マルドゥック・スクランブル

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

マルドゥック・スクランブルの評価:

4.31/5点 レビュー 115件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.31pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全120件 1〜20 1/6ページ
No.120
(5pt)

文句無しに大傑作。

完全版第3巻。

カジノでのブラックジャック(対マーロウ)から、対アシュレイ。そして、ラストまで。

2003年の最初の版。改訂新版。そしてこの完全版。これまで3度読んでいる。最初の時は、その圧倒的な存在感にただ凄いという感想しかなく、2度目には懐かしさと同時に、最初の時よりももう少し深い所まで覗き込めたような気がした。そして、今回の3度目、やはり、その凄さを感じた。当然それぞれの番で大幅な修正がなされているとはいえ、ストーリー自体は当初のものと変わっているわけではない。したがって、初めて読んだ時と同じ種類の衝撃を受けることはもうない。しかし、それでいてなお、読んでいて引き込まれてしまう。また、ある程度流れがわかっていることで、これまであまり見えていなかった部分が見えてきたのか、それとも文章が直されたため気付けたのか、バロットの変化の様子が非常によく見えた気がした。それは色々な人物との会話であり、或いは対決であり、そこから何かを得、変化もしくは成長していく過程が、その様子が強く感じられた。

まだこの作品を知らない人、読んだことがない人が羨ましい。願わくは、この作品に関する記憶を消去して、もう一度体験したい。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.119
(1pt)

中身は全く関係ない洋書になってしまってます。

小説は大好きですが、Amazon社の対応に問題ありと思います。14年前に購入して何度目かの再読しようとしたら、中身が「Tales of the Patriarchs By Jim Shankman」という洋書になってます。
サポートに連絡したら、返品キャンセル処理で再購入となりましたが、それでも解決せず。
Amazon社で長期的な対応とし、メールで連絡と言われましたが、1週間過ぎました。
現在購入しても読めない状況を分かっていて、つまり不良品と分かっていて販売し続けているのはいかがなもんでしょうね。
すぐ解決できないんなら、販売を一時停止するとかするべきじゃないですかね?
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.118
(5pt)

こうして三度読んでみると、洗練されていて無駄がないことがわかる

完全版第2巻。

隠れ家屋上でのボイルドとのバトルから、楽園、カジノでのルーレット(対ベル・ウィング)、ブラックジャック(対マーロウ)まで。

2003年の最初の版。改訂新版。そしてこの完全版。これまで3度読んでいる。最初の時は、その圧倒的な存在感にただ凄いという感想しかなく、2度目には懐かしさと同時に、最初の時よりももう少し深い所まで覗き込めたような気がした。そして、今回の3度目、やはり、その凄さを感じた。当然それぞれの番で大幅な修正がなされているとはいえ、ストーリー自体は当初のものと変わっているわけではない。したがって、初めて読んだ時と同じ種類の衝撃を受けることはもうない。しかし、それでいてなお、読んでいて引き込まれてしまう。また、ある程度流れがわかっていることで、これまであまり見えていなかった部分が見えてきたのか、それとも文章が直されたため気付けたのか、バロットの変化の様子が非常によく見えた気がした。それは色々な人物との会話であり、或いは対決であり、そこから何かを得、変化もしくは成長していく過程が、その様子が強く感じられた。

まだこの作品を知らない人、読んだことがない人が羨ましい。願わくは、この作品に関する記憶を消去して、もう一度体験したい。
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310157
No.117
(3pt)

サイバーパンク?いいえ、カジノロワイヤルです

体を一部機械化された少女の再生の物語。序盤を読んでイメージしたのはコミック「銃夢」のような荒廃したSF社会とそれに翻弄される少女でした。後半は一転してひたすらカジノです。カジノのゲームを通して少女の成長と社会と向き合うスタンスが描かれるのですが、突然すぎる展開にやや戸惑いました。たしかに文章の力はすばらしく、ぐいぐいと引き込んで行く力があります。しかし、事件の背景や司法システム等に釈然としないところも多く、読後ももやっとしたところが残ってしまったのが残念でした。
マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉 Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉より
4152091533
No.116
(5pt)

カジノが熱い

文句なく面白かったです。('-,_ω-`)プッ

前半は首から下が無い頭だけのキャラクターが何やら説明文みたいなセリフを言いまくるんですが、これは人によって楽しめるか楽しめないか変わってくるんじゃないですかね。ちなみに自分は楽しめませんでした。(^Д^)ギャハ!

しかもこのキャラクター、鳥かごに入れられて少年に運ばれてきたりします。('-,_ω-`)プッ

今回は後半が特に熱いですね。

カジノに行って色々とゲームをやるんですが、ゲーム最中の緊迫感とかバロットとウフコックのコンビプレイの模様だとかを非常にうまく書き上げていると思います。

ポーカーとかブラックジャックなどのゲーム模様が綴られているんですが、ルールをよく知らない人でも楽しめるんじゃないかと思います。('-,_ω-`)プッ

やはり今回もバロットとウフコックの"絆"を感じる会話が良いですね。非常に心地よくなります。

前半は個人的にちょっとだるかったのですが、終わりよければすべて良しと言う事で☆五つ。('-,_ω-`)プッ
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.115
(4pt)

第1作ほどではないが

マルドゥック・スクランブルシリーズの第2弾。後半は何故かカジノに潜入ということで、ギャンブルの話に。面白いんだけど、なんか必然性が感じられないな。
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.114
(5pt)

物語の核心を突く二巻

この作品は「人間の価値」をそれぞれの登場人物が追い求める作品だと言えます。

前半部の「楽園」でのボイルドとフェイスマンの会話。そこでこのメインテーマにずばり触れています。

後半部から次巻に跨って書かれているカジノシーンは誰もが言うように圧巻です。

実際はカジノに行ったことはありませんが、臨場感、緊張感、どれもが眼前に浮かびます。

銃での戦闘をカジノシーンに替えたことでハードボイルドな生命《命》のやり取りを望んでいた人は肩透かしを食わされたと思うかもしれませんが、

カジノシーンでも、いやカジノシーンでしか味わえないエキサイティングな生命《チップ》のやり取りを体感できると思います。
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.113
(5pt)

息詰まるギャンブルシーン

ヒートアップは止まらないか、と思ったんだが簡単に止まってしまう。いい意味か悪い意味かは読者によって違うのだろうが一旦展開は変わる。元の展開であることには変わりないのだろうがそれを忘れてしまうので違うストーリーの中に入ったか?とも思うんだが。
 ボイルドを振り払って我に返ったバロット。彼女自身が自分の能力に気付かないまま流されていたことに気付く。ウフコックが彼女から離れる。トゥイードルディという完全な個体に彼女は出会い、再び自分の意思を遂行するための戦いに。
 なんだろうな、キャラクターは生きてこないとライトノベルじゃないんだろう。展開が変わらないから読みやすいと思ったしトゥイードルディはウフコックやドクターがいるから必要だろう。トゥイードルディと出会うことによりバロットはまた少しずつ変わる。元はと言えば、バロットの再生と復讐。ストーリーの一貫性というのは優れているんじゃないかな。
 もう一つ言えば世界観が上手に絡んでくる。シェルやボイルドの存在も、汚く憎く醜く。だからこそバロットにも必要以上に感情移入が出来た。構造上、対立しているだけに。そして決して正義対悪というものではないだけに。多分それならば楽しめないだろうから。
 Secondの後半はギャンブルシーン。ここはThirdまで続くことになり展開が楽しみだ。手に汗握る展開というよりもウフコックとのコンビネーションとバロットの性格が非常に楽しめた。ドクターがやや影の薄い存在になりそうなんだが、マルドゥック・スクランブル09を実行しただけでなくここでもやや響いてくるだけに。ドクターの性格上このようなキャラでいいのかな、とも思ったが。
 もう一つはカジノにおいての人間関係か。藤原伊織の『ひまわりの祝祭』でもカジノシーンがあるが長さがこちらの方が圧倒的に多い。世界観と人間のマッチ、これも思ったんだが本当によく合ってる。全然違和感がない。15歳の少女が主人公だとしても変わらない。それも魅力。
 過大評価はしていないが楽しめたSecond。Firstで面白いと思ったら残りの2冊は買っておいた方がいい。ミステリーではなくあくまでもSFだが。2004年版このミス16位はダテじゃない。
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.112
(5pt)

謎が徐々に明らかに!そして、最後の戦いに挑みます。

3巻シリーズの2巻目。
2巻は、1巻とうってかわって、「静」になります。
ネズミ型ロボットと殺し屋の誕生の秘密、その因縁、などの謎が、徐々に明かされていきます。
少女とネズミ型ロボットの関係、少女の考え方の変化・・静の中でも、盛り上がって行きます。
そして、敵の本拠地の「カジノ」に乗り込み、いろいろなギャンブルで勝負。
少女とネズミ型ロボットの特殊能力の発揮、少女の新しい能力の覚醒か?次々現れる、凄腕ディーラー達との対決。
おー最後の決戦は、「ブラックジャックか!」という気になるシーンで終わります。
3巻も一緒に買っておいた方が、良いかと思います。
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.111
(5pt)

SFってまさにこの感覚!

~ハードボイルド。これは現代日本の状況におけるハードボイルドだ。圧倒的な科学技術と物理法則と数学規則によって縛られた世界で、ひとすじの人間性を貫く勇気を示している。娼婦、事件屋、殺し屋、賭博師の卑しい姿をした孤高の騎士たちがここにいる。自らの存在理由を戦い取ろうとする少女のりりしさと、自分の生命を削りながら有用性という欺瞞で自らの存~~在理由を証明しようとする男のけなげさが、心を打つ。一握りの知識で全世界に戦いをいどみ、世界に変革を求める物語。これこそがSFだ。この物語は絶対面白い。~
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307261
No.110
(2pt)

SFではない1巻

SFとは、ある科学技術が実現された際、それが社会にどのような影響を与えるか(どのような社会になるか)をシミュレートすることを、大きな構成要素とする文学です。少なくとも、故アイザックアシモフ氏はそのように考え、毎作、自分なりの当てはめを表現していたように思います。
さて本作ですが、谷甲州氏の「エリコ」(上・下)でもそうであったように、主人公「だけが」手に入れられた科学技術の希少性・貴重性と、主人公の社会的属性・特殊性がまるで釣り合っていません。
逆に言えば、この程度の特異性(事件に巻き込まれた)しか持たない主人公にも与えられる禁断の科学技術など考えられず、これら技術はもっと社会全般に浸透していないはずは無い、ということになります。
作者自身が後書きで認めているように、この物語は、少女とネズミを想起することから組み立てられ、その前後に誕生と結末を足し合わせたものと思われますが、私には、この第1巻が物語る誕生秘話は、あまり説得力を持つものではありませんでした。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.109
(5pt)

面白い!!

冲方丁氏の『マルドゥック・スクランブル』の第一巻です。
少女娼婦であるルーン=バロットは、賭博師であるシェル=セプティノスに囲われている身ですが、ある日バロットは自分の偽造身分を知ろうとしてシェルに殺されそうになります。
瀕死の重傷を負ったバロットは、その後のパートナーとなるウフコックやドクターに助けられますが、生命保持のため "マルドゥック - 09" という緊急法令によって禁忌とされる科学技術を利用した体に改造され、その特殊能力を如何なく発揮します。
誰も自分を愛してくれなかったという傷を負った彼女は、ウフコックやドクターと共にシェルを法的に裁くために動きますが、逆に命を狙われるはめになります。
本書の面白さは、新しい能力を手に入れたバロットの活躍と、ウフコックという特殊な相棒との心の触れあい、シェル側の人間(?)であるボイルドとの対決など息をつかせぬアクションにあります。
『ピルグリム・イェーガー』の原作でもそうでしたが、冲方丁氏の緻密なストーリー仕立ては、決して読者を失望させることはないでしょう。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.108
(3pt)

【物語の既視感】

カジノシーンは多くの方が指摘されている通りに興奮します。以下に並んだ書評を読んで本書(三部作)を手にとった者からすれば期待通りのパフォーマンスでした。偉そうですが。
 
「物語の既視感」とはよく言ったもので、著名な批評家がその当時の売れっ子作家を指して評した用語です。「物語の既視感」とは「過去にいつかどこかで見たことのある話だ」という意味です。当時も今も変わらぬ売れっ子作家へと向けられたこの評価は、現在の文学(?)とりわけ、数多くのライトノベルについても当てはまるように思います。
 
戦闘系美少女の代名詞である「綾波レイ」を主人公に見立て「SPAWN」の世界観を拝借した作品。『マルドゥック・スクランブル』三部作に対する私の中での「物語の既視感」は概ねこのようなものです。
 
作者と年齢が近いからでしょうか。小説に完全なるオリジナル性を求めることが酷であることは承知しております。しかし、作品上の「物語出自」を見過ごすには、少々それらは露骨過ぎました。
「たしかどこで見たり、聞いたり、読んだりしたことのある」作品、この「Well made」な物語性こそ、安定した「マルドゥック〜」の人気を支えているのかもしれません。「良質な職業作家」の誕生は、いつの時代も歓迎されるものですから。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.107
(4pt)

最終兵器な美少女がサイバーパンクに暴れるハードボイルド・アクション

巨大企業オクトーバー社が支配する退廃的な港湾型重工業都市、マルドゥック・シティ。15歳の娼婦バロットは賭博師シェルの愛人となり、何不自由ない生活を送っていた。しかし、それはシェルによって巧妙に仕組まれた罠であった。バロットは知らず知らずのうちにシェルの犯罪に加担させられており、そして口封じのために消されようとしていたのだ!

「雛料理(バロット)」という名前通り、エアカーという殻の中で焼き殺される寸前だったバロットを間一髪で救ったのは、委任事件担当官(事件屋)のドクターとウフコックだった。

ドクターは緊急法令「マルドゥック・スクランブル-09」に基づき、宇宙戦争用の禁忌の科学技術によってバロットを治療する。全身をサイボーグ化された彼女は、周辺の電子機器を自由に操作する高度な電子干渉能力を得た。高度な知性を持ちあらゆる兵器に“変身”できるネズミのウフコックと共に、バロットはシェルとその背後にいるオクトーバー社の犯罪を暴こうとする。

だが2人(1人と1匹)の前に、シェルに雇われた凄腕の委任事件担当官ボイルドが立ちはだかる。彼はかつてウフコックを“濫用”した優秀な元軍人で、最強の武器であるウフコックに依然として執着していた・・・・・・!

ゼロ年代日本SFの代表作の1つとされる本作だが、サイバーパンクな道具立てを除けば、未来社会の描写は案外少なく、マネーロンダリングやドラッグ、性的虐待、児童買春など現代に直結するテーマが多い。リアルな近未来世界を独自に構築しているというより、現代社会のグロテスクな裏側をSFというコードによって未来的な通俗へと“反転変身(ターンオーバー)”させた、という印象が強い。その意味でSF作品として成功しているかどうかは疑問も残るが、ハードボイルド小説として読むとなかなか斬新である。

本作の仮借ない暴力表現、性表現は正統的なSF作品のそれとは一線を画しており、翻訳調の文体と相俟って、ハードボイルド的な雰囲気を濃厚に漂わせている。何しろ敵役の名前が「ボイルド」という、そのまんまの名前なので、作者がハードボイルドの文法を意図的に採用していることは明らかであろう。

作者が後書きで記しているように、本作からは映画『レオン/完全版』の影響を強く感じる。不当に虐げられてきた薄幸の美少女と、彼女を守るために全力を尽くす殺人マシーンとの不器用な交流、という設定は『レオン』そのものである。しかしバロットの生い立ちはマチルダ以上に苛酷なため、心の闇はより深い。抑圧され続けた反動としての残虐さは壮絶である。しかも彼女の相棒は金色の毛のネズミ(笑)。美少女とネズミという、およそハードボイルドには似つかわしくないコンビが悪党どもに銃を乱射するというギャップが秀逸。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.106
(2pt)

読みやすい娯楽本

仮想世界の中の特別な存在という豪華な設定と
過去を背負ったキャラクター達の生きるアクションを描いたSF
SF入門者にオススメ。
簡単に読める。登場人物も魅力的。
ただし、重度のSF中毒患者には物足りない。
登場人物に簡単に過去を語らせるのはどうなの?
登場人物のそれぞれの動きに対する動機が軽くないか?
登場人物の所作(癖)、背景を透かす描写が殆どない。
(直接語らせているから必要ない)
よって、総じて薄い。
登場人物への感情移入もなければ、読み終わった後に
殴られたような衝撃はない。
アクションとして、楽しいからSFをこれから読んでみたい、
という人が手軽に取って読めるし、そこそこ面白い作品です。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.105
(5pt)

至高のサイバーパンク

なにも考えず殻に閉じこもっていた、少女バロットの成長物語

 ウフコックといいドクターといいボイルドといい

 魅力的なキャラクターであふれかえっていますね

 敵として立ちはだかるもと相棒のボイルドがかっこいいですね
 彼がいなければ、この物語の魅力は半減したでしょう
 
 力を手に入れ暴走したバロットを圧倒的暴力でたたきつぶし、ウフコックを手にしたものはその力に溺れ拒絶されると言う彼のセリフは
 もと所有者であり、彼の暴力的な、なにものにも止められない強さを語っています

 買うなら三冊同時でないと中途半端な区切りで終わっちゃうよ
 
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.104
(4pt)

思わずページを進めてしまうテンポ

**全巻を通してのレビュー**

サイバーパンクな世界観が好きな人にはオススメ。

展開のテンポがよく、ストーリーに引き込まれていく感覚。
アクション描写も細かすぎず、大雑把過ぎず。

でも、
クライマックス付近の心理戦では、
グッと描写が細かくなり手に汗を握る展開が繰り広げられます。

ネタばれにならないように説明するのが難しいですが、
SFファンなら必読あれ♪
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210
No.103
(5pt)

読み始めたら止まらない。大傑作。

完全版第1巻。

スタートから、隠れ家での畜産業者(バンダースナッチ・カンパニー)、ボイルドとの最初のバトルまで。

2003年の最初の版。改訂新版。そしてこの完全版。これまで3度読んでいる。最初の時は、その圧倒的な存在感にただ凄いという感想しかなく、2度目には懐かしさと同時に、最初の時よりももう少し深い所まで覗き込めたような気がした。そして、今回の3度目、やはり、その凄さを感じた。当然それぞれの番で大幅な修正がなされているとはいえ、ストーリー自体は当初のものと変わっているわけではない。したがって、初めて読んだ時と同じ種類の衝撃を受けることはもうない。しかし、それでいてなお、読んでいて引き込まれてしまう。また、ある程度流れがわかっていることで、これまであまり見えていなかった部分が見えてきたのか、それとも文章が直されたため気付けたのか、バロットの変化の様子が非常によく見えた気がした。それは色々な人物との会話であり、或いは対決であり、そこから何かを得、変化もしくは成長していく過程が、その様子が強く感じられた。

まだこの作品を知らない人、読んだことがない人が羨ましい。願わくは、この作品に関する記憶を消去して、もう一度体験したい。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.102
(4pt)

既読者向けレビュー

世にも珍しい鼠と少女のハードボイルド恋愛SF「マルドゥック・スクランブル」の改訂新版です。

天地明察で一気に一般化(?)した冲方丁ですが、その影響でえげつない描写やらが削られるのかと危惧していましたが杞憂でした。
ヒーハーな解体業者の皆様の描写も健在です。内容の旧版との大まかな違いは、

1.導入の短い一文
2.一部描写の削除(ウェルダンが駐車場に行く途中の描写等)
3.バロットのプールでの経験が後に活きるという描写の追加
4.全体的に前日譚のヴェロシティ等を意識した台詞や回想の追加

あたりでしょうか。旧版を読まれている方は些細な違いが気になってすんなりとは読み難いかもしれません。
そのため、辛口ですが星4つとさせて頂きました。

ただ物語としては抜群に面白く、その辺りは全く損なわれていないので、初めて読む方に星5つでお薦めしたいと思います。
また、前後のつながりが良くなったのでマルドゥック・ヴェロシティを読んでからこの作品を読むのもお薦めです。
マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉 Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉より
4152091533
No.101
(5pt)

戦うということ、生きるということ

主人公ルーン・バロットは、一巻終盤でこういう。『Now Here(ここにいる)』と。

著者が脚本その他を担当した、ロボットアニメ『蒼穹のファフナー』でも同種の描写がある。

冲方 丁にとって、『生きる』ということは存在をアピールすることであり、それ即ち価値観を持つことで、それはいずれ『戦う』ことに発展する。

『戦う』のは何も力をぶつけ合う事ではない。

意見を交わすことも、知略をめぐらせる事も、言ってみれば、生きることはそれ自体が戦いだ。

こういう主張が強く渦巻いている。

これは戦いの物語。戦って、感じて、学んで、成長する物語。

虚ろだった少女が、ラストでは立派でかっこいい女性になってるではないか。

それが何より印象的で、緻密な描写もすべてそこに収束する。

その世界、ぜひ一読あれ。
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307210