、本作品は、AI=アイ=愛に物語なんだな。【ゲドシールド】(お見事な概念)に囚われ、知性体として倫理的にも論理的にも劣っているヒトの存在を許容し、ヒトの夢をかなえようとするAI。そのAIが語るそれぞれの短編の質が高く感動を与えてくれるのだが、エピローグでは、さらに大きな感動へ集約されてくる。

SFというジャンル分けがナンセンスなぐらい、久々のアツイ小説であった。息子にもいずれ読ませたい。本書を紹介してくれた同僚に感謝!

往年のSF作品、作家のオマージュが随所に見られるのも嬉しいところ。
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No.33:
(5pt)

人類が描いた夢を受け継ぐマシンは宇宙の果てまでも

マシンは語る。ヒトとの共存は決して夢物語ではないと。
アイビスが語る「マシンは決してヒトを蔑まない。だって蔑むという感情がないんですもの」
読み始めは、ヒトはマシンにより、衰退への道を辿らされたとミスリードされたが
結局は、ヒトという一種の認知症団体が、派手に自滅への道を辿っただけであった。

作中で、何度も登場する以下のような、言葉。
「なぜ。ヒトは互いを憎しみ殺しあうの?
 反乱より強調を、蔑みではなく愛情を、倫理的にも道徳的にも理路整然としてるのに。」
著者が伝えたいメッセージが、これらの言葉に凝縮され、読み手に訴えかける。
怒りには怒りを、憎しみには憎しみをの精神では、何も解決しないのだ。
アイビスたちマシンの無抵抗主義は、それら憎しみの連鎖に真っ向から反逆している。
そんな倫理的にも道徳的にも筋の通った行動に、TAI(と呼ばれるアンドロイド)を危険視し破壊せよとの
何の根拠もない言いがかりで、民衆すらも洗脳し、味方につけようとした反TAI勢派らは次第に
行き場を失い、その力はちいさくちいさく衰退した。

全体を通して、アイビスが読み聞かせるフィクションに、無駄なものなどひとつもなく
最終章で、短編で出てきたキャラクターの思想なり行動が、物語に密接にかかわりあって
綺麗にしめくくられる構成には、ひたすら感涙。感動。
物語のもつ力というものは凄まじい。作中でもあったが、時には事実よりフィクションの方が美しい。
それがゆえに、現実の醜悪さが浮き彫りになる。
理想を追求する姿はどちらも同じなのに、どうしてこうも、フィクションのような理想は難しいのか。
それは、ヒトが致命的欠陥をもつ生命体だからと詩音はいったが、割り切れたらどれだけヒトは生きやすいか。
やはりマシンとのスペック差だけにとどまらず、客観的分析力をもつマシンはすごい。

遠い未来に、アイビスたちのような人工生命体が生まれたとき、果たして、ヒトがとる行動とは
服従させることか、共存か、それはまだ誰も知らない未知の物語である。
もし、自分が物語に関われたら、きっと詩音やアイビスたち冷たくも温かい心をもつ生命体を思い出すだろう。

最後に、気に入った一文を引用。
『ヒトの故郷が海ならば、マシンの故郷はフィクションの海である。』
アイの物語 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アイの物語 (角川文庫)より
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