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ジェノサイド
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ジェノサイドの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全601件 601~601 31/31ページ
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| すごい!のひとことである。内容もボリュームも、現在のところ著者の最高傑作であろう。スリラー?サスペンス?SF?ジャンル分け不可能なノンストップ・アクションである。 まず、著者の取材力とその努力に拍手を送りたい。この中身の濃さはただごとではない。また、その情報が単なる垂れ流しではなく、いずれもストーリーと緊密に絡み合っているというすさまじいまでの構成力も、“すばらしい”の一言である。正直、一言一句も読み逃すことができなかった。そのため、読了までに他の作品より時間を要したが、それは実に楽しい時間であり、読了が残念だった。 ストーリーの軸は二つ。難病の息子を抱えた傭兵を中心としたサバイバル・アクションと、難病治療薬の開発を亡き父から託された薬学生を中心とした医療サスペンスである。これに米国(たぶんに前政権をモデルにしたもの)舞台のポリティカル・スリラーが微妙に絡む。傭兵アクションの方はまさに手に汗を握る、といった感じで、ハリウッド巨編にでもしたいものである。一方、薬学生サスペンスの方は、うまく作れば新薬開発に絡む秘話といった良質のドラマが作れそうでもある。 この軸となる二つのストーリーは難病がキーとなって繋がるのだが、どのように繋がるのかは簡単に分かるようでいて実はなかなか分からない。後半に至って、この二つのストーリーは予想を超えた形で繋がる。そして最後は、全てのストーリーが落ち着くべきところにきれいに落ち着くという、何とも言えないカタルシスが得られる。読後感は実にさわやかだ。 本作の裏テーマは父と息子の関係であろう。本作には、研究者の父と大学院生の息子、傭兵の父と難病の息子、そして、「ヌース」と彼の父親という三組の父子が登場する。著者の真意は分からないが、関係性の異なるそれぞれの父親が、それぞれのやり方でそれぞれの息子を守る。その、父親のやり方でしか表現できない不器用な父親としての愛情が、静かに、しかし実に熱く描かれている。 父と同じ新薬の研究・開発という道を歩む薬学生の父親に対する思いは、ストーリーの進行とともに変化する。そして、最終的に落ち着くべきところに落ち着く。予定調和ではあるのだが、個人的にはこの父子の絆が最も感動的だった。私と息子の関係がこの父子と非常に良く似ていることもあり、“頑張れ研人!”という声援を、途中で何度も送りたくなった。この息子の名前には間違いなく父親の熱い思いが込められていることを考えて、恥ずかしいことに目頭が熱くなってしまった。研人は、いつの日かそれに気づくだろう、きっと。 難点を言えば、「ヌース」と「エマ」の設定があまりに超人的すぎるところであろうか。設定上、仕方のないことではあるのだが。また、運命共同体の仲間に情報が最初から公開されていないというのは“どうなの?”って思う。でも、そういう細かいところには目をつぶって、ハラハラドキドキの楽しい時間を過ごせるエンタテインメント巨編である。 そういえば、ルーベンスとハイズマンの関係も、ある意味では父子のようなものかもしれない。師弟というよりも、なにか知を介した強い絆を互いに感じていたのではないだろうか。こちらのスピンオフ作品も、かなりハイヴロウになりそうだが、できれば読んでみたいものである。 | ||||
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