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ハロウィーン・パーティ



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ハロウィーン・パーティの評価: 3.88/5点 レビュー 32件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

急いだんでしょう…

本の天の部分がガタガタ
高さが全くあってないです。
急いで作ったのか分かりませんが
ガタガタすぎてきになる。カバーも汚いし
普通に定価で買ったのにこれはひどい
ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))Amazon書評・レビュー:ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))より
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No.3:
(3pt)

エルキュール・マープル??

ヘイスティングズが登場しないからか、はたまた「吾輩は世界一の名探偵エルキュール・ポアロである」といったうぬ惚れが影を潜めているからか、どことなく角の取れたポアロ(おまけに、靴ずれを苦にしている。田舎道を歩くのにおしゃれ靴にこだわるから自業自得)
小さな町の住人たちの間を聞き回る彼は、どことなくミス・マープルの風情を感じさせます。
幾何学的な悪夢が黒々と立ち上がってくる深夜ではなく、楽ちんな午後に読むのが似合いそう。少年少女が生き生きと描かれていて、それだけに犯罪の残忍さが際立つのだけれど。

人物の配置が巧みです。意外な「二人」が一つの線で結び付く。しかし・・・
ポアロはもはや灰色の脳細胞を自慢しない。作者も肩の力が抜けている。何しろ本作が発表されたのはビートルズの時代で、またアリアドニ・オリヴァがポアロの組織的な思考をコンピュータに例えるシーンもある。ミステリを書き続けて半世紀、高齢の作者はむきになってアクロバティックな論理の遊戯をするのは、もはや大人げないと感じているのでしょうか。
・・・「二人」のペアの作り方や線の引き方は、ほかに幾つも考えられそうな気分になります。もっともクリスティの作風は昔からそんな印象を与えますが。

アリアドニ・オリヴァとスペンス警視は『マギンティ夫人は死んだ』でポアロと共演してます。そして、
〈「もう結構」とミセス・オリヴァは腹だたしそうな声で言った。「いつものとおり、みんなわたしのせいになさいまし!」〉『ハロウィーン・パーティー』本書)とオリヴァ。
〈「とんでもありません、あの男は犯人ですとも!」それからつけ加えた。「なにしろ、どんなことにでもうぬぼれの強いやつですからね!」〉(『マギンティ夫人は死んだ』田村隆一訳ハヤカワ文庫)とスペンス。
こういうふうに2人からキツイ言葉がポアロに浴びせられています(これまた自業自得)

ところで、ハロウィンはキリスト教の行事ではないようですが、その呼称はキリスト教の行事である万聖節の前夜という意味らしい。
「英語のHallow-e'enはAll-Hallow-Even(All Hallows' Eve)の短縮形で、ハロウ(Hallow)は聖人を指す。従って「諸聖人の前夜」という意味になる。」(『キリスト教の歳時記―知っておきたい教会の文化』八木谷涼子・講談社学術文庫p270)
「諸聖人の日」(万聖節)はキリスト教の暦に11月1日と定められているとのことです。その前日10月31日は、ケルトの古い信仰では一年の終わりの日、大晦日である由。宗教的な中味とは関係なく、日付の並びでハロウィンという名前になったらしい。

本家本元がケルトなら、「ロード・オブ・ザ・リング」のねずみ男、ゴラムのコスプレをする人もいるでしょうか?

なお、ハロウィンは日本のお盆という話もありますが、前記八木谷さんの著書には「諸聖人と、翌日の死者の日はいわば日本のお盆に相当する日」(p275)となってます。これは11月1日と2日がお墓参りの日となります。
日本のお盆は先祖の霊を迎えてしんみりする日ですが、ケルトの大晦日(10月31日)は先祖の霊も戻るけど、同時に魔女や悪霊のパワーがマックスになる日とされているようです。
ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))Amazon書評・レビュー:ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))より
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No.2:
(3pt)

童話に迷い込んだような、奇妙に現実感のない世界をポアロとさまよう

クリスティの数ある作品の中でも、他に類を見ない、一風変わった雰囲気を持った作品です。

クリスティは登場人物が類型的であるなどの批判を受けることもありますが、長いキャリアの中で、その時代時代の世相や社会の変化を作品に反映してきました。書かれたときは“現代”であったその世界には、確固たる裏付けがあり、その意味で現実感=リアリティ(リアルではなく)があったのです。

しかし、この作品ではそのリアリティが希薄です。子供殺しという重いテーマを扱っていますが、陰惨さや社会性はほとんどありません。読み手の違和感を緩和しようとするためか、変質者の犯罪ではないのか、最近は物騒な世の中になったなどの台詞が劇中に散見しますが、それが掘り下げられることはなく、とりあえず言っておこう、という程度にしか扱われていません。

代わりに描き出されているのが、まるで童話を読んでいるような、一種独特の浮遊感。これは本編の白眉というべき第11章で、石切場を改造した庭園とそこに現れる妖精的な少女が描写されるあたりから次第に強くなり、やがてファンタジーとサスペンスを融合させた、幻想的なクライマックスへと向かっていきます。

童話には、子供をさらって食べてしまう魔女や怪物がいくらでも出てきます。ここではそれを受け、犯人にもそれら悪夢の世界のキャラクターを投影した、現実にはほとんどいない、特異な人物が作られています。魔女やおばあさんに化けた狼がお話のおしまいまで来るといい人から悪い人に変わるように、この作品では、犯人も突然それまでの仮面を脱いで正体を現します。そこにポアロの推理はほとんど影響を与えません。ある時期が来た、ということがトリガーになって物語が自動的に展開していくのです。いわば、ここでのポアロは、不思議の国をさまようアリスさながらで、探偵役ではなく、ナビゲーターを任されているのです。そしてクリスティが自身の生んだ名探偵に、このような異質な役を振ったことを踏まえると、ラスト、自身の分身とされる推理小説作家アリアド二・オリヴァに言わせた台詞が効いてきます。これはまさに、クリスティのお遊びにつき合ってくれた読者への感謝とエクスキューズをも表しているといえるでしょう。

本作は、ミステリとして読んでしまうと、おそらく期待外れに終わります。クリスティの意図はもともともそこにないからです。その向きを期待される方には、デヴィッド・スーシェが主演したテレビシリーズの同名エピソード「ハロウィーン・パーティ」をお薦めします。こちらは原作のプロットを活かしながら、サブエピソードや脇役のキャラクターを整理して、ミステリとして物語を再構成しています。これはこれで主旨が明確な、優れた脚色であると思います。アップルボビング(リンゴ食い競争)やスナップドラゴンなど、冒頭を彩るパーティゲームが映像化されているのも楽しいところです。

キャリアの晩期を迎え、歳も80歳に届こうとしていたクリスティが、昔ながらのおとぎ話とミステリを渾然一体とさせて生み出した、実験的な作品。それは混沌としていて、ときに不条理さすら感じさせますが、随所に一瞬のきらめきを放ちます。その評価はなかなか難しいかもしれませんが、ミステリとしてではなく、幻想小説として読めば、美しくも愚かで、そしてはかない夢の世界を垣間見ることができるでしょう。その、ちょっと不思議な世界にこそ、本作の、唯一無二といっていい個性があるのです。

【補足データ】
初版:1969[昭和44]年11月
初版刊行時点でのクリスティの満年齢:79歳
長編として:全66作(Mary Westmacott名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の60作目
ポアロ物の長編として:全33作中の31作目
ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))Amazon書評・レビュー:ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))より
4150700265
No.1:
(3pt)

昔読んだ印象と少し違う

かなり以前(ん十年前)に読んだことがあり、その時は大したことはないと思ったが、今回、ハロウィーンの時期に合わせて再読してみた。内容はほとんど忘れていたが、昔読んだ時ほどにはひどい作品とは思わなかった。少なくとも、ストーリーはまずまずだと思う。

13歳の少女ジョイスが、前に殺人を目撃したことがあると話したために殺されてしまう。このバリエーションから、まず「死者のあやまち」が頭に浮かび、途中ではジョイスがウソつきで誰も殺人の話を信じていないことから「葬儀を終えて」が頭をよぎった。

最終的にポアロが導き出した真相は、「水」に関する推理はなかなか関心させられたが、一方でなぜ犯人にたどり着いたかといえば条件にぴったりと合うというだけで推理も何もあったものではない。昔読んだ時、たぶんこのことが気に入らなかった原因だと思う。
ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))Amazon書評・レビュー:ハロウィーン・パーティ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-26))より
4150700265

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