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狂骨の夢
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【この小説が収録されている参考書籍】
狂骨の夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 61~77 4/4ページ
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京極堂シリーズの中では、いささか反響が薄めの印象を受けるが、登場人物の書き込みに深さが増し、心理描写が細やかになって読み応えのある作品に仕上がっている。 特に「いさま屋と出会った朱美」が魅力的。いい女だなぁ、と女の眼から見ても思った。枯れたいさま屋でなくてもほれ込むこと確実。(ちなみに彼女は「塗り仏」でも活躍し、いい女っぷりを見せている) 今作でも残虐な殺人事件は起こされるわけだが、そのいきさつがあまりにも悲しい行き違いによるものであり、また「魍魎」に比べて筆から凄惨さの色を薄めているように思われ、後に不快な嫌みが残らない。 「宇田川朱美」の沈む髑髏の夢の描写は秀逸だった。この夢から始まって、次第に壊れてゆく彼女の姿は痛ましく、また切ない。 後半に至って知らされる、ある宗教の存在が彼女の業の原点であると明らかになって、その悲しさがいよいよ募る。 望んだわけでもないのに、彼女の人生のこの帰結は一体誰の罪か。 大願を果たしえず死を選んだ女たちにもその哀しみはかぶる。 が、多くのやりきれない悲しみを包み込んでエンディングは奇妙に清々しい。「朱美」という女に描き出された不可思議な違和感に気づいた読者ならば、この終結はある程度予想がつくと思われるが、京極堂の手際はいつもながら鮮やか。麻の如く乱れた糸を解きほぐし、一人ずつ「落として」ゆく筆さばきはさすがと言える。若干強引な点もいつものことであるが、基本的に京極堂シリーズは謎解きが眼目ではないので良しとする。 なお、この作品を読むに当たって、軽く精神分析関連の本、及び古事記神代記はさらっておいた方がいいと思う。まるきり知識がないと、入り口で取っ付きが悪くてせっかくの本文を楽しめない恐れがあるかと。 | ||||
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3作目。この頃は、よくもまあこんな長くて濃密な話をこんな矢継ぎ早に書けるもんだ、と驚いていた覚えがあります。今回、これまでで一番ミステリ度が高いような気がします。ある意味オーソドックスといえそうなトリックも使われてますし。この部分は、多分ミステリ慣れしている人なら大筋は看破できるんじゃないでしょうか。それと関口巽の一人称でなく、三人称で語られているのも今作が初めて。なんか愈々関口は危うくなってきた感がありますが。はい。『姑獲鳥の夏』を除けば、このシリーズでは奇跡のような薄さですな。でも事件のややこしさ具合は多分最強。体調のいいときに是非。 | ||||
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読後、一寸ばかりシンミリしてしまった。それは、この事件に係わり、そして亡くなってしまった人達の人生を思ったが故だと思います。物語は、展開・構成がチョット複雑だったからかなぁ~、発生・発覚していく其々の出来事が読中に上手くリンクせず、のめり込みづらかった。でも最後はそれらを収束させてしまう筆者の手腕には流石と思わせられた。やはりこのシリーズは順番に読まなければいけないですね、前作のネタあかしは無いですが、以前にチョコッと出てきた登場人物が本編にはしっかり渦中に嵌ってますし。明日から4作目に取組みます。 | ||||
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京極堂こと中善寺秋彦が探偵役を務める長編推理第3作。相変わらず、論理だけでは解けない作品であり、本格推理としての定石を欠いている。本作の真相に到達するには、常人にはまったく太刀打ちのできない知識を要し、私にはまったく推理の刃が立たなかった。また、血みどろの陰惨さも相変わらず、関口巽の愚かさも相変わらずである(本作では木場修の愚かさも際だつ)。つまり、これだけの力作に対して不謹慎かとは思うが、3作目にして若干mannerismに陥っている印象をもった。精神分析学を絡めたのも、作品を論理づけたのではなく、理屈っぽく見せただけに終わり、むしろ興を削いだ。それでも、複雑な謎が順に解き明かされる様は見事であり、読了してのモヤモヤ感は本作が一番少い。これまでと同じく、推理小説というより、ミステリとして読みたい。 | ||||
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タイトル通りの感想を読みながらずっと思っていました。この偏屈な陰陽師京極堂のファンにとってはじれったい事この上ない。 座敷から出てくる事はまずないと思われていた若き隠居の京極堂が、京都までお目当ての本を買いに行ったと聞いて驚く登場人物と読者の顔が目に浮かぶようです。 謎が謎を呼び謎だらけに陥ったいつもの面々がやっぱり最後に集合し助けを求めるのは陰陽師京極堂。 夢のような白昼夢のような髑髏の幻想に囚われた人々の憑き物を落とすのはやっぱり京極堂です。 今までの京極堂シリーズの中ではいまいちな感想ですが、なかなか骨太な意外な展開が待っています。 | ||||
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なんだか色んな物が奥歯に詰まったまま取れなくなった状態でしたが、あっというまに取れました。そうか、これが詰め物がとれたのか。さておき、私としては非常に興味深い題材でした。心理学やら宗教やらにとても興味を持っていた私は楽しく、かつ飽きずに読めました。鉄鼠も楽しく読めました。ぐっちゃぐちゃになった部屋を片付けるのかとわくわくしていたら棚をたくさん買ってきて其処に全部ぴったり嵌めた時の満足感もさもあり。(わけわからん)ただ、ミナカタ様の骨集めの存在自体が曖昧になっていましたが、其れをすっきりさせたい方は「巷説百物語」を「後巷説百物語」まで読むこと。スッキリー!とは言わないでもちょっと霧が晴れたような感覚にはなれます。「巷説百物語」自体の断片がちらちら京極堂シリーズに現れるので、読んでおくと楽しいかもしれませんよ。 | ||||
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京極さんの作品は好き。これは…うん。 | ||||
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これが京極作品の三冊目。表紙デザインやタイトルにインパクトを受けて、以前から読みたいと思っていたけど、ページ量に躊躇していました。「姑獲鳥の夏」、「魍魎の匣」も面白かったので、「よし!」と意気込んで挑戦しました。 宗教的思想や神観念からの着想もうまく、難しい内容ながらスムーズに読むことができました。特に“朱美”に関する描写は絶妙で、分かったようで確信は持てないじれったさ。朱美、降旗、白丘にとって「骨」が意味するものとは?ほんの些細なことで狂ってしまう人の生の儚さ。長大な物語を一気に読ませて飽きさせない才能にはただただ感服。 膨大なページ量も苦にならず、ページを捲る手が止まらない傑作です。京極ファンならずともぜひぜひお勧めの一作です。 | ||||
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本作は発想の着目が面白いかと思った。最終的に髑髏をテーマに連鎖する事件を京極堂がほどいていく風は面白い。 朱美は夫を4度殺した。本当に生き返ってきたのか。何故4度も殺さなければならなかったのか。朱美は牧師の白丘と元精神科医の降旗の教会を訪ねる。そこで告白した全容は信じがたいものだった。警視庁の木場修太郎は前回の事件で謹慎処分を受けいらいらしているところで金色の髑髏事件の記事を新聞で見つける。関口巽は京極堂と作家久保の葬式に行って、そこで宇田川崇と出会うが。 本作は色んな方面から見られてるのだなあと最後に思った。最初の朱美の独白と、教会での告白は面白い。終わってから伊佐間がつぶやいた台詞「夢のようだった」のとおり、信じにくすぎる。そう言う意味で何故夫を4度も殺したのか。殺せたのか。殺さなければならなかったのか。非常に面白い。 相変わらず、というか複雑な話だった。しかし端から見たら全く別の事件も全てにおいて髑髏が共通している点はある。それにしてもよく連鎖したなあ。伏線もあるが本作は基本的に叙述トリックのようだ。その終盤の京極堂の叙述には面白いものがあった。朱美は朱美でなかったのか、と。 朱美は決して嘘をついているわけではない。しかしどうしても信じることが難しいし、支離滅裂な点も多い。自らが殺したと自白しているところが余計な難点と言えるかな。それにしても髑髏がつきまといすぎている。朱美は悲惨なキャラだった。最後の台詞がそれを証明している。 最初に読むにはしんどいなあ。京極堂シリーズを未読の方はまず姑獲鳥の夏から。 | ||||
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面白かったので、一気に読めた感じではあるのですが。 雰囲気的には、前作の『魍魎の匣』の方が強かったように感じます。事件も前作に比べれば少々小さい感じがしますね。ただし、前作は読んでる私まで「もうりょうつき」になったかのように感じる重い雰囲気を持ってたので多少辛い箇所もあり、その点楽に読めて良かったです。もっとも、精神分析云々の辺りは非常に重いとは思いますけどね。神を信じきれない白丘牧師のイメージは、キリスト教徒の自分との関係で理解しやすかった点が楽に読める原因かもしれません。 | ||||
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「すごい宗教」がでてくる。本のタイトルの通り、「骨」や「髑髏」がキーワードになるのだが、今回は関口の代わりに、降旗弘が精神医学のコトを語る件が多いので、より理屈っぽい感じがしないでもない。その分、伊佐間や、榎木津、関口などが、どこか、のほほんとした空気を醸し出しているので、メリハリのバランスは保たれていて、読ませる。実はこの小説に出てくる場所に住んでいるので、それもうれしかった。 | ||||
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個性的なキャラクターが魅力的な京極堂シリーズ第三弾。 面白かったのですが、事件そのものは前作、前々作と比べると、どうもスケールダウンした感じがぬぐえないです。 | ||||
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非常識な「おぞましい夢」にとらわれ、悩む登場人物たち。その「おぞましい夢」の正体は何なのか? また、登場人物の記憶に紛れこむ「別の人間の記憶」は、前世の時の記憶なのか? そして、登場人物が過去に見た「恐ろしい情景」の意味するものは?極めつけは、登場人物・朱美が殺したはずの男(前夫)が朱美の前に現れることだ。朱美は気が動転し、その男を再び殺す。だがその男は三度現れる…。それ意外にも様々な事件が、お互い無関係であるかのように点在し、物語は進んでいく。中盤、京極堂と呼ばれる男が登場し、それら事件や奇怪な出来事が徐々に結びついていく。そして明らかとなる事件の全容は、なんとも恐ろしいのだ…!あまりにリアルな作品である。さわりだけを読むと、単なる「怪!奇小説」と思いかねないが、読み進めていけば「現実的である」と、必ず納得できるであろう。そしてこの作品が空想や御伽噺の類ではなく、ある種の「事実」に基づいた物であることがわかるはず。ただし、難解な個所があることも事実である。例えば、歴史的背景やそれに付随する宗教的知識などが必要である(もちろんなくても楽しめるのだが…)。また並列した時間描写のなかで登場人物が現れる点や、前半話(事件)が肥大していくあたりは、かなり慎重に読み進めなければ辛いだろう。しかしながら、その努力に値するほどの面白さがある!分厚さ(約970P)にしりごみせず、ぜひ読んでみてほしい作品である。 | ||||
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主役である京極堂の本業は「古本屋」、副業は「神主」、そして裏の職業は「陰陽師」・・・。この本は、宗教と日本神話の世界が背景となっています。この世界観は、もはや作者の独壇場で、聞き慣れない語彙を奔放に使用する文章でありながら、一気に読ませる面白さを備えています。なお、今回は、釣り堀屋「伊佐間」と、元精神科医「降旗」が、後に繋がる重要登場人物として登場します。でも、1冊目、2冊目、3冊目と、ぶ厚くなり続けるは何とかして欲しい。 | ||||
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おどろおどろしい物語。 京極堂シリーズでは、一番好きです。 ただ、途中で手の内がわかってしまうのが 物足りない。 所々にある恋愛(?)の描写が、ドロドロした 物語の中で際立ち、華を添えているようなきがする。 | ||||
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前作「魍魎の匣」の方が面白かったが、今作も話は相変わらず綿密に出来ていて内容も文句のつけようのない流石の濃さ。長いので読んでいる途中でややダルく感じることもあったが、終盤京極堂の謎解きに入ってからは読むのが止められないほど面白くなる。誉めるところは探せば幾らでもある、作家の圧倒的な力量を感じさせる良作。 | ||||
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本当にはまってしまい、あっという間に読み終えてしまう本。シリーズものらしいが、この本単品でも十分読めるし、言葉なども分かりやすい推理小説。登場人物全てに関連を持たせているところなどは、松本清張を思い出させる。この本は、手品かと思った。 | ||||
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