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ジェノサイド
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ジェノサイドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全597件 501~520 26/30ページ
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なんか、とりあえず評価が高そうなので読んでみました。 第一印象、話がとっ散らかってる。いろんな有名なエピソードの引用が多いのだが、ありきたりで掘り下げ方も足りない。 所詮、ストーリーが少年漫画の域を出ていない。 全編を通して、「なんかこの話読んだことがある。」的なデジャブ感。(個別にタイトルをあげられるくらい) そんなに絶賛する程の本ではないと思う。 特に新しいテーマもなく、書き尽くされたジャンルを枚数使って再構築しただけに感じる。 あと、やはり、日本の作家がホワイトハウスを描くとマンガチックになるのはしょうがないのかな? なんか残念な一冊です。 帯に名前が挙がってる人の言うことは二度と信用しないw | ||||
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久々に一気読みしてしまった。 日本、アメリカ、アフリカを舞台としたグローバルな展開に息つく暇なし。 本の題名になっているジェノサイドは、平和な日本ではあまり実感できないが ある意味、人間の欲望から生まれてくるもの。 ある人の欲望を満たす為に、別のところでは犠牲が出てもいいという考えが 蔓延しているのが当たり前の時代なのか。 それを陵駕するほどの未知の生物が現れる... 人間の今ある姿について、改めて考えさせられる作品だった。 | ||||
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良い! 久々の読み応えでした。複雑に絡み合う事象とアメリカ、日本、アフリカを舞台にめまぐるしく動くストーリー展開。一見、破綻するのでは?っと思わせるストーリーもそつなく組み立てられており、最後までハラハラしつつも引き込まれっぱなしでした。まるで映画化を前提にしたような作品で頭の中で映像が浮かぶようでしたね。さすがにここまで壮大なドラマとなると、日本で映像化は難しいと思いますのでハリウッドでの作品化を期待したいですね。難しいかな? 読み応え有り。オススメです。 | ||||
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高野和明氏の小説は十三階段、幽霊人命救助隊しか読んでいませんでしたが、 幽霊人命救助隊があまりにも素晴らしく、好きな著者の一人として今作ジェノサイドを読みました。 結果は非常に残念です。 作品としては大変ワクワクし、面白いのですが 随所に挟まれる反日ともとれる歴史的解釈と、あったかどうかもわからない風説をあたかも事実であるかのように記述したり、日本人を不当に貶めるような表現をしている箇所が散見されました。 小説の中のことですから、主人公がどんな歴史観を持っていようが作品に影響はないと思います。 しかしそういった記述が本書の各所に散見され、これが本当にあの幽霊人命救助隊を書いた高野氏の著作なのかと目を疑いました。 読んでいる途中に、いくら話しが面白く好きな著者とはいえ次にこのような表現が出てくれば本を閉じようと思ったほどです。 幸い私がそう決意してからはそういった偏見を助長する表現は出てこなかったので読了することができましたが、 おそらく私は今後高野氏の著作を手に取ることはないと思います。 それでも幽霊人命救助隊は素晴らしかった。 あんな素晴らしい本を書ける著者が歴史的に偏見を持っていたとは、本当に残念でなりません。 | ||||
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「女性の性器に銃剣をつきたてる」のが日本軍のやりかただと。 ひどすぎる記述だ。 あとがきに参考文献が載っているが野中広務やシン・スゴではしょうがないか。 さりげなく「外国人を助けようと線路に飛び込む」とかいって人間の善意の代表みたいな書き方だが、日本人カメラマンだって助けようとしてなくってるよね、大久保だか新大久保の事故。 ちょっと普通じゃない自虐史観と朝鮮マンセー。 わざわざエンターテイメント小説にこんなこと盛り込む作者の精神状態は相当病んでいるでのはないかと心配になる。しかもそれが本論への伏線でもなんでもなく本当になぜここで日本人批判がでてくるのか全く理解できない。 まるで初めてでっち上げの自虐史観にふれて感化されたかのようなナイーブな中二病。 謝辞に名前があがった中に自分も名前を知ってる方が二人いる。 いいんですか? こんなふうに使われて。 | ||||
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読み応えある、素晴らしいレビューがたくさんありますので、それ以外のことで。 途中、少年兵目線の短い話が出てくるのですが、 この子の人生の詳細がえぐすぎて、読んだその晩はうなされてしまいました。 残酷すぎる……。 実際にそういう子たちがいるのでしょうけれども、そういうものをあまり読みつけてないので、吐き気がしまいました。 戦闘シーンはかなり生っぽくて、映像のようといえばそうなのですが、映像よりも、わたしには厳しかったです……。 | ||||
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人が持つ二面性を現した作品。グロテスクな描写に堪え抜けば、研人の父が遺したメッセージに、共感・感動することもできるでしょう(570頁のモノ)。 史実の捉え方は、色々あってイイと思います。 小説ゆえ致し方なし。 読後感は最初は良い。 だが、作者からのメッセージが重くのしかかってきます。 だんだんこの作品へのイメージは、変わってきました。 | ||||
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途中までは面白いと思っていましたが・・・ 日本に対する自虐史観などちょいちょい混ぜてくるのが、なんだかこの本を読んでいるのがあほくさく感じてしまい、途中で本を閉じました。 日本と韓国のお話をしたいのであれば、別に本を作って欲しかった。 | ||||
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意欲作ですね。すごいスケールのでかい話でした。ストーリーにも凝っていてリアルなので、大変驚きました。 話の流れはよくあるパターンなのでしょうが、際立ったいる冒険譚です。すごいです。 しかしながら本当に長いので、2日間かかりました。 けれど読後は満足感・充実感でいっぱいですね。下手なSF映画よりずっと面白かったです。最高です。 | ||||
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まず最初に率直な感想を言えば。話しの展開や構成などを総合すると、日本人作家が書いた近々のエンターティメント小説としてはずば抜けて面白いと思います。 最初はそれぞれ離れた位置で、それぞれの境遇。それぞれの考えを持って行動している人物達が、読み進めていくうちにひとつの目的に手繰り寄せられ。収束していく様は非常に気持が良かったです。 また、ページあたりの文章量は多いのですが、テンポある文体のおかげでさくさくと読み勧める事ができます。本編590ページほどありますが読書慣れしている人なら二、三日あれば読み終えられるのではないでしょうか。 全体的に見れば。良い部分のほうが多い小説なのですが。数点読んでいて気になった部分もありました。 まずこの作品にはいくつかの登場人物視点に何度か移動して描かれているのですが。 外人部隊の傭兵が戦時中の日本軍が行った南京大虐殺の〜といった部分があります。 もちろん、これは傭兵自体が外国人であり。そういう視点でみれば海外では南京大虐殺は「あった」事として捉えられているからそういう感情が出てきたのかな? とひっかかりながらも納得した部分もありました。 もうひとつに 他の視点として薬学研究をしている大学院生の視点の場合。 協力者に韓国人の大学生が出てきます。 ここで関東大震災のデマによって当時の在日朝鮮人が虐殺された。という部分に触れます。 これは私の主観では(資料を調べた結果ですが)「なかった」少なくとも虐殺とよべるものはなく、囚人脱獄などによる治安悪化による治安維持だと思っているところがあるので、違和感を感じました。 私の見解を抜きにして、仮に大虐殺が「あった」とした場合でも、そこに触れるのであれば終戦当時の朝鮮人による朝鮮進駐軍の事などにも触れなければフェアじゃない。と思いました。 もちろん、これはフィクションなので。歴史の論争をしたいわけではないのは十分承知していますし。 また、大学院生という視点の登場人物の思考は当然それまで受けてきた教育が反映されていてもなんら不思議ではありません。 上記に書いた傭兵視点と同じく。その人物がそう感じた。そう思っている。という事になれば、それはすべて作品内では読者はこの人物はそういう思考の人物なのだと納得して読まなくてはいけません。 しかし、この作者において。ルワンダのフツ続とツチ族の間で起こったルワンダ大虐殺。白人主義のアメリカ政府がいかに事を影で進め。表舞台にはわからないように暗部を闇に葬り。自らを世界の警察たらしめているのか。 など、現在の民族、宗教対立。大小さまざまに起こる紛争の書き方など、よく勉強して書かれているな。と思うだけに。上にあげた読んでいてひっかかる感じが、どうにも最後まで違和感を感じ。 ところどころ物語りに集中できない部分があったと私は感じました。 また、傭兵部隊には日本人の人物も出てきますが。あまり良い描写のされ方とはいえません。 ただ、これには意図があるのかないのかは残念ながら読み解く事はできませんでした。 こういった部分はちょっと作者の思想というか、考えの我が強すぎて。若干物語りから心が一歩距離を置いてしまいました。 タイトルのジェノサイド。とは物語りを読み進めれば意味はわかるのですが。それとは別にルワンダ。南京。関東大震災。といった現在までに様々な国で起こった虐殺に対しての作者の怒りも含まれているのではないか? その感情の高い部分が先ほども書いた描写に対して、作者の冷静さを欠かせたのではないのか? と私は深読みしてしまいました。色々と書きましたが。話の構成や先が気になりぐいぐいと読者をひっぱる力を持った物語りであるのは確かです。今年読んだ小説の中ではダントツで面白いと思います。 しかし、あえて注文をつけるならば。正しい情報の取捨選択をもっと繊細に行い。エンターティメントに徹してほしかったなと思います。 あまりに脈絡なく日本人に対してのレッテル、自虐史観を挟み込んでくるのはちょっと勘弁してほしかったです。 | ||||
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この本では、日本人によるジェノサイドとして、関東大震災の朝鮮人に関するストーリが出てくるが、実際は、始めに暴れたのは朝鮮人だった。現在も凶悪犯は朝鮮人(南北朝鮮人)が1位で、本国韓国でも放火や強姦は日本より何倍も多い。 実際の成り行きはこうで、当時の新聞を読めば、最初に朝鮮人が悪さをしてそれを日本人が応戦しただけと分かる。 朝鮮人過激派が首都圏を放火 ↓ 震災の混乱に乗じて、朝鮮人テロリストが殺人、強姦、掠奪、爆弾の投下といった悪事の限りを尽くした ↓ それに対して、首都圏の各地住民が、自ら自警団を結成し、朝鮮人過激派に対抗する ために自衛活動をした 日本人作家は当時の新聞をちゃんと読んでいるのだろうか?それとも、自分の国を貶めることが、謙遜とでも愚かにも考えているのだろうか? 自分の国や家族や民族を悪く言うことは、謙遜でも何でもない。ただの馬鹿。 いい加減、愚かな考え方は捨ててもらいたい。 | ||||
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この本は、「アメリカとはそういう国家である」ということを非常に的確に表現した本である。 NSA、CIA、エシュロン、FBIが米国内、そして世界中でいかなる活動をしているか、フィクションではあるがかなり突っ込んで取材していると思う。 出てくる米国政府のトップ層も、名前は変えてあるが、「ああ、これはアイツだ」と顔が浮かんでくる奴ばかり^^;) 世界中でジェノサイドばっかしやって自滅しようとしている人類を、外の視点から見せつける仕掛けも見事。 これまで、ベストセラーなどと言われて読みはじめ、途中でドブに捨てた本は数限りないが、この本なら人にも勧められる。 エンターテイメントのためのフィクションといえばそれまでだが、作者がこの作品に込めたメッセージは深く、そのへんの小説を超えた本だと思う。 ぜひとも読むべし! | ||||
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今日の昼頃から読み始めてやめられなくなり、一気に読破しました。現在夜中の2時半、興奮冷めらずここに来てしまいました…。 私の稚拙な表現力ではとても参考になるレビューなんて書けませんので他の方にお任せしますが、とにかく圧巻の一言。 目まぐるしく変わるシーンがまるで映像の様に頭の中に入って来て、正に一流のエンターテイメントである一方、世界が抱えている色々な問題を突きつけて来て何とも言えない読後感です。 (あえてこうつけたタイトルが意味深です…) 安易に映画化とか絶対にしてもらいたくないですね! 翻訳して世界中で読んでもらいたい一作です。(アメリカじゃ無理ですかね?) | ||||
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読み応え有りました。 この本を読んだ後、人類の進化について考えさせられました。 | ||||
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本屋のPRぶり、評論家およびレビューでの絶賛、 そして何より『13階段』の高野和明さんの作品という事で、 ものすごい期待を持って読み始めました。 予めあらすじを読んで、 多少SF的な要素があるとの事だったので、 小説にリアリティを求める私はその点が多少不安でした。 物語は息子の命を助ける為、 アフリカでの危険な仕事を引き受けるアメリカ軍人と、 父の遺言により新薬の開発をする事になる日本人大学生、 この二人がアフリカで起こる、ある出来事に関連していきながら、 徐々に交錯し進んでいきます。 出だしから中盤まで、 ある出来事の真実が明らかになるまでは、 評判通りおもしろかったです。 アメリカ政府の内情やアフリカの現実、 そして科学者の人類分析など、 壮大なテーマを説明しながら、 物語としてもハラハラドキドキの展開でした。 しかし中盤以降は、ただのアクション小説のようになった事と、 新薬を開発する日本人大学生の話にリアリティがなくなってきて、 興味が半減していきました。 ラストに近づくほどに、おもしろくなくなる小説でした。 私が現実主義で、想像力不足なのが原因かもしれません。 期待も大きすぎたかもしれません。 | ||||
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高野和明氏の著書は「13階段」と「グレイヴディッガー」以降読んでなかったのですが、本書の評判が良いので読んでみました。 久々に骨太で面白い小説に出会った、そんな感じです。 日本、コンゴ、アメリカでそれぞれ話が進んでいき、次第に交差して、リアルタイムで複数の主人公達がそれぞれの持ち場で活躍して、最終的に一つに収斂していく。丁寧にプロットされた極上の演出が冴え渡ります。 テーマは「命」と「平和」と「人類」。重厚なテーマを抜群のストーリーテリングで一気に読ませる技巧は圧巻です。 一点、なぜタイトルを「ジェノサイド(大量虐殺)」としたのかがしっくり来ませんが、あえてストーリーの中心に触れない言葉を選んだのでしょうか。 これは、2011年を代表する一冊だと思います。 | ||||
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日本人にこのような小説を書ける作家がいた! ということに新鮮な驚きを得た。フィクションとはいえ、アメリカ政府の描写が非常にリアルで、あのブッシュ政権時代はさぞこんな感じだっただろうと彷彿させた。筋立て自体は、冷静に考えると、ありそうでないような(かといってないとは言い切れない)超人類誕生の話しがメインテーマなのだが、その肉付け部分が多岐に亘っているところがこの小説を文学たらしめていると思った。リアリティを持たせたフィクションという意味では村上龍のラインを継ぐ人材かもしれない。他の作品をさかのぼって読んでみるつもり。 | ||||
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久しぶりに、喜怒哀楽を刺激してくれる小説に出会った。 舞台は刻々と変化をする ・コンゴ共和国ジャングルでの生き残りをかけた傭兵部隊 ・日本にて無実の罪で指名手配されつつも、創薬に励む大学院生 ・アメリカ合衆国、国家最高機密の事象をそれぞれの思惑の下に処理していく大統領と各機関幹部 現実的には交わる事の無いはずの傭兵と大学院生、彼らはウィルスと戦う事により、一人は自身の息子の命を。そして一人は世界中で病に冒されている患者の命を守るはずだった。しかし、それはアメリカ合衆国の陰謀と衝突し、全く予期せぬ展開へと歩を進める事になる。 尊い命を守るために、人類を滅ぼす可能性を守るジレンマ、そこには、ヒトとチンパンジーが分かれた最初の進化の段階に酷似した事象“超人類”の誕生が関与していた。ジェノサイドとは一般的には大量虐殺を指す。がしかし、本書での意味は“一つの人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する抹消行為”が適訳だろう。果たして、ジェノサイドの脅威にさらされるのは、キリスト教徒以外か、コンゴの先住民族か、我々人類か、未知なるウィルスかそれとも・・・ テンポ良く移り変わるシーンは、その親切な文章構成から読み手の想像をサポートしてくれ、さながらハリウッド映画を見ている様に脳裏に映像をもたらしてくれた。 『新種のウィルス発見による人類滅亡』という、お決まりのストーリーを楽しく読んでいたつもりが、気がつけば、“ヒト”とは何かを問われている展開の広がり具合とスピード観に、驚きながらも極めてエンターテイメント性の高い本書に共感を覚えた。 小説、特に本書の様な類いの書籍を評するにあたり気をつけなければならない事、それは“ネタばれ”の度合いだろう。その意味からすると、表紙に飾られている“帯”に書かれているコメントは、程よく読書欲を高めることに成功している。ここに記す書評についても、ネタばれは“超人類”の誕生に留めておき、登場人物の感情、ストーリーに言及するのではなく、それこそ良い塩梅に作品構成と著者の感情について考察してみたい。 著者の作品は本書が初めてだったため、本書を読むにあたり、著者の指向、価値観、好き嫌い等の前情報は一切無かった。そう言った中で、本書を読んだ率直な感想、それは、あまりにも日本人を侮辱・侮蔑しているのでは無いか、という気持ち悪さ。そして、偏り過ぎた戦争観だ。物語の随所に見られるそれは、ストーリーへの関係性を全く持たぬ独立した価値観として、ぶしつけに読者の目に晒される。 南京大虐殺を引き合いにだしたり、傭兵部隊の一員である日本人を精神異常者の様に振る回らせ大量殺人を行わせたり、関東大震災で日本人による在日大虐殺があったと断定したりと、決して右寄りではない僕ですら『何と言う反日思想・・・』と目を疑いたくなった。 そして、アメリカ合衆国に対しても、これでもかと言う程の嫌悪感をあらわにしている。それはひとえに“暴力”と表現され、さらにはキリスト教的思想についても“悪”のレッテルを貼っているのだ。それは、本書の最後に記載している『参考文献』を見れば明かだ。一部抜粋する。 『アメリカの秘密戦争』『戦争大統領』『ブッシュの戦争株式会社』『差別と日本人』『関東大震災』『南京事件』『南京戦 切りさかれた受難者の魂 被害者120人の証言』等、 本書は少なくともこれだけの“反日反米思想書籍”の主張を含んでいるのだ。著者の思想をモロに反映している書籍なのだとすれば、安易に同調しながら読み進める訳にはいかない。 確かに、読了後の感想は「おもしろい」。が、それはあくまで“エンターテイメント”としての感想に留まる。ハリウッド映画とすればこれほどの想像力、スピード感に満ちた作品には中々出会えないだろう。が、 ミステリー・ホラーとしての表現力、事前調査量は、貴志祐介『天使の囀り』に遠く及ばない。 SFとしての発想力、先見性は池上永一の『シャングリ・ラ』の方がよほど長けている。 確かに『おもしろい』のだが、著者のグロテスクなまでの反日反米思想はどこか宗教的な雰囲気まで漂い気味が悪く、他の著名な作家に比べると表現力、発想力にもまだまだ伸びしろがあると言う事で★2つ減となった。 満足したのに酷評したくなるのは、僕が天の邪鬼だからなのではなく、本書が伝える“人間性の狂気”を否定したいという本能的な拒否感から来ているのだとして、それすらが著者の意図する範疇の中だとするとこれほど完成された書籍はない。 | ||||
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ホワイトハウスの会議で『人類絶滅の可能性 アフリカに新種の生物出現』が大統領に報告される場面から物語は始まる。ワシントン、東京、コンゴを舞台に展開されるドラマはスピード感があり、上質のスパイ映画を見ているよう。 NSA、NORAD、エシェロンなどは、スパイ物好きには基本用語の部類に属するが、オーファン受容体、アゴニスト、in silicoのデザイン、in vitroのバインディング・アッセイなどを何の苦もなく具体的に理解できる人はそう多くないだろう。『パラサイト・イヴ』を友人に借りて一晩で読みきった時の興奮が蘇った。 主人公の大学院生に与えられたテーマは「変異型オーファンGPCRのアゴニストのデザインと合成」。オーファンGPCRのアゴニストの合成だけでも、ほとんど成功の見込みのない企てだが、ターゲットは機能を失った変異型なので、成功の確率は限りなくゼロに近い。本書がSFたる所以は、ヒトよりも神に近い存在がこれを可能にしてくれる点にあるのだが、この困難なテーマにアロステリックな機作でチャレンジするというアプローチは創薬化学の最先端と言ってよく、本書に描かれる物語の現実感を高めている。 本書が緻密な取材と考証の上に書かれたもので、数年に一冊しか書けないレベルのものであることは容易に想像される。科学者の醍醐味は、自然がその隠された素顔を自分だけに見せてくれる瞬間に立ち会えること。そんなことも発信してくれた著者に感謝したい。この夏出会った極上の一冊である。 | ||||
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纏わり付く権力に苦悶する人々や異なる様々な負の側面を心の傷として持ち合わせている者たちの心情が巧く描かれていた。父と子のストーリィ。文献の多さと(資料調べだけで九ヶ月だそうだ)名の知れたその道のプロと云える学者たちへの長期に渡るインタビューの末この作品が成り立っている。銃を持った少年団のシーン―彼らの切除不可能な絶望と葛藤―は胸に迫るものがあった。すべての部分が満点かと問われれば首肯できかねるが、今年読んできた著書で使用した評価レヴェルのものさしで測るなら、間違いなく★五つ。 | ||||
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