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点と線
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点と線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全138件 21~40 2/7ページ
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本書を初めて読んだのは私がまだ中学生の時でした。当時はホームズや明智小五郎が登場する探偵小説にはまっていました。当時読んだミステリー解説書に本書が「推理小説の質を一変させた記念碑的作品」として紹介されていました。この言葉の通り本作品は社会派ミステリーの原点となります。 本書のこれまでのミステリーと異なる最大の特徴は「リアルさ」です。ホームズ物などの探偵小説は謎解きに重点を置いた「どこか別世界の出来事」のような雰囲気がありました。しかし松本清張の作品は徹底してリアリティーを追求しています。犯罪に至る背景や動機そして解決のプロセスなど、あくまでも「現実にありうる」ストーリーが展開します。 私は清張作品として本書以外に「告訴せず」と「ゼロの焦点」しか読んでいませんが、「リアルさ」を追求しているのは清張作品の最大の特長だと思います。そのため読者は作品のストーリーをまるで自分が現実に体感している気分になります。別の表現を使えば主人公に感情移入した気分です。この描写力については松本清張は作家として大変優れた技量を持っています。 今後気が向けば他の清張作品も読もうかと思います。 | ||||
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はじめて、筆者の本を読みましたが、思ったより読みやすかったです。 トリックもよかったです。 久しぶりにミステリーの原点のような本を読みました。 | ||||
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家人が好きで結構まめに見ている松本清張のドラマや映画で、必ずといってもいいほど抑えた調子のナレーションが入るのは原作に由来することであるのか気になり、おそらく40数年ぶりに読みました。その40数年の間に東京の大学に行き、卒業後は福岡市の私立の高校で教員になり、香椎浜に住んでいるので、舞台である香椎潟は徒歩数分、二つの香椎駅も10分です。本作でも埋め立てという言葉が使われますが、ここ20数年で更に埋め立てが進み、現在ではその姿は香椎潟の鳥居とその周辺にわずかに面影を残すばかり。再開発に伴って香椎駅も含め地区全体が様変わりしています。しかし、本書にたとえば鳥飼重太郎が国鉄と西鉄の香椎駅を往復する場面に果物屋が出てきますが、おそらくJRの駅から西鉄に向かう通りの右側に、西鉄の駅の裏手に線路と並行する形でかつて存在した小さな商店の集まりの市場の入り口にあったお店であろうといった描かれていないことであったり、競輪場前駅とは現在の貝塚駅であるのかであったり、書き上げていくとキリがないくらい追憶に誘われること頻りで、他の作品とはひと味違った楽しみ方のできた一冊でした。そういう意味では解説の平野謙も懐かしい名前で、次は大江健三郎さんの「奇妙な仕事」でも読もうかと考えてます。ところで、その解説でお時と佐山をどうやってプラットホームに並んで歩かせたのかの説明がないとありますが、作品の終盤にその二人と安田が顔見知りとあるので、それはさほど気にならなかったものの、佐山の情人は結局誰であったのかに明確な説明がなかったことと、お時が口にした「ずいぶん寂しい所ね。」を、博多弁でなら「たいそう寂しかとこですなァ。」と言うはず、というのは、絶対違うと強く思いました。 | ||||
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砂の器を数年前に読んで以来2冊目の松本清張です。ジャンルは推理小説でしょうが、真犯人はすぐわかります。海岸で男女の遺体が発見されるが二人がいっしょに列車に乗り込むところを目撃されているところから警察は男女の心中死と判断、それに疑問をもった二人の刑事が真犯人が周到に用意した固い岩盤のようなアリバイに穴をあけようと北は北海道、南は福岡まで奔走する物語です。 東京ー福岡、札幌の移動に丸一日かかったり、 キーとなる今では普通になってる乗り物があるのですが、そこの発想に至るまでまでがとにかく遅かったり、当時の交通事情が想像できてよかった。 物語中盤で、病弱で外出が出来ないため時刻表を見ながら想像の旅をする女性がいるのですが、作者もそんな感じで実際の時刻表を見ながら犯人のルート考える、まさに点と線を結ぶ作業をしてたのかな、とそんなことを考えながら読むのが非常に楽しかった。 時代は古いですが、動機は官僚社会で板挟みにされる人間感情や男女関係に根差した普遍性を有するもので今でも十分面白い小説だと思います。 | ||||
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あまりに有名な東京駅のホームにおける「四分間」の間隙。たんなる情死が某省をまきこんだ大掛かりな汚職事件につながっていたことを、福岡署の刑事である鳥飼重太郎と本庁の警部補三原紀一が鋭い直観と大胆な仮説、そして緻密なアリバイ潰しで突き止めていく。鳥飼が最初に列車食堂の受取証の「御一人様」とあったことに違和感を抱いたことが鳥飼と佐山を引き合わせ、鳥飼が別れ際につぶやいた「東京駅も、さぞホームが汽車で混雑しているでしょうね」という一言から暗示めいたものを受けて三原は東京駅のホームで事件の鍵をにぎる「四分間」にたどり着く。「人間には先入主観が気づかぬうちに働きまして、そんなことはわかりきったことだと素通りすることがあります。これがこわいのです。慢性になった常識が盲点をつくることがたびたびございます」という鳥飼の言葉を胸に刻み、調べれば調べるほど容疑者の証言を裏づけることばかり出てくるという逆境のなかでも捜査をあきらめなかった三原の最後の報告は圧巻だ。東海道線~山陽新幹線で西に向かう車内で読んだ。平野謙の解説に、被害者となる男女を特定の四分間うちのさらに短い特定の瞬間にホーム上を歩かせるという工作の難易度を指摘してたが、そこはたしかにあるなと。かつては東京から博多まで17時間もかかっていたということに時代を感じた。いまは時刻表はスマホのなかだし、ローカル線は時刻表など意味がないほど本数が減ってしまっている。 | ||||
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情死か他殺か。現代社会では絶対に成立しないであろう反抗隠しだが、ある2人が他者を巧妙に利用しつつ、情死に見せかけるトリックは秀逸。この計画的犯行は物理的にはまず奇跡的な確率でしか実行できないであろう点で、いくばくかの違和感があるがそれははさておき、官民の癒着といった社会批判を題材にしつつ、読者に余韻を残させるエンディングが非常に面白い。松本清張の本としては、砂の器、ゼロの焦点に続きて3作目だが、これが松本清張流なのだろうなと思う。 | ||||
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汚職が取りざたされる某省の官僚と料亭の女中の遺体が福岡県の海岸で発見される。ありがちな情死事件と見られていたが、福岡県警のベテラン刑事、鳥飼重太郎は男の遺留品である領収書を不審に感じ、独自の調査を進める。省庁の汚職事件の観点から心中を疑う警視庁の三原紀一は、鳥飼の調査結果を受け、捜査の舞台を東京へと移す。女の同僚だった女中たちの証言をもとに、三原はある男を容疑者として固めるが、事件当日に北海道へ出張していた容疑者のアリバイは完璧だった。 殺人の発生以前の行動もあって序盤から疑わしい人物は明白で、犯人とその動機を隠す意図はない。完璧を誇る容疑者のアリバイをいかに崩すかに焦点が絞られた、典型的なハウダニット型のミステリとなっている。全体に無駄が少なくさばけた印象の作品で、人物の描写も作品として必要とされる最低限にとどめられている。そのこともあって、事件を捜査する主人公が序盤の福岡県警のベテラン刑事鳥飼から、中盤以降は警視庁の若手刑事・三原にリレーしても移行に違和感を感じない。トリックに派手さはないが、シンプルなだけに自然で、読み手を欺くことに重きを置いたミステリに抱くこともあるフラストレーションとは無縁だった。 発表当時の1958年頃を描いた作品は、今となってはある種の時代ものでもあり、現在とは大きく異なる空気感を感じることができた。おそらく作者は本作で時代や人を描くことを目的とはしていなかっただろうが、意図されていないミステリ以外の要素も楽しめた。作品の結末にもかかわる組織における不条理さは、政治や大企業をはじめとした昨今の報道にも相通じるものがあり、物思わせられる。真犯人の真意についても、あくまで対象から離れた控えめな描き方が好印象で、くどくどしい人物描写よりもかえって感慨深い。 作品自体は読んでいなくても、語彙として目にする機会も多い「点と線」は、約250ページという多くはない紙数もあって機能的でシンプルな作風でありながらも、人間や時代を感じさせる魅力を併せもつ作品だった。 | ||||
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本作のミステリとしての基本枠組みはなかなか優れている。さらに企業と官公庁の汚職がからんでくるのも当時の小説としては新鮮だ−−当時としては。しかしトリックに幾つか瑕疵がある。関係のないある人達をある場所に数分の正確さで集めることができるか、とか、被害者の一人をどうやったら途中下車させることができるかとかである。くわえて今となっては致命傷なのはメイントリックについて「パンがなければお菓子を食べ」ればいいことに刑事たちがなかな気づかないことである。これを「古典」だから仕方がないと古い探偵小説が指紋や硝煙反応を無視していることと同列に扱えるかどうかで、あなたにとっての『点と線』の評価が決まるのではないだろうか。 | ||||
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有名な作品で、読んでみたくて買いました。面白かったです。 | ||||
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松本清張の推理小説の代表作品の一つであるだけのことはあって、読み応えがあり内容もすんなり頭の中に入ってきて面白かったです。 清張の作品はこの作品を含めて映画化やドラマ化されているものも多いようですが、元となるアイデアを出してゼロから作品を生み出したのは原作者であるので、その小説も一度は読んでみてほしいです。 こまかい部分ではありますが、この小説が最初に雑誌の連載が始まったのが昭和32年(1957年)ということなので60年以上前のこととなり、飛行機を使った移動などは現代なら当たり前すぎて推理小説のトリックとしては意外性の薄さは感じました。 また、料亭の女中お時を犯行に利用するために東京から博多まで何日も連れまわしていることにも、たいした理由もなしにそんなに従順に従うものかという不自然さも感じました。 しかし、一見男女の心中事件と考えてほとんど疑いようのない完全犯罪を、東京駅や札幌駅での目撃証言が偶然としては出来すぎている点や、女と心中に向かう途中の佐山が一人で食堂車で食事をしていることが不自然である点など、そこから逆に犯行の証拠をあぶり出していく過程は、精緻で飽きさせないものであり、良く出来ていると思いました。 香椎駅周辺で目撃された男女が誰なのか、一組だけなのかにも興味をひかれました。 | ||||
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時刻表を駆使したその後の推理小説の始まりかと思いながら読み進め楽しめた。 | ||||
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昭和32年の作品といえ、さほど古くさく感じないですね。読みやすいし展開が斬新。 ITはなく五右衛門風呂がある時代でも、システムはしっかりしてたのかちょっと調べれば何でもわかるし便利。電報も返事に時間のかかるLINEみたい。寝台車、食堂車のあった時代もいいなと思います。当時の女性の扱いはさすがに「昔」で今なら違和感ありますが。(この扱いはその後も結構長く続くかも) 殺人の動機はひどいけど時刻表トリックは面白いです。中に時刻表好きの随筆が出てきますが、松本清張さんの心情だったりして。そうそう時刻表って今買うことなくなったけど見るだけで面白いものだった事も思い出しました。 | ||||
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評価通りでした。 | ||||
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電子本は予想以上の使い勝手がいい。読み終えた所までの付箋もカラーで付けやすい。まだまだ活用の仕方が分からないが便利さを感じる。 | ||||
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日本人がミステリー好きなのはこの作家がいたからだと思います。ドキドキしながら、一気に読みました! | ||||
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やっぱり清張は良いですね!⭐森村誠一の心理分析のドロドロした所も面白いですが、松本清張のスッキリサッパリした文体も、本当に楽しいです! | ||||
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刑事が靴底をすり減らしながら、地道に捜査しているところを存分に味わえたところが、個人的には最高でした。 トリックに関しては、死体に関して決め付け過ぎる点や、あの移動手段に気付かないあたりはとても残念でした。 しかしそれらを補って余りあるほどの読みやすさとテンポの良さ。 古い作品なので読みづらかったり、時代背景を理解できるか心配していたのですが、無駄がなくサラッと読みやすいので驚きました。 文体や構成が素晴らしいので、現代でも充分楽しめるのだと思います。 著者の他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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少しづつ事件が明らかになって、登場人物の行動の意味がわかってくる様は、まるでパズルをしているよう。言葉遣いも柔らかく、読みやすい。 | ||||
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むか~しむかし、もう50年位昔かな?学生時代初めて読んだ松本清張の一冊。ストーリーの展開の素晴らしさに一晩で読んでしまいました。その後、松本清張にはまり、ゼロの焦点・砂の器等々何冊読んだか。でも、今でも「点と線」が私にはNO.1です。TVでも、何度も観ました。ビートたけし主演のドラマも観ました。あと、清張ではありませんがお勧めは、高木彬光の「白昼の死角」、手形のパクリ詐欺を題材にした小説です。 | ||||
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時刻表トリックに、時代背景もあって取っ付きにくさは感じながらも 無駄な描写、余計な心理描写を省き、要点をまとめた、それでいて柔らかで優しい表現で書かれた文章のおかげで躓くことのなくすらすらと読めた。 ページ数も250程と短くて、一日で読んでしまった。 この物語の最大の肝は、やはり『空白の4分間』にあると思う。これに気づいただけでも、松本清張の観察力に脱帽する。 最後の世の中の理不尽さは、現代でも通用するどころか、まさに今現在の状況そのままではないだろうか? | ||||
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