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動く指
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動く指の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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前半全くマープルが出てこないが、兄妹の語りが楽しく、気付けば一気に終盤まで読み進めてしまった。不気味な手紙の謎も気になり、犯人は誰???とハラハラしていたら、まさかのシンデレラ展開!「そうなることは、あたしだいぶ前から知ってたわ…」という妹・ジョアナの台詞がカッコイイ。一方で、知らず女性が犯人と期待していたのか、意外な犯人に拍子抜け。でも「女だったらもっと気のきいた手紙を書いた」というマープルの指摘にはニヤリ。地味だが、義理の娘をガス・オーブンの中に入れたり(未遂!)犯人は最悪。狂気の恋は滑稽だった。 | ||||
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本書の『動く指』というタイトルが気になりました。 原書のタイトルは、THE MOVING FINGER 指が動くプロットの描写は、本書のどこに出てきたのでしょう? 二度繰り返し精読してみました。 結局、どこにも具体的な記述は見つけられませんでした。 本書に描かれているのは、 根も葉もない、根拠のない誹謗中傷の手紙を村の住民は皆、 受け取ったことがあるということだけ。 これらの邪悪な手紙をタイプライターで打っている人間の 「動く指」が想像されるだけです。 邪悪な人間の「動く指」が示唆されているばかり。 男の指なのか、女の指なのか、猿の指なのかさえ定かではありません。 ただ、それらの手紙が相当昔に作成されたものであることが分かります。 宛名の「ミス・バートン」は、最初、Miss. Barton(エミリー・バートン)だったのです。 その後、最近になって、Miss. Burton(ジョアナ・バートン)に打ち換えられたのです。 「a」を「u」に打ち換えたのは、最近のことであることが読者に示唆されています。 ジョアナが、最近、エミリーからリトル・ファールズ邸を六カ月間借りることになった 時点以降の打ち換えであることが示されています。 殺人事件は過去だけのものではない。 過去の殺人事件が、未来の殺人事件を生むのです。 殺人犯人は、おしゃべりな人間からの言葉から過去の事件が蒸し返されるのを恐れます。 だから、口封じのための新たな殺人が生まれるのです。 この作品のタイトルについては、アガサ自身もいろいろ考えたようです。 「いったん『煙幕』にしようかとも思ったという」(396頁、「解説」より) なるほどね。『動く指』よりは『煙幕』のほうがいいような気が読者もします。 でも、本書に限らず、アガサの作品にはどれも、霧のような煙幕が張られています アガサの作品にはいつも疑わしい人物が多数登場します。これも煙幕の一種です。 読者はいつも、アガサの煙に巻かれてしまいます。 巻かれながら、犯人探しをするのも楽しいことを感じているのです。 本書巻末の「解説」を書いた久美 沙織さんの見方が面白かったです。 「動く指どうしの対決」(396頁)という見方です。 誹謗中傷の手紙をタイプライターで打つ邪悪な人間の「動く指」。怖いです。 対する「動く指」は、 「どこかの赤ちゃんにプレゼントするために編んでいる」(397頁)おばあちゃんの「動く指」。 やさしくて、こころ温まる「動く指」です。 本書の表紙カバーは、ミス・マープルの「動く指」を暗示しているようです。 写真には、老婦人の血管の浮いた足と靴と緑色の毛糸玉だけが見えています。 「動く指」先は全く見えません。 足元の毛糸玉だけで、その先の編み物のために「動く指」は読者の想像に任せています。 動きのない表紙カバーの写真は、欄外に やさしい老婦人が手に持つ編針の「動く指」を想像させてくれます。いい写真です。 どんな人間も、心の中には善と悪の二面性を持っています。 善良な人間と邪悪な人間は紙一重です。 社会的な地位を有する職業についている立派な人間でさえ、こころは変化します。 結婚をして子供を育ててきたりっぱな地位のある父親が、 美人の若き家庭教師にこころを奪われて、古女房を殺害するなんてこともあり得ます。 さらに過去の犯行の発覚を恐れて二番目の殺人を犯したり、 さらに古女房の連れ子だった娘までをガス自殺に見せかけて殺そうとさえします。 こんな理不尽なことが普通の人間の心の中に起こりうる、 ことをアガサはみごとに描いています。 1942年の作品。 2023年の今日読んでも古さを全く感じさせません。 | ||||
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3/4位過ぎたところで颯爽と登場。名推理を働かしてサッと事件を解決。爽やかだしカッコいい。 | ||||
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やっぱり面白い。人物描写など、情景が浮かびます。文章に上品なユーモアがあり、読んでいて心地よいです。 | ||||
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早川クリスティー文庫Kindle版の栞設定はアホのままである。 ヒロインがジョアナなのかミーガンなのかは議論の余地があるが、男性主人公が惹かれる女性をヒロインとするならば、間違いなくミーガンがヒロインである。 その彼女をつくづく見直して、馬みたいとは――いや、ひどいw 他の箇所では「ミーガンは外見は馬みたいだが、性質は犬に近いようだ」(P.74)とも述べている。 ニコラス・ブレイクの『死の殻』でも、ヒロインを猿っぽいと描写していてひどいと思ったものだが、それを越えてきた……。 ジェリーの描写は他もなかなか笑える辛辣さ。 彼が「まるでアフロディーテのようにみえたよ」(P.43)と讃えたエルシーという家庭教師は、別の個所では、「彼女の白い歯が意外なほど大きく、墓石のような恰好をしている」(P.53)なんて云われているw ちなみに、アフロディテ云々と聞かされたジョアナは、「兄さんをぽっとさせたのは、あれなの?」 「美人だけど、ちょっと泥くさいわね」(P.43)なんて返している。この毒舌兄妹めww 本書の怪しい題名は、破廉恥な匿名の手紙の宛先をタイプライターで打つ指のことだと思うが、そうやってフィーチャーされるマイナス感情の厭らしさにも拘わらず、本作は全篇ユーモアと余裕に満ちた楽しい小説である。 先述の軽妙な会話もそうだが、例えば、ミーガンが英国の大作家を シェリー……ヒバリがどうのこうのって、くだらないおしゃべりばかり。 ワーズワース……つまらないラッパズイセンの花がばかに気に入っちゃってる。 シェークスピア……意味がわからないように、わざわざ難しいひねくれた言い方をする。 となで斬りにしているのなんてサイコーだw ちなみにジョアナも、シェークスピアを「みんなが酔っ払ってくだをまいてる長ったらしい場面なんか、それこそへどが出そうだわ」(P.101)と評している。 時代設定はいつ頃なのだろう。 ≒執筆時だと考えれば、全篇に漂う余裕が不可思議でさえある。ジェリーはドイツとの空中戦で堕とされたと考えるべきだが、驚くほどに戦争の影が希薄である。早く回復して飛行機を操縦したいという述懐こそあれ、戦争の影は希薄どころかゼロでは? 書きながら気づいたが、ミス・マープルは初登場時から老婦人なのだから、現実の時間経過を物語中の時間経過と等しくしてしまうと、彼女はどんどん妖怪化してしまうw ここは、『火曜クラブ』が発表された30年代前半と年代設定は変わらず、戦争前だと考えるべきなのだろう。 それで思い出したが、本作はセント・メアリー・ミードではない土地で、ジェリーの一人称物語だから、前作の『書斎の死体』とは違って、ミス・マープルがP.18で事件解決を依頼されることはない。犠牲者が出るのはP.86で、彼女の登場はそのずっと後だ。 彼女がどのタイミングで、どのような経緯で登場するのかも、読みながら楽しみだった点である。 こう思えるのも、全篇を通じて明るく余裕のある語り口だからだろう。 推理小説としての感想を全然書いていないことに今さらながら気づいたが、事件の構造自体は比較的単純で、それを別のモチーフを目立たせることでわかりにくくさせているというのは、『書斎の死体』と共通している。おそらくこれが霜月蒼云うところの、クリスティが発見したテクニックなのだろう。 住民を誰かれなく抽象する悪質な手紙がなければ、驚くほどはっきりした事件だったとわかって驚いたとだけ書いておこうw | ||||
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今年春のテレビドラマの中で、アガサクリスティー作品が何点か紹介されました。ミス・マープルのドラマは観ていましたから、すぐ読みたくなりました。この作品では、なかなかマープルが登場しなくてヤキモキ・・でも最後は、納得でした。ハッピーエンドでホットしました。 | ||||
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あまり複雑な事件ではなく意外性もないので、ミステリーとしては少々物足りないです。 そして物語の主軸はもちろんミステリーなのですが、ラブロマンスもかなり強めで、読後はそちらの方が印象に残るくらいでした。 しかし、語り手とその妹が好感の持てるキャラクターで、そんな彼らと癖のある住人たちとのやりとりは楽しく、読み物としてはとても面白かったです。 全体的に明るい雰囲気の作品なので、個人的には大満足でした。 なお、マープルは最後の方に登場するため、存在感は薄いです。 私など読んでいるうちにマープル物だということをすっかり忘れて没頭していたため、ある人が「(推理の)専門家を呼びます!」と言ったところで、はっ!と思い出したくらいです。 マープルを知らない人が読むと、終盤に突如現れた謎の老婆があっさり真相を突き止めてしまい、ポカーンとするのではないかと…。 話の流れ的に、このまま語り手に解決させても良かったのではと思います。 マープル物として読むと肩透かしを食らいますが、読み物としては面白いので読んで損はしないと思います。 クリスティの描くラブロマンスが好きなら特におすすめしたいです。 | ||||
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兄妹の村での生活描写を楽しみながら、もう一方で起こる事件の謎解きにワクワクさせられる。楽しい作品。 | ||||
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評価が分かれる作品でしたが、私は好きですね。まるでその事件の村に滞在して当事者の一人になった気分でした。お陰で寝不足です。クリスティ作品がまた一つ既読になってしまった。いつか読破してしまうのが淋しいです。 | ||||
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私自身は本書『動く指』はミス・マープルシリーズの中でも特にお気に入りの作品なのですが、肝心のマープルの出番が少ないせいか、意外とベストにあげる方が少ない気がします。 マープルの長編の中ではどれが一番人気なのか少し気になります。やはり有名な『予告殺人』でしょうか?(当てずっぽうな予想です) なるべく真相をぼかして、この作品の好きな所を箇条書きでまとめてみました。 ◆物語の書き手ジェリー・バートンに好感がもてる。妹のジョアンナと仲がよくて二人の会話を読むのが楽しい。でもお互い干渉しすぎない微妙な距離感が好き。自分も仲がいい兄がいるからだろうか。 ◆登場人物の描写が生き生きとしてて、物語に入り込みやすい。ミステリー以外の部分(人間ドラマ)も読み応えがある。 事件そのものは陰惨だが、純粋に読み物としても面白いのが本書の魅了である。 ◆主人公(?)ジェリー・バートンの惑わされ感がいい。彼は無意識では何か事件の真相に触れる大事なことに気づいていても、それが意識上には昇らないのである。 ジェリーが夢の中で又は夢うつつに何かが引っかかてる様は、読者に真相が霧にかかっているかのような何とも言えない不吉な印象を与える。 ◆伏線やトリックが複雑すぎなくて読み返しやすい。かと言って単純すぎないほどよいバランスで、人間の盲点をつく絶妙さがたまらない。 ◆最後のミス・マープルの語りは流石である。いつ読んでもいい。 ジェリーが無意識でつかんでたものを含めてマープルが全ての真相を明かし、まるで霧が晴れたかのようだ。 しかし犯人の矛盾した人間性による行為が、動機のヒントになってたのは完全に予想外だった。 だが例え悪人であろうと、それは自然な人間心理であり非常に筋が通っている。流石はクリスティー。 「匿名の手紙を書く者は必ず○○○○○○○○なんです。」というのも非常に説得力がある。 ちなみに私が最もぞっとした真相は「アグネスは一体何を見たのか?」の部分である。アグネスがだんだんそのことの意味に気づくのを想像すると、寒気が走った。 《余談》 それにしてもタイトル『動く指』とはどういう意味なのでしょう? あとがきの方が一つの解釈を示してはいますが…。 | ||||
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語り手のジェリー・バートンが無意識のうちに発見しかかっている真相に、終わりの方でようやく登場するミス・マープルが余計なものを取り払って辿り着かせてくれる、という構成が、いつもながら秀逸。語り手を通してこちらも好意を持ってしまう登場人物が犯人だったということにならなければいいが……と恐れていたが、そういう陰惨な結末にはならず、全体を通して暖かい雰囲気で、終わり方も軽快。同じ閉ざされた田舎町を描いても、クリスティは作品によって大きくその雰囲気を変えることができるようだ。 | ||||
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手紙の宛名はタイプで打たれていた。 タイプを所持していた人は誰? 今回ミス・マープルの出番が少ない。 | ||||
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まずはじめに、レビューで「ポワロファン」なるものがあり、勘違いされると困るので言っておきますが、これはポアロではなく、ミス・マープルものです。 作品自体の評価は犯人の意外性はさておき、個性的なミーガンやジェリー、溌剌とした妹のジョアナなど毎度の事ながら人間模様が面白いです ただ、ひとつ…解説者である久美沙織という作家を私は知らないのだがクリスティと松任谷由実を似ていると評したり変に片仮名(ババア、ヒトヅマ等)を乱用したり…折角の余韻をぶち壊しにしてくれました 解説は余程的を射た物でない限りはむしろ要りません | ||||
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図書館で読み気に入ったので購入。長編ではらはらしますが、そこはポワロ。急なひらめきで解決です。犯人がだれか相変わらずわかりにくいです。 | ||||
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ミス・マープルはあまり存在感はないし、ストーリーも明るいものではないのに、なぜか暖かさが感じられます。主役?の二人の男女のキャラクターが好きというファンは多いのでは?何度も読み返していますが、タイトルはどういう意味なのか、よく判らないままです。 | ||||
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そう思って読めば、なかなか面白いです。 マープルさんは、ほとんど最後まで出て来ないので 活躍を期待してはいけません。 裏表紙に「若い二人の探偵指南役」とありますが、これも嘘です。 指南役ではなく、ラストの15ページで事件の解説をするだけです。 独立したラブストーリーに、ゲストとしてミスマープルが登場する話 と思って読んだ方がいいと思います。 | ||||
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ミス・マープルものにしては恋愛がはいって ほんわかとした気分になれますね 私としてはマープルのなかで一番好きです | ||||
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本書は語り手のジェシー・バートンとミーガンのロマンスを絡ませたラブ・ロマンス・ミステリーで、ポアロものではヘイスティングズとシンデレラのロマンスを絡ませた『ゴルフ場殺人事件』を思わせる。 推理作品としては『ゴルフ場〜』には劣るが読み物としては本書の方が面白く、作者が自薦ベスト10に推しているのはそういうところによるものかもしれない。 なお、アグネス・ウォデルの死体を隠した点、犯人の行為は不可解である。犯人にとっては死体がすぐ発見された方が、アリバイがあるように見えて都合が良かったはずである。 それと作品の中では触れられていないが、シミントン家の男の子たちがその後どうなったのか、気になるところである。 | ||||
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実はこの作品は 謎解き要素はちょっと控えめだったりします。 何せそれよりも主人公とある女性との恋路が 途中からメインになっていくのですから。 だからといって謎解き要素のほうは 手を抜いたトンデモなのでは? と思ってしまうことでしょう。 しかしながらそうではないのです。 実はこの作品は巧妙な罠が仕掛けられていて 犯人はそちらのほうに向くように 仕向けられてしまっています。 なので真犯人は、えっと思ってしまうことでしょう。 1冊で2度美味しい作品でした。 | ||||
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タミフル飲みながら、気を紛らすために読んで。 扱う事件自体が狭い村の噂話、スキャンダル、その手紙と、 あまり興味を引く内容とは思えませんでした。 最初の10ページで、イライラ。 後にある久美沙織さんの解説を開きました。 コレがなかなかイイ。 「自薦十作品」に入るという。 へこたれかけた心に炎が燃え立ちました。 俄然気を取り直し、一気に読み終えました。 女心、恋心、細かな心理描写、読者へのヒント、 まとまった物語の展開、 実に楽しめました。 義理の母も編み物しながら、よく観ているのでしょうね。 幸せに生きる日常の心がけ、態度も参考になるお話です。 | ||||
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