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マルドゥック・スクランブル



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マルドゥック・スクランブルの評価: 4.33/5点 レビュー 107件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全107件 41~60 3/6ページ
No.67:
(5pt)

少女の成長物語。

世界は平等ではないし、綺麗事だけじゃない。
奪われるだけだった少女が、命さえも奪われかけた少女が、力を手にし、一度は溺れ、奪う側に回ろうとし、それでも、愛することを知り、守ることを知り、赦すことを知る。

それは煮え切らない、優しく強い相棒の為に。

読みやすく、緊迫感も状況も二転三転して、3巻一気読みしてしまいました。

3人のコンビを、またみてみたいな、そう思えるシリーズでした。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.66:
(5pt)

手にあせ握る。

至るところに散りばめられた言葉遊びと、傲慢な戦いと、子供のように離別することの恐れ。
特別でもなんでもなく、生きるために。

追い詰められていく戦闘シーンは、圧巻。

ウフコックみたいなナイトが居たら、そうおもうくらいカッコいい。

戦闘シーンもだけど、日常も、ほっとしたり、くすっとしたり。
ゆっくり読むつもりが、気づいたら最後まで一気よみしてしまました。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.65:
(4pt)

楽しく読み切れた

「天地明察」から読み始めた初心者としては振れ幅の大きさに驚きもしたが、さすがに再度しっかりと手を入れている様子が伺える「完全版」というに相応しい出来に仕上がっていると感じる。
一気に読み切ることも出来たが、敢えて少しずつ細部まで読み返しながら切れ切れに読んでも最後まで楽しく読み切れた。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.64:
(4pt)

少女バロットの成長を見守る物語

初めて冲方丁の作品を読みました。「天地明察」「光圀伝」が話題になっていて興味を持ったのですが、まずは手軽に読めそうなものから読んでみようという選択でした。私が読んだのはKindle版です。全3冊からなる物語の評価を3冊別々にするのは難しいのでトータルとしての評価を書きます。
 はじめの方は、その世界観と描かれる架空の科学技術に魅了されました。しかし、おもしろさは2巻から本格的になると思います。物語が進むにつれ、舞台は「隠れ家」「楽園」「カジノ」と、がらっと変わっていき、主役のバロットの内面も徐々に変化していきます。いろいろな場面を乗り越え、傷つきながらも成長していくバロットがだんだん好きになっていきました。最後まで読み進めるまでに、ウフコックやドクターだけでなく、一部の敵役のキャラクターも、とても人間的で魅力的だと感じるようになりました。そういう意味で後味のとても良い物語になっていると思います。静かなラストシーンは、暖かく、悲しく、感動的です。自分の"お気に入り"の一冊となりました。
 しかし一つだけ大きな不満があります。それは、Kindle版には表紙のイラストがないことです。文字だけの上品な表紙です(Kindle版の表紙をupしましたのでご覧ください)。Amazonの商品のページにはイラストの表紙が示されているので、これは軽く詐欺?です。素敵な表紙イラストで楽しみにしていたので、とても残念でした。表紙も大事ですよね?ちなみに、手持ちの本のリスト表示の時の、ちっちゃい表紙イラストのサブネイルだけは含まれていました。小説としては評価星5ですが、申し訳ないですがマイナス1させて下さい。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.63:
(5pt)

この作者に出会えてよかった

天地明察を読み、ひどく感動した。ストーリー、表現、人物、設定、セリフ、また作者に。

この作者の作品で、天地明察しか読んだことのない私は、この本を読み始める時に、まったく話の内容が予想がつかないと同時に、不安にもなった。
日本の歴史物(天地明察)と、外国の近未来(マルドゥックスクランブル)。まるで両極端の設定の物語。天地明察で、この作者に覚えた感動が少し削られてしまうのではないか、と。

しかし、一巻の第一章を読み終え時、それは杞憂でしかないと思った。それどころか、天から素晴らしいものを受け取ったような気持ちになった。

綿密に作られた舞台。初めは異常としか思えない人物の普通の心理。的確な場所での的確な例え。斬新で面白くも分かりやすい表現。全てが素晴らしいと思った。
この作者が書いた作品なら、歴史物、SF、アクション、たとえホラーやコメディですら、自分の好きな作品になるだろうと思う。

主人公の成長を軸に、様々なテーマが詰め込まれている本作。
何度も読み、何度も考え、自分なりの”価値”を発見していきたい。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.62:
(4pt)

快調に読みました。

とても面白く読みました。冲方 丁のSF他にも読んでみたいですね。
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310157
No.61:
(4pt)

面白かったです。

半ばに中だるみがしましたが、改丁しただけあり時代を感じさせない出来でした。面白かったです。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.60:
(5pt)

魂の底が抜けてしまった男と他者に触れる事で魂を見出した女の子の話。

面白い。続編のKindle化が望まれる作品です。オススメの作品です。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.59:
(5pt)

おもしろかったです。

スピード感が気に入りました。シリーズ化されたりしているのでしょうか?
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310157
No.58:
(5pt)

スピード感が気持ちいい

文庫本が出た時に気になっていた本、期待通り面白かった。ちょっと複雑な記述があるけど…
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.57:
(2pt)

これって面白いのかなあ??

はじまりから最後まで、何もかもが意味不明??バロットってロボットみたいなものか??世界観がよう分からん。分かる人にとっては面白いんだろうな??ネズミが喋ったり意味不明??やたら吐き気のする、ここに記述するのも忍ばれるほど気持ち悪い描写があるんだけど作者の趣味??とことん不愉快させる小説というか靴の底より卑しい作品でした??
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.56:
(5pt)

作者の成長に合わせて、進化するシリーズ

この「完全版」もいよいよ、完結。バージョン違いをすべて読んだので、これで4回目(コミック版を入れれば)になるけど、さすが「完全版」を名乗るだけあって、もっとも端正な、キレイな終わり方だった。

たぶん、読んだ人それぞれ、違った感想を抱くのだろうけど、旧作の書き直しに挑んだ作者の意欲やその成果について、私は素直に賞賛したい。最初の文庫版の荒削りさは影を潜め、非常に整った感じがするが、小説家、冲方丁の現時点での到達点を示すものだと思う。「天地明察」、「光圀伝」と続く時代小説でも力量を示した彼だけど、やはり原点はこの「マルドゥック・シリーズ」にあったのだ。

「完全版」ということなので、もうこれ以上はないということかもしれないが、また、10年後にでも、さらに成長した冲方丁の書く「マルドゥック・スクランブル」が読んでみたい。そう意味では、「完全版」はそれで終わりということではないんだ、作者の成長に合わせて、進化していくものなのだと信じたい。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.55:
(5pt)

伝説のカジノシーンは相変わらずスゴイね

完全版の第二巻。最初の文庫版、ハードカバーの改訂新版、そしてこの完全と、三度目(コミック版を入れれば四度目)になるけど、やっぱりこのカジノシーンはスゴい。まさに伝説だ。

この小説には、いろんな要素が詰まっている。もちろん、SF、特にサイバーパンクSF。さらには、ハードボイルドミステリ。そして、このカジノシーンはギャンブル小説だ。1冊で3度美味しい。特にこのカジノシーンは何度読んでも手に汗握る。もちろん、三度目なんで結果は分かっているんだけどね

あまり、最初の文庫版や改訂新版との違いは、あえて意識しないで読み進めてきたが、どうもかなり改稿してるようだ。前作までは、どうもストーリーに飛躍というか、説明不足のところも見受けられたが、今回は、説明臭いほどには至らないぐらいに
丁寧な記述になっている感じがsル。あまり比較して読むスピードを犠牲にしてしまうと、この小説の躍動感を失いそうなので、逐語的な比較はするつもりはないが...誰か解読書書いてくれないかしら?
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310157
No.54:
(5pt)

また進化したシリーズ

もうすでに何度も読んでいるシリーズ。この作品で、今が旬の冲方丁が世に出たこともさることながら、その旬の作家があえてここで旧作の改訂版を「完全版」として出したことに興味を惹かれる。

この完全版の前にハードカバー版を出したりして、同時期に公開されたアニメの宣伝じゃないかとか、「天地明察」のヒットに乗っかったなどの批判はあるけど、この作品で日本SFを読むキッカケになったファンとしては、この完全版も読まずばいられまい。

ということだが、実はあまり期待してはいなかった。同時期に刊行されたコミックを含めれば4つ目のマルドゥック。コミックはなかなか良かったけど、ハードカバー版は、面白かったけど、最初の文庫版を読んだ時の衝撃は超えられなかった。

でも、まだ第1巻だけど、最初の文庫版を読んだ時とはまた違った衝撃、興奮を覚える内容だった。なるほど、これが冲方丁の書きたかったマルドゥックだったのか。実際の評価を下すには、第2巻を読んでからにしたいが、なかなか期待させる内容だ。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.53:
(5pt)

読めば読むほど味が出ます♪

「天地明察」「光圀伝」の冲方丁さんですが、SF作品を読むのはこれが初めてです。
以前から友人に「蒼穹のファフナー」を薦められているのですが、残念ながらそちらは未読。

「マルドゥック・スクランブルー排気ー」の公開に間に合うよう、この改訂新版を一気読み。
冲方作品に共通することですが、一見難しそうに見える文面でも、取りかかってしまえば本当に読みやすい。
ちょうど3作目公開記念イベントで1作2作目の映像を見た後だったことも手伝って、さらに抵抗なくマルドゥックの世界に入る事ができました。

映像が先だった私ですが、今回原作を読む事で、マルドゥックシティの細かい設定やそこならではのウィットの効いた言い回し等、映像作品では描ききれていない部分を知ることが出来、本作の奥行きを堪能する事が出来ました。
そして読めば読むほど主人公を取り囲む世界の事がもっと知りたくなってくるのは、冲方作品の時代物でもSFでも変わらず。
どんどんハマっていきます(^^;
また、敵、味方、脇…立場は様々でも、愛すべき登場人物が多いのも、冲方作品に共通する点でしょうか。
愛すべき、と思えるという事は、それだけ丁寧に描かれているという事の証だと思います。

3作目公開には間に合いませんが「マルドゥック・ヴェロシティ」にも食指を伸ばしたくなっている今日この頃です。
マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉より
4152091533
No.52:
(2pt)

アニメーション

一巻しか読めませんでした。ストーリー、文体共に合いませんでした。

というか、やはりこういった世界観に耐えうる文体と言うのが、未だに(言葉として)誰も作ることが出来ていないからなのだと思います。
つまり、このストーリー・世界観であれば、間違いなくアニメーションにするほかないということです。小説として行うべきそれではない気がするのです。

小説で行うということは、言葉で行うということです。言葉には、重さや軽さがあります。また作品の扱う対象にも、重量があります。
そしていい作品とは、そのバランスが取れている作品だと思うのです。だから優れたライトノベルは、場面に応じて極めて軽くテンポの良い文体を持つし(私は純文学作品ばっかり読んでますが、ライトノベルを頭ごなしに否定する人は間違っている気がします。)逆に、重苦しい主題を持った純文学作品には、その雰囲気を克明に伝えるずっしりとした言葉が使われるのが必然です。

ですが、本作はどうなのでしょうか。バロットの抱える闇は、けっしてライトなものでないはずです。そうすると、自然と言葉は重くならざるを得ません。ところが、文章の所々が妙にこじゃれすぎていて、何と言うか、本当にバロットの抱える闇をわかってあげているのだろうか? こちらに伝えようとしているのだろうか? と思ってしまうのです。(誘拐屋の異常性もライトすぎるきらいがあります)そして翻って、唐突に言葉が重みをもった途端、あるいは極端な形容を行い始めた途端、妙なバランスの悪さが、世界観、文章共に浮足立たせてしまっている気がします。つまり、バランスが良くないのです。

やっぱりこれはアニメーション向けなのではないでしょうか。バランスの悪さは、そこに起因している気がします。

(でも個人的に冲方さんの小説に向かう姿勢は尊敬しています。応援している分、気になる点を指摘せざるを得ませんでした。これからも精力的に活動されることを期待します)
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.51:
(5pt)

完璧なあとがき

物語の素晴らしさはレビュウの通りなので、
あとがきについて触れたいと思う。

マルドゥック・スクランブルのあとがきは、
この物語を締めくくるにふさわしい、
冲方丁の決意を真摯に文章にした、
最高で完璧な文章である。

なぜ小説を書くのか、なぜ小説を読むのか、
そのひとつの答えがたしかにここにある。
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310165
No.50:
(4pt)

面白い!

最初の導入部分なんか、ぐいぐい来た。

アニメ化とかしたら、ぴったりだなぁとか思ってたら
あるんですね。

SF的な世界観も、よく出来てて面白い。

後半のカジノ部分は、今一つ伝わらなかったけど
ぐいぐい読めちゃいますよ
マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉より
4152091533
No.49:
(5pt)

是非ともヴェロシティとセットで。

海外SFやファンタジーを含め、自分ではまぁまぁ読書量がある方だと思っていますが、なぜかこれまで冲方さんの本を書店で手に取ったことはありませんでした。
なぜなら、最近のライトノベルブームには全然乗れない体質だもので、決してライトノベルでもない作品にも、「話題になっているからといって、面白いとは限らない」というひねた見解があったことは否めません。

そんな私が冲方さんの本を手に取ることになったのは、漫画版の「天地明察」を読んだのがきっかけでした。あまりに面白くのめりこめる展開に「これは原作を読んでみたい!」という思いがむくむく育っていたからです。
しかし、市内の本屋では不思議なくらい冲方さんの本が置いてなく…「天地明察」のハードカバーがみあたらなかった…たまたまみつけたマルドゥック・スクランブル「完全版」の1巻を、お試しのつもりで入手しました。
そして、その夜には最近まで冲方さんの小説を読まなかった自分を罵倒したくなるくらいハマりました。
ところが、週末に1巻を入手した本屋に行ったものの、2巻と3巻は誰かにお買い上げ済み。違う作品はありましたが、1巻を読んだからには2巻が読みたいのが人情ですよね。
そこから6件ほど探し回りましたが、なぜかどこにも置いてないのです。最初にまとめ買いしなかった自分を心の中で盛大に罵倒しました。ええ。

最終的には、完全版2・3巻と、マルドゥック・ヴェロシティ1〜3巻、マルドゥック・フラグメンツを始め、冲方作品を通販で一気に大人買いしまくりました。
現時点ではスクランブルとヴェロシティを読了したところ。もちろん、まだ冲方作品の全てを揃えたわけではありませんが、いずれそうなるであろうと思います。

※以下は、スクランブルとヴェロシティを読み終えた前提での感想です。
※かなりネタバレに近い表現があります。

まず、スクランブル。
ストーリーも素晴らしかったですが、読んでいてこれほど自分と呼吸が合う文体も珍しく、嬉しい誤算でした。
小説を読むとき、テーマの好みだけでなく、どれだけ自分の内的リズムとその作品のリズムが近いかで、どれだけ深く物語にダイヴできるかが変わってくるというのが私の持論なんですが、途中で呼吸の話が出てきた時などは、自分の考えが物語世界に混じり合ったような、不思議な感覚を味わいました。

確かに血腥いシーンや苦痛に満ちたシーンも多いです。拷問であったり、虐待であったり、そういうシーンを丸ごと飲み下すには、ある意味「人を選ぶ」側面はあるでしょう。
けれど、現代を生きている我々が、表面はそこそこ茫洋としながらも内実で未来への不安にじわじわと焙られていることを考えれば、いっそ苦痛と苦悩と虚無と愛情が突き抜けたこの世界は、その先にあるべき光を予兆させるものに思えました。
次々に3次元的につながっていく言葉が、まるで発達していくニューロンのようでした。撒かれた種が芽を出し伸びた蔓が絡み合うようでもありました。つながる言葉のリズムにクラクラしながら、アドレナリンでハイになってしまうくらいに一気に読みとおしました。
同時に、登場人物たちの真摯さにも打たれました。
バロットが探し求める「なぜ」の答え(あるいは反証)、ウフコックの追及する有用性。それは終わりのない探究であり、成長でした。
イースターやアシュレイの描写も物語に深みを添えてくれました。

そしてヴェロシティ。
バロットとウフコックを愛したあまり、スクランブルであれほど無慈悲に少女を追い詰めたボイルドを、ヴェロシティで理解できるかどうか、あるいは噛み砕けるかどうか未知数でした。読み進めるのが困難かもしれないとさえ思っていました。
それがどうでしょう、これほどにボイルドへの愛情を持って本を閉じることができようとは…。

スクランブルではある意味非人間的だったボイルドの過去と、ウフコックと袂を分かつ原因になった悲劇。
ある意味軽妙なスタートに驚き、予想外の展開で高みへと導かれ、それが徐々に崩壊していく。
登場人物が多いため、その相関関係を把握するのが結構大変でしたが、戦闘シーンはむしろ一気呵成に読み進めていけ、まるでとてつもない奔流に呑まれたかのようでした。
3巻に入ると種明かしに次ぐ種明かし。全く予想していなかった展開に唖然とし、徐々に虚無に呑まれていくボイルドに縋りついて、現実からの剥離を止めたくなるような気持ちになりました。
ボイルドの最終選択の理由が深く共感できるだけに、袂を分かつ理由を頭を垂れて受け入れるしかないという極地まで連れ去られてしまいました。

殻から出ようとあがく少女と、最後に殻で覆われようとする男の、それぞれの物語。これら2つはいわば二卵性双生児のような関係です。
そして、暴力と苦痛と狂気と醜悪さに縁どられていますが、これは紛れもなく愛情の物語だと思います…泥の中からも無二のダイヤをみつけるような。
ぜひとも、スクランブルからヴェロシティまで、一気に駆け抜けてトリップしていただきたい。

最後に、私にとって忘れてはならないもう1つの要素。
カバーイラストに寺田氏が採用されていることは望外の喜びでした。
さて、今からフラグメンツを読もうと思います。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149
No.48:
(5pt)

日本版サイバーパンク

モナリザオーバードライブ以来

やっと
巡り合いました。
DNAは受け継がれた

ギブソン万歳

ハーレー乗り
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)より
4150310149

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