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(短編集)
火曜クラブ
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【この小説が収録されている参考書籍】
火曜クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 21~40 2/3ページ
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マープル物13編を収録。ミス・マープルに興味を抱いた方であれば、他のどんな作品よりもまず最初に手に取ることをお勧めします。何しろ、本書に収録されている「火曜クラブ」は彼女の初登場作品であり、それに続く12編を通して、ミス・マープルのキャラクター性、推理のスタイル、さらにはシリーズに繰り返し登場するバイプレイヤーたちまでもが確立されていったのですから。まさにミス・マープルを知る第一歩であり、外すことのできない一冊といえます。 さらに、本書はマープルシリーズに留まらず、クリスティの全作品中でも上位の、短編集に限れば間違いなくベスト3に入る完成度を誇ります。ミステリとしての面白さと語り口の妙を、これほど高次元で融合している作品はクリスティの中でも少ないでしょう。 もちろん、本書収録の作品は1927~1931年、つまり昭和2~6年に書かれているので、医学・薬学的な記述や、警察の捜査方法、あるいは当時の英国で一大ブームを起こしていた心霊主義の影響など、今から見れば、古いと感じる部分もあります。しかし、ポーの諸作やホームズ譚が古いからといって無価値ではないように、ミステリにおけるクラシックとして、今なおその価値と魅力は燦然と輝きを放っています。しかも、抜群の読みやすさ。邦訳の上手さも手伝って、中学生レベルの国語力があれば十分楽しめます。もともとクリスティの文章は会話文主体で表現も平易ですが、本書はほぼ全編が台詞と簡単な動作を示す地の文で構成されているため、その傾向が顕著でサクサク読み進んでいけます。その点で、初めてクリスティに触れるという方にもお勧めです。 なお、本書収録の13編は最初からこの形でまとめることを前提に書かれたわけではありません。まず最初の6話が月刊誌The Royal Magazineの1927年12月号から翌年の5月号にかけて連載されました。この時点ではそれ以上の展開は約束されていなかったのですが、当然というべきか好評を得たため、続く6話が月刊誌The Story-Teller Magazineに場を変えて、1929年12月号から翌年の5月号にかけて掲載されます。第12話の掲載から約半年後には、マープル物初の長編となる『牧師館の殺人』が1930年10月に刊行、さらにそこから約1年後、最終第13話となる「溺死」が月刊誌Nash's Pall Mall Magazineの1931年11月号にて発表されました。『火曜クラブ』が単行本として世に出たのは1932年6月。つまり、この短編集は、刊行時点で存在していたマープル物短編をすべて集めて編纂されたのです。途中で登場人物が変わったり、最終話だけ物語の形式が違うのはこうした事情によります。 以下、収録作品のレビューを目次順で記述します。雑誌での発表順はこれとは異なりますが(後述の「ミス・マープル登場作品全リスト」を参照)、単行本にまとめる際クリスティが配列を変え、それに合わせて内容も手を加えているため、目次順に従います。 火曜クラブ 毎週一度火曜日の夜に集まり、自分が結末を知っている実際に起こった事件について話す。他のメンバーはそれを聞いて真相を推理する。この会合を曜日に合わせて“火曜クラブ”と名づける……本書前半部のスタイルはこの巻頭作で定まります。謎解きに参加するメンバーは全部で6人。まず、そもそものきっかけを作った作家レイモンド・ウェスト。彼はマープルの甥にあたります。次いでその恋人で、会合の命名者となった画家ジョイス・ランプリエール。さらに教区の牧師ペンダー、老練な弁護士ペザリック、前警視総監サー・ヘンリー・クリザリング、そしてこの夜の集まりの場となった家の主人であるミス・マープル。最初彼女は数にも入れてもらえないほど、みそっかす扱いを受けています。さて、この中で記念すべき最初の話を語るのはサー・ヘンリー・クリザリング。彼の話は肩書きのわりにはやや地味ですが、それでも殺人事件であり、犯人はなかなか悪辣な人物です。マープルは過去に村で起こった事件に照らし合わせ、明快かつ切れ味のある推理で真相を看破。ポアロと人気を二分する名探偵はかくしてデビューを飾ります。 アスタルテの祠 古代人の聖地とされる鬱蒼とした森を舞台に起こった怪事件を描きます。語り手はペンダー牧師で、キリスト教の聖職者に異境の女神の話をさせるというアイディアが面白いです。不可能犯罪を扱っていますが、謎解きはそれほど難しくないかもしれません。しかし、全編に漂う怪奇小説風のムードが秀逸で、読んでいて引き込まれる一編です。なお、この第2話から第6話までが、第1話の取り決め通り火曜日毎に語られたのか定かではありません。というのも、読む限りでは一晩に6つの話が語られたと考えるほうが自然に思える箇所が何度か出てくるためです。クリスティ自身、さして気にしていなかったのかもしれません。 金塊事件 難破船に眠るとされる金塊を巡るエピソードです。語り手はレイモンド・ウェスト。ただし、彼は事件の真相を知りません。みんなで話しているうちにいい答えが見つかれば、という気持ちで話すのですが、やがて彼が思ってもいなかった真相が明かされます。僻地の閉鎖的な漁村の雰囲気がよく出ており、嵐の夜のなんとも知れない薄気味悪さなど、冒険物風の雰囲気が楽しめます。レイモンドはこの後マープル物に何度も登場するレギュラーキャラクターになりますが、一見シニカルで皮肉屋でありながら、根はロマンチストであるその性格も見事に描かれています。 舗道の血痕 これも海岸沿いの村が舞台ですが、こちらは小さいながらも海水浴客がやってくる隠れ家的な避暑地。そこで起こった女性の変死事件を扱います。語り手は画家ジョイス・ランプリエール。絵を生業とする女性らしく、光と色、それに女性の服装に関する描写が随所にあふれており、それが物語を盛り上げつつ、謎とも密接な関係を持ちます。男性陣が口々に手がかりが乏しいと言う中、マープルは女性的な視点から真相を解き明かします。 動機対機会 遺言状のすり替えをテーマにした不可能犯罪物。語り手はペザリック弁護士。想像力を排し、事実を事実としてありのままに見ることが唯一の成功の道、と語る彼らしく、派手さはないものの、難解な謎を提供してきます。しかし、マープルはいつものように村で起こった出来事を手がかりに柔軟な思考で正解を導き出します。 聖ペテロの指のあと 前半のラストとなる作品で、語り手はマープル自身。姪の身に降りかかった疑惑を解くために奔走する姿が描かれますが、相手との距離感や人物的評価に応じて、マープルが態度や言葉を選んでいることがわかります。彼女は決して穏やかで優しいだけの老婦人ではなく、ときには苛立ちや焦りも見せ、必要とあれば厳しいことも言ってのける人物であることがわかります。 青いゼラニウム ここから後半戦。これ以降の6話も1人ずつ事件について話していくという形は変わりませんが、すべてが一夜のうち語られたという設定になっており、語り手が真相を知らない事件もいくつか入っています。メンバーについてはマープルとクリザリングを除く4人が入れ替わり、田舎の郷士でこの夜の会場となる館の主人バントリー大佐、その妻であるドリー、年配の医師ロイド、女優ジェーン・ヘリアという顔ぶれ。リスタートを飾る「青いゼラニウム」では、バントリー大佐が彼の友人の身に起こった不可解な事件を語ります。このエピソードは、当時英国で流行していた心霊主義がもたらす怪異を、ごく普通の家庭に持ち込んだ意欲作であり、恋愛要素の絡め方など、巧みなストーリー構成が楽しめる好編に仕上がっています。 二人の老嬢 カナリア諸島を舞台にした女性変死事件で、語り手はロイド医師。クリスティらしい心理誘導が成功している好例です。また、興味深いのがロイドの行動でしょう。今回の事件では彼は真相、すなわち犯人を知っているのですが、はたしてその人物をどうしたのか? マープルシリーズのレギュラーキャラクターである、もうひとりの医者ヘイドックが『牧師館の殺人』で主張する犯罪論も読み合わせてみると、いっそう興味が増すのでは、と思います。 四人の容疑者 クリザリングが語る未解決事件。ある老人が自宅の階段から転落して死亡します。警察関係者は特殊な事情からこれが事故ではなく殺人であるという確信を抱き、事件当時家にいた4人の中に犯人がいると考えますが、証拠が何もなく、そこから先へ進めません。しかし、マープルは武骨な警官たちではなかなか気づかない手がかりを見つけ出し、瞬く間に犯人をあぶり出します。 クリスマスの悲劇 文字通りクリスマスに起こった殺人事件。語り手はマープルで、悪人に対する彼女の容赦ない苛烈さが描かれます。興味深いのは、犯人の名が最初に明かされ、どうやって犯行を行ったのか、という点に謎が絞られること。クリスティのミステリは、“誰がやったのか“に焦点があてられ、“どうやったのか”は二次的に扱われる場合が多いのですが、ここでは珍しく逆になっています。とはいえ、手がかりをさりげなく文中に忍び込ませる技法はこのパターンでも健在。本書中でも指折りの本格派として楽しめます。 毒草 クリスティが得意とした毒殺物。語り手はドリー・バントリーが務めますが、夫曰く、個々の事実を伝えるのはともかく、それをつなぎ合わせて装飾を加えるのはちょっと、という彼女だけになかなかスムースにはいきません。しかし、それを逆手に取り、他のメンバーが質問することによって事件の全体像が見えてくる、というこれまでとちょっと違った趣向で物語が展開していきます。 バンガロー事件 後半6作のフィナーレとなる作品で、語り手は女優ジェーン・ヘリア。この話はプロットそのものに仕掛けが施されており、迂闊に中身に触れてしまうとネタバレになってしまう恐れがあります。ですので、意外な結末が待っている、とだけ申し上げておきます。後はどうぞお読みになってみてください。 溺死 この最終話のみ過去に起こった話ではなく、現在進行形の事件を扱います。注目したいのは、最初にマープルが犯人を名指しし(読者には誰なのかは明かされません)、それをクリザリングが裏付けしていくという構造になっていること。探偵小説の世界では、名探偵と警察官といえばとかく対立しがちですが、マープルとクリザリングの間にはここまでの12話を通して深い信頼関係が生まれており、それがこのような方法を可能にしています。また、マープル物では、マープルは謎解きをするだけで、捜査や情報収集は他人に任せ、実質的な主人公はそちらの人物になる、というスタイルが多くみられますが、その嚆矢となった作品ともいえます。 ■※重要※ 本書掲載の“訳者あとがき”について 本書には、本文後に訳者あとがきと解説が付いています。このうち、訳者あとがきはハヤカワ・ミステリ文庫時代から掲載されていた文章ですが、その中で、本書収録作、及び他のクリスティ作品に対するネタバレが行われています。 具体的には「火曜クラブ」の犯人が事実上指摘されており、「溺死」の犯人も予想がつく範囲の記述があります。「アスタルテの祠」に関しても、犯人の動機が明記されているため、先に読んでしまうと興が削がれます。また、本書収録作以外では『白昼の悪魔』の犯人が事実上明かされており、『エッジウェア卿の死』『なぜエヴァンズに頼まなかったのか?』『ポケットにライ麦を』の各長編と短編「検察側の証人」に関して、ストーリーの中核部分に触れる記述があります。『杉の柩』についても、やや曖昧ではあるものの、危険な表現があります。 クリスティは同じ素材からバリエーションを生み出すことが得意な作家でした。そのため、すべての作品を読んでみると、類似点や発展形をいくつも見つけ出すことができます。この訳者あとがきはクリスティ作品の全部、あるいは相当数を読んだ人にとっては、そうした関連性を見いだす手がかりとして興味深い内容といえます。ただ、そこまで読んでいない人にとっては未来の楽しみを奪う恐れがあります。ご留意ください。 ■ミス・マープル登場作品全リスト 英国で発表された年代順。番外として『火曜クラブ』も記載ています。ssは短編、nvは長編を意味し、短編の場合、収録されているクリスティー文庫の単行本名を()内に記しています。 01__1927/12月号___ss_火曜クラブ(火曜クラブ) 02__1928/01月号___ss_アスタルテの祠(火曜クラブ) 03__1928/02月号___ss_金塊事件(火曜クラブ) 04__1928/03月号___ss_舗道の血痕(火曜クラブ) 05__1928/04月号___ss_動機対機会(火曜クラブ) 06__1928/05月号___ss_聖ペテロの指のあと(火曜クラブ) 07__1929/12月号___ss_青いゼラニウム(火曜クラブ) 08__1930/01月号___ss_クリスマスの悲劇(火曜クラブ) 09__1930/02月号___ss_二人の老嬢(火曜クラブ) 10__1930/03月号___ss_毒草(火曜クラブ) 11__1930/04月号___ss_四人の容疑者(火曜クラブ) 12__1930/05月号___ss_バンガロー事件(火曜クラブ) 13__1930/10___nv_牧師館の殺人 14__1931/11月号___ss_溺死(火曜クラブ) **__1932/06___**_火曜クラブ[01~12及び14を収録] 15__1935/05月25日号___ss_ミス・マープルの思い出話(黄色いアイリス) 16__1942/01月号___ss_管理人の事件(愛の探偵たち) 17__1942/02月号___ss_巻尺殺人事件(愛の探偵たち) 18__1942/02___nv_書斎の死体 19__1942/04月号___ss_非の打ちどころがないメイド(愛の探偵たち) 20__1943/06___nv_動く指[米国版は1942/07] 21__1944/07月号___ss_風変わりな冗談(愛の探偵たち) 22__1950/06___nv_予告殺人 23__1952/11___nv_魔術の殺人[同内容、別タイトルの米版が同年内に先行で発売] 24__1953/09___nv_ポケットにライ麦を 25__1954/10月号___ss_教会で死んだ男(教会で死んだ男) 26__1957/11___nv_パディントン発4時50分 27__1960/08月号___ss_グリーンショウ氏の阿房宮(クリスマス・プディングの冒険) 28__1962/12___nv_鏡は横にひび割れて 29__1964/11___nv_カリブ海の秘密 30__1965/11___nv_バートラム・ホテルにて 31__1971/11___nv_復讐の女神 32__1976/10___nv_スリーピング・マーダー ミス・マープルの初登場作品については、単行本の発行時期から『牧師館の殺人』であると誤解されることが多いのですが(創元推理文庫版の同書の邦題が『ミス・マープル最初の事件』とあるのも一因かもしれません)、上記の表を見て戴ければわかるとおり、本書収録の12話のほうが先行しています。ただし、第13話「溺死」は『牧師館の殺人』の後で発表されています。マープル物を年代順に読んでみたいと考えている方はご注意ください。 | ||||
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セン・メアリ・ミードに住んでいるおばあさんのミス・マープル。このおばあさんが、事件の現場を見ずに、人が話をするのを聞いて事件を解決する。13の事件について見事な推理というか、あたかも見てきたかのように真相を暴いていく。彼女の手腕は見事としか言いようがなく、謎が解けた時にはものすごい爽快感がある。靄に包まれていた状態から、一気に青空の高原に連れていかれたかのようだ。ミステリーが好きなら必読である。すごく楽しめるから。 何が一番面白いのか議論するのも野暮である。どれも意外な結末があるし、ミス・マープルや登場人物のストーリーテリングにも引き込まれる。訳文も読みやすい。読んで良かったと心から思う。 ところで、火曜クラブとは少し上流階級の人が火曜日に集まって、自分が知っている(当事者でもある)事件について話、聞き手が犯人を推理する会である。6人の会であるが、それで13件(実際には12件だが)の事件について話をされるということは、どれだけこの人たちは身近に殺人事件があるのだろうかと。名探偵コナンもびっくりの事件遭遇率ではなかろうか。 | ||||
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作家(甥のレイモンド)、牧師(ベンダー博士)、元警視総監(サー・ヘンリー)、女流画家(ジョイス・ラングリエール)、 弁護士(ベサリック)、編み物好きな老婦人(ミス・マープル)など様々な職業の人が集まって毎週火曜日にパーティを開いた。 その席で自分が遭遇した不思議な事件について語り合い、その事件の真相をみんなで語り合う。 いつも事件の真相を見抜くのは編み物をしながら話を聞いてるミス・マープルだった。 | ||||
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学生の頃からずっと好きだった、ミスマープル。映像版では、ジョアンヒクソンのマープルが、クリスティ本人もマープルそのものと絶賛しと言われているくらいイメージそのもの。そのジョアンヒクソンのマープルを思い浮かべながら、何度も何度も読みました。その洞察力には、ただ脱帽。年をとったら、こんなおばあちゃんになりたいとも思ったものです。文庫は繰り返して読んでボロボロになったので、Kindle版で集め直そうと思い、購入しました。今から、何度目になるかの読書が楽しみです。 内容は☆5つ。でも、ダウンロードしてみると表紙となる絵がAmazonで表示されているものとちがうので、そこはちょっとがっかりしたので☆を一個減らしました。 | ||||
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ミスマープルみたいになりたい(^ ^) 園芸趣味はないんやけどな〜 | ||||
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中高生以来、久しぶりに読みました。懐かしく、しみじみした読後感です。 クリスティーが(激しいものを秘めた)優しい人なのかな、と考えてみたり・・・。 ポアロとマープルものは、ほぼ(早川ミステリで)買いそろえて読んだはずですが、また読んでみたくなりました。 | ||||
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一冊つずつ集めてアガサの世界を堪能しています。どの刊も最高です。 | ||||
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初めて読んだのは近所のお姉さんにいただいた小学生か中学生の頃。 あれから30年近く。いまだにその本を保持。訳者も中村妙子さんなので、それほど訳は変わっていないはず。 その間誇張なくほんとに100回以上読み直してます。翻訳のみならず原作まで手を伸ばした数少ない作品です。 わたくしがキャラクターものに弱いのもあるのでしょうが、なんといってもミス・マープルの魅力が抜群です。 田舎ぐらしの独身で一見害なさそうで品のよいお年寄りが、これだけの洞察力、時にぴりっとした皮肉も効かせ、でもそれが浮かない人柄の魅力。 もちろんミステリーの女王なので、正当派のミステリだと思いますし、脇を固める人物たちや、背景に描かれているイギリスの姿も魅力的。 英文学を専攻していた知り合いが、アガサクリスティーが人気があるのは英語が平易というのもあるのよ、といってました。 有名な話はほかにもあるのですが、難しい言葉でなくこれだけの心理描写やトリックを書いてしまう、アガサクリスティーの魅力を一番感じられるシリーズではないかと思います。 キャラクターものでないアガサも好きだけど、アガサクリスティーといったらやっぱりこれを最初に勧めたくなる。 私にとってのイギリスはアガサだ、とまで言いたくなってしまう作品集。 星5つではとても足りない作品です。 | ||||
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ただの編み物好きなおばあちゃんだと思ってたら、 推理では誰にも負けなかった。 短編だし語り口調なので 飽きずにかなりの再読を繰り返している。 外出時の御伴率かなり高め。 口調は優しくおっとりしてるけど、 相手の本質を既に見抜いていて セリフはどれも鋭く真実を 語っている…それがミス・マープル。 | ||||
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アガサ・クリスティが生んだポワロと並ぶ名探偵、ミス・マープルの短編集 コレを読むのと読まないとでは、マープルの他の長編物の味わいが180°変わります。 その位重要な作品です。 この作品を読んで、ミス・マープルの人となりや推理手法を知ってください。 マープル物の味わいは、マープルの人間性と切っても切り離せないところにあるからです。マープルを知っていればこそ、味わいを楽しめる仕掛けがたくさんあります。 事実、私がポワロに夢中だった頃にマープルの長編を読んだ時はそれほど凄いとは思えず、何故マープルが探偵として高く評されるのか理解に苦しんだものでした。 しかしその後、時を経てこの火曜クラブを手にして読んだ時、私の中のThe best of 探偵 は入れ替わり、その瞬間からマープルの大ファンになったのです。 私はこのミス・マープルを通してクリスティ自身を感じます。 クリスティが伝えんとするところがマープルを通じて語られる。 そしてその視線は慈愛に満ちていてとても優しい。(適度な皮肉もまた心地良い) だから皆マープルが好きなんだと思います。 是非読んでみて下さい。 | ||||
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昔(ん十年前)に読んだときは、これ以上の短編集はないと思ったが、今回再読してみると、古臭さの方が目に付いた。 例えば「青いゼラニウム」はすごい傑作だと思っていたものだが、再読してみると現代なら部屋を詳細に調べたらどういうトリックが使われていたのかすぐわかるだろうにと思ったり、「アスタルテの祠」もオカルト的な不可能トリックはいいのだが、現代では見えすいている感じがする。 その中でも「クリスマスの悲劇」は秀逸な作品で、現代でも充分通用する。マープルが危うく裏をかかれそうになったところを挽回するのもいいが、何といってもトリックの切れ味が冴えている。「バンガロー事件」も結末が気の利いた逸品。 | ||||
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英文は比較的平易で、しかも短編なので原書に不慣れな人でも読みやすいと思います。 13篇ともそれぞれ個性的で、飽きさせません。 読み進めるうちに、クリスティーの「オチ」の付け方が予測できるようになり、 結構犯人やトリックが判ってきます。 それもまた楽しみとなります。 一昔前の英国文化の香りも一緒に楽しめる良い原書だと思います | ||||
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様々な職種の人々が集まる中、一人ずつ自分だけが真相を知っている事件について話していき、残りの人がその真相を推理しあう、という安楽椅子探偵形式の推理小説。毎回、地味な村の老婦人ミス・マープルが正しい解答を出してしまいます。 短編1つ1つがとても良く出来ていて、後のクリスティーの長編につながるようなアイデアがちりばめられています。 登場人物が皆個性的で、話ごとに語り口が違っているのも魅力の1つで、『バンガロー事件』では特にそれが生きているように思います。 | ||||
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ミス マープルものを読むなら、火曜クラブを一番にお勧めします。 ミス マープルの人間観察力を知ることができるからです。 ほかのミス マープル シリーズだと、なぜ、そんなにミス マープルがいろいろ想像できるかが、しっくりこないことがあるかもしれません。 火曜クラブを読んで、ミスマープルに親しくなっておけば、なるほどと思えるかもしれません。 アガサクリスティの作品の中でも、ベスト3にあげたいくらいです。 ps. 背表紙が、短編集になっているので、ミスマープルものであることがわかりにくいのが、ハヤカワ書房への要望です。 できれば、短編集、マープルと両方表示してほしいです。 | ||||
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ミス マープルものを読むなら、火曜クラブを一番にお勧めします。 ミス マープルの人間観察力を知ることができるからです。 ほかのミス マープル シリーズだと、なぜ、そんなにミス マープルがいろいろ想像できるかが、しっくりこないことがあるかもしれません。 火曜クラブを読んで、ミスマープルに親しくなっておけば、なるほどと思えるかもしれません。 アガサクリスティの作品の中でも、ベスト3にあげたいくらいです。 ps. 背表紙が、短編集になっているので、ミスマープルものであることがわかりにくいのが、ハヤカワ書房への要望です。 できれば、短編集、マープルと両方表示してほしいです。 | ||||
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久々に読み返しましたが、やはり面白い。 クリスティーの短編集では1、2を争う面白さだし、長編を合わせても好きな作品ベストテンに入ります。 マープルものとしては1番初めに書かれたものなので、執筆順に読みたい方はこの本からお読みになることをおすすめします。 13篇の収録作のうち、1章〜6章までは邦題にもなっている「火曜クラブ」篇。作家、画家、弁護士、牧師、スコットランド・ヤードの元長官、そして作家のおばが「毎週火曜の夜に集まって、世間には知られていないが、自分だけが真相を知っている事件の謎をお互いに解きあおう」と決めて、自分の体験を語り合う連作短編。 7章〜12章はこの続編で、退役陸軍大佐の家のディナー・パーティーが舞台。医者、人気女優と共に、大佐の友人であり招待されて滞在していたスコットランド・ヤード元長官の推薦で、ミス・マープルも招かれます。そしてここでも「謎解きゲーム」が始まります。 最後の13章は少し趣が変わり、セント・メアリ・ミードの村で起きた変死事件が扱われます。ヘイドック医師が出てくるところをみると、この作品だけは「牧師館の殺人」の後に書かれたものかもしれません。 文庫版の訳者さんもおっしゃっていますが、この作品集に使われたトリックや、人間関係などの設定が後に多く長編に使われているので、そういう意味でも必見です。また、「ディナー・パーティー」篇の中心人物であるバントリー大佐夫妻は「書斎の死体」でも主役級ですので、そちらを読む前にごらんになった方が良いかなと思います。 この本では、ほとんどの章が上述の通り登場人物の語りで進んでいきます。その語りにそれぞれの個性が反映されるのもこの作品の面白さのひとつです。主観ですが原書ではその違いが更に際立っていますので一見の価値あり。 | ||||
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ミス マープルものを読むなら、火曜クラブを一番にお勧めします。 ミス マープルの人間観察力を知ることができるからです。 ほかのミス マープル シリーズだと、なぜ、そんなにミス マープルがいろいろ想像できるかが、しっくりこないことがあるかもしれません。 火曜クラブを読んで、ミスマープルに親しくなっておけば、なるほどと思えるかもしれません。 アガサクリスティの作品の中でも、ベスト3にあげたいくらいです。 ps. 背表紙が、短編集になっているので、ミスマープルものであることがわかりにくいのが、ハヤカワ書房への要望です。 できれば、短編集、マープルと両方表示してほしいです。 | ||||
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ミス・マープルと甥のレイモンドを中心に様々な職業の人たちが 集い昔の事件を語り合う「火曜クラブ」。 短編13編がそれぞれ特色のある興味深い事件ばかりです。 クリスティーは長編もおもしろいですが 短編もなかなか捨てたものではありません。 夜の読書にピッタリです。 ネタばれするのであまり詳しくは書きませんが、 私が特に気に入ったのは、 不思議な血痕の原因をさぐる「舗道の血痕」、 旅行先で突然起こった1人の老婆の死の真相を描いた「2人の老婆」、 妻殺しの完全犯罪を見事に解決する「クリスマスの悲劇」など、 どれをとってもミステリーファンにはたまらないモノばかりです。 おススメします。 | ||||
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ミス・マープルと甥のレイモンドを中心に様々な職業の人たちが 集い昔の事件を語り合う「火曜クラブ」。 短編13編がそれぞれ特色のある興味深い事件ばかりです。 クリスティーは長編もおもしろいですが 短編もなかなか捨てたものではありません。 夜の読書にピッタリです。 ネタばれするのであまり詳しくは書きませんが、 私が特に気に入ったのは、 不思議な血痕の原因をさぐる「舗道の血痕」、 旅行先で突然起こった1人の老婆の死の真相を描いた「2人の老婆」、 妻殺しの完全犯罪を見事に解決する「クリスマスの悲劇」など、 どれをとってもミステリーファンにはたまらないモノばかりです。 おススメします。 | ||||
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十年以上前に入手してから、飽きたな、と思っても売らないできた本。短編集として読みやすいのはもちろんのこと、クリスティが創造した老婦人マープルの魅力が大きい。脇役の警視総監、弁護士、牧師、甥レイモンド、女流画家といった人々も、それぞれ味があり、存在感がある。いつ読んでも安心できる推理小説。 | ||||
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