■スポンサードリンク


大誘拐



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

大誘拐の評価: 7.93/10点 レビュー 28件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.93pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全13件 1~13 1/1ページ
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

面白い!

昔の本でも面白いものは色褪せない。終わり方も良かった。

こばーん
HQ3B68GC
No.12:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

大誘拐の感想

骨組みのしっかりしたユーモアミステリーでした。
登場人物がそれぞれに魅力があり好感も持てますし、得意分野で活躍(?)するありがちな流れではあるのですが、誘拐という事件を通して繰り広げられるコンゲームはエンタメとしても楽しめますし論理的な視点から見ても非の打ち所がないほど良く出来ていました。

ただ、一昔前の作品なので、平成生まれの人には作品世界にすんなり入りにくいところはあるかもしれません。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

mkaw11
HAAP6CBX
No.11:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

読んで痛快、終わって爽快の大傑作!

世の中、傑作と呼ばれる作品はけっこう多いが、これは正真正銘の傑作。週刊文春が募集した20世紀ベストミステリで見事1位にも輝いた作品。とにかく冒頭から最後まで終始予想も付かない展開でしかもコミカルで敵味方双方のキャラクターも立っており、読後、この上なく幸せな気分になれるというけなしようが無い作品だ。

最初私がこの作品に触れたのは岡本喜八監督の映画版で、原作の存在は知らず、テレビで放送された映画を観たらあれよあれよという間に引き込まれてしまった。そして数年後ミステリに再び興味を持った私は『遠きに目ありて』で天藤作品に触れ、そこで彼の代表作が『大誘拐』というのを知った。そのときは昔観た映画と同じ題名だなぐらいしか思わなかったが、書店で探したところ、角川文庫で主人公のとし子刀自を思わせる暖かな微笑を湛えた老婆が正座する版画図とその右隅に“レインボーキッズ”と名乗っていた誘拐団の面々のイラストが小さく描かれており、そこで初めてあの映画と原作と作者が一致したのだった。

映画が面白かったので原作はなお面白かろうと迷わず購入し、読んだところ、期待以上の面白さ。そのときは単純に映画をなぞるような読書だったが、今こうして内容を振り返るとかなり奇抜なアイデアでエンタテインメント性に満ち溢れた作品だというのが解る。
まず和歌山の山林を所有する大地主の柳川とし子刀自が“虹の童子”と名乗る誘拐団に攫われた。が、しかしなぜかその後の犯行計画の指示を出すのは誘拐された当のとし子刀自。しかも身代金まで自分で決める始末。その額なんと100億円!しかも身代金受渡しの模様をテレビ中継しろという前代未聞の要求を警察に出す。事件の捜査の指揮を執るのはとし子刀自に大恩ある井狩警部。しかし誘拐事件のセオリーからことごとくかけ離れた“虹の童子”らの要求に警察、マスコミそして全国民は翻弄されていく。

と、このようにあらすじを書いただけでもその面白さは解ると思う。誘拐された当人が犯行を企て、さらに身代金は破格の100億円!この作品が書かれたのは80年だが、当時から貨幣価値が下がった現代でもその金額は驚嘆するものがある。誘拐事件を扱ったミステリで作品の肝となるのはやはり身代金の受渡し方法だろう。単純に100億と読者を驚かすだけならば簡単に書けるが、80年代当時、インターネットも無かった時代にネットバンキングで画面上の数字を右から左へ動かすだけで金を送金できるわけもなく、当然受渡しは現金。その量、なんとジュラルミンケース67個分!この大量のお金をどう強奪するのか、このアナログ感覚が実にいい!
とにかく警察の思惑の裏の裏を行くとし子刀自の指示と全く予想が付かないストーリー展開はかなりミステリを読まれた方々でも面白く読めるだろうし、また結末で明かされるある真相は看破できる人はそういないのではないだろうか。

また映画にも触れたい。概ね小説、マンガの映画化作品というのは原作の出来を上回ることは無く、むしろ原作を阻害したと作品を愛する者たちから激昂を買い、けちょんけちょんにけなされるのが常だが、本作においてはそれは全くない。よく「先に読むか?先に観るか?」と云われるが本作はどちらでもよい。前述したように私は最初に映像から入ったクチだが、逆に原作でそれぞれの登場人物が映画のキャストで想起され、イメージ豊かな読書になった。これは映画版のキャスティングが実に優れており、また原作のテイストを損ねることなく、丁寧に作られた証左だと云える。読書中、とし子刀自は北林谷栄氏であり、井狩警部は緒形拳氏で、くーちゃんは樹木希林氏だった。古い作品なのでレンタルショップにあるかどうか解らないが、もし見かけたらこちらも観る事をお勧めする。

読んで痛快、終って爽快のこの作品、私の読書人生で5本の指に入る傑作だと断言する。

Tetchy
WHOKS60S
No.10:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

大誘拐の感想

なんと素敵なおばあちゃんでしょう。
この作品が30年以上も前に書かれた作品だということに驚きです。
ただの痛快なエンタメ小説ではなくて、
緻密に計算された仕掛けがしっかりミステリーしているところが何よりも素晴らしいです。
名作と呼ばれる所以だと思います。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.9:15人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

大誘拐の感想

かつて虹の童子という誘拐犯がいた。
その1人、戸並健次は3度目の刑期を終え、社会復帰を目指していた。
しかし、彼は刑余者に対する世間の厳しさを十分に自覚していた。
社会復帰するには元手が必要である。
ではその元手をどうやって得るか。
彼は誘拐による身代金を元手に社会復帰しようと計画した。
雑居房で知り合った秋葉正義、三宅平太を仲間にし、標的は紀伊半島の大富豪柳川家、齢82の当主柳川とし子刀自とした。
入念な準備と失敗を重ね、念願叶って計画の第一段階、としの誘拐に成功する。
完璧な計画と思いきや、計画の第二段階であるアジトへの移送中、としに肝心のアジトについて計画の穴を指摘されてしまう。
ではどうするかと途方に暮れる中、何と誘拐されたとし自身がアイデアを出す。
としのアイデアに助けられ、誘拐犯と標的どちらが主従かわからなくなる中、ついに身代金の話へ。
健次たちの要求金額は5000万円。
しかし、その時それまで従順だったとしが初めて怒る。
何と柳川家当主の身代金が5000万円では安すぎる、100億円要求しろと譲らない。
結果、身代金100億円という前代未聞の金額となり、日本のみならず世界規模の大事件へ。
はたして一連の誘拐事件は無事成功するのか。
虹の童子の運命は―・・・
という展開です。

とてもユーモラスで面白い作品でした。
誘拐ものですが、誘拐ものにつきものな要素はあまりありません。
理由や背景に暗い負の感情がない。
誰も死なないどころか血なまぐさい展開もない。
仲間割れなどややこしい人間関係もない。
登場人物はそこそこ多めですが、皆性根の良いキャラクターです。
それぞれキャラクターが立っており、憎めない愛らしさもあります。

金額だけでなく、やることなすこととにかくスケールが大きく、いっそ清々しいです。
個人の身代金が100億円なんて、現在でもあり得ない金額です。
交渉や引き渡しもやることが大胆で、天晴れという気持ちになります。
一方で、地理や距離、所要時間、資金繰りや税金などについては、解説を読む限りある程度現実に即しているようで、作者の文才と緻密さに感嘆させられます。

1978年に執筆された作品とのことで、社会背景や一部文章などに時代を感じさせる箇所はあります。
しかし、あまり古さは感じず、今なお斬新でユーモラスと思えます。
人情味あふれる作品で、読了後は爽やかかつ心温まる一冊です。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

あんみつ
QVSFG7MB
No.8:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

大誘拐の感想

これこそ名作。会話の面白さを含め、文章が素晴らしく美しいです。登場人物もみな愛すべきキャラクターで、嫌味が無い。悪人が出て来ないと退屈かと思いきや、それはそれで良いもんですね。
途中先が読めない展開も、それぞれ綺麗にはまって行き、良く出来ております。一つ文句を言えば、身代金受け取りの方法がやや強引か。これしかなかったのかも知れませんが。
しかし、全編に溢れるユーモアは楽しく、ラストへ至るまでのストーリーも非常に好感が持てました。古い作品ですが、未読の方は是非おススメ。10点満点。

なおひろ
R1UV05YV
No.7:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

ユーモア・ミステリの白眉


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

ショボタン
G1380KCM
No.6:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

大誘拐の感想

とっても楽しかった!最初から何かが上手くいく安心感がありました。気持ちよく読めます。おすすめです。

aspol
NY52ZXBG
No.5:19人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

大誘拐の感想

被害者であるお婆ちゃんが誘拐犯に全面協力する。
・身代金100億円。
・被害者と家族との対面をTV生中継。
・身代金受け取りを世界生中継。
兎に角、奇想天外でスケールがでかい。

誘拐犯3人組の間抜けっぷりも憎めないのですが、何と言ってもお婆ちゃんのキャラクターが最高。
日本ミステリー史上に燦然と光り輝くキャラクターではないでしょうか。
器が大きく、80歳を超える年齢でありながら、西之園萌絵並みに計算が早い(笑

誘拐という題材を、ここまでユーモアたっぷりに描いているのも凄いが、ただユーモラスなだけではない。
作者は、そのスーパー婆ちゃんを通じて、家族愛であったり、社会問題に対する意見提起を行なっている。
読み手も、お婆ちゃんがそう言うなら間違いない という気にさせられるのではないだろうか。
絶大なるお婆ちゃん効果である。
そして、この作品の一番素晴らしいところは、主要登場人物の誰も悪人にならず、皆が成長するという点である。
これを傑作と呼ばずして何が傑作か!! 絶対にお薦めです。

梁山泊
MTNH2G0O
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

大誘拐の感想

おばあちゃんが見事なエンターテイメント。
多くの人が面白いというのも納得でした。

Umosuke
R5IJL8HR
No.3:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

爽快な誘拐物語

著者は関わる皆を大切にする刀自同様、
本書にでてくる人々をとても大切に温かく描いているのが印象的です。

ミステリの特性から事件を扱うにも関わらず、
すべてが気持ち良く丸く収まる様は本当に気持ち良い。

おばあちゃんが本当に良いキャラしてます。
価値観や物の考え方を伝えるインプット&アウトプット。
凛とした振る舞いの裏に見えた内なる悩み。
おばあちゃんが本当に魅力的でした。

なかなかの活劇で傑作です。

egut
T4OQ1KM0
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ナイスなおばあちゃん

誘拐物を楽しく読める作品。
スピード感抜群で面白い。
読み終わった後も良い気持ちになれる、そんな本。

DSk
Y3WJP1IC
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

良かった!!

誰も死なない、傷つかない、血が出ない。こんな話が大好きです。
朝の殺伐とした満員電車の中でも、読み終わったあとに爽快感が味わえます。
何度でも読みたい1冊です。

みかん
RL78PMXV

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!