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邂逅の森



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【この小説が収録されている参考書籍】
邂逅の森
邂逅の森 (文春文庫)

邂逅の森の評価: 4.64/5点 レビュー 143件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.64pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全143件 121~140 7/8ページ
No.23:
(5pt)

重厚な外観に反して一気に読ませる傑作。おもしろいです!

最近の芥川、直木賞受賞作、全部読んでいるわけではないけど、 ちょっと違うなと感じていましたが、この作品は良かった。 ひさびさに傑作の予感が。 読んだことのない作家の長編はとっつきにくいものだけど、 この作品はそうではなかった。東北のマタギ(猟師)の世界を 描いて冒頭からぐいぐいと読者をひきつける。 マタギというハードな男の世界と、主人公富治の恋愛、波乱万丈の 人生が綾織のように展開される。方言と山のマタギ用語が飛び交う 大正初期の東北の貧しい村が舞台でありながら古臭さを感じさせないのは語り口(文体)が新鮮なせいか。 文学的に深い作品が読みたい、マタギという未知の世界への興味、 エンターテインメントとしての筋のおもしろさ、人生とは、生きる意味とは、と 欲張りな読者の欲求をすべて満たしてくれる作品。 富治が魅力的な男として描かれているのだが、最終章、 山のヌシとの一対一の対決はハードボイルドそのもの。しびれます。
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No.22:
(5pt)

これは「旅のラゴス」だ

ここ数年に読んだ本では白石の「一瞬の光」に次ぐ感動作。邂逅を通じて主人公が成長していく過程は、まさに筒井の「旅のラゴス」に通じる(鉱山での生活などはそのもの)。「東北」と「熊の肝」に非常に興味が出てくる物語(「もののけ姫」ほど臭くありません)。
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No.21:
(5pt)

これは「旅のラゴス」だ

ここ数年に読んだ本では白石の「一瞬の光」に次ぐ感動作。邂逅を通じて主人公が成長していく過程は、まさに筒井の「旅のラゴス」に通じる(鉱山での生活などはそのもの)。「東北」と「熊の肝」に非常に興味が出てくる物語(「もののけ姫」ほど臭くありません)。
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4163225706
No.20:
(5pt)

ずっしりと心に沁みる

昨今の軽く読める本がブームの中で、これは一味違ったロングセラーになるであろうずっしりと心に沁みる本である。東北の狩猟文化を背景に熊をめぐる人間模様。忘れてはいけない日本の自然と自然がもたらす恵み。相剋の森と合わせて読むと倍増です。
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No.19:
(5pt)

”夫婦の絆”を問いた快作!

富治の生き様に圧倒されました。また、著者は不器用な私へのバイブルと示して下さいました。巨熊との戦い、すなわち山の神との戦いを決意した富治。彼は女房イクとの愛を肯定するために、そして折々の選択の正しさを検証することが目的であった。また、小太郎を傷つけた巨熊への復讐も伴う…釣り合わぬ文枝との恋沙汰がもとで、彼は次々とふるさとから遠ざけられた。札付きの淫なイクと所帯を持つと言う屈辱的な条件で、定住の地にありつく。さらにイクは、身ごもっている。(イクの義理の弟であり、富治の弟子:小太郎の子どもかもしれない。)しかし、所帯を持った二人は、娘たゑを見事に片付けた。後半、恋仲を引き裂かれた文枝が現れる。男根の萎えた富治、張り手を先制したイク。このくだりに、彼らは真に夫婦として愛し合っているなと、感動しました。この絆こそ、巨熊との対決に勝ち得た愛の証であろう。さらに、生きる力を振り絞りイクの元に向かう。”夫婦の絆”を問いた快作として、私は「星5」を投票します。巨熊は山の神の化身と信じつつ、…。
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No.18:
(5pt)

邂逅とは出会いの事

邂逅とは出会いの事、東北の山の中で様々な人と出会いながら人生を翻弄されていく富治の物語。のっけからマタギ猟のこれでもかとも思える詳細な叙述から始まる。こうやって今まで知らなかった知識を文中で与えてくれる作品は、かいくんのお気に入りである。この他に大正時代の炭鉱の生活、第一次世界大戦近辺の経済事情も見逃せません。肝心の物語は富治のマタギ猟の生活から始まるのですが、前半はちょっと心理描写に深みがない気がする。後半になってそこそこ胸に来る場面は出てきますが、ちょっとそれでも物足りない気がします。ただ、それを補って余りあるマタギ猟、雪山の描写の迫力は読み応え十分です。2000円と少々高めなのが難点ですが、オススメの1冊です。
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No.17:
(5pt)

直木賞も捨てたもんじゃない

かねてより、直木賞は小説ではなく小説家に授けるためにある賞だと言われていたと思う。実際に過去の直木賞受賞作を読んでも、ピンとこないことが間々あった。だけど、「邂逅の森」は違う。小説そのものが抜群に良い。壮大なスケール感と叙情性豊かな描写力で描かれたマタギの物語は、読む者の心にじんわりとした感動を与えてくれる。読後の深い余韻は、ここ何年か読んだ小説の中でも一番。直木賞を獲らなければ書店の片隅に埋もれ忘れられてしまったかもしれないこの本に巡り合うことが出来てとても幸運だったと思う。
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No.16:
(5pt)

感動した!

 新聞の書評をみて購入した。熊を狩猟するマタギの物語であり、私も含め一般の人にはなじみが薄い舞台設定だが、読み進んでいくうちにどんどん物語りに引き込まれていく。 著者は民俗学にも造詣が深く、本書はそういった見地からも読むことができるが、中心を貫いているのは実は純愛というべき男女の物語である。 最近、「セカチュー」に類する恋愛小説が多く、それはそれで面白いのであるが、本書はそれらとは一味違う。しんみりとした中にも躍動感があり深い感動を伴う読後感が味わえる、すばらしい小説である。
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No.15:
(5pt)

文句なしの本格派小説

なかなか厚い本ですが、つかれるように1日で読みました。マタギの世界だけでなく、当時の数々の風習が出てきて大変面白い。見えない神(自然)を大切にする心は近代化していく中でなくなっていく様子が手に取るように理解できる。我々には到達できない世界がここにある。読んでいて、「もののけ姫」のテーマとダブりました。石炭鉱山とタタラの違いです。夜這いがあったり、身分制度が残っていたり、娘を売ってしまう原始的な日本が描かれていますが、自殺者が3万人を超える現代は果たして進歩しているのだるかと思うのは私だけであろうか。著者の描写力にうなりますし、富治の波乱万丈の人生に胸を打たれます。クライマッスはまさに手に汗握る展開ですが、読んでからのお楽しみに。性の表現が直接的ですので、”繊細な”女性にはお勧めできません。映画ならR指定になるはず。読んで損はない力作です。
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No.14:
(5pt)

深い感動

マタギの世界を興味深く読んだ。マタギの世界に限らず,今はもう忘れられてしまったであろう,伝統やしきたりをこういう形で残していくことは大切であると感じた。物語は昭和のはじめで終わっているが,その後,マタギはどうなっているのでしょうか? 彼の息子は?あわせて,長い年月の夫婦愛にも感動した。夫婦とは騙しあい? 信じあい? 歳月とは,深い信頼を育ませるものと感じた。
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No.13:
(4pt)

邂逅=めぐり逢い

第131回直木賞受賞作品です。同時受賞の『空中ブランコ』とは趣向が異なり非常に重厚な内容の作品です。〝邂逅〟とは難しい言葉ではありますが要するに〝めぐり逢う〟というような意味合いです。この作品名である〝邂逅〟という言葉がこの物語の全てを語っていると思います。主人公富治はマタギとして人間として男として大きく成長していきます。そのマタギとしての人生に勝手にケジメをつけようとしたその時、本当の意味で始めて富治は〝山の神〟と出会い、そして自分の〝心の神〟である妻イクの元へといざなわれていくのです。とにかくこの作品のすみずみに行き渡る自然に対する畏怖・尊敬が読者である自分にも圧倒的な重みとなって迫ってくる様な作品です。それにしてもその描写力から、思わず日本地図を引っ張り出し、〝阿仁〟〝打当〟〝八久和〟を探してしまいました。地図上の阿仁には〝マタギの里〟として記載があり、一度この奥深いマタギの里へまさに〝邂逅の旅〟をしたくなったのは私だけでしょうか?
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No.12:
(4pt)

熊肉の思い出と『邂逅の森』

 奥会津で、はじめて熊の肉を食べた。美味しいとは言えないが、独特な味だ。スープが濃厚である。熊肉を食べたあと数日間、体がほかほかする感じがしたものだ。何回かご馳走になった。 その熊を撃った人と飲んだことがある。と、いうより、その人の家に押し掛けていってお話をお聞きしたと言った方が正確だ。飲みながら、熊撃ちや山のことについて話された。人間がいかに小さな存在か、ということを強調されていた。人間は銃を持つことでようやく熊と対等になる瞬間がある。その瞬間を捉えて引き金を引くというのだ。その瞬間以外は全てにおいて人間は熊にかなわない。そうおっしゃっていた。 『邂逅の森』を読んだ。明治から昭和にかけての物語だが、その当時の山の生活の描写がよい。先日の民俗学者の赤坂憲雄氏との対談(『朝日』)を読んで、この本を購入しておいた。 おそらく、この物語が描く時代あたりから山は大きく変化して行ったのではないか。その意味で、物語の末尾は、主人公と「コブグマ」と対決によって、瀕死の体を、死んだはずのその「コブグマ」(山の神)の幻に助けられ村に帰るわけだが、その後の物語が読みたい。山は、この時代以降、それこそ急な斜面を転げる落ちるように変わって行く。その中で主人公はどう生きていくのか。マタギになりたいと言った、彼の息子はどう生きていくのか。 山の神はいまだに生きているのだろうか。それは森がいまだに邂逅の場所たり得るのかということだろう。
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No.11:
(4pt)

ラストは、、

一晩で読み終えてしまいました、一気に読ませてしまう力強い。。文枝 イク 山の神コブグマ すべてが邂逅なんですね、、最後に富治がみたものは、、、現実だったんだろうか?
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No.10:
(5pt)

生きるために必要なこと

生きるために祈り、生きるために眠り、生きるために殺し、生きるために貪る。ここに描かれたマタギの生き様は、古代から変わらぬ人間の在り様を描いているように思える。それはおそらく、現代の都会人が憧れる「シンプルライフ」からもっとも離れたところにある。そんな暮らしも、遠景として描かれる遠くの戦争や富国強兵の国策の影響を受けて、少しずつその形を変えていく。山の民が古代から受け継いできた生き様も、やがて近代化の波に飲み込まれてしまうのだろう。とはいえ、彼が声高にそれに異を唱えるわけではない。貧しき者の、恨み節はない。彼も貧しいが、それは搾取される近代の労働者のそれではなく、生きるため以上には殺さず、食わない、山の民の倫理としての貧しさに思える。もちろん、貧しさゆえの悲劇は起こる。それに抗いもする。が、彼はもっとも獣に近い人間、猟師なのだ。獣が飢えれば死ぬように、彼もまた獣を獲ることができなければ飢えて死ぬ。考えてみれば、それだけのことだ。読み終えて、ふと思った。人間にとって大切なことは、生きるために祈り、眠り、殺し、次の世代に命をつなぐこと。ただそれだけを諒解するためにこの数百ページがあるのだとしたら、自分はずいぶん遠くに来てしまったのだ。
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No.9:
(5pt)

男の生き様。人の生き様。

「第131回直木賞受賞」のフレーズに魅かれ、手に取ったこの本。そして、一気に読み終わっていました。感想を言え、と言われたら、自信を持って絶対読むべきだといえます。そんな内容でした。マタギという仕事をして生活を営んでいた一人の男の、人生の生き様が描かれています。マタギや狩りについての専門的な知識を知らなくても、わかりやすく丁寧に描写されており、圧倒的な世界の中にただ、引き込まれていくと思います。自然と向かい合い、人生の壁と向かい合い、人生のパートナーと向かい合い、自分と向かい合う。その中で、主人公の葛藤や苦しみが実を結び、様々なものと邂逅していく姿に、深い感銘を受けました。どんな生き方を選ぶかは自分次第。でもこの本を読んで、生き方への考えが深まること必至です。
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No.8:
(4pt)

泥臭い

人間から原初から持っている、自然への恐れ、あこがれ、それをあますことなくマタギの生活を通して描いている。熱く官能的な性描写も、人間の生活の営みの一部として考えれば至極自然なものだと思われる。生きることの意味を見いだしていく喜びを与えてくれる作品。ただ、ラストには賛否両論あるのではないか?個人的な受け取りの差ではあると思うが。私はそれで、星4つとしてしまったが、読んで損のない作品。
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No.7:
(5pt)

最高です

マタギの世界。今までなぞに包まれた生活がこの本により実感できた。生きる者の力強さを感じる骨太の一冊である
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No.6:
(4pt)

人生は邂逅

初めタイトルが難しそうで、読めるかな?と思ったら、Hなお話が織り交ぜてあって、ついつい夢中?で読んでしまいました。邂逅はめぐり合いの意味です。熊とのめぐり合い、初恋の人とのめぐり合い、最良の伴侶とのめぐり合い。読後は爽快です。
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No.5:
(5pt)

分厚い内容にもかかわらず、一気に読まされた

第17回 山本周五郎賞第131回 直木賞 受賞作品自称ミステリーオタクとしては、テーマが重そうで、触手が伸びにくい作品であったが、個人的に特に山本周五郎賞受賞作と相性がよいので、読んでみた。全くの杞憂であった。確かにテーマとしては、重く、地味であるが、その筆力ゆえ、分厚い内容にもかかわらず、一気に読まされた。大正時代を背景に、東北地方の主人公が、道ならぬ恋のため故郷を追われ、また、天職と考えていたマタギの職も追われるものの、やがて厳しい自然と対峙しそして自己を確立してゆく物語である。作品中に印象的なシーンは数多くみられるが、特にラストのヌシとの対決の描き方は、その背景も含め見事としかいいようがない。今年読んだ本の中では、(現時点で)ベスト3に入る。個人的な感想としては、同じ「山本周五郎賞」受賞作家、帚木蓬生の「逃亡」と、(作品のテーマは全く異なるものの)作品のかもし出す雰囲気は似ていると感じた。この手の作品を手にすることが少ない読者にも、是非お薦めできる一冊である。
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No.4:
(5pt)

壮大なストーリー

まったく読んだことのなかった分野の本。読み終えた後の感動は、これまで味わったことのないくらいのものだった。明治、大正の東北の村を舞台にした、山の神を信じ、ひたすら熊を追い続けるマタギの男たちの物語。マタギの世界。最初は、マタギって何?っていうくらい、全く無知の世界だった。それが、どんどんどんどん引き込まれる。物語の最初から、全く無知の世界であるはずなのに、すぐそばで見ているかのような、ほんとに臨場感溢れる!狩りの様子が描かれている。そして物語は、主人公の波乱に富んだ人生を中心に展開する。14歳で、父や兄、他の村人と同じようにマタギとなった主人公・富治。それはそれは厳しい「山の掟」を守りながら、熊やニホンカモシカを追い、生活する。マタギは、ただの生活の糧として獣を狩るのではなく、大自然や獣に敬意を払い、生活する。とにかく、ストーリーの壮大さに圧巻、圧巻。男たちのかっこいい生きざま。なんだか、読み終えるのがもったいなかった。
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4163225706

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