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スコッチに涙を託して
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スコッチに涙を託しての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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想像していたよりはるかに良い状態でした。カバーにうっすらと焼けがある以外、折れ、傷、書き込み等、全くなく、とてもきれいな状態で嬉しかったです。 作品自体に関しては、翻訳が英文直訳的で少し読みにくいと感じました。とても良く出来た作品だと言うのは伝わってくるのですが・・・。 英文のまま読めるスキルがあればと…思いました。きっと数倍面白く読めるでしょう。 | ||||
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アメリカのミステリー作家デニス・ルヘインの〈私立探偵パトリック&アンジー〉シリーズ第1作、“A Drink Before the War”(1994)の邦訳書。 私立探偵パトリックとアンジーが、上院議員からの依頼で黒人女性の捜索をするうちに、深刻な人種問題に巻き込まれていく、という筋立て。 ハードボイルド・ミステリによくあるように、本作も社会派要素が色濃く、作中では人種差別、DV、幼児虐待、性犯罪などが取り上げられています。 とくに人種差別の複雑さは作者がなにより描きたかったテーマでしょう。本作の舞台は作家の出身地であるボストン・ドーチェスター。そこでは、90年代においても依然として低所得者層の白人と黒人が分離し対立して暮らしています。 そこで克明に活写されるのは、地位、所得、犯罪にまつわる社会的な不満がすべて “人種差別” に原因がある、と問題が単純化されてしまう恐ろしさ。問題の複雑さが “人種” に還元されてしまうと、“差別者” も “被差別者” も妥協点を見いだせず、衝突するしかありません。その結果は両者の争いは激化してしまう、という悪循環。これはまさにアメリカの “リアル” でしょう。 ただ脇役がたっているのはいいのですが、主人公コンビがまわりの助っ人に頼りすぎで、主人公たちの捜査能力が優れてるというよりも助っ人がすごいという印象を抱きました。そこらへんはもう少し工夫が欲しかったです。 | ||||
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主人公の私立探偵が上院議員から消えた書類と持っていそうな女の捜索を依頼され・・・というお話。 上記の粗筋だけ書くと、よくある私立探偵物に見えますし、実際そういう所もありますが、そこに色々工夫して小説としての奥行を深めている所に本書の読み処があるように思えました。例えば、失われた書類がどういう物だったのかとか、何故ストリートギャングの抗争が絡められているのかとか。 そして、主人公の探偵と相棒の女性登場人物が類型的ではありますが、互いに普通の存在として描かれている所もこの小説をシェイマス賞という権威ある賞に導いている要因ではないかと思いました。神がかった力や超人的能力を発揮したりしない、わたしやあなたみたいに普通の人間として探偵を描いている所がこの小説を普遍的なものにしているように思いました。 多少マンネリな所もないではないですが、これが処女作なら及第点を与えられる秀作。機会があったら是非。 | ||||
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かなり前に書かれた小説なので、いま読むとところどころ古いと思う記述がありますが、 (例えば入院中の友人に贈るプレゼントが任天堂のゲームボーイだったり・・・) デビュー作としては賞を受賞してるだけあって、おもしろいです。 主人公のウイットに富んだ軽妙な会話や登場人物も魅力的で、このシリーズを全部 読みたい気分にさせてくれます。 ただし、描写などは暴力的な場面や多少グロテスクと感じる部分もありますので、 苦手な方は止めた方がいいかなと思います。 第2作目がシリーズ中、一番の傑作という評判なので、続きが楽しみです。 | ||||
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“ボストンの鬼才”デニス・レヘインの’94年のデビュー作で、5作続いた<探偵パトリック&アンジー>シリーズの第1作。フロリダ州のカレッジで創作を学んでいたレヘインは「遊びのつもりで」書いたと言っているが、指導教官の目に留まり出版の運びに。PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)が主催するシェイマス賞の’95年度最優秀新人賞をみごと受賞した。 ボストンの中でも貧しいドーチェスター地区の教会の鐘楼の中に探偵事務所を開く、その地区で生まれ育った‘わたし’ことパトリック・ケンジーはある日ふたりの上院議員から、9日前に失踪した掃除婦と、同時になくなった「重要書類」を探すよう依頼される。 彼女の家に行くと、もぬけの殻のうえ室内は何者かによって無残に荒らされていた。これがこの物語の発端であり、‘わたし’と、幼なじみで今はDV夫に悩まされる相棒のアンジー・ジェナーロのコンビは、「重要書類」を巡って、ギャングの抗争に巻き込まれてゆく。 デビュー作ということで、ボストンの街の描写や説明、登場人物たちのキャラクターや背景が‘わたし’の冗長な比喩と皮肉と共に詳細に語られてゆく。 しかもジャンルがハードボイルド私立探偵ものならではの激しい銃による殺し合いや積み重なる死体の数もハンパでない。 また扱うテーマも、人種差別、貧富の差、政治、家庭内暴力や虐待、小児性愛、ギャングと、現代アメリカが抱える社会問題を網羅しており幅広い。 しかし何といっても本書の魅力は、ふたりの探偵といっていいだろう。貧民街に身を置き、軽口を叩きながらも心と体に傷を負いボロボロのふたりが降りかかる事件にどう対処し、どういう行動をとるのか、知らない間にページがどんどん進んでゆく。 このシリーズは5作続くのだが、今後もこのふたりから目が離せない。 | ||||
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Dennis Lehaneの第一作である。パトリックはアンジェラは探偵のパートナーで、幼馴染みである。 二人のところへ上院議員から謎めいた依頼が来る。依頼を受けてから二人は、虐待、貧困、憎悪などに満ちたアメリカの闇の中で活動し始める。 貧しい階層出身のLehaneが描くアメリカの闇の部分はリアルである。そして、描かれる人物にも奥行きがある。アンジェラにはどうしようもない暴力的な夫がいるが、この人物もまた幼馴染みである。パトリックとアンジェラは惹かれ合いながらも、気持ちを抑えながら、仕事を進めている。彼らのなにげない言葉のやり取りの中には、微妙な感情が表れていて面白い。 もう一人面白い人物が登場する。ブーバは人殺しなど何とも思わないような人物であるが、数多くの武器を所蔵していて、二人のためになら命をかけてくれる。彼もまた幼馴染みである。 Lehaneが描く人物や社会背景はリアルである。彼自身貧困な階層出身であるが、優れた観察力と描写力でスラムの世界が描かれる。そして、登場する多くの人物は何かの形で傷を負っている。勇敢なパトリックもまた、英雄として扱われた父親の虐待で心の傷を負い、それから抜け出ることができていない。 人物と背景の精密さと、ストーリーの現実離れした派手さはある意味でアンバランスであるが、このシリーズの魅力でもある。 簡潔な英語で書かれており、スラムの人々の言葉もリアルでありながら、なおかつ分かり易い言葉になっている。この言葉のバランスを作り出すだけでもLehaneは文章がうまいと言える。 | ||||
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ボストンを舞台に私立探偵のコンビ、パトリックとアンジーが活躍する探偵小説。ボストンというとロバート・B・パーカーの「スペンサー・シリーズ」を思い浮かべるが、パトリックはスペンサーほどヒーロー然とはしていない。ストーリー自体も目新しいものではなく、探偵小説の王道そのものの展開だが、死人続出の結構ハードな内容。人物設定とその背景がきっちり書き込まれているので平凡なストーリーながら厚みのある話しに仕上がっている。ただ比喩の多用がやや鼻につき、かえって効果減。しかし、シリーズ化して欲しい内容ではある。 | ||||
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カーマニアの男性主人公、美人だけど腕っ節の強い相棒の女性 陰で支える無鉄砲で単純な協力者、主人公の恋路を邪魔する障害物 そして必ず持ってる銃器携帯許可(笑) というアメリカの探偵小説ハードボイルドのパターンを 全部備えているので、期待にそむくことはないでしょう。 主人公が冗長な比喩で皮肉を連発するのもお決まり。日常生活でそんな長ったらしい比喩で状況を説明するのは非現実的なのに。 人種・政治・虐待・ギャングとテーマ満載です。 映像化するならメル・ギブソン&サンドラ・ブロックあたりでしょうか。 レへインは初めて読みましたが、もう1作読んで見たいと思わせる一冊でした。 | ||||
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幼なじみの相棒アンジェラとボストンで私立探偵をしているパトリックは、政治家から「機密書類」を盗んだ掃除婦を捜すよう依頼を受ける。掃除婦はたやすく見つかるが、そこからが事件のはじまりだ。パトリックの目の前で彼女は銃撃を受ける。事件の進展もさることながら、パトリックとアンジェラの微妙な切ない関係が暴力的なストーリー展開に人間味を添えている。舞台がボストンということもあり、ついついロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズと比べてしまう。ホークを彷彿させる用心棒も出てくる。アイルランド系のパトリックの父親が消防士であったり、同じカトリック教徒であるイタリア系の女友達?がいたり、事件の火種となった書類?の中身が月並みだったりするが、謎解きよりも途中の会話や雰囲気を楽しむべき逸品だ。スペンサーとスーザンのくどくどした分析的対話に飽きた読者におすすめする。 | ||||
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