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オランダ靴の謎



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オランダ靴の謎の評価: 4.47/5点 レビュー 60件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

期待したほどでも

あくまでも推理ファンとしての個人的な意見ですが、読者に情報を提示して、ともに推理していくプロセスはまあまあ楽しめたけど、途中で犯人がわかってしまい、ドキドキさせる感じがあまり味わえなかった。逆に言うと、最後の詰めがやや甘かったと感じました。これが歴史に名を残すほどの名作なのかなとさえ思いました。
オランダ靴の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:オランダ靴の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
448810438X
No.4:
(3pt)

本格的な演繹推理による謎解きミステリー

オランダ記念病院の所有者である大富豪ドールン夫人は怪我のため重症となり急遽手術を受けることになったが担当医のジャニー博士が手術台の上でドールン夫人を見ると既に針金で絞殺されていた。博士の助手であるプライス看護婦によれば手術直前にジャニー博士が控室で昏睡状態のドールン夫人に何か細工をしていたということだったが、ジャニー博士はその時間に謎の人物スワンソンと自室で話し合っていたという。犯人はジャニー博士に変装して犯行を行ったらしく病院の電話室で手術着や靴が見つかる。警察はスワンソンが何者であるかを詰問するがジャニー博士は頑として証言を拒否する。苛立つクイーン警視はジャニー博士の逮捕を新聞発表させてスワンソンをおびき出させようとするが、ちょうどその時に第2の殺人が起こってしまう…

ホームズやポワロといった従来のミステリーでは帰納推理によって事件を解決する。つまり、まず真相に対して仮説を立て、それが証拠や手掛かりの全てをうまく説明できればその仮説が正しいとするものであった。一方、クイーンの作品は演繹推理である。つまり、得られた証拠や手掛かりを出発点として、そこから犯人の条件を絞り込んでいき最後に特定の一人にまで絞り込めれば解決となる。

本書はそのような演繹推理が本格的に展開されていくという点で一般に評価が高く学生時代に最初に読んだ時は非常に感銘を受けたが、今回再読してみるとそれほどの印象は無かった。

(以下ネタバレあり)

まずは全体的に冗長である。全体の2/3あたりでも進展がなく同じことを何度も繰り返してページを稼いでいる印象がある。登場人物にも魅力が無い。エラリーのもったいぶったキザなセリフや態度、クイーン警視の狭量さ、肥満のヘンドリックの無能ぶり、老女サラ・フラーの狂信的で奇矯なふるまい、特殊合金の研究に没頭する天才科学者ニーゼル、ギャングの親分カダーイ、気性の激しい女医ペンニーニ博士(ただし実際にはごく普通という印象だったが)など、個性的な人物が登場するが現実感が乏しく何か映像化して客受けを狙ってでもいるかのようなわざとらしさを感じる。エラリーとの会話も機械的であり相手の性格や心理が浮かび上がってくるような深みが無い。またエラリーやクイーン警視は相手の発言を途中でさえぎるシーンが目立ち、その自意識過剰さは読んでいて失望してしまった。

天才科学者ニーゼルとエラリーの対決シーンは読み応えがあったが、第2の殺人後のニーゼルの依頼内容が天才とは程遠い凡庸な感じがありこちらもガッカリしてしまった。

第2の殺人後の後半(残り1/3)からは緊密さやサスペンスがあり一気に読めた。真相も盲点を突くものであり見事であるが、この内容であれば長編ではなく中編か短編でもよかったのではとも思う。解決にいたる推理の論理性に関しても別の解釈は十分可能と思われるため今一つ納得がいかない。特に、証拠品の靴と手術着が本当に犯行に使われたものかどうかの吟味が不十分と思われる。例えば、事件当日に全く別の人が全く別の目的のために残していった可能性は否定できていないと思う。
オランダ靴の謎 (創元推理文庫 (104-7))Amazon書評・レビュー:オランダ靴の謎 (創元推理文庫 (104-7))より
448810407X
No.3:
(3pt)

GOOD

GOODGOODGOODGOODGOODGOODGOODGOOD
オランダ靴の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:オランダ靴の秘密 (角川文庫)より
4041007097
No.2:
(3pt)

オーバー

「数学のように整然とした論理的構成」は、いささかオーバーである。フェアプレイや論理的というのは、クイーンの推理作家としてのスタイルなのであって、内容が文字通りの意味でそうだというのではない。推理小説に無理や矛盾はつきもので、堅苦しいことを言わずに楽しむものと思うが、あまり論理的だの傑作だのと言われるとついつい反論したくなる。
 クイーンは、第1の殺人で遺留品から犯人の特徴をつかむが、何故か(=推理小説だから)警察には告げない。クイーンが警察に注意し、警察が警戒していたら第2の殺人は防げた可能性が高い。従って、クイーンは第2の殺人に道義的責任があると言わざるを得ない(犯人の特徴に気づかない警察こそ間抜けというべきだが)。
 また、第2の殺人では、肝心の人物の供述がとられていないし、死体発見者の内一人は警官なのに、発見直後被害者の同僚があるものを移動したのに気がついていない。移動そのものは殺人と関係ないが、そう簡単に動かせるとは思えないものが移動されているのは、それがあると話が続かないという作者の都合にすぎない。
 そして犯人は、クイーンの推理のみで、証拠らしい証拠がほとんどないまま逮捕されてしまう。犯人が自供したからいいようなものの、犯人がもっと図太ければ、あるいは有能な弁護士がつけば起訴すらできたかどうか怪しいものである・・・
 という具合につつけば結構アラがあります。推理小説なんだから、論理やフェアプレイなどと力まずに、気楽に読みましょうよ。
オランダ靴の謎 (創元推理文庫 (104-7))Amazon書評・レビュー:オランダ靴の謎 (創元推理文庫 (104-7))より
448810407X
No.1:
(3pt)

オーバー

「数学のように整然とした論理的構成」は、いささかオーバーである。フェアプレイや論理的というのは、クイーンの推理作家としてのスタイルなのであって、内容が文字通りの意味でそうだというのではない。推理小説に無理や矛盾はつきもので、堅苦しいことを言わずに楽しむものと思うが、あまり論理的だの傑作だのと言われるとついつい反論したくなる。

 クイーンは、第1の殺人で遺留品から犯人の特徴をつかむが、何故か(=推理小説だから)警察には告げない。クイーンが警察に注意し、警察が警戒していたら第2の殺人は防げた可能性が高い。従って、クイーンは第2の殺人に道義的責任があると言わざるを得ない(犯人の特徴に気づかない警察こそ間抜けというべきだが)。
 また、第2の殺人では、肝心の人物の供述がとられていないし、死体発見者の内一人は警官なのに、発見直後被害者の同僚があるものを移動したのに気がついていない。移動そのものは殺人と関係ないが、そう簡単に動かせるとは思えないものが移動されているのは、それがあると話が続かないという作者の都合にすぎない。
 そして犯人は、クイーンの推理のみで、証拠らしい証拠がほとんどないまま逮捕されてしまう。犯人が自供したからいいようなものの、犯人がもっと図太ければ、あるいは有能な弁護士がつけば起訴すらできたかどうか怪しいものである・・・

 という具合につつけば結構アラがあります。推理小説なんだから、論理やフェアプレイなどと力まずに、気楽に読みましょうよ。
オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫)より
4488104355

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