氷の轍



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    初公開日(参考)2016年09月
    分類

    長編小説

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    氷の轍 (講談社文庫)

    2024年06月14日 氷の轍 (講談社文庫)

    新たな刑事の名は、大門真由―― 寒風吹きすさぶ釧路の海岸で他殺体が発見された。被害者は札幌の元タクシー運転手・滝川、八十歳。生涯独身で身寄りもなく、自宅からは北原白秋の詩集『白金之独楽(はっきんのこま)』が見つかる。先輩刑事の片桐とともに捜査にあたる真由は、孤独な老人が最後に縋ろうとした恋心を糸口に、事件を紐解いてゆく。 直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第2弾! 解説は本作をドラマ化した映画監督の瀧本智行氏!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    氷の轍の総合評価:7.56/10点レビュー 18件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (8pt)

    渋い

    「凍原」を読んだときは、刑事ものなのに物足りないと思いがありましたが、この作者はそういう作家ではないと免疫がついたのか、「氷の轍」は素直に面白い作品と思いました。たしかに今作も地味な展開でしたが、主人公の生い立ち、事件関係者の人生、釧路・八戸のかもしだす廃れゆく町の空気。渋い作品、見事でした。

    部長
    SGEH53OQ
    No.1:
    (8pt)

    切ない真相が心を打つ

    「凍原」と同じく「北海道警釧路方面本部刑事第一課」の女性刑事が主役の長編ミステリーだが、ヒロインは前作の松崎比呂から大門真由に変わっている。
    釧路の海岸で老人男性の変死体が発見された。被害者は札幌でタクシー運転手をしていた80歳の滝川という一人暮らしの男性と判明し、大門は先輩刑事の片桐とのコンビで、被害者の身元調査を担当することになった。老人のアパートに残された数少ない遺品や周辺への聞き込みから、滝川老人は青森出身で、半世紀以上前に八戸から北海道にわたってきたらしいことは分かったが、詳しい履歴はなかなか判明しなかった。生涯独身で人付き合いも少なかった老人が、なぜ釧路へ来て殺害されたのか? 大門と片桐の粘り強い調査で分かってきた被害者と釧路とのつながりは、あまりにも切なく悲しいものだった・・・。
    Amazonのレビューでも指摘されているように、被害者と犯人の出会い、殺害動機などに弱点はあるものの、それを補ってあまりある魅力を持つ作品である。特に、ヒロインの大門刑事の背景設定が効果的で、事件の真相が解明されるたびにじわじわと胸が熱くなってくる。
    フーダニット、ワイダニットの面白さとともに「人が幸せに生きるとは、どういうことか」を考えさせる重厚な作品として、多くの方にオススメしたい。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.16:
    (2pt)

    ミステリー要素皆無

    推理したりトリックを崩したりではないのでミステリーだと思って読むと肩すかしを喰らいます。ヒューマンドラマです。
    心理描写と情景描写が多くただただテンポが悪く展開も遅い。
    推しの作家さんですが今作は残念でした。
    氷の轍 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:氷の轍 (講談社文庫)より
    4065337844
    No.15:
    (4pt)

    釧路は年中寒い

    桜木紫乃を初読み、
    単行本はソフトカバー、
    1ページ19行一段の大きな文字、
    装丁画のライトな印象とは大きく異なるヘビーな物語、
    なかなかに魅力的な登場人物たちが綾なす広いようで狭い世間が哀切あふれる終章に向かうサスペンス・ミステリ、
    北の大地の陋巷に生きる市井の民の慟哭があふれたメロドラマ、
    ある世代以上なら戦後から半世紀超の時代の流れに涙できもする、
    しょうじきクライマックスの描写にもたつきを感じたことが残念だった(もっと整理できるように感じた)、
    エンディングのラスト10行が作家の力量を感じさせる見事な文章が並んでいる、
    氷の轍Amazon書評・レビュー:氷の轍より
    4093864500
    No.14:
    (4pt)

    ファンですが

    ホテルローヤルほどのインパクトはない。主人公が達観しすぎてリアリティにかける。
    氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)より
    409406723X
    No.13:
    (5pt)

    ドラマとは違いますが

    数年前にSPドラマが放送され、テンポの良さ、役者がはまり役でかなり楽しんで見ました。
    是非とも小説版も読んでみたいと思ってましたが、なかなか機会がなく、ちょうど暇が出来なので購入しました。
    結末や、一部人物の扱いなど、ドラマ版とは違いますが、こちらは小説独自の、まるでパズルのピースがはまっていくような気持ちよさでさくさくと読めました。
    ドラマ版、小説版もどちらもテーマは、孤独とはなんだうか・・人生とはなんだろうか・・
    桜木さんの作品はほとんどの作品がこのようなテーマですが、氷の轍は、主人公の真由を始めとした、ほとんどの人物が孤独を抱えて生きています。
    ですが、どの人物も、その孤独に折り合いを付けて生きています。特に真由の母のどこか達観した考えは、
    こう言う生き方もありなんだと、考えさせられるものでした。
    被害者の男の足跡から、やがて一つの物語に繋がっていく・・その様はまさに、氷の轍です。
    最後の方では、読み終わるのが惜しいと感じさせられるほど、この作品の世界へと引き込まれていました。
    そして、こんなに寂しい雰囲気の作品なのに、読後感は、どこかさわやかなのも良かったです。
    桜木さんの作品は、かなり読んでますが、本作は一番のお気に入りになりました。
    氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)より
    409406723X
    No.12:
    (5pt)

    風土と時間との大河ドラマみたいな題材でできた事件と捜査の物語

    桜木紫乃・唯一の警察小説シリーズ第二弾。しかも副題の通り、前回の松崎比呂からヒロインが変っている。新ヒロイン大門真由は、父の浮気相手により出産された捨子という奇妙な出生。両親とも元警察官で、父は現在脳出血直後からの入院生活を送っており、母は毎日病院のベッドサイドで一日を過ごしている。とりわけ父は現役時代に真由の職場では腕の良い有名な刑事であったらしい。

     前作ヒロイン松崎比呂は彼女の唯一の同性の先輩であり、前作で比呂の相方を勤めた先輩刑事キリさんこと片桐刑事は本作でも真由の相方兼教育係のような立場で事件とその背景を成す壮大な物語に立ち会うことになる。

     前作では樺太を舞台にした終戦時の日本人引揚に端を発する壮絶な女性の人生が背景になった北海道作家らしい力作であったが、本書も姉妹編というべき設定で、東北から北海道へ流れ着いてゆく人たちの血脈を背景にした骨太の作品であり、桜木らしく、娯楽小説でありながら、純文学に勝るとも劣らない筆力によって、そのストーリーテリングを支えている。

     釧路の海で殺害され発見された老人の正体を追ううちに、大門真由が巻き込まれてゆくのは、青森・八戸と流れゆく女たちの歴史、彼女らの運命の変転の物語である。通常の警察捜査小説ではあり得ないようなリアルな設定に支えられ、真由とキリさんは、時間と経費に縛られた過酷な条件の中で、青森での広範囲な捜査と、印象的な出会いを果たし、殺人の裏に潜む壮大な家族の物語を紐解いてゆく。

     現在と過去、釧路とそこに流れ着く前の距離、原罪と宿命。何よりも女たちの強さ、たくましさ、生命力。これらはすべて前作との共通項である。釧路はまるで漂泊の終わる土地とでも言わんばかりの風土である。

     夏であるのに寒く、暗い海が深い霧に覆われる港町、釧路。ここに潜んだ人々の風土と時間とを、大河ドラマみたいな題材のように捉え、事件と捜査という形で描いてゆく。

     無論、松崎比呂同様に、大門真由も出生や成長の過程で並みではない重荷を背負わされてきた女性であり、捜査官である。彼女の人生と事件とが重層的に重なることにより、この港町に展開する物語たちが響き合う。そんな厚みと深みを味わうことのできる独特の桜木節、三作目も是非あって欲しい貴重なシリーズである。
    氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)より
    409406723X



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