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象は忘れない



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象は忘れないの評価: 4.03/5点 レビュー 29件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(3pt)

タイトルのちょっと怖い感じに惹かれて読んでみたものの……。

12年前に起きた事件…夫婦が射殺死体で発見され、側に夫婦の指紋がついたピストルがあった為に心中として片付けられていた事件の真相を、ポワロが究明する……。題名の、“象はわすれない”とは、ある男が、ある時、象の鼻に縫い針か何かを突き刺して、何年かして、その間一度もその象と会わなかったのに、象の方は男のことを覚えていて、男に会った時に水をぶっかけたという、イギリスかどこかの寓話からで、つまりやった方は忘れても、やられた方は、譬え象であっても決して忘れないということだと思います。でも、この話自体は、…少なくともメインの事件は、復讐劇とは違うので、このタイトルは、あんまり相応しい感じはしません。傷つけられた人間が、恨みを晴らすために犯罪を犯すという事件を予想していたので、少し当てが外れた感じがします。……タイトルと筋書きの“そぐわない”感じは、『5匹の子豚』でも、感じました。
 それと、その状況で、なぜそこまでやらなきゃならなかったのかという理由が、よくわからないし、死とか殺人が少し美化されているのが、納得できかねる感じがします。…ストーリーをひねくり回し過ぎているように思います。…凝りに凝ったストーリーが、アガサ・クリスティの真骨頂だろうとは思いますが、……。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.6:
(3pt)

「象は忘れないが、人間は忘れる事が出来る」という示唆に富んだテーマを有し、安心して読める佳作

クリスティが齢82にして執筆した作品であると同時に、ポワロとした主人公とした最後の作品でもあるが、安心して読める内容となっている。物語は作家のオリヴァが昔のある事件の解決の依頼を"押し付けられた"所から始まる(この辺から既にユーモアと余裕が漂っている)。その事件は、ある夫妻の心中事件として扱われたが、一方が片方を殺してから自殺したとも取れるのだ。この真相を追求するためにオリヴァが旧知のポワロと二人で(象の記憶を持つ)事件関係者に昔の事情を聞き回るという体裁で物語が進む。ミステリとしては目新しいトリックはなく、物語の進行に伴い(特に、その妻が「***」だと分かった時に)真相は自然と分かるので、二人の楽しい会話が中心の物語と言って良い。

余談だが、「象は忘れない」というフレーズ。昔々の日本でも放映された米国TVドラマ「奥様は魔女」でもダーリンがこのフレーズを使っていた。英語圏では慣用句なのかも知れない。そして、本作のテーマは、
   「象は忘れないが、人間は忘れる事が出来る」
という示唆に富んだものである。

大胆なトリックがないせいもあるが、全体構成に破綻がない点には、82歳という年齢を考えると驚嘆せずにはおられない(晩年のクリスティには結構唖然とする駄作が多い)。クリスティ・ファンにとってはじっくりと堪能出来る佳作だと思う。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.5:
(3pt)

真相はわかりやすい

ポアロとオリヴァが、過去の出来事を忘れない"象"を探し出して聴き取り調査を行い、過去の事件の真相を追求する話。
私は普段、ミステリーを読んでいて、ほとんど真相がわからないのだが、この作品に関しては、マーガレットとドロシアの関係がわかった時点である疑いを持ち、それ以降、それを補強してくれる事実が次々と出てきたので、最終章の手前では真相の大部分を予想できていた。
ヒントがわかりやすく、真相が予想しやすい作品ではないだろうか。
事件の背景にあるもの、時間的拡がり、人物配置、真相のまとまりなど、よくできた作品だと思う。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.4:
(3pt)

象は忘れない

ポアロとミセス・オリバのやり取りが大好きで、一気に読み終えました。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.3:
(3pt)

うーん・・ちょっと物足りなかったです

表題が印象的な作品で、レヴューでの評価も高いので期待して読んだのですが、個人的には余りピンと来ませんでした。
 今作は『五匹の子豚』『ハロウィン・パーティ』等と同じく、過去に起こった事件を関係者の証言を頼りに読み解いていく<回想殺人>ものです(作中で、上記2作と『マギンティ夫人は死んだ』のネタばれがありますので、未読の方はご注意を!)。 
 心の友ヘイスティングス大尉は登場せず、ミセス・オリヴァという犯罪小説家の婦人がポワロの相棒として活躍します(私は本作で初めましてでしたが、『開いたトランプ』等数作のポワロ作品に登場する女性のようです)。物語前半の足を使う捜査は殆どミセス・オリヴァが担当するのでポワロは余り出て来ず、「ただの一行たりとも読み逃せない!!」という心地よい緊張感に満ちた彼の会話シーンが大好きな私には、ちょっと退屈でした。本作は80代の晩年のアガサが書いているためか、アガサの分身ミセス・オリヴァの奥様トークが、お婆ちゃんの昔話のように長い・・。しかし女性のおしゃべりと男性の会話の書き分けは実にリアルで(大体の女性の会話は結論までが非常に長いか、もしくは特に結論が出ないですよね・・・ミス・マープルみたいな人は別ですが・笑)、そこは流石だなあと思いました。ポワロの話し方はいつも簡潔明瞭で無駄がなく、しかも優雅で親切な辺りがやはりカッコいいです。アガサのキャラクター作りの上手さを感じます。
 
 そして、事件自体ももう一つ物足りなかったです。話の運びがゆったりとしているし、関係者の人数も少なく、物語のきっかけとなる謎めいた言葉の真意も割合すぐに読めてしまう上、肝である殺人のトリックにも意外性がなかったので(ヒントも実に分かりやすい。きっと大体の人は途中で気が付きます)予想がほぼそのまま当たり、期待していた「あーあ、アガサにまたしてやられたー!!」という嬉し悔しい地団駄を一度も踏むことなく読み終わってしまいました。

 ポワロの<回想殺人>ものでは、やはり『五匹の子豚』が秀逸だと思います(そちらは見事に犯人を外しました!笑)。そういう意味では、本作は初級者に優しい作品なのかもしれません。ポワロものを読みなれてから本書を読むと味気ないかも知れないので、個人的には最初の内に読まれることをお勧めします。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.2:
(3pt)

悪くないが

回想により推理するスタイルというと、同じ作者の「五匹の子豚」があるが、それと比べると大分落ちるなというのが正直な感想。
まあ、駄作ではないし、傑作とも言えない、クリスティーの中では“まあまあ”の部類でしょうか。
象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-44)より
4150700443
No.1:
(3pt)

悪くないが

回想により推理するスタイルというと、同じ作者の「五匹の子豚」があるが、それと比べると大分落ちるなというのが正直な感想。まあ、駄作ではないし、傑作とも言えない、クリスティーの中では“まあまあ”の部類でしょうか。
象は忘れない (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:象は忘れない (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300325

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