■スポンサードリンク
ホテルローヤル
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ホテルローヤルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全326件 321~326 17/17ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり詳細を書くとネタバレになるので、サラッと。 レビュータイトル通り、雑誌掲載時から収録順を入れ替えているところがポイント! 単行本というパッケージとして再編集することにより、一つ一つがぶつぎれになっている短編集という形ではなく、ひとつの作品として完成度がいやます事となっている。 特に中盤の流れ、また、様々な歴史を飲み込んでのラストに至っては、鳥肌が立つ。 中盤の仕掛けでは、ああ、なるほど!となり、そこまでの流れを読み返す事となり、また、ラストまで読み切った後は、なんとも言えぬ後味に、再度、今度は「ラストから逆に」読み返したくなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ちょっと前に「起終点駅 ターミナル」を面白く読んで今回が二冊目。 書評欄に「〜北の大地の思い空気が漂う。男女の性を描きながら、地方で 生きる者たちの、生命力に満ちた静かな一瞬を切りとった、爽やかさが残る。 たくましい女、ふがいない男、どちらもいとおしい。」とありすごい期待で 昨日は一日で読みました。でも、何か、読後感がちょっと違う。 自分でもどう表現していいのかわからないのだけれど。違和感があって。 素直にその世界に。小説世界に。入り込めなかった。 「ホテルローヤル」という湿原のそばにたたずむ、廃墟となったラブホテル。 色々興味深い事柄は多々あったものの。人物というか人間の描き方に奥行きが ないというか。何かちょっとつまらないの。魅力的でないというか。 特に男性がもの足りない。悪なら悪でいいのにね。 帯には「恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、 「人格者だが不能」の貧乏寺住職、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、 親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、 働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、 ホテル経営者も複雑な事情を抱え・・・」とあり、ワクワクするような面白さが 漂ってくるとおもうんだけれど わりと他愛なかったってかんじかしらんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
7編からなる短編集。全体としては、ストーリーにあるいは表現に、桜木紫乃らしさが薄くちょっと残念な感じ。 桜木紫乃の良さは、『氷平線』でもレビューした通り、“シャープで研ぎ澄まされた文章表現”と“北の大地に根差した理不尽な重荷を受け止める主人公の凛とした靱さ” にあると感じているが、本短編集においては、いずれも明確には伝わってこない。 かろうじてらしさが伝わってくるのは、“親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師”の交流を描く『せんせぇ』と“ホテルローヤルのオーナーとその妻の 出会い”を描く『ギフト』ぐらいか…。 短編であれば『氷平線』、長編であれば『硝子の葦』の様に、深く心に響く様な新作を期待したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桜木さんもだいぶ書きなれてきた気がします。わかりやすく明快。かつ論理的で女流の方にありがちな情に流されることもない。ひとつのホテルをめぐる短編集。世の中に真面目に不器用に向きあう主人公はみんな作者のもうひとつの顔。真面目な少女(おばさん)が自分のコンプレックスをさらけ出し、ひと皮剥けた感じがします。 書き上げた時の桜木さんの満身の笑の意味がわかりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は7篇から成る連作短編集である。釧路郊外に建つラブホテル「ホテルローヤル」に登場人物は皆関わっている。本書では、一話ごとに時間を遡るフォームで描写・記述がなされる。すなわち、廃墟と化したホテルから話は始まり〜40過ぎの看板屋がホテルを建てて一山当てようと夢見る最終話までである。ラブホテルのもとでさまざまに交錯する、数々の人生は本書でお楽しみください。ラブホテルが舞台であるが、描かれているのは、恋愛、セックスではなく、人々の日常性であり、それは、彼らに纏わりつく倦怠・諦念・・・寄る辺無きままに愚直に生きる人々の姿である。くどいようですが、本当に描かれているのは”性“ではなく、泥臭く愚直に生きる人々の”生“なのです。とくに、看板屋の侘しき死から時間が逆行されて、ホテル建設に乗り出すまでが逆再生されて記述される。この記述に読む者は人生の皮肉を感ずるであろうか・・・。また、著者は、土地、人々、疲弊した地方都市などの切り離せない状況を丁寧に描いていると思う。面白く読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ラブレス」で惜しくも直木賞を逃した、現在(いま)哀しい女を描かせたらNo1作家である桜木さんの新作は デビュー作から自身の根幹となる道東の「ホテルローヤル」に纏わる、何組かの男と女の短編集である。 今作も根底に流れる、どこか暗く哀しい物語はそれでいて着実に小説の「おもしろさ」も加わり、 早くも「桜木節」と言えるほどの円熟味さえ感じられる。 一話を20ページ強でまとめられた今作は、睡眠前の20〜30分に読むのに最適でした。 ぜひ次作は「凍原」「ラブレス」を超える哀しい長編小説を、と期待します。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!