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点と線
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点と線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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松本清張(1909~92年)氏は、広島市又は福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)生まれの、戦後日本を代表する小説家。1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞し、その後しばらく、歴史・現代小説の短編を多く執筆したが、1958年に『点と線』を発表して社会派推理小説ブームを起こすと、以後、『ゼロの焦点』、『砂の器』などもベストセラーとなった。その他、日本古代史、近現代史を扱った作品やノンフィクションなど、広い領域での創作活動を行った。 私は基本的に新書や(単行本・文庫でも)ノンフィクションものを好むのだが、最近は新古書店で目にした有名小説を読むことが増え、本書もその中の一冊である。 本作品は、1957~58年に雑誌「旅」に連載、1958年に出版(1971年文庫化)された、所謂「時刻表トリック」を扱った古典といえる作品で、英語やフランス語をはじめ世界10ヶ国語以上に翻訳され、日本を代表するミステリーとなった。尚、時刻表トリックは、日本の鉄道の正確な時刻表・運行時間を前提とした独特なもので、同じ鉄道ミステリーでも、英国等海外のものは、鉄道の密室空間を利用したトリックなどが多い。(アガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』等)。 読み終えて、なるほど日本の社会派ミステリーの古典と言われるだけあって、当時の世相をよく表し、かつ緻密に計算された作品で、60年前の作品であることを前提に読むには十分に楽しめる。ただ、肝心の移動手段について、警察側がなかなか発想の転換ができないことなど、今読むと違和感を覚える部分もあり(当時は日本全国どこへ移動するにも鉄道が大半だったのだろう)、純粋に面白さという点では、移動手段でも通信手段でもその他のテクノロジーでも、最も現在に近いものを取り入れた、新しい作品の方が上なのではないかという気もする。(例えば、ハードボイルド・ミステリーの古典中の古典といわれるギャビン・ライアル『深夜プラス1』(1965年)なども、やはり古さを拭えない) 日本の高度成長期に社会派ミステリーというジャンルを作った古典として、一読しておいていい作品と言えるだろうか。 (2023年3月了) | ||||
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まあまあ面白かった。点と線はテレビドラマで何度かやってるし、時刻表を使った、アリバイ崩しの名作ということは度々耳にしていたので一度は読んでみないと、手に取った 設定はちゃんとしている。官僚の汚職に絡み、トカゲの尻尾切りで若い官僚が殺される。出入り業者が一計を企てる。どう考えても疑わしいのに、どうしてもアリバイが崩せない。不可能に思われることをしている。アリバイ崩しは読者の知的好奇心をかき立てる。私もわくわくしながら読み進めたが、飛行機にここまで気付かない刑事ってどうなんだろうと思ってしまった。 汽車と思い込まされるミスリードはもちろん、犯人の入念な仕込みがあったわけだが、疑わしい犯人が既にいて、何らかの作為があるのではと考えればすぐに空路の可能性には思い至るのではないか。いっそのこと上司や他の刑事でもいい。そこに気付いてほしいと思った。 もちろん、フィクションである。推理小説なのだから、そこにすぐ気付いちゃあ話が成り立たない。娯楽にならない。ただ、トリック以外の時代背景や描写にリアリティがあるからこそ、トリックがどうしても陳腐に見えてしまう。釣り合っていない。 無論、当時の時代背景がある。長距離移動といっても鉄路が当たり前。空路はまだ一般には浸透していなかった時代なのだろう。小説としての完成度は高いが、推理小説としてはいまひとつ。飛行機が飛び回っている現代に娯楽小説として読むと、どうしても結末に物足りなさを覚えてしまうだろう。 | ||||
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汚職の張本人、また、事件の黒幕とも言える官僚が、出世という顛末は、昔も今も変わらないんだなぁ、と改めて思い知りました。代表作で、気になっていた作品でしたが、敷居が高く、初清張でした。読み応えがありました。 | ||||
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1958年に刊行された松本清張の推理小説の代表作。東京駅で遠くのホームを見渡せる4分間の空白を狙ったトリックはあまりにも有名。どす黒い執念を覗かせる女性と、保身のために部下や業者を利用する腹黒い官庁の幹部が鉄壁のアリバイ崩しの伏線になります。インターネットや携帯電話もなく鉄道が主たる交通手段の時代。犯人が飛行機を移動の手段として使ったことを思いつくタイミングが遅いところなどに時代を感じるところはあります。しかし時刻表に目を通して空想の世界で旅行する感覚はよく理解できるもので、時代を超えて読み継がれる小説の資格を備えていると感じられます。 | ||||
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推理小説としてより、実務はしないが出世はする上司、実務に長けているが出世はしない課長補佐、この人間模様が気になりました。 | ||||
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非常に読みやすい作品である。しかし、旅客機のことを思い付くのがあまりに遅く、「そんなことは早い段階で疑うべきことだろう」とそこで一気に興ざめしてしまった。情死のことも他殺や第三者の存在を疑うならば、死体は運ばれてきた可能性を真っ先に考えると思うのだが、死体が寄り添っていったことで最後の最後まで情死と決めつけている。期待していただけに残念であるが、次はずいぶん昔に読んだ事のある「砂の器」で名誉挽回してもらおうと思う。 | ||||
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確か・・・小学校高学年か中学生の頃読んだまま、今回30数年ぶりに読みました。 当時は当然のことながらインターネットなど存在せず、必然的にレビューサイトなどもありません。周囲には松本清張を読んでいる子供もおらず、かと言って大人と話をすることもなく、ただ風の噂で評判だったので図書館(図書室だったか?)で借りて読みました。 子供ですから時代背景も知らず、「なんで◯◯◯使わんの?」とか思っててそれがトリックネタだった時に衝撃を受けたのを覚えております。 今回50才目前にして再読。 もちろん、時代背景も把握しています。 しかし、なんというか。うーん。 やはり時代なのか。 どこが面白いのか、今ひとつ把握できず。 おそらく犯人についてはほとんどの人が早い段階でわかったと思います。となると残る小説としての面白さは、アリバイ崩しと人間関係にあると言っていいでしょう。 アリバイ崩しについては◯◯◯がトリックネタの一つですが、現代ではあまりにもありふれており、そこに至るまでが長すぎる。また取引のある官庁の人間が出てくるのも興ざめ。口の固い共犯者というのは推理小説をつまらなくするものでしかない。◯◯◯の利用以上にこれが致命的に残念でした。 また人間関係についても、そこまで人間が描けているのか。病弱なあの人の出番がもう少し欲しかった。夫婦関係とかね。 おそらくは現実感に薄い大掛かりなトリックばかりで、トリックのための殺人事件ばかりだった推理小説に対するアンチテーゼとして、リアリティのある推理小説の登場がこの点と線の真骨頂なのだと思う。 「本格派に対する社会派ミステリー。大人が読める推理小説の登場」だったのだろうが、草分けであるがゆえにその部分を取り除いてしまうと完成度にやや不満が残る。 反論は多々あるかと思いますが、年月の経過により風化してしまった部分があるのは否めない。もちろんそれで松本清張の偉大さが失われるものではありません。 発売当初の評価が高かったのは当然だろうと思います。 他にも松本清張の本はたくさんありますので、また色々読むつもりです。 まあ、現在の政治批判を無理やりこじつけてしまうような頭の固い読み方は、松本清張に大変失礼だと思いますのでとにかく純粋に小説として楽しみます。 | ||||
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テレビでドラマをタケシ主演でやったが、名作でしょう。 ただ、時代背景がいまとぜんぜんちがう。 東京から福岡まで一日近くかかるなんて信じられない。 | ||||
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このミステリーには犯人を推理することも、ラストに名探偵が推理を披露することもない。 あるのは事件、犯人、犯行方法という点これを一つの線で結ぶ作品である 今日では目新しいトリックもないのだが、起こることが稀な事柄が起きたとき、そこに作為がある この点を明確にした名作ではないでしょうか | ||||
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完全犯罪を企らみ見事なアリバイ工作をした犯人のアリバイをどう解いていくかという、犯人はわかっているが確信をつかめない、証拠がない中で推理をしていくというストーリーがおもしろかった。電車の時刻表を利用した考え方が普通考えつかない視点だったからおもしろかった。 | ||||
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推理の理論立てがレトロ… まぁ、昭和30年代の作品だからしょうがないか… とはいえ、結末はそこそこ意外感もあり良かった! | ||||
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そもそも警察ってあそこまでしつこく捜査するもの?あんな熱心な刑事、現実にいるの?ていう。 普通だったら100%情死で片付けられてるね。ああいうドラマや小説って警察や刑事を大袈裟に誇張してるとしか思えない。 そうしないと話にならないから。でも警察も刑事も別に正義感で仕事してるわけじゃないだろ。 警察ファンタジーっていうの?庶民のみなさん、警察ちゃんと仕事してますよ、税金泥棒じゃないですよ的広報みたいな。 ハッキリ言って現実は完全犯罪(不完全でも警察の適当捜査で結果そうなる)が横行してると思う。 だから推理小説って嫌いなんだよね、そもそも設定に無理があって。現実にはあんなトリック用いる奴もいないし、そういうトリックを見抜ける警察も刑事もいない。 世に蔓延ってる盆百の推理小説のひとつに過ぎないね、これも。つまらない。ハッキリ言って。 これってステマの元祖じゃないの?松本清張は大作家だ、みたいな。全然大したことないじゃん。 まぁ当時の世相の雰囲気みたいなものは感じられたけど。それなりの味わいみたいなものは。あと官僚は悪いことやってるのが常識みたいな。 | ||||
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『点と線』と言えば、松本清張に自分が興味を持つ前に知っていた唯一の著作で、それを知ったのは高校生の日本史の受験勉強。 題名から、明らかに「点と点が重なって線になって…」的なミステリーの「み」の字とも言える松本さんの自信の表れとも思ったが…。 結論から言うと、『砂の器』とかに比べるとインパクト不足というか。 最近ではあまり見ない(?)時刻表を使ったトリックで、朝の特定の時間にだけプラットホームに電車が複数停まらない時間がある。 その時間を上手に使ったトリックで、他の殺人時間に関しても、作品を通して“アリバイ”が本書のキィワードになるのかな。 日曜日14時頃にやっていそうな殺人事件ドラマを見ているようでした。 著者:松本清張(09年生まれ、98年没) 発行:2009.4.10 第1刷 読了:2014/12(168/10)★3.2 | ||||
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カラクリ関連が長すぎて人の描写が少ないせいか物足りない…。 サクッと読めました。 | ||||
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ドラマでおなじみの松本清張。原作を読むのは初めて。 あるいみ、近世の古典といえるかも。社会派ミステリーの先駆けという気分で読めば、やはり凄い。 しかし、いかんせん時代がかった古さはもちろん否めないし、携帯電話とネットの現代にあってはミステリーの小道具として出てくる電報なども、ん?って感じでイマイチ入り込めないとこはある。 でも、犯罪ミステリーとしてやはりぐいぐいと引き込むものはあるし、変に人物の感情描写などを入れていない分、ドラマなどには適している。 | ||||
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周到に張り巡らされた様々なアリバイ工作を地道に崩していくアリバイ崩し物の傑作なのだが、 いかんせん傑作すぎてこれに模倣された作品も多く、ミステリをあれこれ読んだあとに読んでも 意外性をあまり感じられない点は残念 ただ一つの作品として250ページ程度の短さながら内容は濃く読み応えもあるので、 手元に置く価値は高いだろう | ||||
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すばらしいトリックです。 よくもまぁこんなにたくさんの罠を思いつけるものだと感嘆します。 推理小説でもあり、ハラハラのサスペンスでもある。 | ||||
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すばらしいトリックです。 よくもまぁこんなにたくさんの罠を思いつけるものだと感嘆します。 推理小説でもあり、ハラハラのサスペンスでもある。 | ||||
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トラベルミステリーのアリバイ崩し小説です。無駄な部分が無く一気に読ませてくれますが、最近の推理小説に慣れた私には物足りませんでした。私が読んでいる最中に「刑事さん、今頃それに気付くか?」と感じていた部分は、解説で有栖川有栖さんが見事に突っ込んでくれています。酷評する解説だけでも(突っ込んだ後褒めてますよ)この文春文庫版は読む価値アリ!です。 | ||||
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登場人物は限られてて、この人が犯人だろうとは初めから判っているんだけれど、動機が不明で、アリバイがあるから、種明かしまでまったくわからなかった。この小説は、電車や飛行機のダイヤを巧みに駆使したアリバイ破りを描いていて、あーこれかと素直に思った。以外な人も犯人だったことが面白かった。推理小説に精通していない人にも読みやすい一冊だと思います。 | ||||
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