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殺人者と恐喝者
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殺人者と恐喝者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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カーの最高の珍品はなにかと言われたら、コレか「魔女が笑う夜」か、というくらいの作品。 これは怒る人は怒るよ、と苦笑したくなるようなトリックや、事件のトリックなど、なんとも評価しずらいものだ。 それでも面白く読めるのは、H・Mの魅力とその助手の恋愛模様があるからだろうか。 また、解説で麻耶雄嵩氏が述べている「カーの作る意外な犯人」はなるほどと感心させられた。 ある意味ではこういう作品こそ、カーの本質が現れているのかもしれない。他人には薦められないが。 | ||||
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有名な冒頭のアンフェアについては、巻末で解説者もバウチャー氏の言い分を引用している通り、まことにごもっともで、何より開口一番に、被害者が愛人を殺害したと明言しておきながら、謎解きになって実は……では、アンフェアを通り越して推理作家としての資格さえ問われかねない問題である。書き進めるうちに作者自身も、モラル違反には気付きつつ、どうにもならず自縄自縛に陥ったのでは、と想像する。できれば、批判に対するカーの反論が(もし遺されているなら)知りたいものだが、多分賢明にも知らぬ存ぜぬを決め込んだのだろう。ところで、トリックがまたひどい。よりによってマ……とは。こりゃ漫画そのものであるな。最初に催眠術殺人のくだりで、まさかこれは二階堂流「心の一方」よろしく、瞬間催眠で全員を数分眠らせておいてその隙に……とも考えたが、よもや密室の巨匠ともあろうお方がそんな馬鹿げたことを、と打ち消した。結果が、それよりまだひどかったとは笑)。結局この作品は、HMの類まれなキャラクターだけで持たせているわけで、裏を返せば、こんな駄作をそれだけで一気に読ませてしまうカーの力量の凄さ、ということに落ち着きそうだが、それならむしろ卿の無茶苦茶な自伝なるものを、完全版でぜひ読ませていただきたかった。最後に蛇足ながら、卿の生年月日、1871年2月6日月曜日は、日本ではまだ旧暦の明治3年12月17日で、明治4年ではないこと、事件の起こった8月23日が水曜なのは作中にある1938年ではなく、1933年か1939年であることを、瑣末ながら指摘しておきたい。 | ||||
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原題は「Seeing Is Believing」。A.バークリーが「アンフェアの極み」と酷評した事で有名な作品。やっと読む事が出来た。殺人者と恐喝者が同居する一家で催眠術の余興が行なわれる。一家の主人アーサーに、被験者である妻ヴィッキーがゴムの短剣を刺すという趣向だったが、刺した短剣が本物に入れ替わっており、アーサーは死亡する。ヴィッキー以外に短剣をすり替える機会を持つ人間は居なかったが、村に居合わせたH.M.卿は入れ替えを行なったのはヴィッキーではないと言う。続いて起こるヴィッキー毒殺未遂事件。ここでも、毒薬を混入出来る人物は唯一人なのだが、その人物はヴィッキーに想いを寄せていた...。カーお得意の不可能状況である。A.バークリーが「アンフェア」と指摘したであろう部分は、さほど気にならなかった。ミステリでは許容範囲内だろう。「アンフェア」との予備知識があったので、私はすぐに気が付いた。一方、短剣の入れ替れトリックは残念ながら期待外れ。衆人環視という不可能状況を打破出来ていないと思う。本線から外れるが、H.M.卿が村にゴーストライタを呼んで、自叙伝のための口述をするという設定が面白い。H.M.卿の悪童ぶりの一端を垣間見る事が出来、カー・マニアにとってはこの部分だけでも楽しめる。入れ替れトリックに期待し過ぎなければ、そこそこ楽しめる作品ではないか。 | ||||
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バークリーがあまりにもアンフェアだと問題を提起した作品今回の新訳にあたり、このアンフェアだと論争を呈した部分はかなり気を使って翻訳しています。英語の微妙なニュアンスでは伝わりにくいことを、無理矢理日本語で説明部分を増やしてわからさせようとしているのです。事件はその微妙なトリックと誰も触れることのできなかったおもちゃの短剣が本物にすりかわるという不可能犯罪が合体したものです | ||||
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