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三秒間の死角



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【この小説が収録されている参考書籍】
三秒間の死角 上 (角川文庫)
三秒間の死角 下 (角川文庫)

三秒間の死角の評価: 4.09/5点 レビュー 32件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.09pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21~32 2/2ページ
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No.12:
(4pt)

タイトルさえ伏線のクライマックスはジェットコースター的イッキの展開

いきなり裏切られた主人公は刑務所内で「タレコミ屋」であることがバレてしまい、囚人たちの襲撃対象となってしまう。隔離区域に逃げ込むがさらに追手がせまる。なんとか完全隔離区域に入ろうとするが、これも裏から手を回されて一般区域に逆戻り。

自分を救えるのは自らの判断と周到に用意したさまざまな「伏線」的武器や器具、爆薬などなど(ネタバレ自粛)。人質を取り立てこもるものの、権力側は軍隊から狙撃兵を招集し、窓越しに見える主人公の射殺を指令。

さあ、この完全に孤立無援の修羅場から無事脱出して、家族と再会できるのか?そして、偏屈ながら「絶対にあきらめない」刑事は権力の闇を追及できるのか?

これらがイッキに後編でたたみかけるような展開でまさに「ジェットコースター・ムービー」的にあっというまにクライマックスを迎える。一瞬たりとも本を手放すことができなくなるような名著。
三秒間の死角 下 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:三秒間の死角 下 (角川文庫)より
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No.11:
(4pt)

スウェーディッシュ・ハードボイルドの魅力

ポーランドの麻薬密輸組織に長い間潜入を続ける主人公。取引の安定と成果に伴い、組織側からの信頼も増し、なんとスウェーデンの刑務所内での麻薬販売を手がけるチャンスが到来。もちろん、警察側も長官まで合意の下、一気に組織ごと叩き潰す好機とばかりに彼のニセ犯歴による刑務所潜入を支持。

しかし、直前の取引現場での混乱からデンマーク警察の潜入者が目の前で射殺されてしまい、この容疑を捜査する粘着質の刑事が別ルートから彼を犯人に特定してしまう。

まったく目の離せないスピーデイーな展開。誰にも本心を打ち分けられない主人公の心の闇と家族愛。愛する人を失った悲しみから逃れられない刑事の苦悩などなど、たんなる「ミステリー」「冒険」「悪漢」「警察」などのジャンルを超越した面白さ。

特にこの小説は、主人公の心理描写が実に見事な上に、上巻でたくさんの伏線が用意されており、次の展開が待てない状況。若干「スウェーデン語」から「日本語」への翻訳が慣れていないようで、全体的に硬く、人名、地名などの固有名詞が覚えにくい難はあるが完全に上下巻を通してのノンストップでの「イッキ読み」となる。
三秒間の死角 上 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:三秒間の死角 上 (角川文庫)より
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No.10:
(5pt)

スウェーデン小説がおもしろい

上下巻一気に読みました。プロットには無理な設定と、主要人物のモチベイションに説得力が弱いが、それでも理不尽な境遇に追い込まれた潜入捜査員のパウラに感情移入してしまいました。事件を担当する実直なグレーンス警部とのからみもおもしろい。ラーソンのmillenium3部作で英語圏にない独特の北欧の雰囲気がとても新鮮で、今スエーデンの文学にはまりそうです。
s3
三秒間の死角 下 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:三秒間の死角 下 (角川文庫)より
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No.9:
(5pt)

「人として」どう読むか

これは ”信頼” にまつわる物語ですね。
善と悪の境界はきわめてあいまいなものです。
グレイゾーンはあまりに広く、刻々と色合いを変え・・・・
翻弄されます。 シンプルにも複雑にも思える瞬間があり。
著者解説にもあるとおり、フィクションの翼は自由にはばたきます。

冒頭は、ストーリー的に「ナニやってんだよ・・・」なはじまりで、先が思いやられましたが、さすが、ダメダメには終わりません。
男たちの無謀な賭けが世界を動かしています。(良くも悪くも)
ムチャムチャ暴走おやじ、グレーンス警部にシンパシーをおぼえるのは昭和の人間の証拠(笑)?
言いたいこともいくつかありますが、結末に四の五の言わせるような種類の作品ではありませんので、読者それぞれにグレイな世界を楽しめるでしょう。
通勤電車内で読んでいて、没頭しすぎて一駅乗り過ごす事態に私を陥れた、2014年初の一冊です。
(けっこうよくあるんですけどね・・・)
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No.8:
(5pt)

最高傑作

粒ぞろいのスウェディッシュミステリの中でも最高傑作といっても過言ではない。読み始めたら最後ページをめくる手が止まらなかった。シリーズ5作目だけあって進化も深化もしている。早く未訳の4作目が読みたい。
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No.7:
(4pt)

北欧ミステリー、すばらしい。

北欧ミステリーが次々と刊行されていますが
どれも周作ぞろい。

これも大変満足しました。

麻薬組織に警察からの依頼で潜入する潜入捜査員パウロ。
彼がおとり捜査の際に殺人事件に巻き込まれる。

その殺人事件を捜査するのが「簡単には諦めない男」グーレンス警部。

グーレンス警部の捜査状況をさぐる市警の潜入捜査担当者。

あまりに潜入捜査員の危うさがあまりにヒリヒリするので
上巻は時々本を閉じて心臓を落ち着かせないといけませんでした。

そして下巻は怒涛の展開。
上巻でなぜ潜入捜査員がなぜそんなものを準備したのか
その伏線がすべて明らかにされます。

大満足の小説でした。
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No.6:
(5pt)

なるほどの「3秒」

グレーンス警部を主人公とする連作の最新作と知らず、この作品を読み始めたため、上巻冒頭のグレーンス警部の偏屈さ、心の闇が重すぎて、遅々としてページが進まなかったが、上巻中盤から下巻にかけては一気に読め、非常に楽しめた。この作品のもう一人の主人公パウラの描き方もうまい。心理描写、情景描写も細やかで伏線もたっぷり。もう一度読み直したいと思わせる出来の良さだ。
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No.5:
(4pt)

アイデアが秀逸。連作の警視は要らず、 物語の主役により性格付けをしていないことが難

見事なプロット、 警視主人公の連作物と知らずに読んだのが間違っていました。 警視がイヤな人物に受け取ってしまい、浸入工作員に情が移ります。 この作品で見る限り、特徴のない警視の出番を少なくして、悲哀な立場の潜入工作員の鮮やかな結末を印象的に書けたらと、    欲の深い希望です。    佳作。    なお、既作を探しましたが 手に入らず。
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No.4:
(5pt)

「生きるためにこの役を演じ切るか、死ぬか、ふたつにひとつだ。」

「考えてみれば新しい話など、もはや一つとしてないのだ。(略)目新しさがない話を、斬新なものに見せる工夫こそが現代作家に求められるのである。」(北上次郎「極私的ミステリー年代記 下巻」)

ストックホルム市警、潜入捜査担当官エリック・ウィルソンが持つ5台の携帯電話の1台に着信が来た。潜入捜査員「パウラ」専用のものだ。パウラからの情報は大量の商品の引き渡しが数時間後にあるという。それも15人ものポーランド人の運び屋によって。
それを中止させるには「パウラ」はあまりにも「組織」の奥深くまで入りすぎていた。

緊張感あふれる潜入捜査員と麻薬組織の取引現場から始まる本書はスウェーデンのルースルンド&ヘルストレムが描くストックホルム市警、エーヴェルト・グレーンス警部シリーズの第4作目である。1作目「制裁」では小児性愛者の異様な行動から幕を開け、「死刑囚」では死刑囚の死刑に至るまでが残酷に描写され、「ボックス21」では愛する女性を植物人間にしてしまうという不安感あふれる重く暗い物語であった。

そして本書。これは単純な「潜入捜査」ものではない。パウラことピート・ホフマンは<犯罪者を演じられるのは犯罪者だけだ。>という理由で潜入捜査員となるが、彼に与えられた任務はわざと刑務所に服役して、刑務所内の麻薬取引支配をポーランド組織に変えさせることにあったのだ。

しかし取引現場で死者がでたことからグレーンス警部が捜査を開始する。<クスリが絡んだ殺人事件は、かならずといえるほど捜査が難航する。>という現実を前に運び屋、死体、ポーランド人。クスリ、暴力、東欧の関係性を緻密な捜査で結び付けようとする。

グレーンス警部はめったに諦めないし降参もしないが突き当たっている壁は大きく、高いものがなにかある。
<真実が、すぐそこにあるような気がする。>
<そばにいるのに、見えない。不思議な感覚だ。>
彼はついにピート・ホフマンの居る刑務所に向かって歩き始める。

巧妙な仕掛けが逆転していく面白さと、練りに練られた物語のスジは増幅し(上巻と下巻では思いもつかない転換がある)衝撃のラストで頁を閉じるとき、読者は望んでいた満足感を得られるのだ。

<これは警察小説であって警察小説ではない。>(杉江松恋「解説」)
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No.3:
(4pt)

面白い

北欧のミステリーは登場人物の名前が難しく、また、地名の位置関係がよくわからないのが難。でも、日本とは全く違う刑務所の環境など、興味深く、楽しんで読めた。
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No.2:
(5pt)

相変わらず読ませてくれる

相変わらずこの二人のスウェーデン作家は読ませてくれる。冒頭から手に汗握る展開が続き、一気に読んだ。

犯罪組織ヴォイテクを壊滅すべく刑務所に潜入することになった潜入捜査員のパウラ。しかし、入所前にパウラが関わった殺人事件を巡りグレーンス警部の追及が迫る。正体がバレればパウラは間違いなく消される…

『制裁』『ボックス21』『死刑囚』と常に質の高い作品を書いて来たアンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム。昨年、武田ランダムハウスジャパンが倒産し、もう二人の作品は読めぬのかと思っていたところに角川文庫から新作が翻訳されて何とも嬉しい限り。
三秒間の死角 上 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:三秒間の死角 上 (角川文庫)より
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No.1:
(5pt)

最後の最後まで読ませる傑作

犯罪組織ヴォイテクを壊滅すべく刑務所に潜入したパウラはスウェーデン警察の上層部から切り捨てられる。切り捨てられたパウラを待つのは死のみ。生き延びるためにパウラは行動を起こす。そして、次第に事件の真相に近づくグレーンス警部は…

パウラを軸としたスパイ・冒険小説の一面と頑なに職務を全うしようとするグレーンス警部を軸とする警察小説の一面を持つ傑作。

上巻の冒頭は『制裁』『ボックス21』『死刑囚』のような暗いイメージも漂うが、下巻は一転、パウラの生き延びるための奇策と同時進行で描かれるグレーンス警部の緊迫感を増す捜査が面白い。

これまで読んだ何れの作品も外れがなく、次の翻訳が楽しみな作家である。
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4041010748

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