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朝が来る
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朝が来るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全154件 41~60 3/8ページ
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本作は特別養子縁組を通して、家族の在り方を描いている。 と同時に、信頼することの大切さや意味をも描いていると感じた。 不妊治療や未成年者による望まぬ妊娠等の、命を預かることの難しさやそれに伴う苦悩を真正面から描いていた本作。 そこでは社会問題的な要素も浮き彫りになっていくのだが、個人的にそれ以上に問題だと感じたのは、周囲の人々の無神経さや理解不足である。 40歳を目前とした栗原夫婦に無神経な言葉を投げかける夫婦の両親。 片倉ひかりの考えや要望を聞かず、自らの考えを押し付け、臭い物に蓋をするといった対応に必死なひかりの両親。 また、ひかりの叔父がとった態度はあまりにも浅はかで愚かだ。 そんな栗原夫婦は「朝斗」の誕生により、長いトンネルから抜け出すことができ、幸せな日常を掴めた。 しかし一方で片倉ひかりは「朝斗」の誕生により、長いトンネルへと足を踏み入れることになる。 命の誕生がここまで人の人生の明暗を分けることになるとは思いもしなかった。 本作では栗原夫婦と片倉ひかりが徹底して対照的に描かれている。 ひかり自らの筆跡ではなく、他人が勝手に署名したものを、ひかりが書いたものだと決めつけられてしまう一方で、 生まれてくる子供へと向けた手紙は、ひかり自身が書いたものなのに、栗原夫婦に別人だと言われてしまう。 自らが信じて欲しいことは疑われ、噓は信じられてしまう描写には悲しさや、やるせなさを覚えずにはいられなかった。 血が繋がっていても自分の両親に信じられず、両親が掲げた教育方針から逸脱することを許されなかった、ひかり。 血は繋がっていなくとも、友人が怪我を負ったのは自分のせいではないと信じられた、朝斗。 いくら血が繋がっていようとも、そこに相手を信じようとする気持ちや思いやりが無ければ、そこでは望むような家族関係は築けない。 反対に血が繋がっていなくとも、そこに相手を信じようとする気持ちや思いやりがあれば、望むような家族関係を築くことが出来るのでないだろうか。 | ||||
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養子を貰った夫婦と、その子を中学生で産んだ少女の物語。 本作品は、主人公が入れ替わり二つの流れを形成している。養子の母の視点では、不妊治療のあれこれが、その子を産んだ母親の視点では、幼くして妊娠することのあれこれが、side-A、side-Bのように語られるのだ。 実母の視点の物語は、転落ものとしてスリリング。追い詰められた悲痛さが、読者の心を揺さぶるだろう。里親の視点の物語が、幸福を追求するものであっただけに落差が激しいのである。 ラストはというと・・・随分、きれいにまとまってしまったなぁ。 | ||||
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なんか、良い様な悪い様な…これで良いの?ん?良いんかな?みたいな感じです…特別養子縁組をする夫婦のパートはウチも不妊治療はしていたので共感出来たし、勉強にもなりました。最初の幼稚園のイザコザも怖かった。 若くして出産した子のパートが長いし、色んな小説にも感じるが、なんかひたすら不幸、もしくは世間知らずから転落して行く人を登場させるのは便利なんだろうか?今回は同情出来なかった…昭和?とも思った…なので差し引きで星3つです。 あの子に朝は来るのか…多分、あの夫婦が朝を迎えさせてあげるんだろうなとは思いました。 | ||||
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本作品は、巻末の解説の執筆者、河瀬直美監督の手によって、このレビューを書いている2020年11月現在、映画が劇場公開中です。 なかなか高い評価を受けており、私はこうした場合、まず、原作小説から入るので、今回の読書となりました。 作者の辻村深月は、もともとミステリ分野出身の作者。 「辻」という文字は、「綾辻行人」という、ミステリ分野での人気作家からの文字と伺っています。 物語としては、栗原左都子というタワーマンションに住む、恵まれた環境のもとに、不審な電話がかかってくる。彼女と夫は、朝斗という幼稚園に通う、子どもがいるが、その子どもを「私に返してほしい」という内容。じつは、朝斗は、養子だった。電話の主は誰で、何を要求しているのか、という「謎」がミステリとしての根幹にあります。 この作品が、多くの支持を受けている要因として、この「子どもを返して」という謎の問いかけのあと、読者が想像するのと全く異なる、驚くべき展開となっていて、実際、私は、正直なところ、物語に引き込まれ、読了まで、あっという間でした。 この作品が、単なる「心理サスペンス」ではなく、「社会問題」を扱った、いわば、「社会派ミステリ」となっていることは、述べておきたい部分です。 【特別養子縁組制度について】 栗原夫妻が、朝斗を養子に迎えた背景には、「不妊治療」の問題があります。これは、多くのメディアで報じられており、その問題に悩む夫婦が沢山いる、ということは、認知されてきているでしょう。 だから、初めの方で、この問題を軸に、物語を展開していく作者は巧みだと思いますが、私が着目したのは、「特別養子縁組」という制度です。 この制度は、厚生労働省のホームページに詳しく載っているのですが、歴史は古く、昭和62年から始まっています。この制度の特徴は、「普通の養子縁組」と異なり、「福祉」政策の一環として行われていることです。 「子どもの福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。」というのは、ホームページからの引用。 この制度は、望まない妊娠や、子育てが巧くいかない場合に、子どもを保護することを目的に、「子どもが欲しくて、育てる環境のある夫婦。でも、体質的な問題で、子どもを授かれない夫婦が、子どもを養子として迎える制度」です。 普通の養子縁組は、戸籍上、「実の親」と「養子の親」が併記されます。しかし、この制度を利用すると、「実の親」は記載されず、実の親子と同様、「養子の親」の戸籍に「長男」や「長女」と記載されます。 つまり、養子であるかどうかは、「養子の親」が周りにどう説明するか、に委ねられます。 戸籍を見ただけでは、「養子」とは気づかれない訳です。 この「特別養子縁組」制度、厚生労働省のホームページに統計が載っていますが、平成24年までは、全国で年間300件台でしたが、それ以降、増加していて、平成26年以降は、500件台を越えているそうです。 こうした「社会的背景」をベースにした作品は、個人的に好みなので、高く評価しました。 もちろん、現実には、関係者が、養子の親に、「子どもを返して」と迫るなどという事態は起きないでしょう。 でも、そこは、「フィクション」として、許容範囲です。 デビューから、割と早い段階で、「直木賞」まで到達した作者なので、その実力が発揮された作品として、推薦したいと思っています。 悩みは、巻末解説の河瀬直美監督の映画作品を鑑賞するかですが、その辺りは、しばらく考えさせていただいてから、ということで。 | ||||
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私自身、子育ての真っ最中ですが、この本に出会えて本当に良かったです。本書で登場するひかりの家庭、それが私の実家と似ている部分が多く、ひかりの気持ちや考えに共感できてしまうのです。それとともに、子供にとっての家庭のあり方を考えさせられます。子どもにとって居心地のいい家庭を築くことが、私がすべき一番のことではないかと再認識いたしました。 そして、本書のクライマックス。涙が止まりませんでした。 | ||||
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想像していたのよりずっと濃い内容のものでした。全ての人に読んでもらいたいと思うほどです。 娘にも もう少し大きくなったら読ませたいです。 | ||||
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辻村深月さんの作品は始めてでしたが、惹き込まれて一気に読み切りました。 | ||||
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ひかりは自分を認めてくれる場所を探してずっと彷徨っていたのだし、教員である母親も予想外の出来事に戸惑い、心が乱れ、娘を受け入れる心の余裕が持てなかっただけだ。 一方、佐都子の心の根っこの強さが対照的だった。 愛とは何かを明確にしてくれる作品だ。 | ||||
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みんながもう少しずつ、自分ことを置いて歩み寄れたら……よかったのかもしれない。。 みんながもう少しずつ、他人の気持ちに想像力を働かせる余裕あったら……よかったのかもしれない。。 そうすれば、こんなに追い詰められる人が減るかもしれないと思った。 せめてこの本に出会ってそう心を動かされた自分は、自身の考えに間違っているかもしれないと疑いを持ち、周りの人の気持ちに想像力を働かせられるときを増やしたいと思ったら | ||||
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あんまりおもしろくなかった。 一章と二章が良かったが、三章の 片倉ひかりが頭悪すぎてイライラする。 | ||||
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感動した。 | ||||
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辻村さんの作品が好きですべて読んでいますが、このような「普通」の作品を書く方だとは思っていませんでした。厳しい言い方ですが、今までの作品にあった言葉のキレも意外性のある描写も、深みのある人物設定もなく、正直驚いています。本当に、辻村さんが書いたお話ですか? 他の方も仰っていますが、途中まではよかったのに、後半のひかりの話は昔流行った携帯小説並みです。途中で子供目線になった箇所も編集者がなぜ止めなかったのか不思議に思うほど無意味ですし、子供の存在によって救われるというラストも安直な印象です。辻村さんは「養子縁組をした家族が、実は産みの母親に感謝していることが多い」ということを伝えたかったようですが、それは前半ですでに書かれてしまっていて、あとは消化試合のような内容でした。養子縁組というテーマが先行し、小説全体の面白みがなくなってしまった作品なのかなと思います。 色々と書いてしまいましたが辻村さんは実力のある方だと信じていますので、次の作品に期待しています。 | ||||
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映画化ということで、読んでみました。 最初の養子縁組に至るあたりまではまだ良かったのですが、子どもの実母の視点になってからが軽いというか薄いというか……。 最後も取ってつけたような印象を受けました。 気になったのが「すみません」ではなく、「すいません」という言葉の使い方。 最初はわざと「すいません」にしてるのかと思ったのですが、その後、何人かの登場人物が皆「すいません」なので、閉口……。 小説家なのに言葉の使い方を知らないんだろうな、と思いましたし、校正も入らなかったのだろうかと疑問にも思いました。 | ||||
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状況も年齢も違う2人の女性のストーリーが描かれた作品です。 中学生の少女が妊娠してしまう、それはその少女の親や親戚からしたら「普通」ではない人生である。そんな思いを少女に暗示していく様子が、その少女の拠り所を奪ってしまっていたのかなと感じます。 まだ若い親の力を借りなくては生きていけない少女の思いもよらぬ妊娠。1番不安であったのは家族よりも少女自身だったのでは。家族にも愛している人にも見捨てられ、雄一大事にしたい自分の子どもとも引き離され、彼女は不安でたまらなかったんだろうなと思います。 どんな形であれ子どもを守れるのは大人。 そんな子どもを見捨てず親身になれる大人や拠り所が、組織としてでも増えていくといいなと願っております。 | ||||
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八日目の蝉と比較してみたらどうだろう。八日目の蝉は東から西への逃亡劇。本作は西から東への逃亡劇。瀬戸内は子育てにいい土地柄なのだろうか。ラスト。実の親と育ての親が心を通わせる場面。雨の中の子供の生き生きした描写が美しく、映画化されるために書かれたような小説に仕上がっている。表現が立体的で読みながら、その情景が頭に浮かんでくる。悲しいのは実の母、広島のおかあちゃんは、20代にも関わらず追い詰められ、若さは失われ孤独の中に疲れ果てていた。育ての親との好対照をなしている。私は40代の後半で独身、結婚しておらず子供はいない。理解できていない部分もあると思う。ただ、子供を産み育てるということは本当に大きな社会的、道義的責任を負う。振り返ると自分はその責任から逃げてきた結果、独身なのだと認識した。子供を育てるというのはひとつの楽しみで、それを体験できなかったのは、人生における大きな損失なのではないかと感じた。 | ||||
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この小説は、妊娠を望みながらそれが満たされない夫婦と望んでいなかった妊娠をしてしまった中学生の少女が織りなす物語です。私は望んでいなかった妊娠をした少女に惹かれました。少女は中絶をすることが出来ない時期となっていたため、出産し特別養子縁組をし中学校に戻りました。残念ながら、母や父とそして親戚と折り合いが悪いということもあり、少女のその後の人生は順調ではなく、同僚に騙され、お金に困り絶望的な気持ちになるまでのことが描かれています。私は小説の最後の部分まで、少女の人生が軌道に乗ることを願っていましたが、人生は難しいということを理解しました。人はちょっとしたことで足を踏み外します。そして、何故かそこから元の線(道)に戻ることが難しいということがあります。少女が妊娠したことも付き合っていた彼の妊娠することの意識が薄くかったことが挙げられます。そのような内容は現代社会でも多く起こっていることのように思います。私は20歳になった少女がこれから新しい素晴らしい道を歩んでいただくことを願って止みません。最後になりますが、素晴らしい本を出版してくれた筆者と出版社に深く感謝いたします。ありがとうございました。 | ||||
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よかったです。 | ||||
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親となった身で読むのと、親でない立場として読むのとでは感想が違うだろうなと思います。 子供がほしくてもできない夫婦の心情をものすごく丁寧に描写していると思います。その不妊治療を行う夫婦への周囲の態度がとてもリアルだと思います。 他の方のレビューにもある通り、後半の実母のパーとは全くと言っていいほど共感できませんが、十代の子が読むと共感できるのかな?とは思います。将来、自分の子供が中高生になったら、この本を読ませて、「性交渉をしたいのであれば、最悪の場合も考えろ」と教えてやりたいなと思いました。 | ||||
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鏡の弧城で期待して子供と読もうと買ったのですが、性描写が多かったです。 話もそれ程… | ||||
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最初から最後まで「かくあるべし」という啓蒙の書となっているように感じた。 一、子供の必死の訴えは最後まで信じるべし。 二、実子でなくとも実子同様の深い愛情をもって育てるべし。 三、自分の子供が嘘をついたとわかったら隠すことなく告白し、それに基づく自分の行為を謝罪すべし。 四、男は不妊の原因が自分だとわかったら、すみやかに自分の両親に告げるべし。 五、養子をもらったら、その事実を子供本人と周囲の人に明らかにすべし。 六、隣人から養子の事実を知らされようと、それは噂話のネタにはすべからず。 七、一見非人道的な行為をしているようであっても、そこにはやむをえない事情があると忖度すべし。 どれ一つとってもそう簡単にできることではないのに、登場人物はこの七戒をいとも簡単に克服している。この話のポイントは、「ひかり」の紆余曲折だから、ほかはさらりと書き流したのだろうか。あるいは「特別養子縁組」を推進するために書かれたのだろうか。私もこの制度は全身全霊で応援したい。この小説を読んで、養子に目が向く人がいたらとは願っているけれど、でもあまりにも安易な印象を受けた。 | ||||
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