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邂逅の森
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邂逅の森の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 101~120 6/8ページ
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| 直木賞と山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した作品。ということだが、そんな肩書を抜きにしても、読むべき小説。今まで、なぜ自分がこの作品を読まなかったのか、不思議な気がする。 物語は、マタギを生業とする主人公の青年期から壮年期にかけての生活を描いたものだが、基本的には、青年期に愛した女性、そして後に結婚をして娘をもうけた妻との間のラブストーリーだ。 東北の深い森の中のクマとの戦いを描いた動物モノ、自然モノではあるが、この題名の『邂逅』というのは獲物であるクマなどの自然動物と出合うということではなく、その動物の向こうにいる山の神というものだけではなく、その二人の女性、さらには、主人公自身との出会いを意味するのであろう。 クマを狩る部分の描写の素晴らしさはもちろんだが、二人の女性との関係、そして主人公自身の内面の葛藤など、自然に対する人間の奥深さを見事に描いていると思う。 こういう小説と出会うことがあるから、小説を読み続けることを止められない。物語の素晴らしさを満喫できた。 | ||||
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| 本屋でなんとなく手にして、なんとなく読み始めてみたら、取り付かれるように一気に読了していました。 読み進めていく途中で、何度も峻厳たる山々の映像が頭に浮かび、いつのまにかマタギである主人公に同化している自分に気づき、非常に心地よい感覚を味わうことができました。自分が日本人であるという当たり前の事実を久しぶりに実感しました。 個人的には、富治と文枝が数十年の月日を経て再会した場面で、二人が一線を越えなかったことに、リアルさを感じ、作者のその倫理観に感銘しました。 | ||||
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| マタギ本にはずれなし! といってもまだ数冊しか読んでないのですがどのマタギの本もかなりよかったのでした。 そして今日読み終えた「邂逅の森」も! マタギの里に生まれマタギになるも里を追放される主人公。 しかし男はやはり山でしか生きられないのだった。 もちろんマタギが主人公なのでまたぎの言葉や風習、文化とかかなり細かく書かれてるけど面白いのはやっぱり主人公の波乱に満ちた人生やその人間関係。 ちょっと悲しくなったりグッときたり。 ラストの山の主(クマ)との戦いは壮絶だった。 武器を失った人間の弱さ、逆に生命力の強さをビシビシ感じさせられた。 読んでからこの本作者のマタギ三部作の二作目だということを知る。 まじすか!? 1,3作目も読まんと!! | ||||
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| この作品の感想として、"圧倒的"という言葉が頭の中に浮かんできました。 ぐいぐいと引き込まれる文章、スケールの大きな大自然の描写、魅力的な人物たち、どれも素晴らしかったです。映画を見ているような感じでした。 お勧めです。 | ||||
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| 読んだのは、確か2年前。その年読んだ本の中でも、1、2を争うような強烈な印象があった。なのに、どこが、何がどうと言おうとすると、うまく言葉にならないのだ。恐らく本から漂い出た、現代生活の中では全く意識することのなかった、自然の大いなる「気」のようなものに、ただただ圧倒されたからだと思う。もちろん我々人間は、現在も自然の中で生きているのだが、自然と生活の境界線からずいぶん遠く離れてしまっているんだな…と考えさせられた。本来、生きるとは…という原始的なテーマが、圧倒的な迫力で迫ってくる。是非、読んでみて下さい。「思う」より「体感する」小説です。 | ||||
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| ◆2009年最初に読む本は、熊谷達也の小説で一番面白いと言われ、直木賞&山本周五郎賞を獲った「邂逅の森」を選んだ。 ◆東北の熊マタギ、松橋富治の一生を書いたこの本、熊狩りの場面が臨場感溢れ素晴らしい。それだけではなく、富治の激動の人生がこれまた素晴らしい。女郎だったイクを深く愛していた富治の情愛に、過酷な狩猟を屁とも思わない熊マタギの格好良さに、すべてに深く共感できた。今年最初に読む本が、これほどまでに面白い本だったので、今年はいいスタートが切れそうである。 ◆この本を読む前に「相剋の森」を読んだが、「相克の森」の主人公滝沢昭典の祖母の父が富治であり、女主人公美佐子の祖父は文枝と富治の息子幸之助である。という人物相関は、作者がマタギ三部作の構成を深く練り上げているから成せるのだろう。 ◆第9章、再開の場面は実に感動的である。 | ||||
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| 熊谷達也の作品は「まほろばの疾風」「ウェインカムイの爪」「漂泊の牙」等読みましたが中でも本作品が一番好きです。 初めて聞く「マタギ」の世界も新鮮で、また何と言っても自然と関わる主人公の力強さ、人間と関わる時の純朴さに自分を照らし合わせて考え考え読み進みました。 ずっしりと心に残る一作。 お勧めです。 | ||||
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| 時代に翻弄され、地域の因習につまずき、 荒ぶる自然に棲みかを求め、北へ北へと流浪する その姿はまるで獣 静寂の闇は大地に生きるものの一瞬のやすらぎ 読者の下半身までがうずき獣と化す 尚、付属解説「人生の喜び、よき邂逅」 田辺聖子の推奨文は超絶品! 過去これ以上の推奨文を読んだことはありませんでした。 | ||||
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| 本著から私が得たメッセージは、次の通りです。 1.人との出会いには深い縁があり、恐らくは出会うべくして定められたもの であろう、だからこそ出会いを大切にすべきである 2.人智を超越した存在=神様という存在を肯定するもしないもその人次第だ が、人は何かに生かされていると考えることは自然であり、その与えられた環 境の中で精一杯生きることが大切なことではないか 田辺聖子さんが、「すぐれた文学は読み手に、自分のそれとは全く違う人生を 体験させてくれる」と解説されていますが、正にその通りだと思いました。 自分の生まれた環境でマタギという仕事を愛し、止む無くその仕事を手放し 初めて愛した人と別れ、そしてまた新しい出会いを通して成長して行く富治 という男の生き様を体験し、 自分も与えられた環境の中で、自分の仕事を全うしたい、そして自分の活動す る世界を広げたい、また人との縁(出会い)を大切にしたいと強く思いました。 直木賞の名に全く恥じない、素晴らしい日本文学です。 | ||||
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| 富治はがちがちの伝統・しきたりのなかで生きるマタギ。 「山の神」を仰ぎ恐れ、形式的な儀式を重んじる。 しかし数奇な運命を辿る富治はわけあってそれらをないがしろにしてきた。 それでもなんとかマタギとしての生き様を誇示してきた彼はタブーを犯して山へ向かい、答えを出そうとする。その姿勢は誠意に満ちている。 なにも向き合う対象が大自然や山の神でなくてよい。富治のその姿は「今を生きる日本人」として現代を生きる読者にオーバーラップする。 ネクラ根性を輝かせようと必死な現代流行文学はターゲットがそのままネクラ読書家のみであって自分もそういう人種だが「邂逅の森」はワイルドに魂に響く。きっとかけがえのない読書体験になる。 普段小説を読まない輩でも読みやすい明快な文章でありながら、活字から木々の、汗の、動物のニオイまで漂ってくる!老若男女すべての日本人に推薦! | ||||
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| 主人公の富治はマタギとしては失格者なのだろうけど、どん底から這い上がる強さには惹かれた。 | ||||
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| えーと。ちょっとマタギの秘儀について、調べたくて読んでみました。 そういう意味では、あまり役にはたたなかったけど、ストーリーとしては面白いです。 地味で重厚で、なんつーか、NHK(笑 時間のあるときに、じっくりと読むといい感じ。 けっこうテンポがいいので、長編の苦手な人でも、だいじょうぶと思います。 | ||||
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| 最近出版された小説にしては、珍しく、地味で重い。昔はこのような小説が多かったが、最近は少なくなったように思う。明治、大正に掛けてのマタギの生活が描かれている。それに女。描かれている女は生々しい。そして熊との真剣な闘い。森の恵みを神から頂くために、真剣そのものである。独特のマタギの世界である。仲違いも虐めも嫉妬もない。そんな物があっては、獲物が捕れないし、命に関わる。ギリギリの世界で生きている。 現代は簡単に職が得られて、楽しく生きていけるように見えるが、仲間割れや妬みなど人間関係が面倒くさい。昔は食べていくのが大変だったが、人間関係で悩んでいることもなかったんだ。そうゆう意味でマタギの世界は読んでいてすがすがしい。 雪の冷たさが伝わってくる小説であった。 | ||||
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| 東北の狩猟で生計を立てる「マタギ」の物語。作者ならではの東北の雄大な自然を満喫できます。東北の自然は本当に神がかっていて、自然の力強さを我々に見せてくれます。秋田、山形という設定も地元の私には強く訴えかけてきます。 本作の凄さは自然賛歌だけの物語ではなく、一人のマタギの人生を描ききっているところにあるのです。その人生もすざましく濃いものであります。富治の辿ってきた人生、出会った人々、恋愛、全てが読者の心に響きます。本当に良い読書体験でありました。 人間を自然の一部分として捕らえた時に、自然と対峙しなければなりません。その経験は現在では殆ど体験することが出来ません。本書に触れることでその一端を垣間見ることが出来ます。 | ||||
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| 秋田のマタギ富治の大正から昭和初期にかけての半生を描いた作品。抗い難い力によって人生の重荷を背負わさされた人々が、それでも懸命に生きていく姿は感動的です。テンポの良いストーリー展開にぐいぐい引き込まれる感じ。クライマックスの富治とクマの死闘は物凄い迫力です。 | ||||
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| 凍てつく東北の山に暮らすマタギ、富治。富治の半生をマタギという狩人としての暮らし、圧倒的な自然の中で壮大に描いた力作巨編。読み始めるやストーリーにぐいぐい引き込まれ、一気に読了した。読書の悦びをストレートに再認識させる本だ。文句なく★5つ。 | ||||
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| ものすごい驚くべきストーリー展開というわけでもないし、 血脇肉踊るサスペンスフルなシーンが連続するわけでもない。 それでも、ここに描かれた一人の男の人生を通して、自然とは、文化とは、 女とは、親子とは、命とは・・・いろんなことが深く胸に刻まれる本です。 マタギである主人公は、どちらかというと駄目な男だったりする。 身分違いの女への愛に溺れ、ある意味で転落し、そこから這い上がり、 また予想外の女と結ばれる。 それでもなお、昔の女への未練も残っている。そんな生々しい欲望 をきっちり書かれている。 そんな人間らしい主人公だからこそ、山に入って猟に臨むときに神々しいほどの ストイックさに、胸を打たれました。 直木賞はともかく、山本周五郎賞にふさわしい力作だと思います。 | ||||
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| マタギ「松橋富治」の物語です。 自然・獣と命懸けで対峙するマタギ・・・山の神様への畏怖・・・究極の状況に身をおくことで研ぎ澄まされる感覚。 富治を取り巻く女性の健気さ...。 自らが生きようとして生きていく姿、純粋さに息が詰まる程の感動を覚えると同時に、雑念だらけで自然への畏怖や感謝の気持ちすら忘れ、心の底から湧き上がる達成感も感じることのない自らの生活に思い至ってしまいました。 富治のように、「山の神様」に潮時なのか否か憂いなく聞けるように自らが生きようとして生きて行きたいと痛切に感じました。 何年か後に再び本書を読み、どう感じるか試してみたいと思います。 | ||||
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| ワクワクやドキドキが有った訳じゃないんだけど、ずっしりと読み応えがありました。何が残ったかというと良く分かりません。感動したかどうかも分かりません。でも、生きることに頑張ろうと思いました。読んで良かったと素直に思いました。 | ||||
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| 邂逅の森… 読み進めていくうちに考えさせられた。 現代の人間は、そして自分は、 本当に生き物としての本来の生を生きているのだろうか…? 厳しい大自然と生身のまま対峙し、 共存して生きたマタギのひとり、松橋富治… ひとたび山に分け入れば、 紛れもなくそこには命のやり取りがあり、 知恵の限りを尽くして獲物と勝負する。 獲物を仕留めた時には思いっきり息を吸い込み、 「勝負!勝負!」と腹の底から声を発っし、 木霊する雄叫びにより仲間の漁師たちに宣言する。 それは最も高揚感の滾る瞬間であり、 同時に自分が手にかけた獣の死を見つめる時でもある。 獲物となる獣たちへの敬意と、 人智を超えた自然の営みに神を感じた時代… 季節が巡り、その変化から、 そして自らの内に宿る生き物としての衝動により、 今の瞬間をどう生きるべきかを感じ取っていた時代… 多分ボクには同じ生き方は出来ない… でも、読み進めるうちに、 登場するマタギたちの生き方に想いをはせ、 何と生き生きとしているんだろう!! 心からそう感じ、意外なほど強く羨望を覚えた。 人間の作った人間の社会という身勝手なシステムに 余りにもどっぷりと浸かり、 生かされていることへの感謝や敬意を忘れがちなボクにとって 生きるって、なんだろう…? 人間として、生き物としての本来ってなんなのだろう…? 「邂逅の森」は、そんなことを考えさせてくれる、 強烈に迫ってくる一冊でした。 | ||||
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