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Yの悲劇
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Yの悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 21~40 2/5ページ
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「Yの悲劇」を短所と長所から簡単に分析してみたいと思います。 まず先に短所からいってしまうと、少々展開が冗長です。途中に動きのあるような進み方をする物語とは言い難いのは事実です。ただ、これは本格長編ミステリではしばしば陥りがちな現象だとも言えます。あとは悲劇と題するだけあって全体的な雰囲気は暗めです。さらに低評価のレビューにもある通り、それほど衝撃を受けない可能性もあります。星1つのレビューで中々酷い書き様をしている方もおられましたが(笑)、言葉遣いはともかくあながち間違った指摘でもないと思われます。文学作品の価値がいつの時代も普遍的かというとそんなことはないでしょう。文学は他から独立した分野ではなく、書かれた時代の政治、社会、歴史、文化的文脈等に否応なしに絡め取られるものだからです。したがって、読者によっても評価は当然バラバラになると思います。 次に長所ですが、構成としてはなかなか重厚で良くできています。もちろん多少古風なので現代感覚で見てしまえば想像しづらい所もなくはないですが、当時の趣とみればそれほど問題ではないでしょう。本作はクイーンの作品の中でも初期のものなので、人間ドラマは多少乏しい代わりに伏線を含む「仕掛け」はよくできていると言えます。また、探偵のドルリーレーンは良くも悪くもそれほどキャラの立った存在ではないので、妙に出しゃばったりする探偵が嫌いな方には比較的負担になりにくいと感じます。 長くなりましたが最後に総括です。私個人としてはむしろ再読時の方が面白かったです。張り巡らされた伏線が推理の中でどのような意味を持つか確認しながら(&つまらない所は適当に飛ばしながら)読めるからです。そして、最後に真犯人は当然ある人物だという解答が出されますが、本当にその人が真犯人でいいのか?という問いも立てられます。推理が曖昧というよりは、前述の「仕掛け」などの観点からそう言えるのではないか。確かにこの物語はハッター家という家を取り巻く悲劇を扱ったものにはなりますが、「悲劇」とは果たして殺人の罪だけを指すのか、それとももっと大きな規模・複数性を持った解釈は可能か。こういったところも意識しながら読むと犯人が意外だったかどうかというだけの読みではなく、「悲劇」とは何を指すか、といったやや異なる視点からの「開かれた読み」ができるのではと考えています。 長文でしたがご一読頂いた方、ありがとうございました。参考になれば幸いです。 | ||||
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元シェークスピア劇の名優でお城のような豪邸に住んでいる探偵。そんな豪華な設定が本筋の事件捜査とは別に、幻想的できらびやかな興趣を添える。しかして謎解きは一点の誤魔化しも手抜きもない正統派。古典の名に恥じない名作。ストーリーは独立しているのでXより先に読んでも問題なく楽しめる。 | ||||
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面白いミステリーでした。 あっと驚く展開に、必死で読みました。 Zの悲劇の方が良いと言う人もいますが、私はYの悲劇の方が好きかな〜。 | ||||
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取り扱い、案内が丁寧 | ||||
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十代の頃も含めて過去に2回は読んでいるがいずれも「Xの悲劇」より劣るという評価だった。それは緻密な演繹的推理の部分が希薄だったためであったが最近は演繹法で全てを解決すること自体にそもそも無理があるというふうに考え方が変わったため再度評価してみようと読んでみた。結果は推理以外の部分で失望した。ハッター家の一族をここまで異常呼ばわりするのはいかがなものか。しかもそれを根拠に正義感を振り回すというのは全く納得できなかった。 大金持ちで傲慢な老婦人エミリー、天才的な詩人の長女バーバラ、激しやすい長男コンラッド、小悪魔的な次女ジルと確かに個性的な面々であるが富裕層の人物設定としては珍しくないものである。この程度の事で人間として異常呼ばわりするものだろうか。三重苦のルイザ・キャンピオンの「母はいつものように、わたしにやさしく落ち着いていました(p153)」という証言からも普通の母親としての面もあるエミリーをここまで非難するというのは納得できなかった。中盤でエミリーの病歴が示されるが確かに深刻な問題ではあるがだからといってここまで差別的な表現をするものであろうか。レーンはこの事を根拠に後半から独自の行動をとるわけであるが、これも荒唐無稽に思えてくる。犯罪捜査の素人である以上深刻な事情を抱える相手に対しては警察や専門家と協力して善処すべきであると思われる。 「Xの悲劇」でも同様であったが人物描写に洗練されたものが感じられない。特にサム警部やブルーノ地方検事の粗野で愚かな言動は読んでいて苦痛である。賢明なレーンとの対比を際立たせたいのかもしれないが、経験豊富なベテランの姿とはとても思えず、その不自然さはむしろ作品の質を落としている。たまに鋭い指摘はするがそれもレーンの説明の補足をしたいだけという意図が感じられてわざとらしい。レーンにしてもつまらないことで笑ったり(p149)せっかちな言動を示したり(p187,p311)するのは蛇足としか思えず興ざめであった。また会話も事務的で表面的なものが多く人間心理の交流といったものは感じられない。 推理についてはまず、第二の事件において毒を果物へ注射した人物と犯人とが同一人物であるという点を背理法で証明している場面が圧巻ではあるが大げさという感が否めない。ここでは事象の時間的な順序関係からもっと簡潔に説明できたのではなかろうか。また犯人を特定する推理はその条件が絞られているためわかってしまえば単純である。今回は犯人はわかっていて再読していたわけだが各伏線においてレーンがあえて明らかにしないのは不自然という感が否めなかった。最後に明かされるその理由も前述の独善的な正義感によるものであり到底納得できるものではなく結局は読者を煙に巻いているだけという感が強かった。 犯人を特定する部分では足し算、引き算による算数が出て来るが、これもくどいのではなかろうか。生徒に対する教師のような説明の仕方は自意識過剰で自分の聡明さを誇示したいといった人間的な矮小さを感じさせて興ざめであった。サム警部の思いつきをブルーノ地方検事が否定し最後になって足跡の手掛かりからレーンがさらにそれを否定するという展開もだまされたという感があり後味はよくなかった。 ルイザが看護婦のミス・スミスの介添えのもとに点字盤を使って証言する場面は緊迫感に満ちて秀逸であるが、事件全体を振り返ってみると最後の事件を蛇足とみなせば結局は単発の事件であったわけで深みや凄味が感じれられず頁数のわりには冗長という感じであった。後半に発見される紙片が果たす役割は独創的で見事であるが意外性という点では逆効果かもしれない。 全体的には推理小説として重厚で秀逸な部分は多々あるが、洗練さに欠けた表現に失望することが多く読み進めるのは苦労した。 | ||||
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推理小説では定番の本なのでしょう。事実を積み上げていくと犯人にたどり着けるようなストーリになっている。 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「海外ミステリーの基準にして、珠玉の名作。奇怪な登場人物が描く、愛憎の秘め事」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「今なお色あせない、傑作です。レーン翁と一緒に隠された真相を追従しましょう」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):300冊を前にして、このジャンルに踏み入ることになろうとは。 ウノーさん(以下ウ):実際、毎日1冊は、ウチには荷が重い「条件」でしたね。 サ:長いやつ、言葉が古くて行ったり来たりする本が入ると、途端に厳しくなる。 ウ:「哲学」のジャンルも、ヤバいですね。 サ:読み飛ばして、一周してから戻れば効率的だと思うが、つい「もったいない」という気持ちで、ページを辿ることになってしまう。 ウ:新しい表現や言葉を見つけるのも目的であり楽しみですから、いいんですけど、忙しいとヤバいです。 サ:そこで、全てを救い、状況を一変させる「一手」が「ミステリー」のカテゴリー登場なわけだ。 ウ:はい、このジャンルなら、100冊程度のストックはありますし、最近のものはどなたかに任せるにして、「歴史的傑作」や「珠玉の名作」を紹介していくのは、楽しいし、お役に立てるのではないかと。 サ:第一弾は『Yの悲劇』だ。これは、ウチが「ミステリー」の「凄さ」を感じ取った一冊だ。 ウ:『Xの悲劇』『Zの悲劇』もありますし、映画化やデレビドラマ化されているのでご存知の方も多いと思いますが、書かれたのは80年以上前です。 サ:まったく、色褪せていない。むしろ、輝きが増しているかのように思われる作品だ。 ウ:舞台はニューヨーク、独裁的大富豪ハッター家に起こる、連続殺人事件です。 サ:登場人物、設定、そのどれもが「ミステリーのお手本」とでもいうべき内容で描かれている。 ウ:のちのミステリー作品、作家にも多大な影響を与えています。 サ:女王であり、絶対的支配者である「女主人・ハッター」、天才詩人にして、人格者「長女・バーバラ」、癇癪持ちの男「長男・コンラッド」、奔放にして爛漫「末娘・ジル」、そして盲目の謎多き「先夫の子・ルイザ」さらに彼らの家族、息子が登場し、複雑な因果関係を展開する。 家族構成や人格の設定は『カラマーゾフの兄弟』を連想させるが、数々のトリック、数々の伏線と収束については、ミステリーとしての楽しみとなる。全体を構成する「糸」の色と「絡み方」が、独特の模様を作り出す。 ウ:その奇怪な糸が、もつれにもつれた事件に挑むのは、「元名男優・トルリー・レーン」です。この謎解きキャラの「クセの強さ」「怪異」さも、作品の魅力です。 サ:いまの「倫理観」だと、アウトな人だ。レーンは、「なぜ、年を取らない」のか「なぜ、聴力を失ったか」「なぜ、独身なのか」も、ファンの間では議論のネタとなる。 ウ:この一冊には、「海外ミステリー」の楽しさ、面白さが詰まっています。ミステリー好きはもちろん、古いミステリーは、ちょっと・・・という方にもオススメです。 【了】 | ||||
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確かに傑作だとは思いますが、世間で言われている程には完全無欠な作品とは思えません。 まず、作中のある重要な役割を果たす人物についてですが、 13歳という年齢はそこまで子供でもバカでもないでしょう。 年齢的には中学生ですし、江戸時代以前は元服(成人の儀)する歳です。 それなのにあんなバカげた行動を取るって事はありえない気がします。 ちなみに長崎女子児童〇〇事件(いわゆるNEVADA事件)の女子小学生は、インターネットを使って 少年法を入念に検索して自分がどんな処置を受けるのか入念に調べた履歴があったとか。 | ||||
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今までちょっと敬遠していて読んでなかったが、読んでみると結構面白かった。なんで敬遠していたかというと、まー、『Xの悲劇』が自分には少し合わなかったから。それと、まー、古い海外小説で読むのが大変だろうなと思っていたからだ。実際読みは始めると、読みにくいということはなかった。随分前に読んだ、都築道夫の『黄色い部屋はいかに改装されたか?』で、『Yの悲劇』はヴァン・ダインのある作品のオマージュだと書いてあったが、その通りだろう。 | ||||
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表現も含めて性病患者及び障害者に対する記述が偏見に満ちておりとても後味が悪い。言葉狩りを是とはしないが、内容的にも問題作だと思う。その点で満点評価しなかったが、技巧的で重厚な本格ミステリとしては素晴らしい。名探偵ドルリー・レーンも変装こそ思いとどまるが、名優らしい演技力を発揮して屋敷内に潜伏し真犯人を確かめるスリル満点の展開。最後に明かされる名推理は論理的で見事に真犯人を炙り出していたのだが、苦渋の決断で真犯人に断罪を下す衝撃のラスト。 オールタイムベスト級の名作であるのは間違いない。 | ||||
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犯人は本当に意外です。ちょっと犯罪ものの定番を覆す結末なので、賛否両論になるかな。 「Xの悲劇」から読んだ方が良いという方がおられますが、同感です。これを凡作とするアホな投稿者もおります。全く見当はずれです。 凡作はこの後の「Zの悲劇」、「最後の悲劇」です。 まあ、最後の種明かしが事前に分かった人には凡作でしょうが、これ分かる人はマニアックな一握りの人たちだけですよ。 だって、犯人は常識外の人物でこんなことを前提にして推理する人などいませんよ。えー、嘘の感覚です。 種明かしはしたくないので、本作に関するこれ以上の言及は避けます。 とにかく、楽しんで下さい。暗ーい作品ですが、ドルリーレーン、一世一代の大活躍です。 常識に反する推理力を駆使すれば犯人は確かに分かります。それが働かないのが傑作の傑作たる由縁です。 エラリークイーンの最高傑作です。金字塔です。 最後まで予断を許さない展開で、楽しめます。 ここまで拝読いただきありがとうございます。 | ||||
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角川文庫の新訳のレビユーを書いている・・なぜ創元版でも書くのか? 翻訳が一番しっくりくるからかな? Yの悲劇は古典的だとか犯人が今となっては意外性がないとか言われる。まあその通りなのだが、個人的にはこの古臭さがしっくりくる。むしろ現代という時代で読んで面白いのはXの悲劇の方だと思う。あっちは都会的でスタイリッシュな印象。Yは古典的というか時代ががっている。名紹介者、故「瀬戸川氏」は、Yは大げさすぎて嫌いだと言っていたが、いいところをついている。瀬戸川氏が嫌っていたのはわかるが、黄金期の本格でもこれくらい時代ががった作品はないのでむしろYをYたらしめているのは、この古臭い部分ではないかとする考える。 そう意味で「鮎川信夫」訳はちょっと時代ががった訳だが、文学作品を読んでいるようで風格がある。色々な訳で読んだが、創元版が個人的には一押し。Yは今となっては古いのでなく、当時から古かったのではと思うのは自分だけかな。古いのでなく風格があると言いたいね | ||||
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角川新訳版 国名シリーズの解説のように、詳しいもの(いろいろな蘊蓄があって楽しいのです。映像化作品についてとか・・)かと思ったら、国名シリーズの前に翻訳されたみたいで、ちょっと残念でした。 以下ねたばれ ↓ ↓ ↓ ・日本人に人気らしい本作、犬神家みたいな設定が日本人に受けるんでしょうか? 合理的なアメリカ人にしてみたら、そんな鬼嫁とはさっさと別れちゃえば?とおもってしまうのでは(憶測ですが) この本が書かれた時代はアメリカでも離婚が難しかったんでしょうか? (自分もとっとと別れて、研究者として細々と生きてけばよかったのに・・とは思いました。飲んだくれの長男が財産目当てで居候するのはわかるのですが。) ・犯人の設定が13歳・・ということですが、中学生レベルであの単語が分からない・・というのはアリなのか? 辞書引けば?お金持ちだから、おうちに辞書くらいあるよね???(またまた憶測ですが) (個人的には10歳くらいまで幼くしてくれれば、まだ納得いくのですが) あの、大人の書いた複雑なプロットを理解できるのに、あの単語だけがわからない・・という設定が???でした。 (当時のアメリカ人の識字率はそんなに低かったのか??) ・・・ということを、解説していただければなあ。と思いました。 ・探偵役が自白も聞かずに憶測だけで××するのはやっぱり乱暴すぎ・・(まあ、そうしなければ最後の殺人を防げなかったと言われればそのとおりなのですが。)・・同席してたんだから、その場で取り押さえて現行犯逮捕・・とかだと、ここまで人気作にならなかったんでしょうね。(エラリーだったらそうしてそう) いろいろ くだらないこと書きましたが、名作だとは思っていますよ。 | ||||
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後半において明らかになる重要な事実を先に知ってしまい、ネタバレを半ば食らいながら本編を読んでも、なお有り余るほどの面白さでした。 証言の重要性、矛盾と意図、反証と検証など、エピローグで展開される見事な解に、本当にそのような事件が存在するかのような感触を覚えました。 終盤は予想外の連続で、本気でどうするの?ってオロオロしてしまい、 ブルーノ地方検事や、サム警視と同じ感情の動きをしていたと思います。 (上記の重要な事実も、ある意味では早い段階で提示されたにも関わらず、なお謎が膨らむ見せ方となっています) もちろん不自然な点が全く無いとは言いませんが、推理小説の読書歴が浅い身としては見事に騙され、驚かされ、そして考えさせられました。 後味が悪いラストが残す余韻に浸りながら、これからXの悲劇と他二編を読めることを、幸せに思いました。 | ||||
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初めて読んだのは中学生の頃、約40年前(!)です。その時以来、複数の出版社版で何度か読み直していますが、やはり「Y」が一位であることに変わりはありません。過去の「Y」の圧倒的な人気は犯人の意外性に負うところが大きく、最近はそれが色褪せてきて、かえって「X」の方の評価が高まってきたように思います(「X」の評価はそれまで低過ぎましたので、それはそれでいいと思ってます)。 本格ミステリとしてのレベルは「X」も「Y」も同レベルで、後は好みの問題でしょう。私自身は、犯人が犯人になりえたシナリオの存在、凶器の謎、レーンによる制裁などが非常に印象深く、どちらを取るかと問われると迷わず「Y」を取ります。 **追記** 最近このような話を聞きました。クリスティやクイーンは未だに人気が非常に高いが、それは子供向けのホームズ、ルパン、少年探偵団を経た小学生高学年から中学生が、初めて手にする大人向け推理小説(翻訳版はクリスティとクイーンが最も入手しやすかった)であり、大人の知識や怜悧な物の見方だと粗が目立つ話でも、子供の純真な心には驚きの方が大きな割合を占め、その時の印象が強く残ったまま、大人になった後で再読し、(自分の子供時代を懐かしむことも加味して)再び高評価をつけるので人気が継続するのだ、と。私の場合はまさにそれですので、一理あるかと思っています。 | ||||
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エラリークィーンによる○の悲劇4部作の2作目である。 知名度ではXの悲劇が一番高いが、本格ミステリーとしての出来という意味では本作が最も出来がいいと言えるだろう。 Xの悲劇のやや反則的な展開とNY全体を舞台にした広範囲の事件から、本作は限られた登場人物と館内の事件という王道クローズドサークルものになっており、そこらへんがここ日本で特に本作が人気が高い所以でもあろう。 毒殺という地味な事件ながら、後半から次第に不気味な要素が盛り上がり、意外な犯人を指摘するクィーンならではのロジック部分も非常にスリリングである。 有名ななぜマンドリンが凶器として使用されたのかという謎の真相は思わず唸らせられる。 本作の犯人や動機を現実性がないだという理由で批判するものは本格ミステリーなど読むべきではない。 そして、最後の探偵役の下したある行為の問題提起の読後の重さなど、様々な要素が折り重なってまさにミステリー史上の傑作としての体裁を余すことなく披露している。 クィーンの作品としては最高傑作とも言える一冊であり、本格ミステリ好きなら必ず読んでおくべき作品である。 | ||||
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古典推理小説が好きで、有名どころをいろいろ読んできましたが このエラリークイーンのXの悲劇、Yの悲劇とも面白く読みやすいので、幅広い層に受け入れられ人気なのもわかる気がしました そして今読んでも古くは感じないでしょう。 ロジックも無理がなく現実的で完璧だと思いました。 とにかくこれまでのミステリーの犯罪と違うと思ったのは、出てくる証拠がなんでこんなちぐはぐで辻褄合わないのだろう?と 動機や意図が謎だらけで いつもはたいてい途中で何となくこの人が犯人ぽいなぁと、勘はいい方なんですが、これは最後まで全く予想できなかったです。 しかし犯人が分かってなるほど!とすべての疑問が解けました。 Xの悲劇もそうでしたが、種明かしがいつも華麗で納得できるものなので、爽快感があるのが好きですね。 ただ最後の結末が後味悪いのでそこが-1です レーンの独善的な考え方や決着のつけ方には私は納得できませんでした。 自分一人で判断下すべきじゃなかった。犯人に罪をわからせるべきだった。 毒血が流れているから更生の手立てはない、チャンスは与えたといった 言い訳じみたことを述べていましたが、自分が神様のように何をしてもいいと思ってるのだろうかと。 このへんが今の時代の考え方には合わないところかもしれません。 | ||||
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自分ようではなくプレゼント用に購入しました。 当時の気持ちを大切にしたいのであえて再読はしていません 勿論X、Zの悲劇も読みました 子供の頃の私にとってはかなり読み応え有る本でした。 | ||||
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内容については他のレビューで多く語られているので割愛します。エラリークイーンを読み始めるにあたり、同じ作品でも異なる訳者により何通りかの訳本が出版されています。それぞれ読み比べてみて、宇野氏の訳(早川書房)によるものが、自分にとっては一番よみやすいと思いました。発刊当時バーナビーロス名義とし、文体も変えて(二人の著者のうちエラリークイーン執筆担当でない方が書いたという説もあります)、あえてエラリークイーン名義の作品との差別化を図っていると聞いたことがあります。宇野氏の訳本は、それにそぐう雰囲気を保ちつつ、かつよみやすさも追求しており、名訳ではないか、と思った次第です。 | ||||
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謎解きはお好きでも、小説や物語がお好きでない方には、この真犯人への推理の根拠は、実に、くっだらないかも知れませんが、他の方も書かれている通り、エンターテイメントとしてはクイーンの最高峰の作品だと思いますよ。よ~く読んだら、例の実行犯の他に黒幕がいるのもわかるし。1930年代の保守的なキリスト教国のアメリカという背景も考慮して、じっくり味わいましょう。黒幕の絶望が伝わって、より恐ろしいですよ。勿論、犯罪は許されませんけどね | ||||
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