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カラマーゾフの妹
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カラマーゾフの妹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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元ネタ作品を読んだ人と読んでない人では印象がかなり(良い意味でも悪い意味でも)変わるように思いますが、読んでないものの立場でもの申しますと、はっきり言って読むのが苦痛でした。 とにかく何を書こうとしているのかよくわからない。 この作品において、妹の存在がどれだけ重要な意味合いなのかも正直はっきりとは理解できていません。 その辺読んでいる人できちんと状況を理解しながら読み進められる人にはまだわかるのかもしれませんが、 私のように元ネタにも当たらず適当に流して読むタイプには全く合いませんでした。 乱歩賞の審査員で適当に流して読む人はいないでしょうし、5人中4人までがちゃんと元ネタ読んでいた、というのはかなりラッキーだったのではないでしょうか。(読んでない東野圭吾が低い点つけたわけではないようですが・・・) SF作家としては一部ではかなり高く評価されている作者ですが、今後はミステリーにも軸足をおいていくのでしょうか。 今作が初読でしたが、残念ながら今後積極的に手に取ることは無さそうです。 | ||||
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2007年、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』を一読してあったものだから、このさくひんを紹介した宣伝文句はなんとも魅力的なものだった。 そして、夏目漱石の文体を卓抜に模写したミステリーロマンの傑作。あの名作の後日談を奇想天外に描いた奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』を読んだ時の驚きを期待していた。 ………………ところが。 ドストエフスキーが未完に終えた小説の続編を書こうとする著者の冒険的精神はわからないでもないが、これは冒険というより暴走だと思う。 どうやら著者はなにがなんでも「アッと驚く真犯人」を作りたかったのだろう。 ひとつだけ例を挙げる。登場人物たちだが、「エッ!あの人が?まさかこの人が?」と驚くことになるのだが、ドストエフスキーが描いた深い思索の人々の性格を、著者が謎解きを複雑にするために、都合の良い新たな人格に創作しなおしたことだ。この結果、原典との一貫性がまったく感じられなくなっている。しかも極端な異常人格の狂人に変えている。多重人格者、狂的ヒステリー、幼児性愛者、快楽殺人者、ニンフォマニア、世界征服を目指すナルシスト、人の運命をもてあそぶマインドコントローラー。いわゆるサイコホラーに登場する犯罪者に酷似させています。 これであればいかようにでも、緻密に辻褄をあわせて、真犯人を仕立てることができるというもの。 ドストエフスキーの作品は一度読んだだけでは消化しきれないものです。『カラマーゾフの兄弟』では「イワンの創作詩・大審問官」「アレクセイの記述・ゾシマの伝記」「第二部の構想につながる物語・少年たち」の印象が強烈だっただけに、推理小説風に読む余裕などなかったから、仮にこれから原典を「父殺しの真犯人は?」に絞って読み返すとなればあるいは役に立つかもしれない。 タイトルでギョッとさせている「カラマーゾフの妹」を取り上げても、彼女の存在が事件を成立させる要因になるのかしらと基本的な疑問を感じる。 ドストエフスキーは書き上げた『カラマーゾフの兄弟』のあとに、アレクセイを主人公にした第二部で、皇帝暗殺事件を描くつもりだった。この作品はこれを踏まえて書かれている。 ただ人工衛星に犬を乗せ、ロケットを地球周回軌道に打ち上げるテロリストの親玉にわたしは唖然とした。ここは若い読者向けのつもりか、劇画タッチだった。 ドストエフスキーも苦笑しているのではないか。 | ||||
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カラマーゾフの兄弟のファンとして(私は小林秀雄の批評からドストエフスキーにはいった口ですが)、このタイトルだけで衝動買いしてしまいました。 まずもって作者の勇気(ドストエフスキーファン誰もが、心のなかで書かれなかった続編の内容を思い描いていながらも、恐れ多くて外に出せないなかで、堂々とカラマーゾフのタイトルを付けて出版したこと)に★4つです。 当然のことながら、読後、自分のイメージしていたものとのGAPに唖然としました。 しかし、それは全く問題ありません。それぞれにイメージしているストーリー展開が異なるからこそおもしろく読めると思いますので。妹の出現の必然性のなさなどの批判もありますが、真犯人の意外性も含めてストーリー展開も面白かったと思います。 そこまでは、★5つでもよいと思います。 ただ、私のなかで、この作品の評価を大きく下げたのはアリョーシャの書かれ方です。 彼は、カラマーゾフの兄弟で出てきた人物とは全く別人のような書かれ方です。イワンも別人なのですが、それはなんとなく私は許せます。 ひとことで言って気品がなくなり卑屈さが感じられるのです。 この作品のようなアリョーシャが、自然に皆から尊敬を集める、誰からも自然に好まれる人物であるはずがありません。 「小説なんてそんなもんだ」と言ってしまえばそれまでだし、これがアリョ−シャでなく「アラーシャ」でも「オリョーサン」でもいいので全く別人がでてきての展開としてくれれば、そういうものだとして楽しめ★5つのままだったのですが、こんなアリョーシャを書いたことで★3つを消させていただきました。 | ||||
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今年度江戸川乱歩賞受賞作「カラマーゾフの妹」を、お盆期間中に読みました。はっきり言って面白くないし物語としての整合性にも疑問符が付く場面が多いです。あまり詳しくは書きませんが、例えば妹を登場させたことで、ある人間の人格形成に影響を及ぼしたのだと感じますがインパクトが弱い。妹の存在意義が薄い。元々のタイトルが「カラマーゾフの兄妹」だったのことですが、こちらの方が内容とマッチしています。変更を促した方のセンスを疑います。また、同じ人物を時には愛称で呼んだりして分りつらい。そのタイミングで愛称で呼ぶ意味が分らない。困惑するだけだと感じました。そもそも、130年前にドストエフスキーが書いた作品の続編を勝手に書いていいものなんでしょうか?このことで『カラマーゾフの兄弟』も違った解釈になってくる部分と、あとは各々の読者の中で物語を作って下さい的な部分が、結論づけられたりといろいろ影響が出てくると思います。 その辺が、この作品の内容よりミステリアスです。 | ||||
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水をさすようですが、すでにプロの作家さんが、このようなオリジナルでない、オマージュ的作品で乱歩賞に応募すること事態、良識に欠ける行為だと思います。確かに文も上手で、構成力も優れた作品で推理も良いが、どうしても模造的な作品に思えてしまう点.書ける方だけに残念でなりません。 | ||||
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乱歩賞の発表があった時から発売を楽しみにしていた。何より着想が素晴らしい。「カラマーゾフ」の続編をミステリで書くとは、誰にでもできることではない。しかし読んでみてがっかりであった。全くの着想倒れに終わっている。これでは泉下のドストエフスキーも泣くだろう。 一言でいえば、本編にあった思想性(といってよければ)が、あとかたもなく消えている。アリョーシャが13年後にどうしてこういう魅力のない人間になっているだろうか。大審問官について物語ったイワンはどこにいったのだろうか。第一部との落差が大きすぎる。続編というなら、引き継いでいる部分がなければどうしようもない。 さらにミステリの部分が弱い。せめてここを面白くして読者を納得させる手もあるだろうが、これではファンは納得しまい。物語が平板で、退屈だ。ついでに言えば、このタイトルの「妹」なのだが、呆れてしまう内容だ。 考えてみれば、この作者にはそういうことを求めるのは無理なのではなかったか。それなら、最初から書かなければいいのだ。 この設定で、例えば笠井潔などが書けばもっと続編らしくなったろうに。「哲学者の密室」の作者こそがこのカラマーゾフの世界を理解し、深化させることができたように思う。 | ||||
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着想が興味深く、新聞広告を見てすぐに購入しました。ドストエフスキー好きとしては、捨て置けません。 しかし、残念ながら、原典の世界観や雰囲気とは縁遠い仕上がりで、そもそも入り口で誤解していたな、というのが読後の第一印象です。 日頃、ミステリー本と親しくしていない者が本作を評価してはいけない、と思いますが、期待してしまった分、ガッカリ度が大きく、高評価を出せません。部外者が、勝手に思い込んで、裏切られた、なんて言うな、という誹りは真正面からお承けします。文学的香気がなさ過ぎます。せめて引用は、亀山新訳ではなく、小沼訳か米山訳にしてほしかった。コーリャの設定なんかは、まったくついていけませんでした。☆は、着想分、ということで。 | ||||
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