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白昼の悪魔
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白昼の悪魔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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クリスティの最高傑作『白昼の悪魔』の3番目の日本訳 クリスティの最高傑作が何かは、当然読者によって、ファン、マニアによって違うだろうが、読む前に結末・トリック等を知っていて読んだか、知らずに読んだかで大きく左右されると思う。それで、私は、知っていて読んだ『アクロイド』『ABC』は今でも最高傑作に入れたくない。 『オリエント急行』は真相がわかったとたん、世界がひっくり返るような衝撃を受けた、『白昼の悪魔』はポワロの言葉に背筋が凍り付いた、一方、例外的に『そして誰も』は真相をかなり知っていたが感動した。それで、私にとっては『オリエント』『白昼の悪魔』『そして誰も』がクリスティの最高傑作である。 それで、本書は『白昼の悪魔』の新訳であり、3番目の日本語訳である。本書の解説にもあるように、初訳は1951年の堀田善衞訳(世界傑作探偵小説シリーズのちにポケミス)、2番目が1976年の鳴海四郎訳(ハヤカワノベルスのちに文庫)である。 ポケミスの堀田善衞訳は直訳調やや古風な訳で、鳴海訳ノベルス本(かなり売れたと記憶している)が出たときは、鳴海訳が新鮮な訳文感がしたものだが、いまポケミス本を読み返すと、この直訳調やや古風の堀田訳がとても愛おしい。 ノベルス本のあとがきには、「今年に入ってついに作者クリスティ女史の訃報が伝えられました」と書かれている。つまり、クリスティ生前からの日本のクリスティファンは皆、堀田訳で『白昼の悪魔』を読んできたはずである。またEVIL UNDER THE SUNに『白昼の悪魔』という素敵な題を付けたのも功績である。(題は編集部が付けたのかもしれないが)。 それで、本書は、49年ぶりの新訳とのことである。堀田訳に比べると砕けた感じであった鳴海訳をさらに砕き(原文から離れてはいない)、ちょっと古くなった語を現代感のある訳語に変えていて、読みやすい。 たとえがエミリー・ブルースターは原文では、a woman who could always rise to an emergencyであるが、堀田訳では「いつも急場に強い女」になっている。これを鳴海訳では「いざというときにいつでも対応できる能力をもった女性」とし、本書では「優れた危機対応能力の持ち主」と訳している。 最近話題の女性言葉訳語も興味深いが、たとえば、元女優アリーナの会話一人称は堀田訳では「わたし」であったのだが、鳴海役は「あたし」にしてしまった。それを本書では「わたし」に戻している。 語尾については、本書も「わ」などの典型的女性会話語尾(一般読者が女性らしいと思っているが、現実の日本女性はほとんど使わないらしい会話語尾)を取り除くのは無理だったようである。 | ||||
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読み終えて改めて話を振り返ってみると、冒頭、海水浴場の登場人物たちの会話に、さりげなく、事件の肝(きも)となるヒントが仕込まれているところが見事だと思いました。 もう一つ、作品の切れ味の鋭さを感じた大きな要因として、犯人のトリックの素晴らしさを挙げたいですね。無駄のない、天晴れと言うしかないトリックで、ポアロの謎解きに、しばらく呆然としてしまいました。 訳文でとても違和感を覚えたのは、登場人物が相手に向かって〝あんた〟と言うところです。殊に、女性の登場人物が〝あんた〟という言葉を使うのは、はすっぱで品のない印象を受けて、いちいち引っかかりました。 鳴海四郎訳の初出は1976年(昭和51年)とかなり古いですし、そろそろ新訳で読んでみたいところです。 | ||||
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美しく平和な避暑地スマグラーズ島の静寂は、突如破られた。島に滞在中の美しき元女優が、何者かに殺害されたのだ。犯人が滞在客のなかにいることは間違いない。だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイが、、 ポアロの思考法が冴え渡る一冊。 江戸川乱歩がクリスティーベストに入れたという作品だけあって、簡単に見える事柄が蓋を開けてみると数々の証拠が折り重なった群像劇に。。 | ||||
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2023/12/13時点、新しい翻訳スリラーの中読みたいものが見当たらなかったこともあり、数十年ぶりに「白昼の悪魔」を再読しました。思い出しましたが、前回は「地中海殺人事件」が公開された時期(1982年)、その原作本としてハード・カバーが出版されたのではなかったでしょうか?私はそれを読んだような気がします。その頃は今よりもっとミステリを読み漁っていました。(他にやるべきことが山ほどあったにも関わらず(笑)) 今更レビューなどおこがましいですが、地中海ではない英国の避暑地「スマグラーズ島」の浜辺で元女優のアリーナ・マーシャルが殺害されます。そこにあるジョリー・ロジャー・ホテルに偶々滞在していたエルキュール・ポアロ。事件が起きる前ポアロの前に様々な登場人物たちが現れ、多くの手がかりを残していきます。そして、事件の後その登場人物たちにはそれなりに完璧なアリバイがあることが証明され、捜査は難航します。犯人は一体誰なのか? クラシックですので特に私が語るべきことはありませんが、真相の中に愛のミス・ディレクションが仕掛けられていて感嘆しました。また、そのタイトルの奥深さに込められたクリスティーの思いにも。 人は見かけ通りではない。悪が白昼の光に晒された時、異なる色彩を見せ、事件もまた異なる様相を見せながらくるりと反転します。見事なものだと思います。繰り返し小津安二郎を鑑賞するようにこれからもまた<アガサ・クリスティー>を再読することにしましょう。それは大切な学びです。 ケネス・ブラナーに再映画化してほしいですね。特にピクシー湾の洞窟シーンを。 □「白昼の悪魔 "Evil under the Sun"」(アガサ・クリスティー 早川書房) 2023/12/15。 | ||||
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頭の中で、リゾート地での風景や会話、事件の状況が再生出来るような、読みやすさがあった。一日で充分読み切れる、簡潔な文章はさすが、アガサ・クリスティ。結末にハッと目が覚める思い。クリスティーありがとう、と脳内の知的興奮が止まらない。 | ||||
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アガサクリスティーだけは分からん! あー悔しい。 | ||||
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物語が始まりまもなく、ポアロに「あれはただのーーー肉体ですな」と言わせ、冗長とも思える一見退屈な場面が描かれるが、クリスティのカラクリは既に始まっている。 このあと起こる犯罪には大きくないリゾート環境が必要なため、場所の設定に派手さはない。それはある犯罪を完成させ、それを劇的に暴くプロットのためで、地味な設定そのものがクリスティの仕掛けなのだ。 原題はEvil Under the Sun。島のホテルの出来事であるなら、「白昼」ではなく、もっと太陽の光を感じる言葉を選んで欲しい気もする。 | ||||
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ドラマを観てストーリーがおもしろかったので原作も読んでみました。他の人も指摘していますが、やはりところどころセリフの言い回しがしっくりこないです。昭和の日本の小説のようで、デビッド・スーシェ版のドラマに馴染んでいる人は違和感を感じるでしょう。これって最初の出版は何年頃なんでしょうか。クリスティ文庫では他にも翻訳の古臭さを感じる作品がありますが、この作品は特にそう感じました。ストーリーや謎解き部分はおもしろいので、新訳を期待します。 | ||||
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内容は面白いし、リゾートホテルが舞台。想像していても楽しい。アメリカ人の夫婦がかなり個性的だし、登場人物の人間関係も興味深い。ただ文章の中の“まア”などアがカタカナの記載が気になる。どうしてアだけカタカナ? | ||||
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面白かったですよ。 | ||||
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最後に急展開して「えっ?」「えええっ?」となるのがおもしろい。 けど、それはハッピーエンドかなあ、と現代ではおもってしまうかも。 | ||||
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ここのレビューに、訳が酷いというものが幾つかありました。だから躊躇していましたが、読んでみたら全然いつものポアロと遜色なく読めました。どうなのだろう、、私が鈍いのか?ポアロの世界観を壊している感じもありません。相変わらず楽しいです。 | ||||
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アガサ・クリスティの本でそこまで有名ではないですが非常に内容が濃く面白い本です。 | ||||
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アガサ・クリスティーの小説(文庫)の表紙がまだ真鍋博のイラストだったころ、僕は『白昼の悪魔』を読んだ。これを原作にした1982年製作の映画『地中海殺人事件』も何度も観ているし、近年ではデヴィッド・スーシェ主演のドラマ版も観ている。そこで原点回帰、オリジナルは一体どんな話だったろう? と本書を手に取った。若竹七海の解説を立ち読みして、かなり煽られてしまった感はあるけれど。 しかし、文字組みが大きくなって、版型も気持ち立派になったハヤカワ文庫は、実に読みやすいなあ。昔は字も小さければ、印刷技術もイマイチで、よくあんな文庫を読んでいたな、などと思いながらスラスラと読み終えてしまった。しかし感想を書こうと思うと、意外なほど書きたいことが見当たらない。もちろん、面白く読むには読んだ。アリバイトリックはよく考えてあるな、とあらためて思ったが、犯人の動機がいかにも弱い、ということを感じた。思えば映画化作品では、それを補うためにオリジナルの動機が付け加えられていたことを思い出した。 なお、本書は新訳ではなく、鳴海四郎氏の旧訳がそのまま使われている。そもそもハードカバーとしての発刊が76年だから、すでに40年前の訳である。今でこそポアロといえばスーシェの演技と、わが国では熊倉一雄氏の声がセットでおなじみだが、当時はポアロといえば74年製作の映画『オリエント急行殺人事件』のアルバート・フィニーであった。だから、「きみ…」とか「~したまえ」といった本書のセリフ回しは、訳出にあたって多大にフィニーの芝居の影響を受けていると思われる。その吹き替えが田中明夫氏によって演じられ、テレビ放映されたのはもう少し後のことだが、そのイメージと本書のポアロ像はピタリと重なる。 | ||||
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アリーナ・スチュワートは美人で魅力的な女性だ。そして殺される。 犯人の動機が弱い。いままでの事件なら財産ねらいか、復讐だ。 事件解明までのポワロの思考がたどりにくい。 | ||||
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避暑地の島で起こる殺人事件。しかし動機のある容疑者全員にはアリバイがある。冒頭のポワロがリゾート地の浜辺を見て嘆くシーンが実は事件の伏線になるというクリスティー得意の技巧があちこちで見られます。どの台詞も意味があるように思えてきますし、実際そうなのです。 | ||||
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日本語らしい日本語で書かれており、カタカナの多用で少し古い感じがしてしまうが(あア、とか)全体的にはこなれた日本語で、訳者の文章自体はうまいと思う。しかし、言葉のチョイスを間違えているというか、日本の刑事みたいになってしまって英国らしい格調高さは感じられないのが惜しい。これで読むのがいやになる人もいるのでは? この話は非常にうまくできていて面白いと思うのだが どう考えても、やはり」「動機」がまったく意味不明と思ってしまった。 結局、「得をするのは誰か?」というところから推理していくと、被害者を殺す理由がよくわからないのだ。 快楽殺人犯というならともかくそんなんでもないし、被害者は加害者を殺されるまで信じていたのだろうから、 なおさらだ。それとも私が読みきれてなかっただけ? 誰か、動機をわかりやすく教えてください。 あと、このトリックだが、現実にやろうとしても絶対うまくいかないだろうなあ。 たぶん現代で書くとすれば、「犯人は誰か」よりも「どうやってしくじったか」というミステリーになりそう。 それはそれで読んでみたい。 | ||||
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エルキュール・ポアロ作品の22作目の本書。 ポアロは、クリスティ作品中の探偵像の中でも最も強烈な 個性を放っている。 イギリス南西部の避暑地、ジョリー・ロジャー・ホテルで 起こる男女の恋のもつれ、そして発生する殺人事件。 陸地からは隔絶された地で、准密室のような設定だからこそ クリスティらしいトリックと謎解きの冴えがひかる。 一人ひとりの証言に隠された、真実に導く手がかりを解き明かす 展開は、見事としか言いようがない。 | ||||
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この作品、犯人やトリックは女史の某有名作品に似ている。ゆえに二番煎じという言い方もできると思う。 ただ、この作品の一番のテーマは何だったのか?それを考えるとそのことについて議論するのはあまり意味がないようにさえ思えてしまう。 殺人事件が起こったのはあくまで”結果”であり、なぜそのような結果になったのかがわからなければ事件を解決することはできない。 そして、そのためには被害者がどういう人物だったのかを知らなければならない。「この地上のいたるところに悪は存在する」と言う言葉、タイトルの「白昼の悪魔」が本当は何を意味していたのか。 それを考えると、「アリーナ・マーシャルは本当はどういう人物だったのか?」それがクリスティ女史が一番書きたかったことなのではないかと考えるのが自然な気がする。 だから「あの作品とトリックも犯人もほとんど同じ」といったことを議論するのは無意味にさえ思える。 同じように被害者の人物像をテーマの中心にしていたものに「メソポタミヤの殺人」などがあるが、それぞれ被害者の人物像から導き出される結論が違うので使い回しといった印象は受けない。 | ||||
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犯人形式が珍しい作品です。ただし、この犯人の指定の仕方は賛否両論ものです。なので気の短い人が読んだらブチ切れ必至だと思います。それと非常に犯人が鬼畜なのが印象的でもあります。とにかくポアロにはむかってくる犯人です。ポアロに向かってくるのも珍しいものです。ちなみにトリックは実は単純。だけれども思いつかないトリックです。そう、まさかという先入観を抱いてしまいますからね。ちなみにこの作品は1箇所のみ読者を引っ掛けるトラップがありますので引っかからぬよう。 | ||||
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