鈍い球音
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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日本シリーズ目前に、東京タワーに登った監督が忽然と消えてしまう謎を追う本格ミステリ。野球を絡めているのが新鮮で面白かったです。 | ||||
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『遠きに目ありて』をきっかけに名作『大誘拐』と読み進んできた私の天藤作品体験にある意味、決定打を打ち込んだのは数年前に古本で購入した本書であったと今にして思う。前作『死の内幕』までの時には私の目に狂いがあったかとも思ったが、本書を久々に読んで、ああやはり間違ってはなかったと思いを新たにした。ここには天藤作品のエッセンスがぎっしり詰まっており、また本書から天藤テイストが定着したかのように感じられる。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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新本格の諸作品のように謎解きをメインに据えたミステリではなく、どちらかというとユーモアとそこはかとない寂寥感をもったストーリーを読ませる小説のように思いました。 日本シリーズを背景とした物語は、シリーズの進捗と併せてドラマチックな展開を見せてくれますし、一抹の寂しさと未来への希望を感じさせる幕切れも良い味を出していると思います。 ミステリに興味は無い野球好きの人や、落語の人情話が好きな人にも訴える物語ではないでしょうか。 | ||||
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1971年に青樹社から出た単行本の復刊・文庫化。ほかにも色々な版がある。 天藤真らしい、仕掛けとどんでん返しに満ちた作品。軽妙なユーモア、独特の語り口もいかにもといった感じ。 ストーリーとしては破綻している部分が少なくないと思う。構成に懲りすぎていて、一読して分からない箇所もある。しかし、クルクルと筋が展開して、クライマックスへと進んでいくので、引き込まれるように読んでしまう。 いったん読み終わった後、すぐに再読すると良いかも知れない。 | ||||
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一作々々作品に趣向を凝らす天藤氏であるが、まさかスポーツ(野球)に手を広げるとは。「陽気な容疑者たち」から天藤氏の作品を読んでいる私だが、氏がどれだけプロ野球について知っているか不安だった。 ミステリの分類とすれば一応誘拐物であろう。東京ヒーローズをペナント・レース優勝に導いた監督1年目の桂が日本シリーズを直前にして失踪する。当時の状況から考えれば、相手チーム関係者による誘拐がまず考えられる。記者がこの失踪の謎を追うのだが...。 失踪の謎の裏には、桂が東京ヒーローズの監督を任された理由も絡んでいる。しかし、この説明には「勝負事はそんな思い通り行く訳ないだろう」という感想を持たざるを得なかった。この背景の弱さが作品の迫力も弱めていると思う。作者にしては珍しい構想の破綻であり、それも慣れないプロ野球に手を出したからであろう。 なお、題名の「鈍い球音」は東京ヒーローズが勝ちを決めるシーンで、打者が会心のヒットではなく、ボテボテの内野安打で決める事による。この辺は如何にも天藤氏らしい。そんな天藤氏が不得手(であろう)なプロ野球に挑んだ異色作で、ファンには見逃せない一作。 | ||||
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著者は、『陽気な容疑者』が第8回江戸川乱歩賞の最終候補作となり、『大誘拐』で第32回日本推理作家協会賞を受賞している。 プロ野球で万年最下位の東京ヒーローズが、今年は桂監督のもと日本シリーズに進出した。その相手が監督の古巣である大阪ダイヤであった。因縁の日本シリーズの前日、人に会うということで東京タワーに寄った監督が“ひげ”を残して忽然と消えてしまった。その場に居合わせた投手コーチの立花は、友人で新聞記者である矢田貝に監督の行方を探すよう依頼する。極秘のうちに、監督の娘の比奈子を加えて矢田貝を中心とした特別捜査班が組まれ捜査が開始された。そして監督の身辺を洗う矢田貝たちのもとに、監督の居場所を知らせる1本の電話が…。犯人はいったい誰なのか? 東京ヒーローズはどうなってしまうのか!? | ||||
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軽快で楽しい球界ミステリ。登場人物の魅力はハンパでない。著者は鬼籍に入っておられるので、もう新作が読めぬとは、本当に残念なことだ。 | ||||
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