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邂逅の森
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邂逅の森の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 81~100 5/8ページ
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| 山本周五郎賞と直木賞を受賞した作品。 大正〜昭和時代で、超自然的な考えと近代的な考えの混在化した時代。 当時の明暗の文化を描き、自然と人間の関わりを描いた、一人の波乱万丈の人生を送ったマタギ(山猟師)が主人公。 古い時代を描いた作品ながら、2004年に書かれた小説であり、読みやすく分かりやすい。 それでいて当時のマタギがどういったものだったかを興味深く分かりやすく説明しながら物語を読み進められる。 また、仕事にかける情熱や楽しさを上手に描写しながら、当時の文化と上手く絡ませた葛藤を描いている。 性的な描写も多いので、嫌いな人は嫌いかもしれない。 感想としては、面白い。 色々なテーマがありそうな作品だが、自分が一番印象深かったのは、主人公・富治の男の生き様である。 仕事に対する姿勢と、マタギという仕事に対する高揚感や緊張感、そして楽しさ。 一寸先は闇という、何が起こるかわからない展開。結婚観など、どれも様々な感情が交錯していて見ごたえがあった。 また善も悪も登場人物が全員生き生きとしており、個性的でよかった。 全体を通して涙が出たり、手を止めるほど感情が揺さぶられるようなことはなかったが、全体を通して無駄なく退屈せず読めて、全体を通して面白い作品だった。 文章の上手な作品で、続きを積極的に読みたくなる作品。 総合で☆4.2。オススメです。 | ||||
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| ストーリーはアマゾンの内容紹介が簡潔に言い尽くしています。 付け加えるとすれば、時代設定が大正〜昭和初期である、ということくらいでしょうか。ひとたび凶作ともなれば娘を身売りに出さざるをえないような、そんな厳しい時代の物語です。 わたしは『山背郷』ではじめて熊谷氏の作品を知りました。 マタギや川船乗り、潜水夫など過去のものとなりつつある厳しい肉体労働のさまをリアルに力強く描き出す筆運びに感嘆しました。 この作者はいったいどういう経歴の人だろう、肉体労働をしていなきゃこの描写はできない、と思いウィキを見てみたところ、理系の大学を出て学校教師や保険代理店業を営まれていたとのこと。 ということは資料と想像力のみでこんなリアルな描写を成し遂げたのか!二度びっくりしたものです。 で、本作。マタギを主人公とした長編、しかも直木賞と山本周五郎賞ダブル受賞というので期待しないわけにはいきませんでした。が、わたし的にはちょっと肩すかしでした。 「リアル職業小説」、あるいは「ジャック・ロンドン風野生の叫び」を期待していたのですが、本作の眼目はむしろ恋愛ドラマ、家族ドラマにあります。内容はむろん異なりますが印象としては『おしん』に近い。 むろんマタギの現場、マタギの生活は主題のひとつなのですが、色濃い描写が味わえるのは冒頭とラストだけです。しかもラストの方はいささかドラマチックで大仰にすぎ「リアル」とは言いがたい。 主人公は鉱夫としても働くのですが、その描写も『山背郷』のレベルには至っていない気がします。 自分の個人的な期待は別にしても、小説としても、なにかちょっと中途半端というかうねりのようなものが、この分量とみなぎる力感のわりに、少ないような気がします。重厚な装いを剥ぎ取れば本作の本質はわりに陳腐なホームメロドラマかもしれません。 でも、もし本質が陳腐だとしても装いは本物です。装いを味わうべし。 | ||||
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| 読み応えがあり、素晴らしい作品です。 数人の方に紹介しました。 | ||||
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| 現代人がわすれた生への追求。面白すぎて漫画版まで購入して読んだ。 | ||||
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| 表紙、中身ともにきれいで問題ありませんでした。 期待通りでした。 | ||||
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| 正直、読み始めは「なんだ山に生きる男達の話か。」ってな感じで、つまらなければ途中で読むのを辞めようと思っていたのですが、いやぁ〜。本の中に入っちゃいましたねw マタギなんて聞いた事がある程度で、自分が知らないマタギ用語もけっこう出てきます。 だけど本の中に入っちゃうのは、容易に映像を頭に浮かばせてくれるその文体、筆力でしょうか。 映画にしたい人けっこういるだろうな〜。 | ||||
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| 東北のマタギの半生を描いた傑作。 マタギを生業とするものがかつていた、ということくらい知らなかったが、読むに連れてぐいぐい引き込まれ、自分も一緒に銃をぶら下げて深い山林に分け入っている気持ちになってくる。 小さな頃にロビンソン・クルーソーを読んだとき、自分も本当に絶海の孤島に一人ぼっちになったような気がした、あの読書体験。 本書はそんな引き込みの強さがある。 『邂逅の森』というとっつきにくいタイトルと、マタギの半生に、ややもするととっつきにくさを感じる向きもあろうが、ぜひ一度手にとって見て欲しい。 東北訛りの読みにくさなども含めて、それらを補ってあまりある読書体験を与えてくれる一冊だと思う。 近年の直木賞受賞作の中でもレベルの高い作品だと感じた。 | ||||
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| 今日読み終えて直木賞の中でも読み応えのある本でした。マタギ猟の厳しさや生と死の狭間で命懸けの狩りを行う緊張感なのが伝わってきました。昔ならではの山のしきたりや禁忌などもあり、とても読み手を楽しませるものが含まれていたと思います。ぜひ読んでみてください。 | ||||
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| おもしろかった。しかし大衆文学だなと思った。 とはいえ、当時の生活のことを良く書けている。 「羆撃ち」「羆嵐」と読んできて、ヒグマではないがこれも熊系の本に入れておきたい。 富治の身の振り方が、意外とあっさりしているなと思った。本来のマタギの姿ではないかもしれない。 ストーリーは邂逅というほど神聖な感じはしない。人々が自然の恵みを受けて生きているからなのだろう。 色恋沙汰や最期の格闘は、獣と一緒。自分はこういう姿に憧れがあるから、楽しく読めた。 こういう生活が好きではない人もいるだろう。最後は好き嫌いの問題になるのかなと思った。 | ||||
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| このような小説が書けるとは・・・・ 私は、この小説を読んで、日本人としてビビッとこない人間は 日本人として認めたくはないですね。 これは日本の「老人と海」です。 とにかく、読め! 読んでから四の五の言え! | ||||
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| 時代は大正時代、場所は東北。自然に挑むことで生かされる人々の姿と、そんな人々と自然に囲まれて成長する主人公が描かれる。 「自然の中には、小賢しい思想よりも、もっと大きなものがある。」 著者熊谷達也氏はこう語ったそうだが、本書を読むとそんな著者の思いが真正面から伝わってくる。 山間を駆けるマタギの吐息が聞こえる程に描写は躍動的。純朴且つ壮大、こんなに浪漫に充ちた物語を読んだのは久し振りな気がする。 | ||||
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| そんな読み手の人生や価値観のはるか上方にズッシリと佇むような 重みと読み応えのある本でした。 | ||||
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| この物語には「生き物臭さ」が充満しています。 一つは、熊、アオシン(鹿)といった動物たちの生命力、言ってみれば獣臭です。狩りのシーンをはじめ、自然の描写がとにかく臨場感たっぷりで、読む者を一瞬にして雪深き山奥へと連れ去ってくれます。その筆力は見事というほかありません。 そしてもう一つは、登場人物たちの人間臭さ。主人公だけでなく、物語に登場する人物たちはみな、決して品行方正な心の持ち主ではないし、大きな偉業を成し遂げるわけでも、人が羨むような幸せを手にするわけでもありません。むしろ、嫉妬や欲望、保身にかられて道を踏み外し、世間的な幸せとはほど遠いところで生きています。 ただ、その生き様が何とも人間臭く、生命力に満ちているんです。彼らは獣同様、生きる事に必死。決して器用ではないし、華麗でもないのですが、そのひたむきさは読む者の心を強く打ちます。 物語のクライマックス、己の生き方を山の神に問うた主人公には、壮絶なドラマが待ち受けます。その答えの残酷さと気高さ。 圧倒的な自然の力の前に、人や獣に与えられた、たった一つの使命が厳然なまでにあぶり出されます。それは「生きる」ということ。 もし読むなら文庫版を強くお勧めします。田辺聖子の解説もまたすばらしいので。 | ||||
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| 『邂逅の森』を読んだ。この小説を読んでよかった。 すばらしい読書体験。 人を饒舌にする優れた小説は沢山あるけれど、これは何も語らせない。 沈黙。 ああ、何だろう?小説万歳。 マタギになりたい。 いや、読んでいる間、おらはマタギだった。 | ||||
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| マタギは好きだが色恋はどうでもよい.と思っている人は中途半端な気持ちになるだろう。 厳しい自然の中の掟と鍛え上げられたチームワークでニホンカモシカや、熊を捕まえ、山の神に 祈りを捧げるマタギたち.その描写にはグイグイ引き込まれるが、色恋の話になるともうどうでもいいのである。 人生に色恋は必要だけれども、色恋の話を読んだり聞いたりすることは私には必要ないのである。 以上個人的事情。 | ||||
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| ミステリーではないにも関わらず、構成がとてもおもしろい。 伏線がうまく機能し、いつの間にか、主人公の人生を最後まで見たいと思わせる展開で楽しめた。 | ||||
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| マタギと呼ばれる東北の猟師の世界で生きる 一人の男の深い生き様を描いた作品。 主人公はもちろんのこと、他の登場人物すべての人間性の肉付けが しっかりしていて そんなキャラクターたちが、そして東北の冬の雪山が、 頭のスクリーンにめいっぱい映像を広げてくれる。 一見とっつきにくそうな登場人物の方言も 読むのにまったく苦にならなく 逆に生々しすぎるくらい。 展開のタイミングが絶妙すぎて、だらだらとした部分が まるでなく最後まで飽きない。 どきどきされっぱなし。 読んだ後は 主人公を通して人生のフルコースを堪能したかのような 錯覚に陥る。 心に残る、というか意識してずっと残していきたい作品。 | ||||
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| この作品、山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞ということで期待して読んだが、正直言って、僕の趣味ではない。 確かに、「マタギ」という題材はとても新味がある。また、この本を読みながら、日本の大正期、特に東北地方山中での暮らしぶりや、雪積もる山の中での狩りの様子、第一次世界大戦の軍事需要に沸く鉱山の活況などが鮮やかに想像できた。その筆致は当時の時代風俗を蘇らせ、東北地方の土や森の香りを漂わせている。 ただ、物語の展開は男女の関係がとても色濃い。これが好きな人もいると思うが、僕にはちょっと・・という感じ。また、山のヌシを追う最終場面は容易に想像される展開に思えた。 | ||||
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| マイミクさんに紹介されて読みたいと思いました。 シリーズで購入したかったのですが、取りあえずまずこの本から。 読み終わったら又購入するつもりです。 お家にいながら、読みたい商品が手に届くと言うのは、とっても嬉しいです。 | ||||
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| マタギという職業の詳細を、全然知りませんでした。 でも、狩猟にあたり、獣の特性、山の地形や特徴、天候予測、そしてチーム員一人ひとりの長所短所を考えながら 作戦を練り獣をとる、最初の狩猟のシーンにまず圧巻されました。「勝負!勝負!」という掛け声に、気分が高揚しました。 この物語は、富治というマタギの人生を克明に描いています。 と同時に、今の時代にないがしろにされているさまざまなことに対する問題提起も、しているように思えます。 山の掟、と呼ばれる職業倫理を彼らは大事にしています。 ときには不可思議な掟もありますが、それは昔からの人々の知恵で出来上がったものです。 マタギは、山の、自然の声に耳を傾けながら、山を神聖なものとして畏れてもいます。 人間と自然との、猟という行為を通しての交わり。それ自体が神聖で、美しい荘厳さを感じます。 決して欲のままに獣をとってはならない、というマタギの掟。 今の欲望だらけのこの世の中を、恥ずかしく思いました。 なれない地名や方言、山の言葉に最初は戸惑いましたが、あとは一気に、面白く読みました。 | ||||
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