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黒い瞳のブロンド
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黒い瞳のブロンドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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とても程度の良い商品でした。 | ||||
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2005年『海に帰る日(原題:The Sea)』で2005年度ブッカー賞を受賞したジョン・バンヴィルの別名義作品。 物語は『ロング・グッバイ(長いお別れ)』以後。名前だけの人物もふくめてキャラクターも継続して脇を固めている。 本作のマーロウは本家よりもペダンティック。また、注釈がなければわからないチャンドラーと同時代ネタが散りばめられているが、それら過剰なディティールへのこだわりが、反対に、現代の視点から過去を描いているのだという印象を強めていた。 それでもウィットや皮肉のきいた台詞回し、秀逸なアフォリズムなど、いかにもなチャンドラー節が再現されていて、読んでいて楽しくなる。 結末は賛否がわかれそうなところ。苦味のきかせ方は本家ゆずりだが、さほど熱心なチャンドラーの読者でない自分でさえ、『ロング・グッバイ』読後に感じた余韻を消し飛ばされた気がした。“原典”に対する強いイメージを持ち、それを大事にしたい人は読むさい覚悟が必要かもしれない。 ところで。以前ある作家のエッセイを読んで同じくブッカー賞受賞作家カズオ・イシグロもチャンドラーの愛読者だと知っていたが、いわゆる純文学畑の作家からもこうしたパスティーシュ小説が生まれてくるとは思いもよらなかった。あらためてチャンドラーの英語圏の作家における影響の大きさを感じる。 | ||||
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題名はチャンドラーが遺した創作ノートからの引用。 チャンドラーを熟知した小鷹信光氏の翻訳も相まって、本家に比喩やワイズクラックの華麗さは及ばないものの、卑しい街を行く気高く誇り高きマーロウの姿を美しい文章で見事に甦らせている。 チャンドラーがアイルランド移民の子孫であり少年時代を英国で過ごした事はよく知られているが、アイルランド人作家である著者は原典に内包された騎士道的なロマンティシズムにシンパシーを寄せながらも、同様に続編を試みたロバート・B・パーカーのように憧れをあからさまに剥き出しにせず、抑制された距離感を保っている。ことに終盤の展開は原典の愛読者にとっては、いささか衝撃的。その意味ではロバート・アルトマンの映画版『ロング・グッドバイ』を少しばかり想起させるが、あれほど大胆に原作を逸脱している訳ではないので熱烈なマーロウ・ファンも愉しく作品世界に浸ることが出来るだろう。 | ||||
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