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点と線
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点と線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全138件 1~20 1/7ページ
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「点が線になった」 という表現は、皆さんどこかで聞いたことはあると思います。 個人的には「スティーブ・ジョブス」のスピーチが頭に浮かびます。 彼がスタンフォード大学で、カリュキュラムに沿わず、自分が気がおもむくまま勝手に受講した授業内容「点」、それが意外にも、将来の事業立ち上げ時に役にたった「線になる」というものです。 では本書の「点」と「線」がいかなるものだったでしょうか。 【※注意:ここからはネタバレを含みますので、閲覧にご注意ください】 この物語は、福岡・香椎浜にて男女が横に並んだ死体一組が発見されるところから始まります。「心中」した光景そのものでした。 ■「点」 ・当地の鳥飼刑事が見つけた、男の方のポケットから見つかった「お一人様」の列車食堂の食事券。 ⇒ 心中するほどの愛し合っている男女なのに、男が一人で食事をしたのはなぜか? ・東京駅にて、十三番線から十五番線の《あさかぜ》が見えるという、奇跡的な「四分間」。 ⇒ 一日の中でたった「四分間」しかないというのに、この瞬間に、心中した男女の目撃情報があるということ。単なる偶然なのか? 上記のような小さな違和感から、ありきたりな「心中」として片付けられそうになっていたニュースが「事件性」があるのではないか、と福岡の鳥飼刑事とともに、東京の三原刑事も捜査を開始します。 三原刑事は、この「四分間」を仕掛けた男(〇〇省、出入り商人「安田」)がいたことを突き止めます・・・ この時点で、まったく事件性はない、という可能性の方が圧倒的に高い状況でした。安田が事件に絡んでいたとしたら、当初はその「動機」すら分かってないし、何よりも安田には鉄壁の「アリバイ」がありました。 最初は正式な捜査指示も出ていないのに、よく三原刑事は、捜査を始めたなぁという、読者として不自然な感じはありました。安田が犯人であるということは、雲をつかむような感じでした。 とはいえ、これこそが「点」ということだったのだといえます。何の見通しもない、ということが「点」です。結果として何も得るものがなかったとしても、突き進む「直感」に近いものだと思います。 上記の「点」の「違和感」に後押しされ、名探偵バリに、三原刑事は捜査を進め、これが図に当たって来ます。次第に状況も「汚職事件」が明るみ出て、正式な捜査となります。つまり「点」が「線」になってきたのです。 ■「線」 ・「お一人様」の食事券 ⇒ 男が一人で福岡に着いたこと。女は途中 下車していた。 ・東京駅での目撃談 ⇒ 心中した男女は恋仲ではなく、 ただの知り合い程度の仲だった。 にもかかわらず、「他殺」ではなく 「自殺」として判断されて、捜査が安田に 及ばないように、あたかも恋人同士で あったように信じさせるための演出だった。 上記のことから端を発して、ついに安田が事件に関係していた事につながります。「心中」ではなく「事件」であったと、鳥飼・三原、両刑事の捜査が実を結ぶことになるのです! 「点」でしかなかったものが物語の終盤に「線」として様相を変えます。 要するに、「点が線になる」ということは、不確実だったものが、何らかの「成果」に結びつくということを改めて認識いたしました。 『点と線』は数多くの松本清張作品の中で、一番有名なものの1つです。その理由としては社会派サスペンスの先駆けとなったものとされています。 ただ、トリック自体は結局、飛行機を使って崩れるという短絡的なものとみなされがちです。終盤は鳥飼・三原刑事は手紙でやり取りして足早に小説は完結しています。実際二人が会っているのは、小説だと序盤の福岡に三原が行った一回きりです。 細かいところを突っ込めば物語の完成度は決して高くはありません。 しかしながら、『点と線』が人気たらしめるのはなぜでしょうか。 何回かドラマ・映画化されているという点もありますが、やはり鉄道サスペンスの先駆けとなったところではないでしょうか。当時、東京駅で十三番線から十五番線 が見通せる「四分間」は本当にあったらしいです!たくさんの人たちが、確かめに来たとのこと。 さらに「〇〇省の汚職事件 」という現実にありそうな事件です。それが明るみに出る「痛快感」と結局上層部は裁かれないという「やるせなさ」。 このように、一般人の生活に身近にありそうな物語というのがウケたんだと言えます。当時はサスペンスというと「シャーロックホームズ」「怪人二十面相」など日常とかけ離れたイメージでした。ですが、『点と線』は人々の身近にありそうな、ある種の「親近感」を抱かせたのではないでしょうか。 そういったものが、後世に残る作品として、今も書店に並んでいる理由かと思われます。 また、高級官僚の汚職を隠すために、犠牲になった「課長補佐」。社会的に上層にいる人の悪を暴き、下層の人々がつらい思いをしている、それを何らかの形で表現したいという、松本清張の「正義感」が感じられます。 我々は、何事かを始めるにも「これは役に立つのか」「収入アップ」になるかとか、即物的に考えがちです。しかし「自分はこれがしたい!」という純粋な動機「点」が大事なんじゃないかと、小生は勉強しました。「点」が「線」にならず、「点」のままで終わったとしても、まぁ「点」自体を楽しむつもりで、気軽に何かを始めても良いんじゃなかと思いました。 | ||||
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有名かつ古い作品なので気負って読み始めたが、ストーリーもトリックも分かりやすく面白いもので、また推理に関してラスト丸々当てているのが理解しやすかった。黒幕を匂わせるのも物語に拡がりを感じられて良い。 | ||||
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昔、父の部屋に松本清張の本がたくさんあり、借りて読んだのがこの点と線でした。 そこからミステリーが好きになりました。 | ||||
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私が中学生の頃に読んでミステリーにハマるきっかけになった本です。 何で◯◯◯を使わないの? は私もすぐ思ったけど。 とにかく中学生でもスイスイ読めるおもしろさ。 そして、時刻表のおもしろさ。 今はもうなくなってしまった特急、急行、青函連絡船の懐かしさ。 私も青函連絡船に乗った時に乗船名簿を書いたなー。 スタンプも押したけど、どこにあるかなー? 鮎川哲也さんとか西村京太郎さんなどの鉄道ミステリーへの入口になる本です。 昭和30年代の東京から大阪までの◯◯◯の運賃は6300円だったそうです。 その頃の男子の初任給は2万円くらいだったそうです。 ◯◯◯を利用するのは今よりもずっと大変。 | ||||
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なぜだか今は無きテレビの火サスを思い出させる。 無駄な叙述が無くぐいぐいと引き込まれていくが、雑なトリックと急いだかのような終わらせ方にちょっと驚く。北村薫「中野のお父さんと五つの謎」に執筆時の事情が詳しく書かれている。 | ||||
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面白かったです。刑事と一緒に考えいくストーリーかなと思います。 | ||||
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本の名前は昔から知っていたけど、恥ずかしながら最近始めて読みました。基本的には面白かったです。 しかし、さすがに昭和30年代(20年代?)の列車は移動時間がかかりますね。それだから成立した小説なのだろうけど。それと、主人公の刑事が「あの」移動手段に途中でやっと気づくとは遅すぎる!今だったらいの一番に思いつくのだろうけど。当時は運賃が高くて庶民には高嶺の花だったのかな。 | ||||
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容疑者の妻が、夫以上の大変な策士で しかも恐るべき知能犯だと思いましたね。 彼女は、病弱で、文学好きで、病床で、 文学書と一緒に時刻表を読んでいるうちに こういう恐るべき犯罪を思いついたようですが、 これって何だか墺太利の名作家シュテファン・ツヴァイクの 短篇「チェスの話」を連想させられましたね。 ツヴァイクの小説のプロットと清張さんのそれの一致は、 偶然だと愚考いたしますけれど… ちなみにツヴァイクの件の短篇は、みすず書房の ツヴァイク全集で読めます。 興味がおありの方は、清張作品と 読み比べてみるのも一興かと。 | ||||
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いっきょに、読めました。 このような本は、Kindleに合っていると思いますね。電車の中、クリニックの待合室など、携帯でメールなどが終わったあと、そのまま読めますから。 文庫本は、いちいちカバンから出したり、面倒です。 | ||||
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素晴らしい 何度も読みたくなります 張り込みも好きです。映画も。 | ||||
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練馬に引っ越してきたので、地元ゆかりの松本清張を読みました。 半世紀前に書かれた小説が今でも面白い。 電車で長旅をしたくなる一冊です。 | ||||
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スルスル読めた 電車や鉄道に興味が出てきたのもあって鉄ヲタのユーチューバーが薦めていたので読んでみたがとてもおもしろかったので他の鉄道系のミステリーも読みたくなった。 | ||||
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友達に頼まれて購入しました。 よかったと言っていました。 | ||||
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. 昭和32年1月、博多に近い香椎海岸で男女の遺体が見つかる。男は東京霞が関の官僚・佐山憲一、女は東京赤坂の料亭の女中・お時。青酸カリによる無理心中と思われたが、地元警察の刑事・鳥飼重太郎は男の遺留品に食堂車を一人で利用した券があったことに疑問を抱く。情死の相手を列車内に置いて一人で食事をする男などいるだろうか。東京の刑事・三原紀一は鳥飼の疑念に賛同し、死んだ男女の背景を東京で追うことにする……。 ------------------ 松本清張が昭和32(1957)年から翌年にかけて雑誌「旅」に連載した長編推理小説です。かねてからその評判、特に列車の時刻表を頼りにしたトリックのことは耳にしていましたが、つい先日、たまさか手にした『 ゼロの焦点 』があまりに面白かったので、もうひとつ著名な清張作品を読んでみようと思った次第です。 これもまた抜群に面白い小説でした。一気呵成に1日で読んでしまいました。 昭和32年当時、実際にあった国鉄の列車発着時刻に基づいて企んだ仕掛けが目を引きます。この小説を同時代作品として読んだ昭和30年代の読者は、リアリティあるがゆえの緊迫感をいやが上にも味わったことでしょう。当時の読者が羨ましく感じられます。 事件の背後に見え隠れする官僚汚職事件も、実際に1948年(昭和23年)には昭和電工事件、そして1954年(昭和29年)には造船疑獄と、闇の経済史に必ずその名が上がる醜聞が発生していた頃ですから、生々しさといったらなかったことでしょう。 そして三原刑事が、推論を組み立て、その推論を裏付けようと足を使って聞き込みと現場検分を続けた末に、その推論が一度ならず二度、三度と不成立となる壁に突き当たり続けます。容疑者が精巧に積み上げたトリックが、刑事の懸命な努力を跳ね返し続けるのです。しかも当時は東京と博多の鉄道往復に40時間を要した時代です。また捜査が進展するにつれ、やがて関係者の向かう先は北海道にまで及ぶのですから、その焦燥感と疲労感がいやが上にも高まります。今日では考えられぬほどの時間と手間のかかる調査を続け、調べれば調べるほど、容疑者のアリバイが裏付けられ続ける様を前に私は、清張先生のいけずぶりも相当なものだなと、感心したのです。 博多の鳥飼刑事と東京の三原刑事のコンビによる推理劇には『 時間の習俗 』という続編があるのだとか。機会があればぜひ手にしてみたいものです。 . | ||||
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国鉄時代を思い出しながら、楽しく読みました。松本清張作品は、若い頃に全て読みましたが、こうして読み返してみても、十分に楽しめます。推理小説の元祖だと思います。 | ||||
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アリバイの点ばかりが強調されるが、 事件の結末は、そこまで単純ではない。 東京駅の出来事は犯人にとっては 好ましい状況で運んだわけだが、 仮に多少の不手際があっても 犯行の蓋然性は大きな影響を受けないと思う。 解説で指摘されるほど、致命的とは思えない。 物語はアリバイに翻弄された 刑事たちが描かれる。 むしろそれよりは事件の錯誤性の 解明が大切なのだが、 その部分はアリバイの部分に 比べるとかなり駆け足で ツラツラと説明を聞くような展開で終わる。 この辺はアリバイに費やしたくらいの 丁寧さを求めたいが、 清張は冗長を嫌ったのだろうか。 | ||||
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Kindleで買いました。夜の読書はスマホが格段に楽だと気付きました。ライトを着けなくてよいため。 | ||||
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久しぶりに推理小説を読んだ。 物語の舞台は昭和32年前後の設定らしい。博多近郊の海岸で男女2体の変死体がみつかった。現地警察の調査の結果は単なる心中事件という結論になったが刑事の一人はこれには単なる心中とは異なり何か事情があると感じた。一方で当時警視庁では某官庁の汚職を調査していた。ここから話が始まって東京の事件と博多の事件の双方に関係のありそうな人物が浮かびあがり舞台は博多、東京、札幌という具合に広がる。この容疑者は本当に博多の変死体事件の犯人なのか、この人物には各所にアリバイがある。このアリバイを崩していく経過がストーリーの流れで、カギは列車と航空機の時刻表。 実に綿密な組み立てで読みながら先の展開を想像するのが面白かった。 | ||||
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無し。 | ||||
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学生時代に読み耽った松本清張氏の作品を半世紀近く経って読み返し、そのテンポの良いストーリー展開と緻密なアリバイ崩しに引かれ、一晩で読み切ってしまいました。誠に素晴らしい作品です。他の作品も改めて読み直そうという気持ちになりました。 | ||||
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