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ジェノサイド
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ジェノサイドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全597件 361~380 19/30ページ
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ハラハラドキドキの展開と魅力的なキャラクター達が織り成すSF大作。 専門用語が飛び交うが、それに造詣が深くなくても全く問題ない。 というより造詣が深いと楽しめない?細かいことは気にするな! 非常に高いリーダビリティと、予想だにしない展開の数々。 エンタメ小説という枠組みを超えた、文学界に新たな風を巻き起こしてくれそうな作品。 | ||||
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まず、厳しい指摘ですけれど、資料に気持ちを引っ張られた感を少し感じました。 でも大好きな高野先生の新作がいろんなところで賞をお取りになって嬉しい愛読者です。表紙も高柳さんですし、ひかれます。 ただ、内容に関しましては、地球を取り巻く現状の話を取り入れる為にちょっと「都合のよい設定」が頭の横でよぎってしまい、それがどうしても最後まで去ってくれませんでした。残念です。 前作の『グレイヴディッガー』の時は、ぎりぎりその「都合良さ」を振り切ってくれる熱い主人公でしたので、そのくらい偶然でもあるでしょう、と流すことができました。(単行本、表紙がグッドです。文庫は〜〜〜今年の刊はアップでいいですけど) 本作の内容はとっても今の皆様には伝えたいことのオンパレードでしたので、これが広まるということは有難いことです。是非とももっと知っていただきたいと思います。 文章ののりや内容を揶揄している方々にも調べてから言って頂たいと思います。 この本のいいところは、地球人類の第一歩を願う作者の心意気です。 面白かった人も、つまらないと言った人も、それぞれある問題提起に耳を目を貸して頂きたいと思いました。 そして、高野先生本当お疲れ様でした。 心から拍手をお送りいたします。時間がかかるでしょうが、次回作も期待してお待ちしております!! | ||||
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本屋で大プッシュしているので、読んでみました。図書館で予約して借りれるまで6ヶ月!待ちましたけど。 買わなくて良かった。図書館で借りて良かった。がまず初めの感想でした。 確かに面白いけど、それだけ。取り立てて目新しいテーマでも無いし、むしろ超人がテーマなら、漫画で、出来が良いのはいくらでもある。 登場人物すべて、薄っぺらいこと。感情移入できる人物が一人もいない。 ハリウッド映画で、外したB級映画ばりの展開。伏線が最後明かされる時、それ終盤で判明するべき事か?と読みながらずっこけました。 超人が作成の割には暗号解読されてるし、金融機関のサーバーに侵入出来るだけの腕があるに軍事衛星、エシュロンはそのままだったり、あげくメタンハイドレート?笑わせていただきました。 ご都合主義のオンパレード。著者は映画化を初めから目指して書いてましたね。 ただアメリカを悪く書いたらお声が掛からないと考えたのか、同じように日本を悪く書くのは、忘れない。このへんは凄いなとおもいました。 一言で言えば、狙い過ぎた凡作。 もっと練り込んで常に公平な視点で文明、文化とかを分析して執筆すれば傑作になり得たかも。文明批判をするのなら「銃、病原菌、鉄」は最低読んでから執筆して欲しかった。参考文献があまりにも少ないのには、びっくりした。 | ||||
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非常にテンポの良いストーリー展開で、あっという間に読み終わってしまいました。 この作品は面白い!だからこそ残念でなりません。 その理由は、ほとんどのレビューアーの方が書かれている様に、浅はかな歴史観及び反日感情です。 詳しい内容は既にたくさん書かれているので割愛しますが、せっかくの超エンターテイメント小説を低俗のプロパガンダ小説に貶めてしまうには、十分な内容でした。 私は右翼でも左翼でもないと自負していますが、日本人である以上は、敢えて日本人を蔑む内容のエンターテイメントは読みたくありません。(歴史を紐解きたくてエンターテイメント作品を読むわけではありません) にも関わらず第三者目線で語られる筆者の歴史観や反日感情には閉口させられました。 これらの蛇足がついているだけで、物語の主人公に1人イェーガーには一度も感情移入できませんでした。 自分の一人息子を命懸けで助けようとしている日本人に対して「冴えない高校生みたいなやつ」と言ってみたり、感謝を述べる際もかなりの上から目線、またチームメイトの日本人に対しては「ファッキンジャップ」などの差別表現を使ってみたり、こんな主人公に対して誰が感情移入できるのでしょうか? 少なくとも日本人は嫌な感情を持つと思います。そして本書が日本語で書かれている以上、筆者はその事に対して少しは考えなかったのか甚だ疑問です。(分かった上でやっているのであればなにも申しません) 小説で主人公に感情移入できない程つまらない事はないのでこの評価です。 | ||||
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これスッゲー面白いよ!最高だよ!このスケールのデカさ!内容の濃さ!これを低評価 してる人たちの書評を見るといずれも南京大虐殺の描写がどうとか韓国人がどうとか内容 と関係ない部分でイチャモンをつけているネトウヨにすぎない。 内容は文句なしのエンターテイメントです。それにしても作者はよくぞ こんなすごい話を思いついたもんだ。巻末にも出ているように本当に多くの専門家 たちに丹念に取材したんだと思う。これだけのことをよくぞ調べあげた。 知的エンターテイメントとしても超一流だ!最近のクソみたいなハリウッド映画 100本見るよりはるかに面白い!そして何よりここに描かれている話は 全くの絵空事などではないと思う。私はこの作者がこの作品に出てくるような 超知性体にこの物語を教えてもらったのではないか、と、そんなことを本気 で考えたくなるほどの凄い作品だ! | ||||
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一部のレビューで韓国に媚を売るだとか、自虐的だとあるが物語の主要なメッセージは、人間という生き物の不完全さ、そしてコンゴ共和国などの弱小国に対する大国の傲慢さのほうが大きいのではないか。そして何より読者を世界観に持っていくうまさもあるし評価されるべき作品だと思う。超専門的記述が飛び交うが、そこにつっこむよりかは作品全体の完成度、そして何が伝わるかを二転三転考えられる作品だと思う。 | ||||
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本作の「歴史観」が問題視されてますが、韓国のことを少しでも褒めたり、 日本の事を少しでも貶めると、こんなに叩かれるとは、驚きです。 まさにこの作品で描かれている人類の不寛容が再現されていて、 「結局、小説読んでも、ストーリーとギミックしか追えない人が多いんだな」 と思います。 文体も、物語も、人物描写も、これくらいの小説なら、まあ普通ってところだと思います。 でも、この作品の最大の魅力は、作者の祈りみたいな、メッセージだと思います。 理系の大学生を主人公にしたのも、アキリの存在も、今後の世界平和への願いが表れている。 エンターテインとしては、やや消化不良ですが、(先が読めすぎる) 作者の緻密に計算された祈祷は、読者に感動を呼びます。 | ||||
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2011年に一度読んで、2012年に再読してみた。薄い内容だと、「ネタバレ」で、途中で投げ出すのだろうが、ストーリーラインの持つ緊迫感は再読でもいっさい落ちなかった。再びわくわくさせてもらった。おもしろかった。良質のエンターテイメントだ。 主に、コンゴのジャングル、ホワイトハウス、日本の町田辺りを各登場人物が、うごめきながら物語が進行する。地球上の点と点を結ぶのは主にインターネットと高性能ラップトップコンピュータだ。現在ではあたりまえの、こんなちっぽけな前提をうまく使って、神に近いヌースや驚異の創薬ソフトGIFTというような「あり得ない絵空事」に、リアリティーという生気を吹き込む著者の構想力・描写力はすばらしい。 いくつかのレビューにある、著者の「歴史観」への疑義は個人的には全然気にならなかった。著者の視点はもっと広いと感じた。その前提は、自称人間嫌いのハインズマン博士の以下のせりふに代表されていると思う。「すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量殺戮(ジェノサイド)を行う唯一の動物だからだ。それがヒトと生き物の定義だよ。人間性とは残虐性なのさ。かつて地上にいた別種の人類、原人やネアンデルタール人も、現世人類によって滅ぼされたと私は見ている」さらに、白人であるハインズマン博士に、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸でのヨーロッパ人の蛮行を淡々と著者は語らせている。 個人的に、違和感を感じたのは、ヌースの対立軸となるアメリカ合衆国の「力」だ。買いかぶりすぎている感じがぬぐえない。アフガンでの軍事作戦の手詰まり感、北朝鮮との交渉具合、イランへの制裁措置等、ヌース以下の存在に、この超大国が翻弄されている。これが物語の前提となる現実だ。現実のアメリカは物語世界のアメリカよりずっとたよりない。 ともかく、本書は、十分再読に値する冒険活劇です。 | ||||
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これは、SFである事を良く認識しないといけない.文章は上手く、一気に読ませる.SF大作である.なぜ、今、この本がよく読まれるのか、良くわからなかった.SFへの入門書としては最良である.余計な歴史認識、日本人蔑視?は、必要なかったと思う.SFであると気づいた途端に面白くなくなったが.. | ||||
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歴史的な認識は、それぞれ分かれるところなので、作者が書いたことに特に違和感は感じません。 それがストーリーの本筋ではないのですから。また、理系の理論がたくさん出てきたのも、 全く理解できなかったれど、それでも十分読み終えることができました。要するに、重箱の隅を つつくような観点から読まなければ大作だと思っています。日本人の作家が書いたから、日本人が 優秀であって、正義感に燃えなければならないこともなく、様々な人間が出てくるのも結構。 作者が書きたかったことを十分理解できれば何も問題もないし、読み応えがある作品でした。 優秀な韓国人と優秀な日本人、一方では、醜い人々も様々な形で描かれています。韓国人が優秀で あると表現することへの反発、関東大震災及び南京における虐殺行為を書くことへの想像できる 大きな批判をおそらく念頭に置いて書いたのでしょう。ラストを読めば、そんな事柄に騒ぎ立てる ことの虚しさを憶えるはずです。☆5にしたかったくらいです。 | ||||
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大作のSF小説です。道具立てからは、現代を舞台にしながらも近未来小説 と言えるかもしれません。エンターティメントですが、構想もわりと大きく、 人間性に対する批判的な部分も肯定的な部分もあり、単にエンターティメント であることを越えて心に残りました。レビューを書きながら、こう言うのも なんですが、ミステリー的な展開もあるので、あまり紹介記事などを読まずに、 楽しむつもりで、直接、本書を読み始めるほうが良いと思います。 | ||||
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今まで高野氏の著作は4作品読んでいます。 「十三階段」「幽霊人命救急隊」「グレイブデッカー」「6時間後に君は死ぬ」 これらの作品と比較しても内容はスケールアップしています。 あらすじについては多数書かれているので割愛しますが、 やはりここで多数の方が「偏向歴史観」と指摘していることについて。 その反応が「怖い」「右翼的」・・・? そういったコメントが見られる方が「怖い」と思います。 関東大震災、南京についての記述に関して「そんなことは絶対にない」とか言っているわけではなく 当時の新聞記事や状況を本で読んだり調べたりしたうえで「怪しい」「不確か」と言っているだけだと思います。 こんな分厚い本を読む人は大体の方が読書家と思われます。 そういった読書家の方たちが「偏っている」と言っているだけですよ。 日本人の歴史認識の弱さ、と言っている方は情報収集能力の弱さがありそうですね。 無かったという証拠って難しくありませんか? 事実を歪曲することは可能です。「北朝鮮帰国事業」の後にかの国の現在の姿が報道されなかったら 今でもそう信じ続ける人が存在したのではないでしょうか。 「こう習ったから」「テレビでそう言ってたから」といって受信したまま自分で調べなかったら そういうことにしたいサイドの思うつぼですよね。 特定アジアのこういったプロパガンダで「生き残りの証言」以外の証拠を知りません。 嘘をつくことにためらいが無い文化圏の方の証言ということを抜かしても絶対的な証拠にはなりません。 対して日本人が虐殺された事件は加害者ではない外国人によっての証言や写真があります。 検索すれば震災時の特定不逞外国人の暴れぶりが記事になった新聞が出てきます。 そもそもこの作家さん、確かに前作でも青臭さというかちょっと偏った感じはあったのですが それが悪い形で表現されたように思います。 韓国人留学生も人物造形の現実味が無いと言っているのは「国籍」でも「優秀」だからでもなく 例えば彼を主人公に据えた場合、を想像すればそのバランスの悪さが分かると思いますが・・・ 彼の設定が台湾人でもバングラディシュ人でもセネガル人でも「浮いてる」んです。 米国の描き方もまたひどい。 私も国は好きではありませんし米国人の「正義の味方」病はうんざりしますが それが良い方向に働く時があるので嫌いにはなれません。 更には文系の方を馬鹿にしているような・・・自分を卑下しているんでしょうか? こういった色々な描写の「偏り」が歴史観だけでなく表現されています。 私的には偏向歴史観もページをまとめてくれればスルー出来たかと思います。 しかし、サブリミナル的に記述が出てくるのが今話題の「ステマ」のようで非常にうっとうしい。 最終的にもうこの作家の作品を買うのはやめようと決意した記述がこれ。 「愚かな先祖を持つと末代は苦労する」 主人公の考えでも作家の考えでもかまいませんが、その「愚かな先祖」が築いた 現代の日本で何不自由なく暮らしながらよく言ったもんだと思います。 お前が苦労するのはお前自身が愚かだからだよ、と言っておきます。 日本を悪く書くな、と言っているのではなく確たる証拠の無いものをさもあったように 書いてほしくないだけです。 何百年も前のこと、学生時代歴史で習ったことが「実は違っていた」ということが出てきます。 ましてや100年も経っていない頃の出来事ならば色々なことが判明することがあるのではないでしょうか。 | ||||
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作者の歴史観などいろいろ言われていますが、僕は純粋にこの作品は非常に面白かったと思います!!!!スケールの大きい、とても大きい作品でした。そこまでの読書家ではありませんが、僕の中ではここ数年で一番の作品だと思います。あと、いろいろな兵器の名前が出てくるのが、FPSなどを良くプレイする僕にとってはとても楽しかったです。 | ||||
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ウィルスによる人類滅亡というテーマは元々惹かれるものがありましたし、最初はテンポよく読めました。 ん?と思い始めたのは英語も日本語もペラペラの超優秀で親切な韓国人留学生が出てきたあたりです。違和感が決定的になったのは、南京大虐殺と「朝鮮半島の人たち」のあたりです。 あまりにも作者の偏った歴史認識が露骨に見えすぎて、入り込んでいた世界から一気に引き戻されたような気になりました。フィクションとはいえ、客観性を欠いた記述でありしかも本編との関係性も無いに等しい。 こんな底の浅いものが本屋大賞?こんな偏向思考の塊が「全国書店員が選んだいちばん売りたい本」? 最近の和書って暇潰しにもならないクオリティなんですね。がっかりです。 | ||||
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物語としてはとてもよく出来ていたと思います。 展開がどうなるのかとハラハラしながら読む事ができました。 しかし、他の方がおっしゃっている通り、小説という架空の話の中で現実で起こった真偽の分からない出来事を、文献を読んだだけでさも自分が現場見てきたかのように真実だと断定して書くのはいかがなものかと。 韓国人留学生が出てくるからといって、あの記述は必ずしも必要なものではなかったと思います。 その部分はストーリーにも関連性は無く、全くの余計な記述としか思えませんでした。 他の部分は良かっただけに、読んだ後その記述の無駄さ、不快感がより残り残念に思いました。 | ||||
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実に面白い小説でした! 読後感が良い。一読をお勧めします。 新人類が、我々をジェノサイドしないように祈りましょう(笑)はたしてそのキーは日本人にあり!良いですね。 和をもって尊しとなすの日本精神で、現生人類を導いて欲しいです。 しかーし、読んでてアメリカは一番怖い国でした・・・。エシュロンって本当なのか??? 巻末の主要参考文献をあげておきます。勉強します! 「文明の逆説」立花隆著 「21世紀 知の挑戦」立花隆著 「サル学の現在」立花隆著 「ヒトと進化」ジョルジュ・オリヴィエ著 「ウイルス進化論」中原英臣・佐川峻共著 「新しい薬をどう創るか 創薬研究の最前線」京都大学大学院薬学研究科編 「創薬化学」野崎正勝・長瀬博共著 「最新 創薬化学(上・下)」C.G.Wermuth編著 「ゲノム創薬 合理的創薬からテーラーメイド医療実現へ」田沼靖一編 「インシリコ創薬科学 ゲノム情報から創薬へ」藤井信孝・辻本豪三・奥野恭史編集 「ドキュメント 現代の傭兵たち」ロバート・ヤング・ペルトン著 「戦争における「人殺し」の心理学」デーヴ・グロスマン著 「ブッシュの戦争」ボブ・ウッドワード著 「戦争大統領」ジェームズ・ライゼン著 「アメリカの秘密戦争」セイモア・ハーシュ著 「ブッシュの戦争株式会社」ウィリアム・D・ハートゥング著 「CIA秘密飛行使 テロ容疑者移送工作の全貌」スティーブン・グレイ著 「すべては傍受されている 米国国家安全保障局の正体」ジェイムス・バムフォード著 「エシュロン 暴かれた全世界盗聴網 欧州議会最終報告の深層」小倉利丸著 「メッセ−ジ・マシーン テレビ解説者を操る国防総省」デービッド・バーストウ著 「子ども兵の戦争」P・Wシンガー著 「5万年前 このとき人類の壮大な旅が始まった」ニコラス・ウェイド著 「森の狩猟民 ムブティ・ピグミーの生活」市川光雄著 「循環と共存の森から 狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵」船尾修著 「理系白書 この国を静かに支える人たち」毎日新聞科学環境部著 「差別と日本人」野中広務・辛淑玉共著 「関東大震災」吉村昭著 「南京事件 増補版」秦郁彦著 「南京戦 切りさかれた受難者の魂 被害者120人の証言」松岡環編著 | ||||
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総評を言えば、非常に読み応えのある名作と言ってもいいでしょう。 まず良かった点。 ミリタリーアクション、政治的陰謀、科学サスペンス、SFなどの要素が織り交ぜられており、 それらが絶妙な相乗効果をもってストーリーを展開させています。 次に悪かった点。 著者の歴史認識の酷さにはもう目も当てられない。 これが無ければ、間違いなく☆5つの評価を付けていたのに、残念です。 | ||||
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謀殺と盗聴にまみれた現代の世界情勢に対するのみならず、人類史および薬学などに関する作者の豊富な見識に深い感銘を受けた。そのような見識により、現代世界に新たな知性が誕生した場合にはどうなるかを考察し、国際的なスケールで小説化したものがこの書籍に他ならない。 ストーリーの秀逸さはもちろんだが、人類を行動させてきたのは恐怖であること、人間は大量殺戮を行う動物であること、歴史学は支配者による殺戮を英雄譚にすり替えたものなど、物語の各所に現代世界や人類に対する作者の深い洞察によるメッセージが記されていることも見逃せない。たとえ映画化されたとしても、それらのメッセージは小説でしか味わうことができないので、ぜひ多くの人々に一読されることを勧める。 関東大震災、アフリカなどで行われた虐殺の様相を詳細に描いているのは、人類が虐殺を行う動物であることを強く印象づける。 合衆国憲法は民主主義の仮面を被りながら独裁を許す制度であることを知り、アメリカが発展した理由がわかったような気がする。 日本人に、世界を相手にしたこれだけのストーリーを書いた知性が現れたことを誇らしく感じる。 | ||||
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売り文句の書評に「ハリウッド映画級の」とあったが、自分はこれを、「よくあるテンポの良い、見やすくてありがちな、しかし、受け手を飽きさせない事にかけては一流の」と受け取った。つまりはハリウッド映画である。 アフリカ、コンゴ奥地に突如生まれた「突然変異体」。その不確定で未知なる存在を巡り、米国政府機関と軍部、そして日本の科学者が各々の使命と陰謀を懸け、動き出す。米国、日本、アフリカ大陸、と地球規模で展開するハードボイルドなストーリーは、「突然変異」を探し出し消去するという指令を受けアフリカ奥地に派遣された傭兵隊。そして、偶然からも、未知なる難病の治療薬開発の使命に燃え悪戦苦闘する日本人科学者らの物語を同時並行させながら、ダイナミックに進む。そして、最後に「その存在」に世界が震撼する。 と、いい加減かつ大雑把に紹介したが、個人的に書店で本を手に取る時に「ジェノサイド=虐殺」というタイトルと、重厚なブックカバーに描かれた「エイリアンか子供のようなもの(としておく)」から推測して、「果てなき大量虐殺の果てに、アフリカ大陸奥地で、HIVやエボラウイルスのようなの未知なる凶悪なウイルス、もしくはそれに匹敵するよう恐ろしい化け物が誕生する」という話を勝手に連想した。「ジェノサイド」という人類が犯した最悪のおぞましい業がおびただしく蓄積する大陸で、未知なる化け物が生まれるという話だ。 しかし、「ジェノサイド=人類の業」自体は物語にあまり関係はなかった。つまり、想像していたような、アフリカ大陸、虐殺、から連想されるような「人類の自業自得話」ではなく、このことが物語を単なるハリウッドSFにしてしまった。 何でも現実的でポリティカルなら偉い。などと程度の低いことを言うつもりは毛頭無いが、「アフリカ大陸奥地に、一体どんな恐ろしい「化け物」がいるんだ?」とシンプルでストレートな好奇心を読者が働かせた場合、「あの程度」では完全な肩すかしというもの。それに、まったく奇麗ごとではなく、タイトルの「ジェノサイド」というもの以上におぞましい事はこの世に存在しない。故に、後半の途中で傭兵隊が遭遇する「少年兵」のエピソードが読んでいて一番おぞましく、悲しく、つらく、そして、多くの人にとって「未知なるもの」であったのではないか? | ||||
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淡々とした幕開けに、淡々と読み進める。絡まって行く二人の主人公の目的とバックグラウンドにどれくらい感情移入できるかが没入感の鍵になるだろうと思う。 確かに多くの人が指摘しているような、特定人種の礼賛のような描写もあるがそれほど気にはならなかった。と言うのも、自分自身が強力な人材とはとても思えないため、現実に勝てない外国人を見るときのような誰に向けて良い物かはたと苛立ちを感じる瞬間を思い出すからだ。余り良い気分ではないのは間違いないのだが、リアリティにつながるこの設定はちょっとうまいと思ってしまった。参考文献や謝辞を見るとそうそう足蹴には出来ないだろう、いろいろな人に支えられて出来上がった本になることを思うとそこは気にしなくても良いかなと感じる。 また、余りに単純な戦争概念や中東やアフリカの概念に違和感がなかったわけではないが、そこを複雑に描写するよりも単純なアメリカや、単純な其処此処を作り出した方が効果的だったのだろう。様々に戦争観念が描かれた本がいくつもあるのに、そのどれにも目を通していないと言うことはないだろうと思うから、この辺は確信犯だろう。 上記を差し引いて、単純に一直線にエンディングまで読むと大きな満足感。ここ最近アクションでSFでサイエンスでスリラーな本を余り見つけることが出来なかったが、良いのが読めて大満足。都合の良さのバランスもすばらしく感じた。うまい。 とはいえ、何となく作者の歴史認識とかに引っかかりを覚えないことも無い。そういう部分は他の事を入れれば良かったんじゃないだろうか。わざわざ描かなくても良いような気がする。 | ||||
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