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白い僧院の殺人



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白い僧院の殺人の評価: 7.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これは確かに傑作

H.M卿の元に訪れた甥のジェームズ・ベネットはハリウッド女優マーシャ・テートらが集う「白い僧院」と呼ばれる屋敷でクリスマスを過ごす事になったと告げる。その館の主、モーリス・ブーンの脚本がこのたび映画化されることになり、それを祝ってのパーティだった。
その三週間前にマーシャ・テートに毒入りチョコレートが贈られ、あわや毒殺されそうになるという事件が起きていたため、ベネットはこのパーティに不穏な空気を感じていた。
果たして彼が屋敷に着くと、昨晩から降り続いた雪が積もっている中に、別館に向かう足跡が一筋あるのに気付いた。別館の玄関の陰に立っていたモーリスの弟ジョン氏は、別館でマーシャが殺されていると告げた。死亡推定時刻は雪の止んだ午前3時15分なのに、そこには発見者であるジョン以外の足跡はなかった。この奇妙な謎にH.M卿が挑む。

どうして解らなかったんだろう!こんなに簡単な事だったとは。
カーの代表作としてあまりにも有名な本作。確かこの雪の足跡のトリックは数々の推理ゲームの本にも取り上げられていたと思うが、まんまと引っかかってしまった。

18章の最後の一行は靄の中を訳も解らず歩いていたら、すっと一筋の光が差し込んできた感じがして、思わず声を出して唸ってしまった。
そして今までキャサリンかルイーズかどちらか解らない女性が別館を訪れる件も整然と説明され、久々に本格の美しさを感じた。
犯人役は正直納得行かないが、それを補って余りあるロジックの美しさだ。これほどシンプルな内容を11人の登場人物で捏ね繰り回して複雑にするとは、カーは根っからドタバタ喜劇が好きなようだ。

しかし、やはり文章は読みにくい。しかしそれは訳文が悪いというよりもカーの文体それ自体が、回りくどく、しかも改行が少ない1ページ当たりの文字密度の濃さによるところが大きいように思った。上の要約文を書くのに、かなりの付箋を要したのがその証左だろう。

世にはびこる傑作・名作は数あるが、これは確かに傑作の部類に入る。カー最盛期の作品はやはり凄かったと今回認識を改めた。



▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

足跡モノの名作

不可能犯罪の巨匠カーによる足跡モノの名作。
幻想的な雪景色にたたずむ館、そして密室。と魅力的なシチュエーションがたまらなかった。
読者のミスリードが上手く、トリックも盲点的でシンプルなのも良い。

Ariroba78
5M53WTS6

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