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ジェノサイド



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ジェノサイドの評価: 3.77/5点 レビュー 597件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.77pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全597件 521~540 27/30ページ
No.77:
(4pt)

壮大な話

内容があまり自分向きではないと思い、ずっと読んでいませんでしたが、直木賞にもノミネートされ、話題なので読んでみました。

壮大な話です。物語のテーマや、着想力、文章力、話の展開など、よくできていると感嘆しました。傑作「13階段」以来、
いい小説が出なかった高野氏でしたが、力のある方だと再確認しました。

ですが・・・、読む人を選ぶ小説ですね。読むのに根気が必要です。
終わり方が良いので読後感は悪くはないですが、途中、アフリカでの戦闘のシーンなど、後味の悪い部分も多々あります。

気楽に読書を楽しむ人には向いていないのでは。 いい意味でも悪い意味でも、大作です。

ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.76:
(2pt)

日本に対する誤った歴史認識

凄惨な虐殺シーンを「日本兵が南京大虐殺で行ったことと同じだ」と書いたり、日本が韓国を植民地にしていたなどの誤った歴史認識が気になった。この著者が日本人ならばもう少し自国の正しい歴史を学んだ上で書いてほしかった。亜細亜の特定国が日本を貶め、攻撃するためのプロパガンダに完全にやられているようだ。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.75:
(2pt)

作者に説教されたい方にオススメ

正直期待外れ。こんなに絶賛ばかりなのはどうなのか。せっかく面白そうな設定なのに唐突に何度も何度も作者の薄っぺらい主張が繰り返されるのにウンザリ。読み始めてすぐに嫌な予感がしたがやはりその通りだった。薬のくだりの描写が無駄に詳しいのはあとがきを読んでなるほどと。一生懸命取材しました参考文献も読みましたそしてその知識を全部入れました的な感じ。けなしてばかりですみません。つまり期待し過ぎた私が悪いのです。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.74:
(5pt)

読み応えのある小説

傭兵のイエーガーは、ハリウッド映画で主役を張れそうな雰囲気の
ハードボイルドな男ですね。
一方、もう一人の主人公である日本人大学院生の研人は、
「草食系」とか言われそうなタイプの口ベタで温厚な青年。
この人種も性格も育ちも、まったく異なる2人の主人公は魅力的です。
イエーガーはかっこいいし、研人には親しみが持てます。
人間の醜さ、残虐さをこれでもかというぐらい
見せつけられておきながら、
ラストは本当に美しかった。
泣けました。



ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.73:
(3pt)

及第点には至っているが、しかし……。

評判が高いのを知り、早速読んでみました。
レビューでも軒並み評判が高かったことと、本の帯の絶賛の嵐も手伝って、自分の中で読む前から期待値があがり、そして読了したわけですが、感想を言うと「ふーむ、なるほど。こんな感じか」といったものでした。

高評価レビューの殺到している中、3つ星とはいえ、比較的低い評価のレビューというのは、スルーされやすいものです。誰といって、自分こそが買う側になるとそうなるのですから間違いありません(笑)。

ですから、これは、既に読了した人の中への数少ない同意を求める感想になるでしょう。

まず、言っておきたいのは、この小説は、作者が拒否しない限りにおいては、絶対に映像化・メディア展開されるであろうものだということです。「映像化不可」というより、むしろ「ハリウッド的」といって差し支えないストーリーです。

また、作者の確かな筆力についても賞賛しておかなければなりません。日本語の用法を含めて、作者の腕の程が確かに見えます。

加えて、本小説の中で披瀝される、作者が膨大な資料へあたったであろう、専門的知識の質と量にも敬意を払っておかなければなりません。

それなのに、なぜ、自分は高評価ではないのか。
端的に言えば、「ありきたり」と感じてしまったのです。全体を俯瞰して見たときのストーリーの起伏が、です。

この小説には、様々な顔があるのですが、この点では、かつての船戸与一より遙かに劣る、この点では、かつての逢坂剛に、あの点では夢枕獏に、……といった具合に、その「顔」をひとつひとつ眺めてみると、残念ながら、この作品は、それらを凌駕できていないのです。「こういうのはありがちだけど、あの海外作家たちには到底及ばないなあ」というのもあります。

思想的な浅さ、というのも感じられたのが、いまひとつ感情移入できなかったポイントです。
その「思想」を語るために、都合の良い人物配置が為されていたり、会話が為されていたり、といった点が見えてしまったのです。

及第点には至っている、しかし、それ以上ではないなあ、というのが、自分の読後感でした。

……というわけで3つ星なのですが、ご同意いただけますでしょうか?(笑)
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.72:
(5pt)

面白かったぁ!

エンターテイメントも、このくらい読者を楽しませてくれたら
もう本物のプロフェッショナル、いい意味で職人芸、
久々に2日かけての一気読みをいたしました。
書評での絶賛や、○○大賞に釣られて読んだら、その幼稚さ、つまらなさに絶句、
椅子から転げ落ちそうにかったことが(あまり適切な表現ではありませんね、これ)幾度あったことか。
エンターテイメントに限っては、欧米と日本とではかなりの格差があるのかな、と思っていましたが、こんな作品が現れると認識を変えなくてはなりません。

物語はワシントン・東京・アフリカ(主にコンゴ)と3箇所に分かれてスピーディーに展開。
リサーチが大変だったでしょうね。情報量の多さを、ストーリーテリングの巧みさでうまく纏め上げ、最後の大団円へ導いていく、もう文句なしの面白さ。
すべて読んでのお楽しみですから、中身には触れません。
まだ読んでない人が羨ましいな。

ところで現生人類が出現してから20万年、
そのうち19万年を現在は絶滅した他種の人類と共存していたのに、
1万年前くらいから私たちの祖先は急速に文明化します。
(もしかしたら、もっと以前からかもしれないけれど)
これって、大きな謎です。
本作は、遺伝子変異による進化、という概念を使っていますが、
グラハム・ハンコックは異次元の刻印(上)-人類史の裂け目あるいは宗教の起源で面白い説を唱えています。
ある種の植物によるトランス状態を経験することで人類は異次元を体験、
それから一気に文明が開化したというのです。
私がつたない表現で説明しても、えー!なにそれ、と思われるでしょう。
チンパンジーだってたまたまその種の草を口にしないとはいえませんもの。
でも、それを自分たちの生活文化の中に取り込んで一回性の体験にしなかったところが、
チンパンちゃんとは違うのでしょうね。

それから物語のひとつの舞台になったコンゴ。
近代以降のジェノサイドとえいば、ナチスやポルポトを思い浮かべる方が多いでしょうが、
ベルギーの王様がコンゴのアフリカ人を大虐殺したことはあまり話題に上りませんよね。
レオポルド2世はコンゴを植民地化して、19世紀の終わりに1000万くらいの現地人を過酷な労働に従事させ、殺しました。
そのコンゴがこの物語の舞台のひとつなので、つい思い出してしまいました。

作者の明快・単純なヒューマニズムも、私には好感が持てます。

ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.71:
(3pt)

そ、そこまでか??

絶賛レビューが多いので読んだ。
まぁまぁ面白い小説というのが感想。なので星3つです。(「13階段」は星4.5)

やっぱりこういったアメリカだとかCIA,FBIやらの陰謀話を日本を絡めると、こそばゆいというかちょっと白けてしまうというか。。何か一方的なラブコールみたいでやだな。
アメリカ人が書いた小説で日本が関係してくるぶんには気にならないのだけど。

たしかに話は面白いので後半は一気読みでした。読んで損のない本だと思いますよ。

あと映画化不可!というCM動画があったけど、この程度であれば(やろうと思えば)ハリウッドなら余裕で映画化できると思う。
いい加減このキャッチフレーズ使うのやめてほしい。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.70:
(1pt)

我慢できずレヴュー

他にもレヴューされている方が少し見えますが、所々で披露される意味のない反日文章が気になり素直に楽しめません。南京大虐殺など少し調べればいくらでも信用たる日本側の反対意見があるのに…。そんなところから平和賞などという政治色の濃い賞以外基礎科学の世界でノーベル賞受賞者を出していない韓国人を非常に優秀かつ人格的にも優れた協力者に持ってくるところに余計な邪推をしてしまい物語を素直に楽しめません。根底に反日感情があるんじゃないですか?
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.69:
(5pt)

重く、そして清清しい傑作と思いました。

一気に読み終わりました。
登場人物の一言一言から、「人」という動物のさまざまな本性が伝わってきます。

親子の関係、世界平和、日々の生活。そして未来。
すべてがバラバラのようで、実は深くつながっていると気づきました。
自分との『ジョン(情)』に気づき、広げて行動することができるのか?
物語を通じて、『人としての進化』を著者から突きつけられている・・・そんな気持ちになりました。

重く、清清しい・・・近年まれに見る傑作と思います。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.68:
(5pt)

さすが、冒険小説、ハラハラドキドキ、実に楽しい、内容が濃い傑作!

実によくまとまっているし、隙がない内容が充実。軍事的にも医学的にもよく調べて描いている。
時間をかけていることが分かる。政治的、地理的にもよく調べて、史実を踏まえたストーリーがより
リアリティを増幅させる。出てくる小道具がなかなか冴えわたっている。実話が挿入されていること
から、このストーリーも真実味がある。もったいなくてゆっくり読んでいる。読了前に感想を描きた
くなった。いったい、アフリカと米国と日本が舞台とは、このあとどう展開するのか楽しみである。
ストーリーが、一直線に進むので、テンポが良くて、読み進むのがもったいない。おススメ!!
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.67:
(5pt)

いや、これは面白いよ。

圧巻の出来。迷わず読むべきだ。

心理学、哲学、科学、生物学、等の幅広い分野がミックスされ、理系の人間は特に楽しめると思う。
?となる点もいくつかあったが、とんでも話になりがちな所を破綻なく制御し、最終局面ではぐいぐい引き込まれる。
映画的だという感想をもっていた所、なるほど筆者は映画監督としても活躍している方のようだ。

もし仮に人間を超える知性が現れたら?という問いから生まれたSF系小説は数あるものの、その知性が人工知能や宇宙人ではなく、
全く新しい設定としたところに面白さがある。同じ地球上の生物であり、生きた表情を持つ対象であるが故に、否応にも読者は
彼らの知性・感情が一体どうなっているのかと想像させられる。
それにしても、3次元で言語を操るという筆者の奇抜なアイデアには感心した。これはありうるな、と思ってしまう。

また、アフリカの戦場とホワイトハウスという両極端の「場」において人類の負の側面の描写をパラレルに進行させ、
同時に人類の知性を代表する人物に批判的考察を述べさせるという構成によって、主題に対する読者の考察が深まるように工夫されている。

単に面白いだけではなく、考えさせられる工夫も凝らされた構成力に感心した。
おすすめ。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.66:
(5pt)

本を閉じられなかったです

最近、ちまたの書評を鵜呑みにして本を買っては
ガッカリ、と言うパターンに慣れていた私は
思い切りパンチを受けました。

ホワイトハウス、コンゴ、東京の
場面がだんだんとクロスしていき
ページをめくるのももどかしいくらいの
展開に2日間で読んでしまいました。

科学的な事は詳しくありませんが、
綿密に描写されているために
現実社会との境界線が薄れて、奇想天外な
話も現実味をもって読むことが出来ます。

アフリカの悲劇、人間の愚かさ、残酷行為。
国家権力にゴミのように扱われる人の命。
そんな中、市井の人達の崇高な志が
救いの灯火のようで、胸が熱くなりました。
父と息子の話とリディアからの電話に研人が
答えた場面では涙が出ました。

政治的な意見というか描写?も入っていましたが、それは
どの国民が、というより人間全体の蛮行を
描くための手段であったと思います。
アフリカの出来事は決して他人事では無いのだと。

そして小説とはいえかなりの事が実際に起こって
いることであり、そのことが読み終えた後に
放心状態とさせたのかもしれません。

命とは?正義とは?国家とは?
エンターテイメントも満たしつつ
重く問いかけられた作品でした。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.65:
(5pt)

冒険小説!!

子供のころ冒険小説を読んだように楽しく読めました。
設定マニアには物足りないでしょうが、物語の疾走感を出すにはこれで充分と感じました。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.64:
(1pt)

申し訳ないけどくだらない

浅薄なヒューマニズムと、低俗な歴史観の、くだらない作品。ただ、物語のスケールは大きく、文章は読みやすい。作者の知的レベルが低いのを、チェックできない担当編集者のレベルも低い。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.63:
(5pt)

噂にたがわぬ面白さ。大力作!

大絶賛の評価に惹かれて読んでみた。噂は本当だった。面白いとは、こういうことを言うのだろう、という位、面白い。
何よりもまず、取り扱うテーマが、哲学性を帯びていて興味深い。人間が進化した先は、どのような生命体となるのか。また、進化した神のような知力を持つ生命体にとって、今の人間は、どう映るのだろうか。この視点から自らの存在意義を見つめなおす作業は、非常に意味のある思索を生み出すのではないだろうか。
それを、米大統領の意思決定の過程や、周囲の高官との人間模様といった政治的、人間的な要素を絡め、さらには、科学の最先端の知見も織りなしながら浮き彫りにしていく。
スリリングなストーリーもさることながら、細部にも、著者の探究心を感じさせる描写がちりばめられている。最高権力者の内に潜む宿命的な魔性を感じさせる描写にも感心させられた。
時折、残酷で、読むのが苦しくなる場面(子ども兵士を殺害する箇所など)もあるが、それも現実の反映としてやむを得ぬか…。
だが、畢竟、大いなる存在に対しては、敵対に対しては敵対的に、友好に対しては友好的に、鏡のように跳ね返ってくる。そうした因果応報こそが生命存在の根本原理であることを暗示しているように思えてならない。大力作である。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.62:
(4pt)

サスペンスは完璧、但しドラマが、、、

ストーリーはサスペンスと伏線満載で文句無しに面白い。まるでハリウッド映画かマイケル・クライトンの全盛期の小説のようだ。日本人が書く小説でこんなにストーリーの面白い小説は読んだことが無い。限りなく星5つに近い星4つである。
若干中途半端な思想的記述が出てくるが欠点というほどではない。敢えて欠点をあげるとそれはドラマあるいは心理的コンフリクトが今1つな点だ。父親との心理的葛藤を1つのテーマとしたいのだと思うが、日本人には正直ちょっとしっくりこないテーマで実際しっくりこない。どことなくリアル感に欠けるのは各種設定の非現実性からくるのではなく、そのせいだと思う。
ちなみにこの小説が「死者の代弁者」へのオマージュだと感じるのは勘違いなのか?非難ではなく、適切な本歌取りは日本文学の伝統だからよいことだと思う。ただし「死者の代弁者」の思想的コンフリクトの盛り上げ方とその解消の見事さも本歌取りして欲しかった。日本人離れしたストーリーテラーの高野氏の今後に期待したいところである。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.61:
(5pt)

ジェノサイドの裏にあるもの

他の方のレビューにもありますしあまり詳しく書いてしまうとこれから読む方に
申し訳ないので描写はあえて記載しませんが、私が考えさせられたことは
この小説の状況が現実に起きたら同じようなことをしまうのではないかという
事をあらためて考えさせられた一冊です。

あえて書くなら、前半の本来の「ジェノサイド」に該当する白兵戦などの描写が詳細でテンポも
ゆっくりであるのに対し、後半の情報戦部分ではテンポが速く、描写が少し荒く感じました。

この小説の「ジェノサイド」の裏にあるものを皆さんにも感じ取っていただきたいと思います。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.60:
(2pt)

超人類の登場でその後の展開にスリルがなくなった。。

超人類の登場前までは緊迫感・スリル満点の展開だったが、この超人類の登場によりその後の展開にどんな危ないこと、緊張の場面が出て来ても何とかなってしまうんだろうみたいな感じになってしまうのが残念。

あと気になったのは、いちいち南京大虐殺ネタを持ち込んだり、韓国人を親友に設定してみたり、イェーガー一団の日本人を酷い人間みたいに描写したりなど、反日色丸出しのところ。化学とか医学の面については知識が乏しいからどれだけ緻密に文献を調べて載せているかは分からないが、歴史認識については本当に文献調べが稚拙。南京の事件がただのプロパガンダだったっていうのは最新の研究では分かっていることだというのに。まあこの作者は移民問題にも触れているあたり完全に民主党のシンパでしょう。政治ネタとかを人前で話すのは良くないなぁと気付かされた点ではいい反面教師にはなったが。

ただ、一人の人間(権力者)の気分・性格などが世界全体に与える影響の描写は良かった。確かにその通りだなあと実感させられる。

全体的には面白い小説であることには変わりないが、13階段の方が断然面白い。
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.59:
(3pt)

“普通の傑作”と思って読んで下さい(ネタバレあり)

最近余りにもこの作品が店頭で推されており、期待されての長編であることがわかる。

現在では廃れてしまった『冒険もの』のテイストもあるし、実はSFであったりもする。

私も周囲から「とにかく面白いから読んでみて!」と勧められるままに手に取った。普段はSFが好きだし、高村薫、船戸与一、垣根 涼介も好きだ。

ーー結果、読み応えはあった。しかしそれは主に創薬やアフリカの史実にまつわる膨大な知識を読む進む満足感である。そもそも超人類であそこまで出来たら反則で、途中から緊張感が全くなくなってしまった。

言ってしまえば創薬のくだりは他の事柄でも成り立つので、本筋へ必然でもない事に気付く。あとは我々日本人の日常風景から話を始めたかったのだろうか。「人を救う」テーマを柱にしたい結果だったのか。

読み終われば二度読む気は起こらない。

そしておそらくは作者の生真面目さがでてしまったのだろうが、何か大きな物足りなさを感じた理由がわかった。男が惚れるような艶のある主人公(それに準じた配役でもいいが)も色のある女も出てこない。お堅いのだ。

そうみてくるとワシントンとアフリカと日本を繋ぐ壮大な物語も。一度たりとも「身につまされる」事がなかった事にも気付かされる。

そう考えると読み終わった仲間同士であれこれ評論をするには得難い一冊。褒めないで終わってしまったようだが、読まないと損だと思う。


ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837
No.58:
(4pt)

玉に傷のある超大作

ハリウッドのSF大作やドラマ「24」を見ているかのようなスケールの大きさと臨場感がある作品だと思いました。所々「えー」と思う場面もありますが、でもどんな小説にも必ずどこかにケチをつけることはできるので、総合的に判断しておもしろい作品だと思います。

ただ、他の方もご意見されていますがストーリーの所々に著者の「歴史観」がちりばめられています。「南京大虐殺」や「関東大震災後のデマ」等々のくだりです。また「日本人は文字を発明することができなかった」というセリフや、差別主義の主人公の親戚、使い捨てキャラのような日本人傭兵の登場など、…高野氏は実は日本が嫌いだったのか、思ってしまいました。

直木賞にノミネートしながら選ばれなかったのは、そこに理由があるのではないかと邪推してしまいます。「13階段」や「幽霊人命救助隊」などでは見られなかった、唐突な著者の「歴史観」の登場に少し戸惑いを覚えました。

…それがなければスケールの大きないい作品なのに、非常に惜しいです。もちろん著者がどのような「歴史観」を持っていても本人の自由ですし、それを中傷する気はありません。ただ、個人的な「歴史観」や「思想」的なものを唐突にエンタメ系の作品の中で披露すると、かなり浮きますし作品の邪魔をしてしまうんだな、という教訓が見てとれます。

繰り返しますが、総合的にはおもしろい作品だったので次回作に期待したいと思います!
(同系統のエンタメ小説がお好きな方は「梅原克文」さんの「二重螺旋(らせん)の悪魔」がオススメです)
ジェノサイドAmazon書評・レビュー:ジェノサイドより
4048741837

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